デュエル・マスターズDD 〜Dream creatures & Dragon girls〜   作:特撮恐竜

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今回もオリジナルエピソードです。アーシュ達の身体測定回の後に起こった出来事です。
本SSの時系列ではアオハル組との邂逅の前に身体測定回があったと思って下さい。


ツルギの葛藤(前編)

ツルギは授業中、ぼーっとしていた。というのも一昨日、アボルから聞かされた夢に対する思いについて考えていたのだが全然答えが出せなかったのだ。

 

(俺の夢に対する思いでドギラゴンがパワーアップするって言うけど・・・どうすりゃいいんだよ。俺、まともな将夢なんて持ってねえっていうのに・・・。それに月軍の事、何て話せばいいか・・・。)

「蒼井君!蒼井君‼︎」

 

授業中なのに上の空なツルギに眼鏡をかけた若い女性の教師『ツバキ』が呼び掛ける。思わず隣に座っていたアーシュが慌ててツルギを叩き起こす。

 

「ツルギ君、呼ばれてますよ‼︎」

「へっ⁉︎あ、はい⁉︎」

「全く・・・授業はちゃんと聞きなさい‼︎」

「は、はい‼︎すんません‼︎」

 

ツバキの注意で何とか意識を黒板に戻し、一限目を乗り切る。今度は体育で身体測定があった為、皆がグラウンドに集まった。現在は立ち幅跳びが行われている。皆が順番待ちしてる中でもツルギは頭の中に月軍及びドリームの力の事が頭を離れられずにいた。

 

(夢・・・夢かぁ・・・。確かにドギラゴンが新たな力に目覚め、パワーアップするならいいけど、その条件が俺の夢に対する思いなんてなぁ。確かにアボルの話通りならドリームの力は月軍との戦いに凄え役立たんだろうけど・・・俺の夢かぁ・・・。)

「ツルギ?お前何ボーッとしてんだ?」

「次、ツルギの番だぞ。」

「えっ⁉︎ああ、悪い‼︎」

 

クラスメイトに指摘され、自身の番が来ていたツルギは正気に帰る。そして立ち幅跳びに挑んだ。

 

 

 

 

 

 

それから昼休みになり、アーシュ達生徒会メンバー全員が生徒会室で昼食を食べていた。アーシュ、すず、ゼオスは何処か暗い表情になっている。

 

「かいちょー達どったの?凄く落ち込んでるけど・・・。」

「いえ、さっきの身体測定の時に何度かドラゴン化しちゃって・・・それで何度も元に戻る為時間稼ぎしてたら・・・。」

「わらわ達3人、放課後居残りになってしまった・・・。」

「だから朕達、また身体測定しなきゃいナイノ・・・。」

「うわ〜、それは災難やったなぁ・・・。」

「はい・・・やっぱりドラゴン娘にはなりたくないです・・・。」

 

ツルギはハンバーガーを手に取ってその様子を見て、彼女達のドラゴンの力が日常生活においては不便なものになっていると再確認する。その一方でアーシュ達は放課後について話し合っていた。

 

「そんなら今日の生徒会活動はどうする?」

「悪いんですけど3人で先にやっててくれますか?」

「せやな・・・ウチら3人で済ませとくか。」

「そだね。ね、ツルっち。」

 

メガが話し掛けるもツルギはハンバーガーを手に持ったまま、空を見上げて考え込んでた。そんなツルギにメガが近付いて顔の前で手を振る。

 

「おーいツルっち〜。聞いてる?」

「へ?あっ、ああ・・・悪い!で、何?」

「アーシュはん達、放課後に再測定らしいからウチら3人だけでやるでって話や。」

「あ、ああ・・・分かった。」

 

ギャイの問い掛けに頷きながらツルギが答えるとアーシュだけでなくすずやゼオス、今日のツルギの様子が気になっていたらしく疑問を口に出した。

 

「ツルギ君、今日はどうしたんですか?」

「貴様、今日は何かボーッとしてる事が多いぞ。」

「どうかしたんデスカ?」

「いや・・・特に何も。」

 

思わずツルギは彼女達から視線を逸らして嘘を吐く。しかし、視線を逸らした事で逆に怪しんだメガとギャイは更に問い掛けた。

 

「嘘〜、明らかに今、目を逸らしたじゃん。」

「何か隠し事してるのあからさまにバレバレやで。」

「・・・特に対した事じゃねえよ。だから気にすんな。」

 

何かを隠し事してるのを彼女達に見透かされるも決してその内容を話そうとしないツルギ。ツルギの隣でハンバーガーを食べていたドギラゴンはアボルとの会話を思い出してそれを口にしようとするも阻まれた。

 

『なぁ、ツルギ・・・お前の考えてる事ってこの前の』

「それ以上は言うな、ドギラゴン‼︎」

 

ツルギは慌ててドギラゴンの口を塞ぐ。その慌てぶりにアーシュ達もツルギとドギラゴンが何か知っていると確信し、思わず問い詰めた。

 

「ツルギ君‼︎ドギラゴンさん‼︎一体何があったんですか⁉︎」

「何かあるなら教えてよ‼︎」

「このままじゃ気になって午後の授業に集中出来へんて‼︎」

「・・・悪い、無理だ。」

「何故だ⁉︎」

「・・・多分、知らない方がいい。」

 

ツルギはドギラゴンを連れて生徒会室を出る。ドギラゴンを連れて学校の屋上に出るとドギラゴンが疑問を口にした。

 

『ツルギ、お前・・・アーシュ達に話さないつもりかよ。』

「アイツらに話せるかよ。人の意思も考えないクソ校長によってドラゴン娘にされてクリーチャーとの戦いに巻き込まれた奴らだぜ。ジャシン帝の肉体を奪って何かを目論んでいるような激ヤバな奴らとの戦いに巻き込めるかよ・・・。」

『・・・ツルギ・・・。』

「特にアーシュ・・・アイツが1番心配だ。見た感じアーシュ、ビビりでメンタルが弱めな所あるし、月軍の事を話したら怖くて戦えなくなる可能性があんぞ。」

『・・・まあ俺も奴らと一度交戦してる以上、分かるぜ。アイツらはアーシュ達が敵う奴らじゃねえよ。』

「だよな・・・だったら尚更戦いに巻き込めねえよ。」

 

ツルギは手に持つハンバーガーを一口齧る。そして全部口に収めるとドギラゴンに前から疑問に思っていた事を訊ねた。

 

「なあ、ドギラゴン。アイツらに与えられたドラゴンの力が消えるにはどうすりゃいいと思う?」

『分かんねえ・・・アークゼオスは一度与えたらクリーチャー殲滅まで消えねえとか言ってたけど本当かどうか・・・』

「お前でも分かんねえのか?」

『当たり前だろ。そもそもクリーチャーの力を人間に与えるという前例すら聞いた事もねえんだよ。だからこれに関しては俺もどうにも出来ねえ。この世界にハムカツ達やドカン達も来てりゃアイツらに調べて貰えるんだが・・・。』

「じゃあ・・・やっぱり行くべき先は・・・。」

 

ツルギはドギラゴンの話を聞いて思わず考え、結論を出す。そして昼休みが終わり、教室に戻ると生徒会室での一件を彼女達に謝罪する。アーシュ達もそれを受け入れ、午後の授業が始まる。そして午後の授業が全て終わるとアーシュ、すず、ゼオスは体操服を持って教室を出た。

 

「それじゃ、後は宜しくお願いします‼︎」

「任せたぞ。」

「ほな、先に行ってるで〜。」

「ツルっちも早く〜。」

「あ、ああ・・・。」

 

メガとギャイが教室を出て、生徒会室に向かう。メガに曖昧な返事を出すとツルギは少し遅れて教室を出る。そのまま後に続いて生徒会室に向かうと思いきや、彼女達に気付かれないように別方向に足を進める。向かった先は校長室だった。ツルギが校長室のドアを開けるとそこには校長が座っていた。

 

「おや、蒼井君ではないか。どうかしたのかね?」

「アンタに話がある。」

「急にどうしたんじゃ?」

「今すぐにアーシュ達に与えたドラゴンの力を消せ。普通の人間に戻せ。」

 

ツルギの口から出た発言に校長は呆気に取られたような仕草を見せる。その横からドギラゴンも姿を見せてツルギに続いて校長を睨んだ。2人の目が本気なのを知った校長は重く口を開いた。

 

「・・・随分といきなりじゃのう。どうしたというんじゃ?」

「どうもこうもねえ。アンタが与えたドラゴンの力のせいでアーシュ達の日常生活に支障がかなり出てんだよ。今日なんて身体測定なのに何度もドラゴン化して、出番を後回しにしたせいで生徒会メンバーの内、3人が放課後に再測定になっちまった。アンタ、あいつが首席合格だったからアーシュを生徒会長にしたらしいけど、このままこのような事が続けば、生徒会活動にも支障が出るぜ。」

『それだけじゃねえ。今、クリーチャー達の中で組織的なヤバい勢力が活動してやがる。』

「奴らの名は月軍。夜の四天王と呼ばれてる4人のデーモン・コマンドが幹部をやってる奴らだ。」

「月軍・・・じゃと⁉︎」

 

ツルギの口から出た発言に校長は顔色を険しく変えながら驚いた様子で話す。その様子にツルギとドギラゴンは疑問を浮かべた。

 

「アンタ・・・奴らの事知らなかったのか⁉︎」

「・・・最近、妙な連中が動いてるという噂は聞いておった。じゃが奴らの名前を聞くのは初耳じゃ。そうか・・・奴ら月軍というのか。」

『俺は一度そいつらの1人エルボロムとこの世界に来る途中で戦ったから分かる。奴らはアーシュ達じゃ絶対に勝てねえ!アイツらの身の安全の為にもアーシュ達に与えたドラゴンの力を消せ‼︎』

 

校長はツルギとドギラゴンの主張を聞いて2人がここに来た訳を理解する。アーシュ達の身を案じてここに来た2人に感心する一方でツルギ達にとって聞きたくない答えが出た。

 

「成る程のう・・・彼女達の事を考えて直談判に来た訳か。じゃが無理じゃ。流星君達に与えたドラゴンの力はクリーチャーを殲滅するまで決して消えん。」

「おい、与えておいてそれは無責任じゃねえのか⁉︎」

『何で与える事は出来んのに逆は出来ねえんだよ‼︎おかしいだろ‼︎』

「仕方ないじゃろう。それに前にも言った筈じゃ。月軍とやら以外にもこの学校にクリーチャーの魔の手が忍び寄っておる。その為に彼女達にもドラゴンの力を付与する必要があったとな。仮にその連中が来るとしたらただの人間では太刀打ち出来ん。流星君達にはドラゴンの力が必要じゃ。だから消す事は出来ん。」

「俺達2人がいれば充分だ。」

『元々俺達だけで戦うつもりだったしな。』

「何を言う?お主らだけではどうにも出来ん事もあるじゃろう?共にクリーチャーと戦う力を持つ仲間が必要な筈じゃ。」

「それだったらアーシュ達以外にもいるぜ!他校に通う友達に俺と同じようにクリーチャーに認められ、真のデュエルが出来る友達が1人いる‼︎俺とドギラゴン、そしてあいつらがいれば充分だ‼︎だから彼女達を元の人間に戻せ‼︎」

 

力強く宣言するツルギは机を強く叩きながら主張する。そんなツルギに対して校長が出した答えはツルギが期待したものではなかった。

 

「無理じゃ。そのお主の友達はこの学校にはおらんのじゃろう?月軍に対抗する為にもこの学校にはドラゴン娘が必要じゃ。お主の話を受け入れる訳にはいかんよ。」

「そうかよ・・・。」

 

ツルギは顔を校長から背けて、拳を強く握り締める。そしてツルギの感情に同調するかのようにドギラゴンも本来の姿になる。そして校長に振り向いたツルギの手にはデッキがあった。真のデュエルを行う気満々だ。

 

『だったら俺達でテメエをぶっ倒して‼︎』

「アーシュ達を人間に戻すまでだ‼︎」

「ツルっちにドギちゃん⁉︎」

 

ツルギが真のデュエルの為のデュエルフィールドを広げようとした時、思わぬ声がして、後ろを振り返る。そこにいたのは先程話題に上がった生徒会メンバーであり、再測定を免れたメガとギャイだった。2人はいつまでも生徒会室に来ないツルギを探していた。クラスメイト達から目撃証言を聞いて校長室に向かった事を知った2人は真のデュエルを挑もうとしているツルギと校長を攻撃しそうなドギラゴンを必死に止める。

 

「お前ら、どうしてここに⁉︎」

「ツルっちを探しに来たんだよ‼︎」

「校長室に向かったって聞いたから来てみれば何してんねん⁉︎ドギラゴンなんてホンマの姿になっとるし‼︎」

「今からこの校長をぶっ倒すところさ‼︎」

「えっ⁉︎ちょいちょいちょい‼︎」

「落ち着いて落ち着いて‼︎」

 

今にも校長に真のデュエルを挑もうとするツルギをメガとギャイが宥める。それでもツルギは2人を振り切って校長を倒そうとするが、校長の口から衝撃の話が出る。

 

「それにじゃ。儂を真のデュエルで倒したとしても彼女達のドラゴンの力は消える事はないぞ。」

「『何‼︎』」

「例え儂に真のデュエルを挑み、見事倒す事が出来たとしても彼女達は何も変わらん。」

「・・・嘘ついてんじゃねえだろうな。」

「こんな状況で嘘をつく程儂は愚かじゃないわい。」

『だったらここで試してやろうか‼︎ああ‼︎』

「ドギちゃん‼︎落ち着いてってば‼︎」

「ここでアンタが本来の姿で戦えば学校が吹き飛ぶで‼︎」

 

剣に力を入れ始めるドギラゴンをメガとギャイがドラゴン化しながら必死に止める。その一方でデッキをまだ構えているツルギを見たメガはドギラゴンから離れてツルギを抑えた。

 

「ツルっち‼︎一体何の話をしていたのか分かんないけど、生徒会室に戻ろう‼︎」

「校長に手を出したらアカン‼︎これからの生徒会活動に響くで‼︎」

「・・・仕方ねえか。」

 

ツルギは諦めてデッキをしまうとメガとギャイによって生徒会室に連れ戻される。ドギラゴンも本来の姿からデフォルメされたマスコットスタイルに戻っていた。2人は席に座るとメガとギャイに何をしていたのか聞かれている。

 

「ねえツルっち、さっき何で校長と揉めてたの?」

「何かウチらが関係してるみたいやったけど・・・。」

「もしかしてボク達のドラゴンの力をめぐって言い争ってたとか〜?」

「メガ、流石にそれは・・・。」

 

メガが冗談気味で思い付いた事を口にするとツルギとドギラゴンは思わず黙り込む。その様子を見て図星だったと知り、ギャイは確信を得る。

 

「・・・どうやらホンマやったみたいやな。」

「嘘⁉︎ボク、勘で言ったのに⁉︎」

「・・・はあ、メガって勘が凄え事あるよな。そうだよ。お前らを元の人間に戻せないか話してた。」

「ホンマにウチラの為やったんやな・・・。でも何で急にその事で校長と揉めたん?」

「・・・ちょっとな・・・。」

 

またしても口籠るツルギに焦ったさを感じたギャイは頭を掻きながら問い詰める。彼女の視線はツルギの隣に座るドギラゴンにも目を向けていた。

 

「ツルギはん‼︎いい加減白状せえや‼︎昨日から何かおかしいでアンタ‼︎もしかして昼間にドギラゴンと話してた事と関係してるんか?どうなんや、ドギラゴン‼︎」

 

ドギラゴンが視線を逸らした事で自身の推測が当たっていたと知るギャイ。それを悟るとツルギだけでなくドギラゴンにも問い詰めた。

 

「その様子やと図星みたいやな。ツルギはんにドギラゴン、アンタら何を知ってるんや⁉︎正直に白状せい‼︎」

 

ツルギとドギラゴンはお互いに顔を見合わせてどうするか悩み始める。するとその雰囲気を変えるようにメガがデッキを出してきた。

 

「ツルっち、ボクとデュエマしよ。」

「・・・はあ⁉︎」

「メガ、アンタ今はそれどころじゃ」

「こんな時だからだよ‼︎ツルっち、何か悩みを抱えてるんでしょ?悩みで抱えたモヤモヤ気分を吹っ飛ばすにはボク達ならデュエマが1番‼︎だから、ボクとデュエマで勝負しよっ‼︎」

「メガ、お前・・・。」

 

ツルギはドギラゴンと顔を見合わせる。ツルギのその顔色と目にドギラゴンも笑みを浮かべて頷いた。ツルギも対抗するようにデッキを取り出す。

 

「いいぜ。俺も気分をスッキリさせたかったんだ‼︎受けて立つぜ‼︎」

「ツルギはんがそれでええならええけど・・・メガ、ツルギはんに勝てる自信あるん?」

「ふふーん‼︎実は昨日のバイト帰りに偶然カードショップに立ち寄ってさ〜。そこでバイト代使って色々とカードを買ったんだ〜。」

 

実はメガ、コンビニバイトをしている。そして昨日の放課後にバイト代で自身のデッキに使えそうなカードを何枚か購入したらしいのだ。

 

「そのカードを入れて改造したこのデッキならボク達の中で1番強いツルっちにも勝てる自信があるよ‼︎だからだいじょぶだいじょぶ‼︎」

「面白え・・・やってみな‼︎」

 

ツルギとメガは机に山札とシールドを並べてデュエルの準備をする。メガのスマホに闘技場と宙に浮かぶシールドが映し出されると両者は手札を手に取った。

 

「それじゃ行くよ‼︎準備はいい⁉︎」

「当然だ‼︎受けて立つぜ‼︎」

「「デュエマスタート‼︎」」




思った以上にツルギが葛藤しているシーンより校長との直談判に力を使っちゃった・・・。それと何気にツルギVSメガのデュエルを書いたのが初で驚いています。

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