短め、超ハッピーエンドにしていきたい
千年間、生きることを定められた。
もはや遠い遠い昔の、おぼろげな記憶の果てで自ら課した最悪の呪い。
私は、その日を境に死ねなくなった。
何をしたって、何をされたって死ねなくなった。
砂時計が砂を落とすことをやめたかのように、老いることがなくなった。
当然待っているのは迫害だ。
人類は、他とは違う何かを嫌い攻撃する生き物だから。
いろんな場所を巡った。
極寒の大地、灼熱の島、一面が砂漠の砂の海。
どれも新鮮で、あー命あったら多分死んでたな〜と思う旅路。
でも私は、やっぱりどうやったって死ねなくて。
なんで呼吸してるんだろう。
なんで心臓、動いてるんだろう。
やがて不死の身に訪れるのは深い諦観の情。
私はかつて呪いを受けた地に舞い戻ると、誰もいない場所でひっそりと、化石のように動くことをやめた。
目をつむり、耳を閉じて蹲れば何も感じずに済む。何にも失望せずに済む。
だから、外界の全てを遮断して諦めた。
風が吹いて雨が降って、泥に埋もれてやがて石の中に包まれても。
私は生きている。どうしてか、生きている。
このまま千年間いればいつか死ぬのかなぁ〜。なんて思ったりしながらやり過ごしている、そんなある日のこと……
――――この――を、最――の――……
何かが、閉じたはずの鼓膜を打った。
言葉、違う。似ているが違う……これは……これは、歌?
耳を澄ます。何百年ぶりだろうか。
必死に遠くから届く音を、拾い上げる。
すっかり石になりかけていた身体に、力がはいる。
――もっと聞きたい。
この音を、この歌を、もっと。
四肢が四肢としての機能を取り戻していく。
埋もれた身体を徐々に、徐々に外へ……光へ向けて進めていく。
あなたは誰?
疑問を胸にいだいて、上へ上へと進み続ける。
化石だったはずの全身に血が通っていく。非常に鈍くそして小さかった鼓動は、今や自分自身でも驚くほど高鳴っていた。
長きに渡る諦観。
諦めきっていたこの不死の身に、温かな火を焚べてくれるあなたは誰?
光が瞼を焼き、赤く染まる。
ひどく熱く、それでいて痛い。
でも構うものか。早く会いたい。歌を奏で続けてくれているうちに会いに行きたい。
数百年ぶりに得た活力をそのままに、私はついに自らの前に隔ててあった壁を打ち破り、そして――
――――ヤオヨロ〜〜〜!!! 神々のみんな〜! 今日も最高だった〜〜〜?
「キャーーーーー!!!! ヤッチョーーーー!!!!!」
気がつけば私は、電子の世界で推しへ向けてうちわを振りまくっていた。