片喰は夜に揺れる ~Fate / Berserk Requiem~   作:斑鳩古都

5 / 37
第1章 公饗に檜扇 〜第2節 空白の2年と、思慕の2年〜

 はじめのサインは、目が覚めた時に全身に走った激痛だった。

 それは例えば焼き魚を食べるときに、魚の骨を手でわしづかみにして、ごそっと抜き取るように。自分の背骨がズルりと抜き取られるような、痛みと不快感。

 次に関節が言うことを聞かなくなる感覚。子供がおもちゃの人形を乱暴に振り回して関節を壊してしまうように、肘や膝が反対方向にぐにゃりと捻じ曲げられるような、暴力じみた激痛。

 あっれー何かしたかなと自身の行動を振り返っても、思い当たる節は無し。高校の歴史研究会で山城を歩き回ったりフィールドワークをよくするけれど、そこまで全身に痛みが走ることは無かった。それこそ、生理痛を何十倍も増幅し濃縮させたような痛みで、しばしば寝起きに立ち上がれなかった。

 新年が明けて、三学期に入ったころから度々こういった痛みで、学校にいけない日が続いた。冷汗が止まらず、うめき声が止められない痛み。両親は「無理しなくていい」と言ってくれたのだが、行ける日は頑張って学校に通った。

 なぜ、学校に文字通り這ってでも行ったのか。それはクラブ活動――歴史研究会の活動に穴を空けたくなかったからだ。

 

 

 元々身体は弱い方ではない。というかスポーツは得意だ。小さい頃から水泳教室を始めとして、色んなスポーツクラブに参加していた。小学校のお昼休みは男子に交じってバスケやサッカーで遊んでいた。中学校の時は陸上部で600メートルの選手として県大会入賞もしている。ただ、今は歴史研究会なるちょっとマニアックなクラブ活動をしているだけ。とはいえ、私をよく知る人からすれば、インドアに見せかけた、アウトドア派なのは筒抜けだ。それは文献を読むより、フィールドワークが楽しいことからも明白だ。

 身体を動かすのは好きなままなのだが。何というか、人と競うのが疲れてしまったのだと思う。

 どうして私が、こんな研究会に入ることになったのか。それには、二人の男の子が関係していると言ってもいい。まぁ、その一人とは口を聞きたくも無いのだけれど。

 

 

 話がそれてしまった。

 とにかく、私は日々辛くなる身体の痛みに悩まされつつも、何とか学校生活を送っていた。どれだけ身体がしんどくても、クラブ活動の時間だけは痛みを忘れられたと思う。

 それは、あの人が居てくれるから。あの人に会いに行っているから。

 だから、気にしない。

 夜中の記憶が無いことも。朝起きたら、パジャマが泥だらけになっていたり、手から微かに血の匂いがしたりしても。何も、気にしない。

 たまに母親に言われる。「小夜子(さよこ)、あなた夜中どこかに出かけてた?」と。

 記憶にないけど、答える。「ちょっと、近場を散歩してた。夜空が綺麗だったよ」と。

 自分の身体に何か異変が出てきているのは分かっているが、思考がそこまで追いつかない。そんなことはどうでもいいのだ。私には、あの人が居てくれれば。

 

 

 そうして私は、身体の不調と付き合いながら日々を過ごし、学校が春休みに入った。残念ながら、春休み期間中は、クラブ活動が毎日ではなく、週二回のペースになってしまった。少ししょんぼりしていたのだが、来週には私たちの街にも桜前線が訪れるらしい。なので、花見と称して、研究会の皆で桜が綺麗な近場の古城にピクニックに行く予定になっていた。

 それを楽しみに今週は生きていた。どんなおめかしをしようかなとドキドキしながら、身体の痛みと付き合いつつ、日々平穏に春休みを過ごしていた。

 そんなある日。来週ピクニックに行く古城について、たまには学校の図書室で調べようかなと思い早起きをしたら、携帯電話に顧問の先生からメッセージが入っていた。

 あの人が――昨晩死んだと、書かれていた。

 

 

 ★

 

 

「なぁ、守尭ぁ、お酒はないのかぁ」

「無い! 無いったら無い! とりあえず引っ付くなよお前!」

「お前じゃなくて、”くない”だろ~~」

 絶対に呼ぶもんか、と俺は心の中で決意しながら、土手沿いの遊歩道を歩く。その隣には腕にまとわりつこうと歩く、セーラー服姿の少女が1名。

 俺は、ランサーと2人で、自宅から大角寺までの道を歩いていた。どうして歩いていたかというと、俺のマイ自転車を始めとして、手荷物から何まで、寺に忘れてきてしまっていたからだ。

 あとは、昨日の件を確認したいという思いもある。健吾の親父さんとも話をしてみたい。

 ライダーやアサシンは何を目的にあの場所に居たのか。そして、健吾の書置きはどういう意味だったのか。そもそも健吾はこの聖杯戦争に関わっていたのか。まずは現場に行かなければという思いで、片道30分は掛かる道のりを歩いているのだが。

「なぁ、頼むからさ、セーラー服姿でウロウロするのやめてくれよ。お前、霊体って便利な仕組みでさ、他人から見えない姿になれるんだろう?」

「まぁ、そうだが」

「そうだが、じゃなくて、目立つんだよなぁお前の姿って」

「周囲には誰も歩いていないぞ? ほら、目立ってない!」

「俺の気持ちの問題なの!」

「まぁ、それはそれで。霊体でも結構だが、自分の足で歩くというのも中々のものだ。折角なのだから、この世を堪能させて欲しいのだよ。あと、お前じゃなくて”くない”な。なんなら、ちゃん付けも許すぞ?」

 何度目になるか分からないため息を吐いた。

 俺の実家のある場所から大角寺までは、蔵増川(くらますがわ)という一級河川が流れており、その土手沿いに車が通行できる車道と、土手から少し下りた河川敷寄りの遊歩道に分れている。

 俺はいつも自転車で走るときは結構速度を出すので、土手上の車道を走っているのだが、今日は歩きということもあり土手から下りた河川敷沿いの、アスファルトで舗装された遊歩道を歩いているというわけだ。

 田舎なので、通行人もほとんどおらず、春の訪れを待ち望む草むらの列が伸びている。そろそろ虫たちも動き出すだろう。河の流れる音と、鳥のさえずりが聞こえる。

 ただ、幾ら人通りが無いとはいえ、ここら辺では見覚えのない制服を来ているランサーは非常に目立つ。頼むから、霊体化していて欲しいのだが、楽し気に歩いている様子を邪魔したくもないというか。

「分かった。分かったから、一緒に歩いていいから、引っ付くのはやめれ」

「どうしてよ?」

「それは......」

 思わず言いよどむ。言えない。俺が美少女と一緒に歩くことに慣れていないなんて。

 それを察したのか、ランサーはニヤリと微笑む。

「守尭も男の子よの」

「うるせぇ! 酒買わないからな」

「あ、あ、ごめん、分かった、霊体になるから!」

 そういうと慌てて透明化した。何となく、こいつの扱い方が分かってきたかもしれない。

 まぁ、俺の年齢じゃ酒買えないんだけどね。

 

 

 ★

 

 

「やぁ、守尭くん。いらっしゃい。わざわざすまないね......」

 俺は、霊体化したランサーを従えて、大角寺へ到着した。事前に健吾の親父さんにはお邪魔したいという連絡をしていたのだ。

 親父さん、少しやつれているようだ。この寺の住職の、真里谷 鷹照(まりやつ たかてる)さんは健吾に似ず背丈の小さい人だ。というより健吾が身長が高すぎるのだが。姿かたちも似ておらず、健吾のようなシャープで柔和ないでたちというよりは、無骨でがっちりとした石像のような面構えだ。そんな、石像のような親父さんがくたびれているのだ。それはショックだったのは想像に難くない。

「いえ、この度は......何というか......」

 流石に、言葉を詰まらせる。ようやく俺にとっても、健吾の死というやつが、実感が湧いてきたのかもしれない。

「さぁさぁ、上がって。何も無いけれど、線香ぐらいは上げて行ってよ。息子はさっき、病院から帰ってきたばかりでね」

 本当は式の準備などで忙しいだろうに、親父さんのご厚意に甘えることにした。正直、真っ二つになってしまった親友の姿を見るのは辛いのだが、それでもこれからの戦いを思うと、正面から受け入れなければいけないことに思えた。

 親父さんに促されるように、俺は寺の隣に建てられている、真里谷家の邸宅に上がらせてもらう。昨日、ここで健吾とゲームに興じていたなんて、信じられない。

 しかし、健吾は何かを予感していたのは確実だ。そうじゃなければ、あんな別れの言葉を書置きで残すわけがない。あいつも、何かこの聖杯戦争について知っていたと考えるべきだろう。

「あ、親父さん。健吾に線香上げさせてもらった後でいいので、あいつの部屋に寄ってもいいですかね?」

「それは構わないけど、どうしてだい?」

「いや、昨日実はお邪魔させてもらいまして。その時にカバンとか諸々置き忘れてしまったんですよ」

 と、発言した所、親父さんは怪訝な顔をして黙りこくってしまう。

「あ、警察から聞いてませんか? 自分、昨日ここで倒れ込んでしまっていて」

「............守尭くん」

 親父さんはようやく口を開くと、

「君は、何を言ってるんだね?」

 俺の理解の及ばないことを言い出した。

 

 

 ★

 

 

『守尭......』

「なんだよランサー」

 俺の声があまりにも沈んでいたのだろう。ランサーは「くないと呼べ」とは言わなかった。

『大丈夫か?』

 は、と俺は自嘲気味に笑う。

「大丈夫とは、言えないね」

 俺は今、自転車をこぎながら、自宅へ戻っている。これから学校にあることを確かめに行きたいのだが、私服で学校に行くのも何なので着替えに戻ろうとしているのだ。

 時刻は14時、着替えてから学校に向かうと、到着は16時頃になるだろう。

 ただ、今日どうしても確認しなければいけないことがある。

 そう、健吾のことだ。

「聞いてくれよランサー」

『あぁ、いくらでも聞くぞ』

 俺は混乱をしている。正直パニックだ。

 だから少しでもこの気持ちを紛らわせたく、自転車を全力でこぎながら、ランサーに話しかける。ランサーは霊体化の影響だろう。俺の頭の中に直接語り掛けてくれるが、俺はそういった念話みたいな芸当が出来ないため、そのまま思ったことを口に出すことにした。

 

 

「――健吾が別人になってた」

 

 

 そう、先ほど親父さんに言われたのだ。昨日は、健吾が入院している病院で危篤状態になり、真里谷の家族全員で駆け付けていて留守だった、と。

 実は2年間も前から健吾はずっと入院しており、家にはいなかったとのこと。

 先ほど、息子が病院から帰ってきたと言っていた。それは、真っ二つに切断された健吾の遺体の司法解剖が済み、遺体が戻されたのかと思っていたが、それは俺の勘違いだったのだ。

 健吾は殺人ではなく、病で亡くなったのだと言うのだ。

 そして、すぐさまニュースサイトを調べてみたが、昨晩伊蔵市にて殺人事件が起きたという記事は1つも無かった。

 親父さんは言った。

「守尭くん、息子が亡くなってショックなのは分かるけれども、殺人だなんておかしなこと言わない方がいい」

 親父さんは、そう優しく言うと、棺に納められた健吾の遺体の場所まで案内してくれた。

 そこに居たのは――――真里谷健吾とは全くの別人だった。

 いや、別人ではない。その顔を、姿を見て、思い出した。この少年こそが、幼稚園の頃から共に過ごしてきた、幼馴染の真里谷健吾だったことを。

「滑稽だろ、ランサー。笑ってくれよ。俺はさ、急にアイツの顔をみて思い出したんだよ。こいつこそが健吾だって。小さいころから一緒に遊んでいた、健吾そのものだって」

 何か、俺の頭の中を覆っていた正体不明の膜が剥がれ落ちた、そんな感覚だった。

 親父さんに似て、身長が小さく、学校の体育の授業ではいつも最前列だった健吾。

 でも顔は親父さんではなく、お母さん似なのだろう、眼がクリっとしていて可愛い顔をしていて、女の子みたいだとよくからかわれていたこと。そんなからかう同級生達に、いつも俺と、あともう一人の幼馴染の女の子が一緒になって、悪ガキどもを成敗していたこと。

 本を読むのが好きで、病弱で、学校休みがちだったけど、一緒によくゲームして遊んだこと。そうだ、あいつ歴史が好きだなんて、一言も言ってなかったのに。どうして高校に入学してから、歴史研究会なんて立ち上げたんだ。

「俺も疑問に思わなかったんだ。だって、あんなに病弱で学校休みがちだったのに、急に高校デビューなんかするわけがない」

 そう、そこに眠っている遺体は、間違いなく俺が幼稚園から中学校まで共に過ごしてきた、真里谷健吾だった。じゃあ、高校に入ってから一緒に居たのは......誰だ?

 髪にパーマを当てて、丸眼鏡で、身長が俺より高くて、歴史と女の子の尻ばっか追いかけてた、アイツは何者なんだ?

『守尭、落ち着け』

「落ち着いていられるかよ!!」

 思わず叫ぶ。

「俺は、アイツに騙されてたのか? 確信したよ! アイツは成りすましてやがったんだ」

 自転車のハンドルを握る手に、力がこもる。

「友達ごっこして、学校も周りも家族さえも騙して、それで、どうして死んだ?」

『落ち着け』

「いや、そもそも死んだのかどうかも分からない。だって、今日見たけども、大角寺には昨日の争った形跡が何一つ残ってないんだぜ? お前がぶっ放した砲弾の後も、ライダーが真っ二つにした健吾と思われる血痕の後も、何もかも!」

『落ち着けって』

「そもそもアイツ何だったんだ? というか昨日の騒ぎは一体、」

『あーーーもう、落ち着かんかアホーーーーーーー!!』

 ペダルを漕ぐ感覚がいきなり消えた。

 俺は自転車ごと俺は宙に浮いていたのだ。え、という言葉は、ランサーによって遮られる。

 急に霊体から、実体化したランサーは、自転車に乗ったままの俺を片手で軽々と持ち上げたのだ。そう、自転車の本体のフレームを軽く握ったまま。俺は宙に浮いた状態で、カシュカシュとペダルを回していたが、あまりにも虚しい姿に漕ぐのをやめた。

「あの、ランサーさん......?」

「く、な、い!」

「くない、さん?」

「うん、初めて呼んでくれたな」

 にっこりとした笑顔で、ランサーは微笑む。

「あの、誰も見てないですけど、流石にそろそろ降ろして」

「んーーーー、それは守尭次第だな」

「と、言うと......」

 ランサーは真面目な表情になり、俺に告げる。

「まずは現実を受け入れろ。そして、理解するんだ。これが、”魔術師”って生き物だ」

 魔術師、という言葉を頭の中で反芻する。

 よいさ、という掛け声をランサーは発する。自転車に跨った俺ごと、ゆっくりと車道へ降ろしてくれた。いや、本当に通行人居なくてよかった。田舎で良かったと初めて思った瞬間だった。

「恐らく、貴殿がこの二年間一緒に居た健吾とかいう友人は、魔術師だ」

「まさか、アイツが......」

「そうじゃないと辻褄が合わん」

 ランサーは腕を組みながら思考を巡らせているようだ。

「私も詳しくは無いが、幻術の類なのだと思う。そうだな、陰陽道とも違う。古くは鬼道と呼ばれた呪術の類に違いない」

 鬼道。また、ここでも、鬼という言葉が妙に引っかかる。

「聖杯戦争で当てはめると、術者のクラス、キャスターが怪しい。こんな芸当が出来るのは、キャスターぐらいのものだが、二年も前から限界し続けているサーヴァントとは考えにくい。つまり、」

「......アイツが、とんでもなく凄腕の魔術師で、二年前から俺の友達と入れ替わっていたっていうことか」

「恐らくはな」

「一体何のために......?」

「そりゃ、おそらく、ここに聖杯が現れるような情報でも聞きつけたんだろうよ。で、調査含めて潜り込むために丁度いい人物と、寺院に目を付けたって所だろう」

 ランサーは凛々しい表情のまま、語りを止めない。

「あの、大角寺とかいう寺院だが、結構古いようだな。しかも良い霊脈の上に建てられている。私が召喚できたのも頷ける好条件だ。そして、その一人息子というポジションを手に入れれば、その霊脈を思いのままに使うこともできるだろう」

 霊脈。ゲームの中でも度々口にされる言葉だ。地中に渦巻く魔力が交わる場所。火山の火口付近のようなポイントだ。

「あの地点から上手く魔力を吸い上げることが出来れば、不特定多数の人間に暗示をかけて別人に成りすますことも出来るだろう。そして、ここが重要だが」

 ランサーは告げる。

「あの霊脈を活用すれば、複数のサーヴァントを召喚することも可能だ」

「複数、っていうと」

「まず、私で一騎。だが、あそこには他にも召喚された形跡があった。その友人に成りすましていた魔術師は、今回の聖杯戦争の参加者の可能性が非常に高い」

 何ということだ。

「覚悟はした方がいい。二年間もの期間、守尭を含めて多くの人を騙し、幻術にかけてきた魔術師だ。かなりの手練れと思った方がいい」

 覚悟。それが意味するのは、アイツ――俺が健吾だと信じていた友人と、死闘を繰り広げる可能性があるということ。自然と、自転車のハンドルを握る手に、力がこもった。

 ひとつ、ふたつ、と深呼吸。

 そうして、落ち着く。ありがとうランサー。俺は、自分を取り戻せたようだ。

「願ってもない。アイツには言いたいことが山ほどあるんだ」

 俺の顔に生気が戻ったのを察したのだろう、ランサーの表情も緩んだ。

「例え、アイツの正体が健吾じゃなくっても。この二年間、一緒に過ごしてきたんだ。俺には、アイツが悪いやつには思えない。だから、」

「だから?」

「ぶん殴って、許すよ。そして、もっかい友達になるんだ。アイツの名前を聞いていないしな」

 ふ、とランサーの口元から吐息が漏れた。

 それは、徐々に、微笑みへと変わり、ランサーは心底面白いといった風に、笑みへと変わる。

「ははは、良いじゃないか守尭。じゃあ目的ははっきりしたな」

「あぁ、それが良いと思う。ちなみに、ランサー分かれば教えて欲しい」

「なんだ?守尭」

「さっきの......本当の真里谷健吾は、もう助からなかったんだろうか」

 ふと、ランサーは言葉に詰まる。しかし、俺の視線が雄弁に語ったのだろう。隠し事はなしだ、と。それを見て、ランサーは口を開いた。

「恐らく、あの遺体からは魔術の痕跡はほとんど見られなかった。何か不思議な感覚はあったが」

 不思議な感覚? それは何か引っかかるが、俺は話を聞くことにする。

「まぁ、守尭が危惧しているような、今回の健吾くんの死に、成りすましていた例の友人が関与していることは無いと思う。何か、命を削るような細工をしたり、生命力を吸い上げるようなことは、な。あの子の死は天命だったのだろう。必死に生きて、それで、短い命だったけどしっかり生き切ったのだと思う。だから――」

 ランサーは俺の肩に手を伸ばす。

「泣いていいんだぞ、守尭」

 気が付けば、俺の頬を涙が伝っていた。忘れていたとはいえ、幼いころから一緒に過ごしてきた大切な友人だった。むしろ、どうして忘れてしまっていたのだろう。どうして、この二年間を一緒に過ごしてやれなかったのだろう。悔やんでも悔やみきれない。

 そういう意味でも、アイツをぶん殴らないと気が済まなかった。

「頼む、ランサー。力を貸してくれ」

「あぁ、任せてくれ。記憶喪失の半端な英霊で申し訳ないが、全身全霊をかけることを誓うよ。あと、くない、な?」

「あぁ、分かった、ランサー」

「............よぉし、もっかい持ち上げられたいみたいだなぁ!! このへっぽこマスターが!!」

 俺はまた恥ずかしい思いをすることになった。

 

 

 そうして、俺は一歩前へ進む。

 まずは、学校へ行かなければ。

 

 

 ★

 

 

 フラフラのまま、学校に来た。

 やっぱり、無い。あの人と過ごした日々が、消え去っている。

 一緒になって作った城巡りのレポートも、研修先で一緒に映った集合写真も、何もかもが研究会の部室から消え去っている。

 慌てて、研究会の名簿を探してみる。そこには確かに名前が書かれている。むしろ、名前だけが残されており、それ以外の痕跡は、一切消されているのだ。

 真里谷健吾。私の、いや、私たちの幼馴染。

 いや、幼馴染とも少し違う。何故なら、私は気が付いていた。

 真里谷健吾は、高校入学時に、別人にすり替わっていたということを。

 

 

 ★

 

 

 小学校の頃までの私は、健吾とあともう一人の馬鹿含めて、よく三人で遊んでいた。

 仲良し、だったと思う。

 健吾は病弱だったけど、博識で何でも教えてくれたし、背が小さくて顔が可愛かったから、たまに私のお洋服を着せて、女の子ごっこさせて恥ずかしがる健吾を見るのが楽しかった。

 あの馬鹿は、私に運動で何一つ勝てなかったへなちょこだったけど、正義感が強くて弱い者いじめを許さなくって、そういう所が妙に気が合ったのを覚えている。

 ただ、私が中学校に進学して、陸上部が忙しくなってからは、健吾とアイツとも会うことも少なくなった。

 それには色々と事情もあるのだが、まぁここでは詳細は伏せることにする。そもそもアイツは山奥育ちの猿だし、健吾は病気がちで寺にこもりがち。私は、まぁ、思春期ということもあって、男子と遊ぶ歳でも無くなったし、こんなもんだろうと思っていた。

 中学を卒業し、地元の伊蔵城北高校へと進学した。他の2人も同じ高校だとは聞いていたが、別に絡むことも無いだろうと、高をくくっていたのだが。

 

 

「やぁ、小夜子。研究会作るけど、入らない?」

 

 

 一目惚れ、だった。

 こんなにも男の子にどきどきすることなんて、後にも先にも無いだろうと、そう思っていた。

 あの人は何故だか私の名前を知っており、何だか馴れ馴れしい様子で少しチャラついていたのは気にはなったけど、その眼の綺麗さに心を奪われてしまったのだ。

 後から聞いて、驚愕した。あの人の名前は、真里谷健吾。私の知る幼馴染は、気が付いたら別人にすり替わっていたのだ。

 しかも、これに気が付いているのは、どうやら私だけだった。高校に入学してすぐの頃、久々に大角寺にお参りに行ったときに、健吾のお父さんとも話をしたが、「最近元気になってね、学校も毎日行ってるよ」とニコニコ顔で話しかけてきたのは驚いた。医療関係で働いている、元陸上部関係のOBの方に調べてもらったら、同姓同名の男の子が市内の病院で入院中とのことだった。これは一体どういうことなのか。健吾のお父さんの話では、健吾=すり替わったあの人になっていたが、毎日のようにお父さんも含めた家族はお見舞いに通っているとのこと。

 家族ぐるみで何かを企んでいるのか? でも、お父さんのあの嬉しそうな表情からは嘘をついているようには思えない。まるでスイッチが切り替わるように、どちらが自分の息子なのかの認識が都度切り替わっているようにしか思えない。

 私は真実を確かめるために、入院中の本物の健吾に会いに行ったが、面会謝絶だった。

 仕方がないので、何回か健吾宛に手紙を書いてナースステーションの看護師さんに預けた。そうすると一度だけ、筆圧の弱い字で、返事が返ってきた。そこには、こう書かれていた。

 

 

「僕の事は気にしないで。小夜子は、自分の人生を謳歌してほしい」

 

 

 まるで、別れの言葉のようで、涙が止まらなかったのを覚えている。

 そして、そんなことに気が付かず、すり替わっているあの人を友人だと勘違いし続けているあの馬鹿には、嫌悪感すら抱いた。

 どうしてみんな気が付かないの? どうして?

 ただ、私はこの件を明るみにできなかった。ずっと心の中に仕舞っておこうと思った。

 なぜ? それは仕方が無いのだ。

 あの人を、愛してしまったから。

 あの人がどこか遠くに行ってしまわないように、あの人のそばにいられるように、私は研究会の活動にどんどんのめりこんで行った。

 自分で自分が嫌になる。健吾が今まで生きてきた居場所にすっぽりと収まって、代わりに学校生活を楽しんでいるあの人。愛は盲目と言うが、私は何故かあの人を憎む気にはなれなかった。

 歴史なんて興味も無かったのだが、あの人に近づくために研究会にも入った。楽しそうに色んなうんちくを披露するあの人の姿を見ているだけで、私は幸せだったのだ。

 あぁ、こんな時がずっと続けばいい、そう思った。

 

 

 だが、あの人は消えてしまった。

 顧問からの連絡は、「研究会に在籍していた入院中の真里谷健吾くんが息を引き取った」という内容だけだ。つまり、昨日と今日を境目として、真里谷健吾という存在は、あの人から私の幼馴染の健吾に切り替わったというわけだ。

 現に、あの人との活動履歴は全て消え去っており、写真すら無くなっている。スマホの中の画像も綺麗さっぱりに。

 あの人と過ごした2年間の全ては、幻だったのか。

「どうして」

 歴史研究会の部室に、ポツリと私の声が響く。

「来週、桜を見るって言ってたのに」

 感情がどす黒く、汚れてくる。あぁ、また痛みがぶり返す。今日も痛み止めを4回も飲んだのにもう効果が切れてしまった。これ以上お小遣いから薬代も賄えない。

 痛い、痛いよ。

 辛い、苦しいよ。

 ジワリと、目頭が熱くなる。あ、いけない。これ以上は涙を抑えきれない。早く、あの人に会いたい。あの人に――――

 

 

「こんにちはー」

 

 

 がらり、と。研究会の扉が開いた。

 びっくりして、振り返る。そこに立っていたのは、私の腐れ縁のあの馬鹿だった。

「うわぁ! 小夜子お前、居たのかよ......」

 犬塚守尭。私の幼馴染の、馬鹿なやつだ。

 

 

 ★

 

 

 俺は自宅に戻り、制服に着替えた。

 紺色のブレザーに、白のカッターシャツと、ギンガムチェックのネクタイ。スラックスも紺色で統一されているのが、我が伊蔵城北高校の制服だ。

 個人的には、伊蔵東高校や、伊蔵工業高校のような、学ラン姿に憧れてはいるのだが、ブレザーというのも悪くない。何と言っても女子の制服が可愛い。

 男子制服と対になるような、紺色のブレザー。ただ、スカートがギンガムチェックなのと、学年によって色分けされているリボンがまた可愛らしい。うちの学年は赤色なのもあって、制服に赤リボンという所が、同学年の男子的にもご満悦だった。

 と、制服の話はここまでにして、俺は着替えているときに、ランサーから助言があった。

「守尭。右手の令呪な。それ、隠しておいた方がいいぞ」

「というと、アレか? 自分がマスターと言うことがばれるって感じか?」

「その通り、それもゲームの知識か?」

「いや、そんなんじゃないけど、これが聖杯戦争に参加している証ってなら、隠すに越したことはないよな」

 というわけで、非常にダサいのだが、ボクサーが拳にテーピングを巻くように俺は包帯で手の甲をぐるぐると巻いた。ちょっと中二病みたいだが、怪我でもしたってことにしておこう。

 それにしても制服で思い出したが、

「そういえばさ、なんでお前って、セーラー服なわけ?」

「いや、これは私にも分からん! だが、多分これは私に似合う服を聖杯が自動的に選んだ、ということではないだろうか!」

 まんざらでもない様子だ。こいつ、可愛い恰好好きだろ。

「守尭は、この、せーらーふくというのは、好みではないのか?」

「ぶふぉっ! いや、俺はどちらかというとブレザー派だが、セーラー服もまぁそのなんだ」

 言葉を濁しておいた。にんまりとした表情をしたランサー。あんたも好きねぇ、と言わんばかりだ。悪かったな。あぁ、制服を着た女の子は可愛さ五割増しだとも!

「まぁ、いいや。お前には分かっていないことが多すぎる。そういうのも含めて学校に調べに行く」

「調べる、というのは? お前のその手にした、スマホなるもので調べられるのではないのか?」

「お前、まだ現界してから一日も経ってないのに、現代に馴染み過ぎだな」

 ふふん、と無い胸を張るランサーちゃん。褒めてるわけじゃないんだけどね。

「まぁ、理由は二つ。一つ目は健吾が歴史研究会に居た事実がどうなっているのか調べる」

「ほう、なるほど」

「多分、今日の親父さんの様子を見る限り、痕跡一つ残っていないと思う。だが、痕跡が残されていないということも確認しておきたい。何か残っていれば儲けものだしな」

「それは正しい。で、もう一つは?」

「それは、歴史研究会にいる人物に助力を頼みたい」

 むむ、とランサーは息を飲む。

「守尭、ダメだぞ。一般人を巻き込んでは」

「巻き込むわけじゃない。というか、お前のせいだぞ!」

 ん? と首をかしげるランサー。

「お前の正体が全然わからないんだよ。女性で、火縄銃使い? そもそも俺も歴史の知識に乏しいから、こういうのは詳しいやつに聞いて回るのが一番なんだよ」

「あぁ、そういうことか。いやーそれは大変申し訳ない! 苦労をかけるな!」

 なんで偉そうなんだよ。

「.......正直めんどくさいけどさ、歴史研究会に俺の幼馴染がもう一人いるんだよ。アイツ、結構活動真面目に取り組んでたらしいから、俺なんかより断然詳しいと思う」

「ほう、もう一人男の友人がいたのか」

「いや......女の子なんだけどな」

 なんと! とランサーは声を張り上げる。

「私と手を握っただけでドギマギしてしまう守尭に、女の友人とな!! いや、失礼、もしかして恋仲だったりする? くないちゃんお邪魔虫?」

「んな訳あるかよ! あんまりよくは覚えていないんだけどさ、ちょっと小さい時に色々あって、ちょっと気まずくなっただけなんだけどな。小さい頃はよく一緒に遊んだんだよ」

 無意識に、左頬の傷を手でなぞる。

「あいつ――口きいてくれるかな、小夜子」

 

 

 ★

 

 

「こんにちはー、ってうわぁ! 小夜子お前、居たのかよ......」

 学校に着いた俺は、社会科準備室こと歴史研究会の部室の扉を開いた。そこにいきなり目当ての人物が居たから驚いたわけだ。

 よく考えてみたら、今日が活動日と決まってるわけでもないし、まぁ何か分かればいいかなーぐらいのノリだったのだが。

 そこにいるのは、俺の幼馴染の一人、千葉小夜子(ちばさよこ)だった。

「............」

 呆然とする小夜子。するといきなり顔を背けて、瞼を手の甲で拭っている。もしかして、泣いていたのだろうか。

「............何しに来たの、守尭」

 背中を向けたまま、小夜子は言う。

 小夜子は、女子制服の上に、まだ少し肌寒いからだろう、ベージュ色の厚手のカーディガンを羽織っていた。髪の毛はひし形が重なった様な見慣れない形状のヘアゴムで、左右に括られておさげ髪になっている。今は背中を見せているため、分からないが、大きなレンズの眼鏡をしている。

 まるで、見た目は図書委員を務めていそうな文学少女だが、俺は小夜子のことを知っている。こいつは、身長が167センチと女子の中でも高く、スポーツ万能で昔から勝てたためしが無い、フィジカルエリートなのだ。中学の時はコンタクトにしていたが、高校では歴史研究会という文科系クラブに入ったこともあり、眼鏡にしている。

 陸上部で活躍していて、男女問わず人気があったのを覚えている。男子は女子陸上部の露出の多さに釘付けだったみたいだが、俺は何というか、小夜子との付き合いが長すぎて、そういう目では見れないのだけれども。

 と、小夜子のことを観察していたのに気が付いたのか、チラリと一瞥してきた。少し目が赤いが、どうやら泣き止んだようだ。

「もっかい言う。何しに来たの?」

 すごくツンケンした物言いだ。

『こやつが、守尭の想い人? 眼鏡の似合う美人さんではないか。貴殿には似合わんの』

「.......だまってなさい、ランサーさん」

 俺は小夜子に聞こえないボリュームで呟く。あぁ、誰か、霊体化したサーヴァントに話しかける術を教えてくれ。

「いや、何しに来たって」

「もしかして、健吾のこと?」

 こいつ、察しが早い。昔からそうだ、考えてることがお見通しというか何というか。

 まるで、ランサーみたいだな、と思った。

「あぁ、聞いたんだろ? 小夜子も」

「勿論。顧問の小林先生から、連絡網で回ってきたわよ」

 そして、ギロリと小夜子は俺を睨む。

「守尭は、誰から聞いたの?」

 なんという凄みだ。俺は昔、かけっこやスポーツで何もかも負けっぱなしだった腹いせに、通っていた剣道の道場に無理やり小夜子を入会させたことを思い出した。

 ものの三ヶ月で、小夜子には敵わなくなってしまったこと。その時の、竹刀を向けられた時の妙な凄みを、思い出した。

「俺は、その、真里谷の親父さんから」

 嘘をついた。昨日の夜の事を言うわけにはいかない。

「さっき、線香をあげてきたよ」

「大角寺に行ったの?」

「あぁ、居ても立ってもいられなくなってさ」

 自転車を取りに行ったなんて言えない。親父さんの様子から見るに、今日の時点で全ての幻術は解かれており、学校中・街中の人たちにとって、真里谷健吾とは高校に入学するも二年間は入院したままの少年ということになっている。

 俺が日常的に大角寺に、偽物の健吾と遊ぶために言っていたという記憶があってはいけないのだ。

『いいぞ、守尭。このくないちゃんと打ち合わせした通りだぞ』

 急に頭の中で離すのはやめて欲しいぞランサー。そして、いつの間にか一人称くないちゃんになってないか? 俺がくないって呼ばない弊害で、キャラクターが歪んできているぞ?

「そう......で、何のためにここに来たの?」

「あぁ、健吾の親父さんから頼まれて、何か健吾が活動した記録でもあれば持って行ってあげようかなって思ったんだけど」

「あるわけないでしょ。健吾、在籍はしていたけれど、入学式しかこの学校に来ていないのだから」

「あぁ、そっか、そうだよなぁ。入学式の時は元気そうにしてたのにな」

 俺は小夜子に話を合わせる。入学式どころか、偽物の健吾は年がら年中元気だったというのに。

「じゃあ、親父さんの頼まれごとは仕方ないな。そういえば小夜子、俺歴史について詳しくないんだけど、お前に色々聞いてもいいか?」

「嫌」

「なんで拒否なの!?」

 小夜子は心底嫌そうにため息をつきながら言う。

「そもそも、アンタ馴れ馴れしいんだけど。正直、うざい」

「そんなこと言うなよ。俺とお前の仲じゃな」

 ドンッ! と机を叩く音が響いて、俺の言葉は遮られた。

「な、に、が」

 怒気を含んだ口調だ。

「俺とお前の仲、よ」

 気のせいだろうか、小夜子の目が、赤く輝いた気がした。じわり、と。俺の右手が疼いた。

「アンタ、簡単に逃げたくせに」

 ぼそり、と小夜子はつぶやく。逃げた? 誰が? 何から?

「............そうやってすぐ忘れちゃうのね。私とのことも。健吾のことすらも」

 

 

 途端、何かを思い出しかけた、気がした。

 泣き叫ぶ、女の子。どうしていいか分からず、助けを呼ぶ自分。左頬の熱い痛み。血が止まらない。身体はしっとりと濡れていた、まるで霧雨に打たれたように。そして――

「ごめんね。これは悪い夢よ、守尭」

 聞き覚えのある声が、俺に眠りを促すように、その手のひらで瞼を覆い隠す。

 俺はその声の主に全てをゆだねて、意識を失った。

「忘れなさい、全て、忘れなさい」

 母の声だった、と思う。

 

 

「――――りたか、もりたか!」

 気が付けば、小夜子に肩をゆすられていた。やっぱり、こいつ身長高いな。ランサーなんかは見下ろす格好になるが、小夜子はほとんど視線が変わらない。

「どうしたの、急にぼーっとして」

 本気で心配しているのか、目じりが下がったその表情には、さっきまでのツンケンした様子はなく、優しさが垣間見える。

「あ......いや............小夜子」

「......何よ」

「大きくなったな」

 その瞬間、星が飛んだ。小夜子の渾身の右ストレートが、俺の左こめかみにジャストミートしたのだ。

 大きく崩れる身体。倒れ間際、俺は小夜子を見る。

 あぁ、そういえば、こいつ。制服の上から分かるぐらい、発育が良かったのだった。何って? それは聞くだけ野暮ってもんだ。

「こんの変態野郎!!!!!!」

 今どき暴力系ヒロインって流行らないぜ、と思いながら、俺は大の字に倒れ込んだ。いや、大きくなったって、身長のことを言いたかったんだけど、ね。

『守尭......今のはくないちゃんも擁護できない、かな』

 脳内ランサーも悲し気に言う。いや、もう、ごもっとも。

 

 

 その後、俺は誤解を解き、小夜子も流石に悪いと思ったのか、俺の調べ物に付き合ってくれることになった。

 とりあえず、今日はここで解散して、明日改まって小夜子と会うことになったのだが――。

 

 

 ★

 

 

 目標は、アレと接触したようですね。はてさて、どこまで勘づいているのやら。

 とりあえず、昼間のアレは単なる人間に過ぎない。だいぶ限界も近くなっているようですが、戦いが始まった以上、簡単に替えもきかないですし、ね。

 とりあえず、ライダーさん。陽動も含めて、ちょっと何人か、人を殺していらっしゃいな。

 なぁに、働きに応じて、あなたのマスターには魔力の補充をさせてもらうことにします。

 えぇ、あなたの望みも叶えてあげますよ。

 ランサーとの、リベンジマッチですよね。私も楽しみにしておりますゆえ。

 

 

 

第1章 第2節 了

次へ進みますか?

>はい 

 いいえ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。