僕は、ACが好きだ。
子どもの頃から大人になってもその魅力に取り憑かれている。やはり大きなロボットというものは男心をくすぐるのだろう。
それに、ACに乗っている間は現実の身体を忘れられる。両腕両脚が自由に動くような感覚は、何とも言えない開放感があった。
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「ルビコンが近い。そいつを起こしてくれ。」
<了解です。ハンドラー・ウォルター>
<脳深部コーラル管理デバイスを起動>
<強化人間 C4-621 覚醒しました>
「621、仕事の時間だ。」
「突入カプセルの電源を落とす。あとは合図を待て。」
「今だ。起動しろ。」
指示通りにカプセルを操作する。起動後、カプセルに振動が伝わるが、ウォルターの指示だ。何も問題はないだろう。
到着予定地点が近くなったところで、カプセルから脱出する。数秒後、機体が着地した衝撃で揺れるが、自らの脚で地面に立っているという事実に深く感動する。
<ISB2262 惑星ルビコン3に着陸>
「座標は…グリッド135。誤差はあるが許容範囲だ。」
「この先のカタパルトを使え。それで帳尻が合う。」
<メインシステム 戦闘モード 起動>
さっそくQBをし、機体を加速させる。障害物を飛び越し、指示された高所へ向かう。そして、配管に沿うように作られた通路を抜けると、とても広い空間が広がっていた。
「ガードメカは排除しろ。機体の動作確認となる。」
指示通りに排除する。
はじめに、ABで接近しながらライフルで1機目を撃ち抜く。続いて、2機目を少し通り過ぎた後、振り返りざまにパルスブレードでなぎ払う。そして、こちらに射撃体勢を整えている3機目と4機目を必要最低限の弾数でそれぞれ撃ち抜く。
ここまでの時間、たったの10秒。
「ふむ…実力は健在か。」
さらに、奥に配備されているMTに肉薄する。今度は複数機が横一列に並んでいる。右肩のミサイルでマルチロックし、狙いを定め、発射。着弾と同時に巻き起こる爆発。残った敵をパルスブレードで切り刻むと、隔壁を開け、外に出た。
「見えるか。お前にはあの汚染市街に降下してもらう。カタパルトにアクセスしろ。」
アクセスが終わるとカタパルトがガシャガシャ動いていく。所定の位置につき、発射体勢をとる。
「行くぞ、621」
ウォルターの声が聞こえた後、僕はものすごい速さで発射された。身体にかかるGが心地いい。まるでアトラクションのようだ。
「…この惑星でコーラルを手にすれば、お前のような…脳を焼かれた独立傭兵でも人生を買い戻すだけの大金を得られるはずだ。」
「仕事を続けるぞ。ACの残骸を漁り、生きている傭兵ライセンスを探せ。」
「密航者には身分証が必要だ。」
ルビコンの大地に降り立つ。
ここは山岳地帯だろうか…背の高い針葉樹林が見られる。
「AC!?一体どこから…」
「所属不明、独立傭兵か!?応戦しろ!」
「解放戦線の武装ゲリラか。仕事の障害になる、排除しろ。」
機体は4つ。
集団に接近しつつ、ライフルで2機を必要最低限の弾数で墜とす。
残りはそれぞれパルスブレードで袈裟斬りにし、仕事を続行する。
「ACの残骸反応をいくつか検出した。マーカー地点を巡れ。」
自機から見て左端のマーカー地点へ向かう。
「いたぞ!報告のあった機体だ!」
「所属を吐かせるぞ!」
「盾持ちがいる。ブレードを忘れるな、621。」
今まで通りライフルを射撃するものの盾で防がれてしまう。
しかし、近づいてしまえば関係ない。盾ごと切り裂くのみだ。
「パイロット情報を抜き取れ。解析はこちらでやる。」
=ライセンスコード:トーマス・カーク=
登録番号:Rb18
識別名:トーマス・カーク
ランク:26/E
所属:独立
・ライセンス失効済み
「このライセンスはすでに停止されている。次を当たれ。」
次のマーカー地点へ向かおうとすると、ブロロロ…と何か聞こえた。
「あれは…!?」
「SG!?サブジェクトガードが来たぞ!」
「よせ、構うな!退避しろ!」
「封鎖機構の巡回だと…?余計な手出しはするな、目を付けられるとまずい。」
先程の大型ヘリが過ぎ去った後、近くのACの残骸へアクセスする。
「解析していくぞ。」
=ライセンスコード:G7 ハークラ―=
登録番号:Rb29
識別名:G7 ハークラ―
ランク:22/D
所属:ベイラム・インダストリー
・ライセンス失効まで12時間
「企業所属では足が付く。避けるぞ。」
続いて、次のマーカー地点周辺ではヘリとMTが警戒態勢を取っている。
敵を認識した後、ミサイルのマルチロックオンでヘリを撃墜する。
残りのMTは今までと同様にライフルとパルスブレードで仕留めていく。
「このライセンスはどうだ。」
=ライセンスコード:モンキー・ゴード=
登録番号:Rb37
識別名:モンキー・ゴード
ランク:--/-
所属:独立
・ライセンス失効まであと15日
「ランク圏外のパイロットだ。目当てのものではない。」
「621。もうひとつ反応を検出した。マーカー情報を送る。当たってみろ。」
送られてきた地点は現在地よりも少し高いところにあるようだ。
「高所への移動には垂直カタパルトが使える。活用しろ。」
指示通りにカタパルトに乗る。
かがむ姿勢を取った後、上空へ射出される。
全身にかかるGが心地よい。
今日はなんて楽しい日なのだろうか。
「あれだ。あの残骸にアクセスしろ。」
「登録番号Rb23。傭兵ランク圏内。識別名は…」
ブロロロロロ…
「むっ!?」
先程の大型ヘリがこちらへ向かってくる。
「やはり目を付けられていたか。」
「封鎖機構とやり合うのは本意ではないが、構わん。迎撃しろ。」
「今ならお前が特定されることはない。」
…ん?迎撃?
いやいやいやいや、少し待ってほしい。
相手は自分よりも何倍も大きい上、ミサイルとガトリングで武装している。
上空から射程で火力を押し付ける相手にどう立ち回ればいいと?
…とりあえず、今までと同じようにライフルを撃ちながら近づいてみるか。
…痛い痛い痛い!撤退、撤退!!
真正面から接近していったら蜂の巣にされる!ってかされた!!
それに、ライフルが効いている様子がほとんどない…
ってことはミサイルも…やっぱり、あまり効いていなさそうだ…
そうなると残されている武装は…パ、パルスブレード…?
ヘリ相手に近接で殴りこめと…ってできる訳ないだろ!さっき蜂の巣にされかけたばかりだぞ!!
…でも、やらなきゃやられる。
ここで墜とされてしまっては、ルビコンに来た意味がなくなってしまう。
覚悟を決め、ヘリに接近する。
先程は、真正面から接近していった結果、ガトリングによる集中砲火を受けた。
それを反省し、今度はガトリングやミサイルの俯角範囲外から接近を試みる。
要するに、ヘリの腹をぶん殴る魂胆である。
「効いているぞ、畳みかけていけ、621。」
試みは成功。パルスブレードはヘリに効果てきめんであった。
加えて、ヘリの腹から接近していく作戦は、相手の武装の俯角範囲外のため攻撃が一切飛んでこない。
後は、敵が動きを変えない限り、同じ動作を繰り返すだけである。
そして、パルスブレードで十数回殴り続けるた結果、耐久限界が来たのだろうか、ヘリは火を上げ、爆発し、墜落していった。
「惑星封鎖機構SG、大型武装ヘリの撃墜を確認した。」
「621。今日の仕事は終わりだ。」
「手に入れたライセンスの識別名を伝える。」
=ライセンスコード:レイヴン=
登録番号:Rb23
識別名:レイヴン
ランク:--/F
所属:独立
・ライセンス失効まであと3日
「レイヴン」
「これがお前のルビコンでの名義だ。」
ここまで読んでいただきありがとうございました!
こう文章にまとめてみるとわかる、ごすずんの優しさ!!
思わず何でも言うこと聞きたくなっちゃいますねw