人間関係が嫌になったキョウヤがミアレにサヨナラバイバイする話   作:ロクナナエイト

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注意!!!
この作品の内容はポケモンZAの二次創作です!
異次元ミアレのネタバレまでがっつり含まれます!!
一部のキャラクター(ジガルデ、カラスバ、ユカリ、デウロ、マスカット)に対するヘイトがとんでもない事になってます。
上記のキャラクターが貶される様を見たくない方は今すぐ
引き返す事を推奨します!!!
それでも構わない方はどうぞ、最後までお楽しみください。


キョウヤがミアレにバイバイ マスカット編

 満を持してと言わんばかりの笑みをつくりながら振り返った先にいたのは・・

 

マスカット「わ、私でございますか?」

 

 クエーサー社の社長秘書、マスカットだった。

 

「いやぁ、アンタらクエーサー社には本当に驚かされたぜ。まさかあのミアレを守る会代表の言っていた事が真実だったとはな。」

マスカット「ミアレを守る会代表?・・ああ、あの陰謀論者の事ですか。確か彼の言い分は『クエーサー社が利権の為にポケモンを街に呼び込んでいる。』でしたっけ?ははは全く・・貴方は真実を知っているでしょう?なら分かるはずです。私達クエーサー社はタワーの暴走を食い止める為に奔走した社会正義であると。」

「・・・あのさ、お前それマジで言ってる?」

 

 怒り出す一歩手前。さっきから彼の怒りを目の当りにしてきたこの場の皆はそれがよく分かった。

 

「ええ本気です。もしかして、ミアレ住民にタワーの危険性を知らせなかった事をお怒りに?ですが、それはタワーの事を市民に黙っていろと圧をかけてきたミアレ市長の責任。我々としては依頼主の要望を出来るだけ叶える形で事業を進めなければ「それだよ!なんでアンタらクエーサー社はミアレ市長の依頼を引き受けたんだよ?」

 

 言葉を遮り話の核心を付いたキョウヤ。いきなりの質問に言葉が詰まるマスカット。

 

「ん?・・・どういう意味ですか?」

「5年前、アンタ等はミアレ復興の為に働いて欲しいという市長の依頼を唯一受けた会社だ。他の企業はみんな受けなかった。その理由はかつてのフレア団が街の大部分にまで浸透してミアレの都市機能の大部分を担っていたからだ。

そんなフレア団の団員がほとんど逮捕され、ミアレには街のインフラを支える最低限の人材しか残っていない状況だった。この状態から街に人を呼び込んで元の活気あるミアレに戻すまで一体何年掛かることやら・・

でもアンタ等はやってのけた。他の企業が絶対無理だと匙を投げたミアレの早期復興をアンタ等はやってのけた。それは素晴らしい事だと思うよ。」

マスカット「・・・一先ず、ありがとうございます。」

「しかし、そんな素晴らしい偉業を成し遂げたアンタ達に思いもよらない悲劇が2年前に訪れた。それがタワーの暴走、5年前の事件の時からタワーが暴走を始め、ミアレにポケモンを呼び寄せる原因になっている事をアンタ達は知った。」

「そうです!だからこそ私達はミアレの皆さんを守る為に・・」

「その前に確認だ!アンタ等が5年前にミアレの復興事業を受けた理由、それは金の為!そうだな!」

「っ!・・ええ、その通りです。あまり大声で言いたくありませんが、しょせんは我々クエーサー社も数多ある企業の一つ。会社を大きく成長させる為にはそれ相応の資金が必要なのです。」

「だからミアレの復興事業を引き受けた。失敗するリスクは高かったが成功すれば会社は大きく成長する。いわゆる一種のギャンブルにアンタ達は勝った訳だ。で、そっから勝ち続ける必要が出て来た訳だ。」

 

 そう言うとキョウヤは何故かジガルデの方をジーッと見つめ始めた。ジガルデは終始キョトン顔を貫き、表情が変わらない事に失望したキョウヤは再びマスカットの方へ向き直った。

 

「この街に来てからのアンタ等は終始会社の為に動いていた。決してミアレ市民を守る為じゃない。むしろミアレを守る為と言って自分達の発言権を強める為にわざと街を危険に晒していた。俺にはそう見えたぜ。」

「なんと!そんなまさか・・私達のどこにそのような不信を抱かせる点が?」

タウニー「キョウヤ!さすがにそれはないよ!だってクエーサー社はAZさんと2年前から協力体制を・・」

「落ち着いてタウニー。一つずつ起こった事を振り返っていけば、君もすぐ納得するはずさ。」

 

 マスカットに対して殺気立っていたキョウヤだったが、タウニーに対してすぐにいつもの優しい態度で接してみせた。その事から彼の心は今とても静かで頭に血が昇っていない事がよく分かった。

 

「まず最初の不信点は2年前の対応だ。クエーサー社は2年前、AZさんの助言でタワーが暴走状態だという事に気づく事ができた。その事を市長に報告した彼らだったが、市長は事実の隠蔽と解決・・すなわち、誰にも知られないようにタワーの暴走を鎮めて欲しいと頼んできた。タウニー、君ならどうする?」

タウニー「え?・・・い、言われた通りにすると思うけど・・」

「ホントに?俺だったらこの時点でミアレ中にこの事を暴露するけど。」

タウニー「なっ!?そんな事したら街は大混乱に・・」

「混乱していいんだよ。なんならミアレから出て行くようにみんなを誘導したっていい。」

タウニー「何で!?せっかくミアレも復興して街に活気が戻ってきたところなのに!?」

「そう!だからこそ色んな連中が喰いつくんだ。『自分達こそがミアレを救って英雄になりたい!3年前と違ってある程度復興が進んだミアレなら自分達でも立て直せる!タワーをどうにかすれば、その後は自分達の企業がミアレの中心になって事業も独占!』

こんな考えの連中が大量にミアレに押し寄せる事態になったはずだ、2年前のミアレならね。この場合クエーサー社はタワーの暴走を解決出来なかった役立たずとしてミアレから排斥されると思うけど、それと引き換えに大勢の企業がミアレを救おうと押し寄せるんだ。

たぶんジガルデの助けがなくてもタワーを安全に解体するぐらいは出来たと思うよ。他の地方には俺等の想像も付かないようなトンデモ技術を実現化させてる企業がゴロゴロしてるだろうし。」

タウニー「それは・・でも、フレア団みたいな悪い企業が応募してくる可能性だって・・」

「その可能性は低いよ。3年前に解散したとはいえ、あのフレア団が拠点にしていた街なんだ。今でも残党がこっそり活動しているかもしれないし警察だってマークしている。

わざわざ自分達の拠点をミアレに移してまで悪さするメリットはないよ。」

タウニー「で、でもそうはならなかったし!それってやっぱり市長が許可しなかったんじゃ・・」

「それは違う。ミアレ住民の評判を聞く限り、市長は臆病で自分勝手で現場の苦労をしらない屑野郎というイメージだ。そんな奴が安心安全で手っ取り早い手段を取らないとは思えない。つまり、市長に『そんな事しなくても自分達ならタワーの暴走をどうにか出来る!』と豪語した連中がいるんだ。その連中が・・」

タウニー「・・クエーサー社。」

「俺はそう睨んでいる。違うか!マスカットさんよぉ!」

 

 本人に確認を取るキョウヤ。その目は敵を見る目であった。

 

マスカット「・・仮にそうだったとして、我々はしっかり働きました。ポケモン達をワイルドゾーンに閉じ込め、バトルゾーンでトレーナー皆さんのスキルアップに尽力し、暴走メガ進化ポケモン達を鎮める為にMZ団の皆さんを影からバックアップ。タワーが暴走した時も最後まで逃げずに戦い続けました。我々に落ち度はありません。」

「・・・・お前それ自分の娘の前で言える?」

「え?」

「自分の娘が親分ポケモンに襲われて死にかけたとして・・それでもクエーサー社は悪くないって娘に言えんのかってきいてんの。」

 

 娘が被害にあったら・・そんな事考えもしなかったと言わんばかりの表情で固まってしまうマスカット。そんな彼にキョウヤはさらに畳みかける。

 

「アンタは会社の外に出ないから分からないかもしれないけど、街ではワイルドゾーンから脱走したポケモンによる被害が相次いでんだよ。俺の体感ではクエーサー社が把握している数の10倍以上ってとこだ。その中には親分ポケモンの被害にあったケースすらある。」

シロー「・・ああっ!あれですか!2体の親分ポケモンが私の留守中に道場を襲ったあの!!」

「そっ!あの時は彼女の協力でなんとか助かった。シロー、良い弟子を持ったな。」

シロー「ええ、彼女は私の自慢の弟子です!」

 

 再び互いの拳を交わし合う二人。そんな二人をどこか羨まし気に見つめるカラスバ。

 

「話を戻すぞ。とにかくアンタらクエーサー社は詰めが甘いと言わざるを得ない。タワーの暴走だって解決法をAZさんの案一つに絞って自分達はあくまで補佐するだけ。普通失敗する事も考えて第2第3の予防策を考えとくもんだろ。

それに暴走メガ進化を全部MZ団に解決させようとしたのも許せねぇ。何で子供の俺等に全部やらせんだよ。普通こういうのって大人が主軸になってやるもんだろ?なに子供に責任全部押し付けてんだ。」

マスカット「いや、そんなつもりは・・」

「つもりが無かったで済む問題じゃねぇって言ってんだよ!市長から街を任されたのは他でもないお前等だろ!だったらこの街にいる優秀なトレーナーを集めてMZ団みたいな組織つくってタワーをどうにかしてくださいって頭下げるくらいして見せろや!

何でタワーをどうにかする実行役までAZさんに集めさせてんだよ!AZさんばっかり仕事してお前等全く仕事してる風に見えねぇんだよ!」

「我々だってワイルドゾーンの設営からバトルゾーンの管理と色々仕事があったんです。そんな暇は・・」

「あっただろうが!俺がミアレに来るまでの2年間!2年もあれば他の地方からチャンピオンなり四天王なりこっそり呼んでタワーの解決に尽力してもらう事くらい出来ただろ絶対!つうかそこの金持ちがやってたからな。

なぁユカリ?アンタ確かクラブのみんなの為にチャンピオンのダンテさんをサプライズで呼んだんだよな?」

ユカリ「はい、数ヶ月前に招待しました。ダンテ様からは、ポケモンバトルにおいて大事な基礎から応用まで様々な事を学ばせて頂きました。」

「ほらな、出来たんだよお前等は。

でもやらなかった、お前達は自分達がここまで築き上げた社会的地位を失いたくないが為に大勢のミアレ住民を野生ポケモンや暴走メガ進化ポケモンの危険に晒し、挙句俺達みたいな子供や死にかけの老人に自分達の尻ぬぐいを任せ、事件が解決した途端ほんとうは自分達クエーサー社が一番活躍したんだと言わんばかりにしゃしゃり出て美味い汁を啜ろうとする最悪の企業だ!

タウニーを次期社長として雇用したいと言い出したのだってそうなんだろ!現社長とタウニーが血縁者だったとしてもいきなり次期社長として育てたいだなんていくら何でもおかしい!

普通はまず幹部候補とか副社長とかで一旦経験を積ませて40歳を超えた辺りで社長に任命!その為にもまずは幹部候補になる為の勉強からだろうが!

お前等はタウニーを取り込む事でMZ団が築き上げた数々の功績をクエーサー社の功績に置き換えようとしてんだろ!それがお前等の本性だ!」

マスカット「それについては私も異議を申し立てました。いくら何でも七光りが過ぎるのではないかと・・しかし、社長もずっと後悔しておられたのです!

『あの時自分がもう少し娘に優しく接していれば、娘がこんなに早く死ぬ事は無かった・・だからせめて、娘が残したタウニーだけは自分の全てに変えても幸せにしてあげなければいけない。』・・

それに、クエーサー社をここまで大きく出来たのも社長の運気を逃さない決断力が全てと言って差し支えありません。我々従業員は社長の言われた事をただ実行してきただけの歯車に過ぎません。私が家族を養えているのも全て・・社長のおかげなのです。」

タウニー「マスカットさん・・」

「おいおい、最後の反論が社長の境遇から同情を誘う感情論かよ。ま、みんなもこれで分かっただろ。

クエーサー社は自分達の利益の為にミアレ住民を危険に巻き込んだ。ポケモン達を呼び寄せるタワーの暴走を自分達だけで解決しようとして2年間何もできずじまい。

それを指摘したミアレを救う会代表を頭のおかしい奴扱いして言論封殺。」

タウニー「でもあれは代表さんも悪いところが・・」

「代表さんが暴力に訴えようとしたのはクエーサー社が自分達のやった事を隠蔽してたからだろ。最初からタワーの暴走の事を話しておけばミアレ住民とクエーサー社の溝がここまで広まる事は無かった。

もちろん正直に話せばクエーサー社の株やら信頼は地の底に落ちただろうが、それでもミアレ住民に真実を伝える事は出来た。そして真実を知ったミアレ住民のほとんどがミアレを離れる事になったと思うけど・・・

もしかしたら、俺達MZ団みたいに立ち上がってくれたかもしれない。そうすれば街全体がタワーの暴走を止めようと一致団結して問題解決も早まったかもしれない。

クエーサー社はその可能性を潰したんだよ。暴力を振るわれるだけの理由があるんだよ。少なくとも俺はそう思うぜ。」

タウニー「暴力を振るわれるだけの理由って、そんな・・」

「・・・もし、アンシャが暴走メガ進化したポケモンに殺されても、そんな態度とれる?」

タウニー「えっ・・?」

「アンシャがもっと早い段階で街に来て、俺達と仲良くなって楽しい毎日を送っていたある日、暴走メガ進化ポケモンや親分ポケモンに殴り殺されてグチャグチャの肉の塊になったとしよう。

何故彼女がこんな目にあった?調べていくとタワーが暴走して野生ポケモンを引き寄せたりポケモンを無理やりメガ進化させている事が分かった。更にはその事実を市長が隠蔽し、クエーサー社が動いて証拠を消している事を知って・・アニメや漫画の黒幕みたいな彼らを恨まずにいられる?

普通は恨むだろ。それらの事を事前に知ってればアンシャを街から遠ざける事だってできた。なぁアンシャ?」

アンシャ「・・・はい、お母様も同じ判断を下すと思います。」

「そうだよな、自分の娘がそんな理由で死んだなんて知ったら普通はキレる。そんな可哀想な親が大量発生する可能性だって大いにあった。

でもそれらの可能性を無視して自分達の利益の為に都合の悪い真実を黙ってたとんでもない悪徳会社なのが・・アンタ等クエーサー社なんだよ。今回は誰も死ななかったから良かったけどもし誰か一人でも死んでたら、俺はミアレを守る会に鞍替えしてクエーサー社に殴り込みしてたぜ。

死人が出なかった事を天に感謝しろよ。・・・正直言ってタウニーがクエーサー社の社長なんかになるのは滅茶苦茶嫌だ。でもしょうがない、本人が決めた事だからな。だから気を付けろよタウニー、クエーサー社の本質は紛れもなく悪だ。フレア団と同じだよ。」

 

 声には出さずにコクンと頷いたタウニー。彼女のマスカットへの信頼は大きく揺らいだ。それが彼女の目から見て取れたキョウヤは内心ほくそ笑みながら・・最後の相手と向き合った。

 

「さて、本当はAZさんにも色々言いたかったんだけどもう死んでるからな。となると最後はやっぱお前っしょ。」

 

 そう言って見つめた先にいたのは・・・

 

「・・・!?」

「そう、お前だよ・・・ジガルデ。」

 

 まさかのポケモン・・ジガルデだった。

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