「ここが、俺が今日から通うIS学園っつー学校か………」
ここはIS学園の校門前、1人の少年、いや、少年と言うには面構えが良すぎ、青年と言うにはなんとなく違うと言った顔つきの青年が立っている。
「ふっ……俺とした事が、初日から遅刻たぁ、な…」
カッコつけて笑っているが既に遅刻を知らせる鐘が鳴っている。因みに遅刻の原因は寝坊したという有りがちな理由だ。
しかし!この男、いやこの漢!一切めげず恥じてもいない‼︎むしろ堂々と門をくぐると胸を張って歩き出した‼︎がーーー
「そこの生徒、遅刻だ、止まれぃっ!」
面を食らった顔をして声の方向を見る漢。そこには、メガネを掛けたガタイのよい男がいた。恐らく警備員だろう。
「そこのお前、遅刻だぞ!わかっているのか?」
「ああ、そんな事百も二百も承知だ、それがどうしたって言うんだ?」
「わかっているなら話は早い、お前を通すわけにもいかん。その見た目、この学校の新入生で唯一の男だろうが…不審者かもしれん。教師を呼ぶからちょっと待ってろ」
「おいおい、ちょっと待ってくれる!俺は不審者じゃないぜ、あんたも今『新入生で唯一の男だろう』って言ったじゃないか!それに、そんな事してたら………自己紹介の時間に間に合わないだろうっ‼︎」
「そんな事ぁ知らねえなぁ…遅刻してきた奴が悪い」
「くっ……確かにそうだから反論出来ないぜ…だがよ!それでも俺は自己紹介の時間に間に合いたいんだ!どうしてもダメってんなら…!」
漢が構える。何故そこまでして自己紹介をしたいのか、それはこの漢のみぞ知るものである。しかし、そこまでするということは、何か譲れないものが、プライドがあるのだろう。
「力づく、ってか。いいぜ、来い!高校時代柔道部だった俺にお前のような中坊上がりの新入生が勝てるかよ!」
「やってみなくちゃ…わからないだろうがっ‼︎」
ウォォォォ、と雄叫びをあげながら警備員に殴りかかる漢。
「ふん、そんな真っ直ぐな攻撃簡単に読めるんだよっ!」
そしてその拳を掴み、そのまま漢を自分の後方へ投げる。漢は投げられてそのまま地面に落ちるがすぐ立ち上がり「ふふっ…!」と笑う。
「どうだっ、坊主!負けを認めてじっとしていやがれ‼︎」
「負け?ふっふっふ…俺のいる場所を見てみろよ、警備員さん!」
「お前のいる場所?…はっ⁉︎まさか坊主貴様っ⁉︎」
「そうっ‼︎俺は今ワザと投げられてあんたの後方、そう!」
大きく息を吸う漢、そして唖然とする警備員。
「あんたの後方の校舎側に立つ為に殴りかかったのさ!」
「ま、まさか坊主…てめぇ、そこまで計算していやがったとは…!」
「…ふっ、あたぼうよ!全部俺の計算によるものだぜっ!(本当は全部偶然の偶々だけど言ったらガッカリさせる気もするしなんか恥ずかしい気がするから黙ってようっと)」
ーここでIS学園について説明しよう。まずISとは、女性しか使用できないパワードスーツのようなものである。一機で軍隊一つ分よりも強く、伝説のメジャーリーガー「イチロー」よりも弱いくらいの言うなれば兵器であるっ!そしてIS学園とはそのISの正しい使用方法を学ぶため、そして外敵との戦い方を学ぶ為の学び舎である。その為、ここは女の園のようなところである。以上、説明終わりっ‼︎
しかし、この門の中では、女の園とは全くもって間逆の暑苦しい空気が流れていた!
「俺としちゃあんたに背を向けて校舎の方に走りゃ終わりなんだが…それじゃ決着がつかねえ!」
「…てめえ、漢じゃねえか…だがもうそろそろ入学式が終わる時間だ。これで終わらせてやる、全力で来やがれ、坊主!」
「ああ、行くぞ警備員さんっ!ウォォォォォォッ‼︎」
警備員に向かって走り出し、ジャンプする漢。そしてーーー
「な、ナニィ⁉︎空中で後ろに下がって、さらに後転だとぅ⁉︎」
そう、この漢はめちゃくちゃな事を今あっさりとやってのけたのだ‼︎
「これだけで驚いてちゃ世話がねえぜ!いくぜ、昇さん直伝!」
「滝沢、キィィィィィィックッ‼︎‼︎‼︎」
叫びながら警備員に飛び蹴りを放つ。空中での後転に面食らって反応出来なかったのか、反応が遅れもろに腹に滝沢キックが入りうずくまる警備員。
「…てめぇの勝ちだぜ、坊主。だが、どうやってあんな動きをしたんだ?」
「そんなもの、決まってるじゃねえか…」
ふっ、と勝気に笑い、ひとこと。
「そんなもん、これが二次創作の小説だからに決まってんだろっ‼︎」
「…なるほど、な…言われてみればそうじゃねえか…恐れ入ったぜ、お前名前は?」
かなり滝沢キックでダメージを負ったのか、息も絶え絶えになりながら聞く。
「俺か?俺は………」
腕を組み、堂々と仁王立ちし、名乗る。
「炎の入学生ーーーー‼︎」
「…へっ、通りで強いわけだぜ…ほら、いき…な…」
ドサッという音と共に地面に倒れ伏す警備員。めちゃくちゃ痛かったらしいが命に別状はない。
「…ありがとう、警備員さん!貴方のことは、絶対に忘れないぜっ!」
そう言って、走り出す。自分の教室へ、とにかく早く。
「えーっと、次はーーくんなんですけど…なんでいないんですか〜⁉︎」
校舎内を走って20分、漢は自分の名前が呼ばれている教室を見つける。
「ーーくん⁉︎ーーーーくーん⁉︎」
「はいっ‼︎俺はここだぜっ‼︎」
思いっきりドアを開け、盛大な音を響かせて教室に入る。教室は思いの外シーンとしており、たった一人以外はポカンとした表情を浮かべていた。そのたった一人とはこの漢の幼馴染みである「篠ノ之箒」である。
「…あっ、えっと、じゃあ、自己紹介お願いします…」
「はいっ、わかりました‼︎」
状況が飲み込めず、困り顔に涙目で漢に自己紹介を頼むメガネの教師「山田真耶」、そしてその言葉を笑顔で受ける漢。そして、自分の名前を大きく黒板に書き一言。
「俺は炎の入学生、織斑一夏‼︎スポーツとかボクシングとか大好きだ‼︎そして好きな言葉はーーー
『逆境』だっ‼︎
これから1年間、みんなよろしくなっ‼︎」
ニカっと笑い、親指を上げサムズアップをする。その後ろから人影が忍び寄るが………
「むっ‼︎織斑エスケープ‼︎」
いきなりジャンプして緊急回避をする漢、いや一夏。そして一夏がいた場所には、出席簿が振られており、顔が真っ赤の美人の教師がいた。
「いきなりでとんだ挨拶だぜ、千冬姉!」
「もっとまともに、大人しく挨拶しろっ‼︎そしてやめろっ!いちいち回避するのに『織斑エスケープ』とかそういった具合の技名を叫ぶのはっ‼︎同じ織村として恥ずかしい‼︎」
「恥ずかしがってちゃ必殺技は使えねえんだぜ千冬姉」
「そうじゃない、そうじゃないんだ‼︎もう、なんていうかもう……預ける家を絶対間違えた…」
頭を抑えながら壇上に立ち咳払いをして表情を整える千冬。
「…諸君。私がこのクラスの担任を勤めることとなった織斑千冬だ。貴様ら新人を一年で使い物になるIS操縦者にするのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな?」
「わかったぜ‼︎」
「お前はもう喋らないでくれ……私の胃に穴を開けたいのか?」
「大丈夫さ、だって俺の姉貴だもん‼︎」
「なんなんだお前のその根拠は…うっ、胃が………」
「大丈夫か、千冬姉?」
「もういい…もういいから…うう…ゴホンッ、SHRは終了だ。諸君らにはこれから半月でISの基礎知識を覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で叩き込め。いいか、いいなら返事をしろ。良くなくても返事をしろ。私の言葉には返事をしろ」
『はいっ!』
「へっ、これからすげえ面白くなりそうだぜっ‼︎」
読み返してみるとこの一夏はIS無くていいんじゃないかと思いますね。