炎の入学生   作:3kuni

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お久しぶりです、炎の入学生始まります


第5話!「一夏初陣!男式誕生の巻」

 時は流れて、今日はセシリアとの決戦の日!現在、我等が主人公織斑一夏は!

「もうだめだ、おしまいだぁ!!」

 第三アリーナAビットでうずくまって泣いていた!何故こんな情けないことになってしまったのか、それは少し遡る!

 

 ―――十分前―――

 

「ふっふっふ、さあ、今日が決戦だ!」

 そう颯爽とAビットにやってくるのは織斑一夏、この時はまだ戦意もマックスであり、意気揚々としていたいつもの一夏だった。

「そんなに余裕があるのか?」

 そう聞くは一夏と共に過ごし、そして一夏の訓練に付き合ってきた篠ノ之箒。少々ゲンナリしているが、それもその筈。この熱血少年の特訓とは即ち「必殺技の特訓」、普通の人からしてみれば恥ずかしいどころの騒ぎではないのである。しかしそれにもかかわらず一週間フルで付き合わされたのだ、その上一夏に「箒も必殺技を作ったらどうだ!? 」などと言われ逆に箒の特訓になっていたりもしたのだ。そんな事がほぼ毎日続いたため、こうなってしまうのも無理も無い。そんなことも露知らず、晴天のような晴れやかな笑顔を浮かべている一夏は、

「ああ、心と身体には余裕しかないぜ!」

 と答えて拳を握り締める。

「そ、そうか! ところで、作戦とかはあるのか? 」

 そんな一夏の姿にすこしばかり気になったのかそう尋ねる箒。

「ああ、作戦ならあるぜ! 正直言って、かなり無茶な作戦だけどな………でも、今の俺ならやれる、そんな気がするんだ」

 いつものように自信満々な顔だが、一夏の声は少しばかりトーンが低い。

「無茶な作戦………それは一体どんな作戦なんだ?」

 興味津々な様子の箒。想いを寄せる漢のそんな顔を見せられればそれも当然か。

「ああ、それはだな、まずこう、セシリアが撃ってくるだろ?」

「ああ、そうだな」

「それを避けて、近づく」

「うむ」

「そしたら、また撃ってくるだろ?」

「ああ、接近戦向けではないからな」

「そしたらまた避ける」

「うむ。………うん?」

「どうした? 顔色悪いぞ?」

「い、いやなんでもないんだ。続けてくれ………」

 既に嫌な予感がしはじめる箒。いや、それでもまだ何かあるのかもしれない、そう思い先を促す。

「変な箒だなぁ………まあいいや、それで避けて避けて避け続けて、一撃も食らわずにブルー・ティアーズに必殺の滝沢キックを打ち込む! な、完璧な作戦だろ!? 」

「………ああ、完璧な作戦だよ、一夏。完璧に不可能な作戦だ! お前、やっぱり馬鹿だろう!?」

「なにっ、不可能だとっ!? そんなはず無い、出来るはずだぜ!! 」

 頭を抱える箒。いつから一夏はこんなことになってしまったのだろうか。きっと不屈家に居候してからだろうなぁ………

「第一なぁ、やっても無いのに不可能って言うのは違うと思うぜ、箒! じゃあお前は、俺が絶対にセシリアに勝てないと思ってるのか?」

「なっ、それは思ってないが………」

「だろ? それと同じさ、やってみないとわからない!」

「むっ、そ、そう言われれば確かにそうかもしれないか………」

「だからきっと、出来るんだぜ!」

 実際不可能の難易度はセシリアに勝つことよりも全て避けることの方が格段に上であり、一夏の言っていることは間違いなのだがこーも畳み掛けられてしまえばそういう風に説得されてしまうのも仕方が無い!

「ところで、俺はどのISを使えばいいんだ?初めての操縦………ああ、初めてじゃないか、多分今回で三回くらいか………ということは、俺は今までに二回しかISを動かしていない!?」

 瞬間、一夏に稲妻走る。そう、彼は今更になってISを殆ど練習で動かしていないことに気づいてしまったのだ!! そして、膝から崩れ落ちてうずくまり、頭を抱えて「あああぁぁぁぁ~~~………」と情けない声を出す。

「い、いきなりどうしたんだ一夏、らしくないじゃないか!? 」

「ほ、箒………俺はさっきまで、IS操縦になれている体で作戦を立てていた。だが、気づいてしまったんだ!! 俺は、ずぶの素人だ! もうだめだ、おしまいだぁ!!」

 

 ―――現在に戻る―――

 

 つまり、簡単に説明すると『いきなりIS操縦に自信が無くなり負け犬モードになってしまった』のである。そんな一夏の元に誰かが走ってくるのを確認する箒。

「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」

 それは、いつもお馴染みの副担任の山田先生だ。

「せ、先生………」

「ど、どうしたんですか先生、そんなに慌てて」

 負け犬状態で山田先生の方を向く一夏と、そんな一夏に代わって対応をする箒。

「えーっとですね、そのですね、お、織斑くんのですね」

「俺の………?」

「せ、専用機が届きました!」

 専用機。その言葉を耳にした瞬間、一夏はまたしても雷に打たれたような表情になった。

「そういうわけだ、織斑。早く準備をしろ、でなければ死ね」

 少し遅れてやってくる千冬。いつもどおり厳しい言葉を一夏に投げかけるも、一夏の耳には少しも届いておらず。

「ふっふっふ………」

「い、一夏? 」

「お、織斑くん?」

「おい、織むr―――」

 突然のへんな笑いに心配する箒、山田。そして嫌な予感のする千冬。三人が声を掛けた瞬間―――

 

「うわーはっはっはっはっはっはっは!!!

 

 来たぞ!!!!

 

 これだ、これこそが【逆境】だっ!!!」

 

 そう、今までの敗北確実と思っていた一夏の耳に入った「専用機」という言葉が敗北ムードから今の状況を【逆境】へと変えたのだ!! 今となっては一夏にとって不可能なことは無い、そう思えるくらいに熱くなっているのだ!!

「先生ェっ! 俺の専用機は一体どこにあるんですか!? 」

 山田先生に掴み掛かる一夏。気づいていないが、無意識に顔をすごく近づけているため、山田先生は顔がまるで熟れたりんごかのように真っ赤である。

「え、えっと、そ、そこです、そこにありますぅ~~~」

 それだけ言って指を指すとプシュウッとでも言うかのように蒸気を出して気絶してしまう。

「ありがとう!」

 それだけ言って指を指した方向を見ると―――

 そこには、「白」があった。どこまでも、どこまでも純な「白」が。

「こいつが、俺の専用機………?」

 目を見開き、じっと見つめ、千冬の方を向く。

「どうした、織斑。さっさと出撃しろ」

「ああ、わかってる。ありがとうな、千冬姉」

 そう言って座り、装甲が開いているISに身体を任せ最適化を始める。

(正直言うとパーソナルカラーは赤が良かったけど黙っておこう)

 そう考えている内に装甲が閉じ、一夏と白―――「白式」が繋がる。

 ………しかし、それが白式の運のツキだとは、誰もこの時思わなかった。

「よし、それじゃあ行ってくるぜ千冬姉」

「織斑先生、だ。行ってこい」

 一言、言葉を交し合う。たったそれだけで、気持ちが繋がっているようであり。

「箒」

「な、なんだ一夏」

 箒にサムズアップをし。

「お前との特訓の成果、見せてくる」

「―――ああっ!」

 箒の返事を聞いて、ビットから飛び立つ一夏、その目には熱い闘志が見えていた。

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 セシリアが鼻で笑う。しかし、一夏はそんな事を気にしない。いや、気にする余裕が無かったという訳ではない。

「俺が逃げる? まさか、俺は常に全力投球、全力疾走、全力勝負だぜ! さあ来いセシリア、必殺技を見せてやるぜ!」

 拳をセシリアに向けてニヤリと笑う。そう!一夏はこの状況を! この逆境を!! 楽しんでいるのだ!!!

 一方、そうとは知らないセシリアは余裕の表情を崩さないまま指を一夏に指す。

「最後のチャンスをあげますわ」

「チャンスゥ?」

「ええ、そうですわ。わたくしが一方的な勝利を手にするのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというのであれば―――」

「絶対にノゥ、だ!」

「ま、まだわたくしは最後まで言ってないですわよ!?」

「いいか、男って言うのはなぁ、どんな敵が相手でもひとまず当たるんだよ! その上で敵わない、と思ったらニヤリと笑ってもう一度当たる! それが男ってェもんさ!!」

「なーっ!? わかりませんわね、そんな野蛮な理論!」

 そうセシリアが言い放つと共に、スターライトmk3が向けられてキュイン、という音と共に白式の装甲が撃ち抜かれる。

「さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」

「さあ、作戦開始だ!」

 機体名と同じ名前を持つビットのような特殊武装『ブルー・ティアーズ』とスターライトmk3の猛攻を避け、時には当たって吹っ飛ばされながらセシリアに向かって走る。しかし、一向に距離が近づかず、刻一刻と時間だけが過ぎて行く。

「くらえっ! 白式スラッシュ!」

「当たりませんわ、そんな大振りな攻撃! くらいなさい!」

「ぐわぁぁぁっ!!」

 唯一の武装である近接ブレードを展開しジャンプ斬りをセシリアに仕掛けるが、代表候補生であるセシリアに台詞にあるように大振りの攻撃など通用せずに逆にスターライトmk3の射撃をくらい墜落してしまう。既に白式は本体を残して殆ど損傷していた。

「さあ、これで終わりにしましょうか」

 よろよろと立ち上がる一夏をスターライトmk3セシリアと『ブルー・ティアーズ』四機が囲む。

(これで、負けなのか………いいじゃないか、一生懸命やって、もう三十分近く戦ったんだ。俺はよくやったよ………)

(馬鹿野郎っ!!)

 そう一夏が諦めかけたとき、心の中の弱い一夏を誰かが殴りに来た!

 その男は、一夏が敬愛する男であり、不可能を今まで幾度と無く可能にしてきた伝説の全力学園高校のキャプテン

 

「不屈闘志」の姿であった!!

 

 しかし、読者の皆様は既に気づいているだろうが、これは一夏の心の中の出来事であり、本当に殴られたわけでもなく、不屈闘志が本当にいるわけでもない。しかし! しかしだ!! 一夏の中では実際に殴られている、といった奇妙なことになっているのだ!! そう、これはいわゆる男のブレーキである!!

 一夏の中の不屈闘志像が、負け犬モードになりかけた一夏にブレーキをかけたのだ!! そして、その一夏の心の中の不屈闘志像が、拳を通じて一夏にやるきパルスを共振させたのだ!! どうか、この二次創作を読んでいるみなさまにはこのような事は信じないで欲しい!! だがしかし、実際にこう一夏の目は―――!!

「な、なんですのその目………!! まるで、勝負を諦めていない、獣のような目は!!」

 そう、ギラギラと生き返っていた!! そして、その気迫だけはセシリアを圧倒していたのだ!! これには思わず、観客も、ビットから見ている箒、千冬、そして気絶から復活した山田先生も手に汗を握っている!!

「で、ですがもうあなたのシールドエネルギーは半分を切っていますわ!! これで、終わりですわーーーっ!!」

「まだだ、俺はまだやれる、そうだろう、白式! うぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!」

 発射される『ブルー・ティアーズ』とスターライトmk3。そして、雄たけびを上げて爆風に包まれる一夏。

 

 爆風に包まれた一夏を見て声を上げる箒。千冬と山田先生も、真剣な面持ちでモニターを見つめる。

「―――ふんっ」

 黒煙が晴れたとき、千冬は鼻を鳴らした。けれどもそれは、どことなく安堵感があり。

「機体に救われ………なんだあれ?」

 次に、ぽかんとした声を出した。

 

「ふんっ、大したことありませんのね」

 勝利を確信して、笑うセシリア。しかし―――

「ああ、さっきまでは大したことは無かった。だが今は違う、今からは新生織斑一夏、さしずめ一夏2『セカンド』っ!!」

 爆風が晴れ、そこには、白い炎の模様が入った黒い袖捲くりされた学ラン姿の一夏が、腕を組んで立っていた。

「これが俺のISの真の姿、白式改め

 

「男式」

 

だっ!!」

 




とうとう戦闘しましたね。戦闘描写難しいです。今度から一夏くんの一人称にしようか検討中です。

それでは、ここまで読んでくれてありがとう御座いました。
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