【完結】転生って人の心とかないんか?―有象無象のヒーローごっこ、三歩下がってついといで。 作:まだら模様
前半で自分の設計図をボロカスに言われて、心折れとる奴はおらんやろうな?
もしそうなら、その程度の設計やったっちゅーことや。
後半は、俺の『投射呪法』や『空写』と設計思想が共鳴する連中が揃っとる。
特に、吹出くんや唯ちゃん……。
あいつらの個性の『跳ね方』は、A組の突出した連中とはまた違う、理にかなった面白さがある。
(……そして最後は、あの男や。
B組でもA組でもない場所から、這いずり上がって設計を組み直してきた男。
……心操人使。
あいつをどう評価するか、俺自身も筆が進んでしゃあないわ)
雅な設計図、最後の一片まで晒(さら)してやりますわ。」
※本作には筆者独自の解釈および、禪院直哉というキャラクターの視点による評価が多分に含まれます。
原作とは異なる捉え方をする部分もありますが、その違いも含めてお楽しみいただければ幸いです。
キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。
お気に入り登録、感想、評価付与は直哉が扇子を仰いで雅に「おおきに」と言うかも…?
いや綺麗なドブカス(?)は存在しないかもしれません。
誰に頼まれたわけでもない。
ただ、A組、B組、プロヒーロー……と書き進めてきたら、最後は「ここ」に行き着いてしもうた。
雄英高校、教師陣や。
(相澤先生についてはすでに批評済みやから、それ以外やな)
あくまで俺個人の「設計の評価」や。
曲がりなりにも教えを乞う立場やからと言うて、手加減するつもりは毛頭ない。
——言うまでもなく、反吐が出るほどドブカスな感想が含まれる。
大人連中の「完成された設計図」、剥き出しにしてやりますわ。
意図的に分析の批評は他人が見る(広まる)批評、評価という設定にしているので評価を見る人のために
地の文の部分だけ標準悟にしているという設定があります。
ある日の放課後、直哉は事物の机にて思考に耽っていた。
(…まぁ、ここまで来たら。ここも批評しとくのも悪かないやろ。分析は俺の設計に直結するさかい)
そうして、直哉は有英教師陣の批評を書き始めた。
一 プレゼント・マイク(山田ひざし)
評価:「設計と人格の乖離が一番激しい。……でも、本物や」
英語担当。「ヴォイス」——声を増幅させ、音波兵器として放つ。
空写で読んだマイク先生の気配は、とにかく「うるさい」の一言だった。
(正確には、気配の『外殻』がガンガン鳴り響いとる。でも、その内側は全然違うんや。そこには相澤先生への友情、生徒への過保護なまでの愛情、そして場の空気をミリ単位で読む冷静さが潜んどる)
外の騒がしさと内の静謐。これほど乖離した人間は珍しい。
(前世、俺は『外面と内面を使い分ける』処世術を禪院家で叩き込まれたが、マイク先生はそれを『キャラクター』として完成させとる。雅やないが、技術としては一級品や)
俺は静かに読み、先生は大声で上書きする。
(相澤先生との長年の補完関係……設計のパズルとして、これほど『正解』に近い形もそうそうないわ)
【総評】個性の設計A。外側の騒音D。内側の冷静さS。「うるさい人間ほど内臓が静か」という逆説の体現者やな。
二 ミッドナイト(香山睡)
評価:「使い方が難しい個性を、設計力で『最強』に仕立てとる」
現代文・倫理担当。「眠り香」——自身の体香で周囲を眠らせる。
この設計の欠点は「自分も眠れる環境やないと展開しにくい」という自縛(じばく)にある。
(換気が良ければ霧散し、屋外では効果が薄れる。……でも、ミッドナイト先生はその制約を『設計の一部』として組み込んどる。衣装での視線誘導、接近戦の身のこなし。全ては香を吸わせるための布石や)
前世の「縛り」に近い概念。制約を逆手に取って出力を上げる戦い方は、観察に値する。
(……露出の多いコスチュームについては、前世の家柄なら『三歩後ろを歩け』と説教垂れるところやが、今世の俺は『設計として有効なら問題ない』という結論に達しとる。機能美の一種やな)
【総評】個性の設計B。制約の中での設計力A。倫理の先生が一番倫理から遠そうな格好をしとる……その矛盾もまた、設計の妙や。
三 セメントス(石山堅)
評価:「設計の方向性が、一番『相澤先生』に近い男や」
現代文担当。「セメント」——コンクリートを自在に操る。
(建設と破壊が表裏一体。壁を作る手で壁を崩す。俺の投射呪法の『固定と解放』が同じ一秒から出る設計と、よく似た贅沢な構造やな)
相澤先生が「無効化」なら、セメントス先生は「支配」だ。
期末試験で切島くんらを完封した「戦わずに勝つ」設計……。
(力尽きるまで無機質な壁を出し続ける。情を排したその設計は、戦術として最上位や。……まんじゅうが好きとかいう余計な情報は、俺の評価軸には一切入らへんけどな)
【総評】個性の設計A。不戦勝の体現者A。角張った見た目通りの、頑強な設計思想を感じるわ。
四 スナイプ
評価:「一点特化の完成形。武人としての設計が美しい」
3年担当。「ホーミング」——絶対的な命中精度を誇る射撃。
(攻撃、防御、支援……そんな軟(やわ)な多機能設計は一切ない。ただ『当てる』という一点のみに魂を削り出しとる。その潔さ、清々しいほどやな)
俺の「鏃」も射出の設計やが、スナイプ先生の純度には敵わん。
(前世の禪院家では『一芸に秀でた術師は信頼に値する』という基準があった。この人はその最上位や。ソーセージが好きとかいう牧歌的な情報は、設計のノイズでしかないけどな)
【総評】個性の設計S。設計の深度S。その銃口の先に、迷いの設計図は一片も存在せえへん。
五 エクトプラズム
評価:「本人と分身の乖離がドブカスに面白い先生や」
数学担当。「分身」——口からエクトプラズムを出し、分身を生成する。
(この設計は俺の術式との接点が面白い。分身を『複数の空虚呪法、または鏃』の代わりに配置できれば、戦場の面制圧が完了する。空写の情報と同期させれば、文字通りの神速の軍隊が作れるな)
ただ、学生時代に「分身を使って遅刻をごまかした」という逸話を聞いて呆れたわ。
(……術式の私的流用。前世なら家訓違反で折檻(せっかん)もんやが、そのドブカスな設計センスは嫌いではない。カラオケで36人の分身が出る光景は、設計というよりただの怪奇現象やけどな)
【総評】個性の設計A。遅刻回避の設計センスB。一人称が『我』の割に、遊び心が過ぎるわ。
六 ブラドキング(管赤慈郎)
評価:「B組への愛情という『呪い』を燃料にしとる設計や」
B組担任。「血液操作」——自らの血を武器や拘束具に変える。
(自分の血を削るという『縛り』。使えば使うほど命が目減りする自傷の設計や。前世の呪術界にも身を削って出力を上げる術式はあったが、それを教職で維持し続けるんは並大抵やない)
物間くんの歪んだ対抗心を真正面から受け止める気配の強さ。
(『俺のクラスが最強や』という担任の気配と、生徒の熱量が完全に一致しとる。指導者として、これほど正しい設計図はないわ。血を流して背中を見せる、不器用な設計やな)
【総評】個性の設計A。指導者としての熱量S。B組がA組を食おうとしとるんは、この人の設計の影響がデカいわ。
七 13号 (黒瀬亜南)
評価:「力の大きさと自分自身を『知っている』。救助設計の極地」
救助専門。「ブラックホール」——指先から全てを吸い込み、消滅させる。
(空写でも対策が最も難しい、文字通りの『詰み』個性や。でも、俺がこの先生を美しいと思うんは、そこやない)
本来なら最強の殺戮兵器になり得る力を、13号先生は全力で「救助」へと繋ぎ止めている。
(『強さが何のためにあるか』。俺最終的に見つけた問いへの答えを、この人は体現しとる。……素顔が見えへんのも、個の主張を消して救助という『設計』に殉じとる証拠やろな)
【総評】個性の設計S(破壊的意味で)。強さの用途S。雄英で最も『静かな強さ』を持つ人や。
八 根津校長
評価:「全体を見渡しとるが、一番のドブカス設計家や」
「超脳力(ハイスペック)」——圧倒的な演算・洞察能力。
(空写の『全体を読む』方向と似とるが、根っこが違う。俺は観測者、この人は演算者や。……俺がこの小動物をドブカスやと思うんは、雄英のシステムそのものの設計やな)
未成年をヴィランと対峙させ、何度も命の危険に晒す育成方針。
(『全てを見越した上』で、学生を盤面の駒として動かしとる。その設計が正しいのか、学生の命を安く見積もりすぎてへんか。……俺には判断できんが、少なくとも俺が校長なら、もっと『雅』な守り方を考えるわ)
【総評】超脳力の設計S。校長としての倫理観——保留。見た目と中身の非一致度は、甚爾くん以来の衝撃やわ。
九 リカバリーガール(修善寺治与)
評価:「縁の下の設計、その『本物』を知りたければこの人を見ろ」
保健医。「治癒」——相手の回復力を活性化させる。
(キスの対価は『相手の体力の消耗』という縛り。無限の奇跡やない、等価交換の設計や。……デクくんが今も五体満足でいられるんは、このお婆(ばあ)さんが折れた設計図を繋ぎ直してきたからやな)
「縁の下の力持ち」という言葉は、目立たないことを前提にしとって嫌いだ。
(せやけど、この人については別や。俺は反転術式があるから必要ないんやけどこの人がおらんと、雄英という巨大な設計図は一日で破綻する。……お婆ちゃんにキスされることへの評価? 俺はノーコメントを貫くで)
【総評】個性の設計A。存在の不可欠性S。雄英で一番、敵に回してはいけない設計の鍵やな。
十 まとめ——雄英教師陣への総評
全員を書き出してみて、確信したわ。
雄英の教師陣は、個性の方向性が笑えるほどバラバラや。
(広域制圧、救助、建設、回復、分身、超知能……。共通項なんて何一つない。……でも、全員が『教育』という一つの設計思想の下で、相澤先生に足りんピースを埋め合っとる)
個性の多様性を、組織の多機能設計として昇華しとる。
前世の禪院家のような、血筋と伝統に縛られた硬直した設計とは対極の場所。
(……設計として、正直に言わせてもらうわ)
——雄英高校は、ドブカスに面白い場所やな。だからこそ壊し甲斐があるってもんや。
以上、雄英教師陣の設計評価や。
(……ふぅ。一通り書き出してみて、改めて確信したわ。
雄英の教師陣は、個性の方向性が笑えるほどバラバラや。
広域制圧、救助、建設、回復、分身、超知能……。共通項なんて何一つない。
……でも、全員が『教育』という一つの設計思想の下で、相澤先生に足りんピースを埋め合っとる)
個性の多様性を、組織の多機能設計として昇華している。
前世の禽院家のような、血筋と伝統に縛られた硬直した設計とは対極の場所。
不安定な突出より、安定した積み上げを組織単位で体現している。
(……設計として、正直に言わせてもらうわ)
——雄英高校は、ドブカスに面白い場所やな。
……さて、砂藤くん。
これを職員室の近くに置いとくのは流石に雅やないから、君のところに預けとくわ。
(……根津校長にだけは、絶対に見つかるなよ。あの小動物、俺の設計の裏まで読みかねんさかいな)
これにて、今回は終わりや。
ほな、またな。