【完結予定】転生って人の心とかないんか?―有象無象のヒーローごっこ、三歩下がってついといで。   作:まだら模様

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砂藤くんに「他校の連中やサポート科はどうなんや」と訊かれた。

(……傑物や士傑、それにI・アイランドの令嬢か。あの辺の連中も、空写で読めば設計の『癖』が強うて面白いわな。特筆すべきはBig3やが……あいつらはもう、設計の次元が違うとるさかいな)

ええでしょう。1-A、1-B、教師陣……と来たら、仕上げにこれや。

他校の名門校や、戦う力を持たんはずのサポート科。

あいつらがどうやって「ヒーロー」という設計に無理やり自分をねじ込んどるか。

例によって、俺個人の「設計の評価」や。

——当然、ドブカスな本音しか並べへんで。

雅やない設計図を抱えとる奴は、これを読んで精々身の程を知りなはれ。

本作には筆者独自の解釈および、禪院直哉というキャラクターの視点による評価が多分に含まれます。
原作とは異なる捉え方をする部分もありますが、その違いも含めてお楽しみいただければ幸いです。

キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。

お気に入り登録、感想、評価付与は直哉が扇子を仰いで雅に「おおきに」と言うかも…?
いや綺麗なドブカス(?)は存在しないかもしれません。

意図的に分析の批評は他人が見る(広まる)批評、評価という設定にしているので評価を見る人のために
地の文の部分だけ標準悟にしているという設定があります。



第85話:後日談編⑧「禪院直哉・学外他校&サポート科「混成」評価録」

 

 他の生徒やプロヒーローの評価をしていることが広まり、意外と評判が良く他の学校の人の評価やプロヒーローの批評を聞きたい。

 直哉のキレのある言葉で聞きたいなど。その批評、評価内容は広まっていた。

 

 (次もし考えるなら…他校の生徒や有英BIG3やな。光るものを持っとるものも多い。この俺が精密な評論で完璧な設計(評論)をデザインしたるわ)

 

 そう思考に耽った後、直哉はノートを開き、批評を始めた。

 

 

【雄英Big3】

 

一 通形ミリオ

 

評価:「設計の欠陥を、執念というバグで上書きした怪物や」

 

「透過」——全身をすり抜けさせる。

 

この個性の設計は、本来「自爆」に近い欠陥品だ。透過中は呼吸もできない。光も通さない。音も聞こえない。

 

(……そんな不完全な設計図を、死ぬ物狂いの反復と経験則で『最強』に仕立て直した。その執念は雅やないが……完成したその立ち姿は、否定しようがないほど機能美に満ちとる。設計の破綻を技術で捩じ伏せた、最もドブカスに強い男やな)

 

【総評】設計の修復力S。実行速度S。服が脱げる設計の不細工さだけが、唯一の欠点や。

 

二 天喰環

 

評価:「設計の素材選びが一番贅沢で、一番自信のない男や」

 

「再現」——食べたものの特徴を体に発現させる。

 

(……喰ったもんをそのまま設計図のパーツにする。これほど自由度の高い『後付け設計』は他にないわ。タコでも貝でも、その時必要な最適解を即座に組める。……それなのに、本人の気配がこれほど弱気なのは何でや? 設計図は王者のそれやのに、中身が追いついてへん。ドブカスにもったいないわ)

 

【総評】後付け設計の多様性S。メンタルの脆弱さD。もっと自分の『格』を自覚しなはれ。

 

三 波動ねじれ

 

評価:「設計の出力効率が一番悪いのに、力技で解決しとる人や」

 

「波動」——活力をエネルギーにして衝撃波を放つ。

 

(……エネルギーを『ねじれ』させることで、速度を犠牲にする代わりに威力を上げとる。設計としては、極めて非効率や。でも、その減衰を補って余りある圧倒的な『活力(リソース)』で全部解決しとる。設計の稚拙さを馬力で踏み潰す……ある意味、一番プロらしい傲慢な設計やな)

 

【総評】リソースの暴力A。設計の効率B。その好奇心旺盛な気配は、俺の空写には少し眩しすぎるわ。

 

【士傑高校】

 

四 夜嵐イナサ

 

評価:「設計の『熱量』が一番高すぎて、周りを焼き尽くす風や」

 

「旋風」——風を自在に操る。

 

(……空写で読んだ時、この男の設計の『大きさ』に酔いそうになったわ。数百の風を別々のベクトルで制御する繊細さと、ビルを薙ぎ倒す圧倒的な出力。設計図のスケールが、同世代の中では頭一つ抜けとる。ただ……その『熱血』すぎる気配がドブカスに暑苦しい。静かに風を吹かせんかいな)

 

【総評】広域制御能力SSS。気配の暑苦しさSSS。轟くんに執着しとる設計の歪み……それはそれで、人間臭くて雅やないけどな。

 

五 現見ケミィ

 

評価:「設計の虚実が一番曖昧で、一番『阿呆』な女や」

 

「幻惑」——霧状の幻を作り出す。

 

(……幻を作る設計は、俺の空写には通じへん。気配の『核』が見えとるさかいな。でも、こいつの場合はその核すらも『空っぽ』に近い。何を考えて設計しとるのか、空写で読んでもノイズ(若者言葉)が多すぎて解読不能や。ある意味、俺の天敵かもしれへんな)

 

【総評】幻惑の精度A。思考のノイズレベルSSS。話が通じへんという意味で、一番雅やない。

 

六 肉倉精児

 

評価:「設計の審美眼が一番ズレとる、傲慢な彫刻家や」

 

「精肉」——肉を捏ねて加工する。

 

(……『伝統』や『品位』を重んじる気配。前世の俺に一番近いかもしれへんが、その美的センスはドブカスや。他人を肉団子にする設計のどこに品位があるねん。でも、自分の理想のために他人の形(アーキテクチャ)を否定するその傲慢さ……それは、教育者としての一つの形かもしれへんな。反吐が出るけどな)

 

【総評】変質の強制力S。美的センスの破綻D。君の言う『品位』、一度じっくり問い詰めたいわ。

 

七 毛原長昌

 

評価:「設計の物量が一番『暑苦しい』人間や」

 

「伸毛」——全身の毛を自在に伸ばす。

 

(……空写で読んでも、毛、毛、毛。情報の密度が毛に偏りすぎや。隠密にも拘束にも使える汎用設計やが、その見た目の雅やなさには閉口するわ。士傑の制帽が、その毛の海に浮いとる様は、もはや喜劇やろ)

 

【総評】物量の制圧度A。清潔感の欠如E。

 

【傑物学園】

 

八 真堂揺

 

評価:「設計の表裏が一番激しい。……俺と同類やな」

 

「揺動」——触れたものに振動を与える。

 

(……空写で読んだこの男の気配は、外面の『爽やかくん』とは似ても似つかん、ドブカスに濁った野心の色をしとったわ。でも、その黒い感情が振動の周波数を研ぎ澄ましとる。自分の不細工さを理解した上で、勝つための設計を組んどる。嫌いではないわ)

 

【総評】振動の貫通力A。外面のメッキ度S。その濁った気配、大切にしなはれ。

 

九 中瓶畳

 

評価:「設計の収納効率が一番不気味な人間や」

 

「折り畳み」——体を折り畳める。

 

(……設計をコンパクトにまとめる、という意味では究極やな。でも、畳まれた時の気配が不自然すぎて、空写で読むと酔うわ。雅やない。ただ、隙間から飛び出してくる不意打ちの設計は、暗殺者としての筋はええかもしれへんな)

 

【総評】空間占有率の低下S。見た目の生理的拒絶感C。

 

【サポート科&I・アイランド】

 

十 発目明

 

評価:「設計の『目的』が一番狂っとる、ベイビー(発明品)の奴隷や」

 

「ズーム」——遠くまで見通す。

 

(……個性が設計のためにあるんやなくて、設計のために個性が酷使されとる。空写で読む彼女の気配は、人間というより『駆動し続けるエンジン』や。道具を作るために自分自身を道具にしとる。その執着、狂気……。ドブカスに面白いが、近くにおったら俺の平穏な設計が壊されるわ)

 

【総評】開発速度S。自己犠牲の欠落(狂気)S。俺の術式を『ベイビー』にしようとするんは、やめなはれ。

 

十一 メリッサ・シールド

 

評価:「設計の『純度』が一番高い、持たざる者の完成形や」

 

「無個性」。

 

(……個性が無いことが、これほど強固な設計の根拠になるとはな。自分が持たんからこそ、他者の『持てる力』を最大限に引き出すための外装(ガジェット)を組む。彼女の設計図には一切の迷いがない。俺がI・アイランドで見た、最も雅な『無』やった。心操くんと同じく、設計外から世界を書き換える気配やな)

 

【総評】ガジェットの精度S。設計の純粋さS。個性なんていう不確かなもんに頼らん強さ、認めんこともないわ。

 

 

以上という形で批評をまとめた。

 

「BIG3や他の学園にも中々綺麗に評価できたんやない? これこそ雅な設計図…デザインや」

 

満足した直哉は、批評した内容を一度しまい。クラスを退出したのであった。




(……ふぅ。学外の連中まで読み解くと、改めて雄英1-Aの歪さが際立つな。
特にBig3。あいつらはもう、自分たちの欠陥を設計の一部として受け入れ、その上で頂点におる。
夜嵐くんや真堂くんも、自分の『ドブカスな部分』や『暑苦しさ』を燃料に変えとる。
結局、設計っちゅーのは綺麗なだけではあかん。
自分の醜さ、足りなさをどう『機能』として組み込むか。
それができとる奴が、本物のヒーローへの設計図を書き上げられるんやろな。
……まあ、俺の『投射呪法』に勝る設計なんて、どこを探しても存在せえへんけどな。)

砂藤くん。

この他校の評価録、もし士傑の肉倉くんに見つかったら、俺を肉団子にする前に、その帽子の位置を直せと言うといて。

(……あの夜嵐って男も、次会うた時はもっと『静かな風』を吹かせろと伝えてくれ。耳が痛いわ)
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