デュエル・マスターズDD 〜Dream creatures & Dragon girls〜 作:特撮恐竜
「ホンマに出てきおったで・・・。」
「本当にコストもパワーも∞デス・・・。」
「幾ら何でもチート過ぎるぞ・・・。」
∞の出した切札ゲンムエンペラーにギャイ、ゼオス、すずが戦慄する。デュエマを始めて間もない彼女達にとってスペックがとんでもないクリーチャーを見るのは衝撃が強かったようだ。それでもまだツルギのバトルゾーンにいるクリーチャーを見てメガは明るく声を上げる。
「で、でもまだツルっちにはヴェヴェロキラーがいるじゃん‼︎それでダイレクトアタックを」
「無理だ‼︎ヴェヴェロキラーじゃトドメを刺せねえ。」
「え?何で⁉︎ヴェヴェロキラーの能力でドギラゴンをアンタップ出来るし、ヴェヴェロキラーもスピードアタッカーじゃん‼︎このまま攻撃しちゃえば」
「出来ないんだよ‼︎ゲンムエンペラーが場にいる限り、コスト5以下のクリーチャー、呪文の効果は使えなくなるんだ。」
「え⁉︎コスト5以下のクリーチャーと呪文が・・・使えない⁉︎」
そう、ツルギが何故ゲンムエンペラーを出させないようにクリーチャーを潰していたのか理由はその能力にある。このクリーチャーが出ればコスト5以下のカードが使えなくなる。ツルギのデッキにはコスト5で使いやすい流星アーシュ、切札勝太&カツキングといったカードがあるためそれらが使えなくなるのを防ぐ為にクリーチャー除去に当たり、ムゲンクライム封じをしていたのだ。
『そのとおり、ゲンムエンペラーが出た事でヴェヴェロキラーはタダのバニラカードとなった。仮に攻撃出来たとしてもゲンムエンペラーはブロッカーだから攻撃を防げる。君のダイレクトアタックは届かないよ。』
「という事はソイツはパワー∞のブロッカーなんか⁉︎大抵のクリーチャーを破壊出来るやん‼︎」
「チート過ぎるにも程があるぞ・・・。」
「仕方ねえ・・・ターンエンドだ‼︎そしてターンが終わる時、ドギラゴン閃をアンタップ‼︎」
ツルギはターンを終える。そして∞にターンが回ると彼女は更にブロッカーを持つドロキオ垓召喚する。
『ドロキオ垓を普通に召喚。』
「またドロキオ垓を・・・。」
『∞龍 ゲンムエンペラーでシールドを攻撃。』
「忘れたのか、ドギラゴン閃はブロッカー持ちだ。ブロックして」
『ブロックもさせないよ。マスター・ドラゴンを持つゲンムエンペラーが攻撃した事でアタック・チャンス発動。天ニ煌メク龍終ノ裁キを発動させて君のクリーチャーを全て行動不能に。』
「天ニ煌メク龍終ノ裁キって確か・・・‼︎」
「ゼオちも使ってた奴じゃん‼︎マスター・ドラゴンが攻撃する時にタダで使える呪文‼︎」
「しまった‼︎」
『これで守りは完全に封じたよ。ゲンムエンペラーで∞ブレイク。シールドを好きなだけ破壊するよ。』
「好きなだけ⁉︎という事は全て破壊する事も出来るって事⁉︎」
「実質ワールドブレイカーみたいな物じゃないですか⁉︎」
ツルギのバトルゾーンのクリーチャーは全てフリーズされ、動けなくなる。ドギラゴン閃も動けなくなる中、ゲンムエンペラーは口に黒いエネルギーを集めて放つ。そして闇の龍が黒い光線を放ち、ツルギのシールドを全て粉砕した。
「ツルギ君のシールドが全て破壊されてしまいました‼︎」
「やったでし‼︎これで奴のシールドは全て砕けたでし‼︎」
「Victoryまであと少しですわ‼︎」
「いけ∞‼︎うぬの強さを見せてやれ‼︎」
『ゲンムエンペラーを龍終ノ裁キの効果でアンタップ。コスト6以上のS・トリガーが出ない限り、私の勝ちだよ。』
「来い‼︎S・トリガー‼︎」
ツルギは5枚のシールドだったカードを確認する。そして最初の2枚を確認したがそれはコスト5のアーシュと切札勝太&カツキングだった。そのまま出しても意味がないと思ったツルギは手札に加える。
「くそ‼︎駄目だ‼︎」
「アカン‼︎トリガーはあるけど、コスト5のカードや‼︎」
「うわーん‼︎このままじゃツルっちが〜‼︎」
『どうやら私の勝ちの様だね。約束通り、私達の部費は申請した額を貰うよ。』
「決めるのはまだ早えっての‼︎」
3枚目のシールドを捲るもS・トリガーではないカードが来る。そして4枚目、5枚目を確認するもいずれもS・トリガーではないカードだったらしく、そのまま手札に加えた。その様子にアーシュは思わず絶望する。
「駄目だ・・・S・トリガーじゃねえ。」
「ええっ⁉︎嘘ぉ⁉︎」
「そんな・・・それじゃツルギ君の負け・・・。」
『久しぶりに楽しめたよ、このデュエル。君も中々強かった。でも、私の勝ちだね。これでゲームオーバーにしてあげる。幻龍 ゲンムエンペラーでダイレクトアタック。』
幻龍の方のゲンムエンペラーが口にエネルギーを集め始める。そしてトドメの一撃が放たれたと思ったその瞬間、ツルギは1枚のカードを出した。
「待てよ。まだ勝負は終わっちゃいねえぜ。」
「は?貴様何言ってるでし?」
「うぬにはもうS・トリガーとやらはないのじゃろ?」
「確かにS・トリガーはねえな。『S・トリガー』は。でも、革命0トリガーだったら・・・最後のシールドに眠ってたぜ‼︎」
「えええええええ⁉︎」
『革命0トリガー⁉︎まさかここでそれを出すとは・・・。』
「何やねん‼︎もーヒヤヒヤさせおって‼︎」
「革命0トリガー『
ツルギは山札を捲り、捲ったカードを確認する。それは光文明を持つゼオスのカードだった。
「よっしゃあ来たぜ‼︎ゼオスさんをそのまま出して進化だ‼︎」
「このタイミングで姐さんのカードを⁉︎最高やないか‼︎」
『またしても生徒会メンバーのカード⁉︎』
「革命0トリガーで進化させる際に出した進化元のカードの登場時能力はそのまま使用出来ます‼︎しかもゼオスさんは8マナだからゲンムエンペラーの能力の対象外です‼︎」
「ゼオスさんの登場時能力で幻龍 ゲンムエンペラーをシールド送りだ‼︎」
幻龍の方のゲンムエンペラーがシールドに封じられ、攻撃を防がれた∞の顔に焦りが出る。
「これで俺の場にはブロッカーがいる‼︎帝王坂、お前のクリーチャーの中で攻撃が可能なのはゲンムエンペラーのみ・・・よってお前は俺にトドメをさせないぜ‼︎」
『やられた・・・仕方ない、ターンエンド。』
「けど、どないするつもりやツルギはん⁉︎」
「奴の場にはブロッカーが3体いる。それにゲンムエンペラーを倒さない限り、貴様に勝ち目はないぞ!」
『その通り。どんなドラゴンを出したとしてもゲンムエンペラーで無にしてあげるよ。』
ツルギは手札にあるカードに目を向ける。先程ゲンムエンペラーに破壊された際にシールドから手札に加えたカードの中には入っていたツルギの1番の切札であるドギラゴン剣のカードに目を向ける。
(確かに彼女の言う通り、ゲンムエンペラーを何とかしねえと勝ち目はねえ。俺の相棒ドギラゴンでもゲンムエンペラーには敵わねえ。なら・・・ここであのカードを引くしかねえ‼︎)
ツルギは覚悟を決めて山札の1番上のカードを引く。そしてそのカードを確認すると笑みを浮かべて歓喜の声を上げた。
「よっしゃあ‼︎来たぜゲンムエンペラーを倒せるカードがな‼︎」
「引いたのか⁉︎奴を倒せるカードを⁉︎」
「マナをチャージして、まずは禁断竜王Vol-Val-8召喚‼︎EXライフ発動でシールドを1枚追加。そして、残りのマナで今回のスペシャルゲストを出すぜ‼︎本日のスペシャルゲスト『イモータル・ブレード』をジェネレートだ‼︎」
「ば、バトルゾーンに出した時にジェ、ジェネレートって言った事はソイツはクロスギアか⁉︎」
『⁉︎』
『クロスギア』とはデュエマにおいて初登場したクリーチャーでも呪文でもない装備のカードである。場に出す際にはジェネレートと呼ばれており、カードの下に置く事でそのクリーチャーを強化させる事が出来る、しかし、装備させる際にもコスト分のマナを支払う欠点はあるもののマナが十分に有ればクリーチャー強化に繋がるカードなのだ。
「けど、クロスギアって確か装着させる時もマナがいる筈‼︎そのマナじゃ出たところで何も出来ませんよ‼︎」
「出来るぜ。このクロスギアはクリーチャーにクロスさせなくても、場にあるだけで効果を発揮するんだからな。」
「ええ⁉︎そうなんですか⁉︎」
「イモータル・ブレードが場にある限り、俺のクリーチャーは皆スレイヤーになるぜ‼︎」
『・・・ゲンムエンペラーの効果はあくまでクリーチャーと呪文だけ・・・完全にしてやられたよ。』
「Vol-Val-8で最後のシールドを攻撃‼︎攻撃時能力で山札から5枚捲り、2枚を手札にしてパワー6000以下を全て破壊だ‼︎」
Vol-Val-8が放つ炎の弾丸の雨がヴェヴェロキラーごと、∞のバトルゾーンにいる低級ブロッカー達を焼き尽くす。これで∞のバトルゾーンにはゲンムエンペラーしか残らなくなった。
「これでVol-Val-8の攻撃を守るクリーチャーはゲンムエンペラーだけだ‼︎Vol-Val-8による攻撃を続行‼︎」
『ゲンムエンペラーでブロック‼︎』
Vol-Val-8が炎と水流を放つとゲンムエンペラーがその前に立ち塞がる。ゲンムエンペラーはVol-Val-8の攻撃を受けるも口から闇の光線を吐いてVol-Val-8を爆散させる。ゲンムエンペラーも力を使い果たしてその場に倒れて爆発した。
「これでもうお前を守るブロッカーはいない‼︎革命の絆で攻撃‼︎そして革命チェンジで俺の切札にして相棒、蒼き団長ドギラゴン剣を出すぜ‼︎」
『ドギラゴン剣⁉︎』
「革命チェンジで出た事でファイナル革命発動だ。アーシュをバトルゾーンに出すぜ‼︎そしてドギラゴンで最後のシールドを破壊‼︎」
『しまった・・・!』
「アーシュでダイレクトアタックだ‼︎」
ツルギの勝ちが決まった瞬間、∞は膝から崩れ落ちる。彼女の顔はとても悔しそうな物になっていた。
『負けた・・・‼︎真っ向から挑んで・・・悔しい・・・。でも、楽しかったよ。このデュエル。』
「∞ちゃん・・・。」
『負けたのも本当に久しぶり・・・君、強いね。』
「帝王坂、アンタも強かったし、俺も凄え楽しかったよ。また機会があったらデュエマしようぜ。」
『勿論・・・私も今度は負けないから。それと私の事は∞でいいよ。』
「いいのか?・・・んじゃあ、よろしくな∞。」
『よろしくね、ツルギ。』
デュエマを通して分かり合ったツルギと∞はお互い握手する。2人の健闘を讃えながら∞の元にしのぶが、ツルギの元にアーシュが駆け寄る。
「∞ちゃん、お疲れ‼︎よく頑張ったばい‼︎」
『しのぶ、御免・・・負けちゃったよ。』
「でも、凄く熱くなる勝負だったっちゃ!負けたのは悔しいけど、見てて楽しかったばい‼︎カードゲームってあんな熱くなれる物なんやね。うちも気になってきたっちゃ‼︎」
『なら、今度やる?色々と教えようか?』
「ホンマっちゃ⁉︎是非教えて欲しいばい‼︎」
「ツルギ君、お疲れ様です!」
「おう、アーシュ。」
「本当に凄いデュエマでした。∞さんの切札に対してあんな対抗策をしてくるなんて。」
「よせよ。俺だって革命0トリガーとゼオスさんのカードが出なけりゃ危なかったんだからな。」
「でも、見事な逆転劇でした‼︎見てるこっちもハラハラしちゃいましたよ。流石はツルギ君ですね‼︎」
アーシュに褒められてツルギも照れて恥ずかしくなったのか顔を赤くし出す。その一方で∞は気になる事があったのかツルギに確認を取っていた。
『そういえば君の名前、蒼井ツルギだっけ?』
「ああ、そうだけど・・・。」
『ドギラゴンの革命チェンジと5色のドラゴンを使いこなす君のスタイル・・・もしかして君、昨年の冬休み頃に開催されたデュエル・マスターズ全国バトルアリーナJr.グランプリに参加してない?』
「え?・・・参加してたけど・・何でそれ知ってるの?」
『やっぱり・・・君の顔にドギラゴンの革命チェンジをメインとした戦法・・・思い出したよ。君、あの大会で決勝トーナメントまで上り詰めてベスト4の成績を出したドギラゴン使いのツルギでしょ。』
「うえっ⁉︎お前、何でそれを知ってんだよ⁉︎」
『私も参加してたから。あの大会。』
「マジで⁉︎」
まさか学校で自身が参加したデュエマの大会の参加者と会う事になるとは思わず、ツルギは驚く。その一方でゼオス、すずがツルギに疑問を訊ねた。
「何の話をしてるんデス?」
「おい、何だ全国バトルアリーナJr.グランプリって?」
「ああ、すずちゃんとゼオスさんには話してなかったっけ?中学2年の頃にクラス全員で全国規模のデュエマの大会に出た事があるんだよ。中学生までの年齢の奴らが対象で日本全国から中学生以下のデュエリストが集まった大会があったんだ。」
「それってもしかして‼︎」
「前に話してた大会の事ですか⁉︎」
アーシュ、メガは以前にツルギの口から語られた彼の中学2年の頃の話を思い出す。ツルギが頷くとギャイは思わず確かめたい事を口に出さずにはいられなかった。
「それって全国から日本一になる為にデュエマやってる中学生以下の人達が集まった訳やろ?どれくらいの人数が大会に出たん?」
「えーっと・・・確か」
『大会の参加者は600万人くらいだったよ。』
「という事は・・・ツルギ君って全国の小中学生を対象にしたデュエマの大会でベスト4まで行ったって事ですか⁉︎」
「めっちゃ強いやん‼︎」
「んな事ねえよ。あの時の大会で出たのは中学生以下だけだ。それ以上の年齢だったら俺より強い奴なんてもっといる筈だぜ。ましてや世界大会レベルならな。」
謙遜するツルギの言葉にアーシュ達も返す言葉が無くなる。その一方でツルギは先程の∞の発言を思い出して訊ねた。
「∞、お前・・・俺がベスト4に入った事を知ってるって事はあの決勝トーナメントも」
『勿論見てたよ。』
「無様な試合を見せちまったな。」
『そんな事ない。どっちが決勝戦に進んでもおかしくなかったから。』
ツルギが出た大会が予想以上に規模の大きい大会だと知ったアーシュ達。その中ですずとアーシュが自身の初デュエマを思い出しながら口を開く。
「そういえば、何で全国大会で4位になれる程なのに私の初デュエマの時に苦戦したんです?」
「わらわの時も追い詰められたよな?まさか、貴様わらわの初デュエマの時に手加減してたのか⁉︎」
「違えよ‼︎それはねえ‼︎俺は常に全力を出してたぜ。お前らのデュエマのセンスがそれだけ良かった。それだけの話だよ。」
「そ、そうか・・・。」
手加減されていた訳ではないと知り、すずも安堵する。すると∞とのデュエマを思い出しながらツルギが口を開いた。
「そういえば∞、お前何であの大会で決勝トーナメントに行けなかったんだ?お前程の実力者なら行けただろ。」
『私も行けると思ってた。けど、予算で最後に優勝者のリュウゴ・ボルシィと対戦する事になって・・・。』
「ああ・・・リュウゴと当たっちまったのか。それは・・・運が無かったな・・・。」
「リュウゴ・ボルシィ?その人が優勝者だったんか?」
「ああ。」
「どんな人だったの?」
ツルギと∞はお互いに顔を見合い、自分達が参加した大会の優勝者のリュウゴなる人物の事を思い出す。そして遠い目で語り出した。
『凄まじい強さだよ。ボルシャックを使わせたら正に敵無しってくらいにね。』
「当時出たばかりの『豪炎の龍皇 ボルシャック・カイザー』を切り札としたボルシャックの名を持つドラゴンを巧みに使いこなす凄え奴だった。そのプレイスタイルや口調とかからついたあだ名は『デュエルの帝王』または『リアルプリンス・カイザ』。」
『私のチーム零もゲンムエンペラーを出す前にボルシャック達に全滅させられたよ。バベルギヌスなどを使った墓地蘇生戦略でゲンムエンペラーを出そうにもそれも見抜かれてこくごとく潰されちゃった・・・。』
「そんな凄い人がいるんですね・・・。」
「因みにアーシュ、メガ、ギャイはアボルを覚えてるだろ。あいつも決勝トーナメントに出て、決勝戦でリュウゴと当たったんだけど、惜しくも負けて優勝を掴めなかったんだ。」
「え⁉︎アボルさんって全国で2位の実力を持っていたんですか⁉︎」
「ああ、アボルはアビス使いでリュウゴはボルシャック使いだから『リアルウィンVSリアルカイザ』とか『カイザが勝った世界線』とか言われて当時は話題になったんだぜ。」
以前会ったアーシュ、メガ、ギャイはアボルが出した大会の成績に驚きを見せる。その一方で∞は自身が負けた訳に納得していた。
『私がデュエマで負けたのはあの大会以来・・・君が決勝トーナメントまで行ったあの8人の1人なら納得がいくよ。兎に角、この勝負は君達生徒会の勝ち。部費の管理はそっちの好きにしていいよ。』
「そういえばこのデュエマ、部費を掛けとるんやったな。」
「デュエマとツルギ君が出た全国バトルアリーナの事で忘れてました・・・。」
「ウチは大丈夫やけん。悔しがる∞ちゃんを見れたのも良かったし、何よりカードゲームなのに熱い勝負でウチも熱くなったばい。今度はウチもデュエマ覚えてみるけん‼︎」
「良かった・・:水泳部のしのぶさんは分かってくれたみたいですね。」
「我輩は認めないでし‼︎」
しのぶは納得する中、マロンが抗議の声を上げる。ジュラ子が止めようとする中、マロンは囃し立てた。
「ま、マロン落ち着いて。勝負にあたりわ」
「そもそもこの勝負自体ノーカンでし‼︎我輩達にとって部活は命でし‼︎その予算をカードゲームで決めるなんておかしいでし‼︎それに先程見てて思ったでし!この勝負、運が無ければその男子は負けてた筈でし‼︎」
「マロン、決着はつきましたわ‼︎だから」
「ジュラ子はどうなんでし⁉︎納得してるんでしか、この勝負‼︎」
マロンの指摘にジュラ子は沈黙する。そして小さく口を開いた。
「∞には悪いけど・・・正直に言えば・・・ジュラ子も少し納得出来ていませんわ。」
「ジュラ子ちゃん‼︎」
「テニスはジュラ子にとって命も当然ですわ。その予算をtrading card gameでdecideするなんて・・・。」
「ドーラちゃんは⁉︎」
しのぶはドーラに話を振る。ドーラは顔を背けながら口を開いた。
「勝利したのがそっちなら仕方あるまい。儂はそっちに従っても構わんと思っておる。しかし、儂自身が勝負に挑んでないからか不完全燃焼になっているのも事実じゃ。それを何とかしなければ到底この場から引き下がれん。」
「おい、いい加減に」
「つ、ツルギ君・・・落ち着いて・・・。」
下がろうとしないマロンとドーラにツルギの声が低くなる。その様子にアーシュが戦慄する。平和主義者な彼女はツルギが殴り掛かるのではないかと心配になり、止めに入ろうとしたその時、生徒会室のみならず校舎全体に校長のアナウンスか響き渡った。
『緊急事態発生!緊急事態発生!校内にて不審な生き物が複数体暴れ回っておる!部活動で残っている生徒達は直ちに避難せよ!直ちに避難せよ!』
その頃、アボルは下校途中だった。その横でジャシン帝が姿を見せる。
「どうしたの⁉︎」
『アボル、栗茶市に行くぞ。』
「え?何急に⁉︎」
『超化獣になった余には分かる‼︎奴らだ‼︎』
その頃、何処かのビルから桜龍高校を眺める影があった。4本の腕を持つ人間ではない何かは興味深そうに呟く。
『フム、あそこから新たな楽しみの予感を感じますね・・・。』
それはアボルが遭遇した月軍を纏める夜の四天王の1人にして楽しみの感情を司る水のデーモン・コマンド、楽織の夜 フミビロムだった。
アーシュ「桜龍高校生徒会による今日の切札紹介‼︎今回紹介するのは∞龍 ゲンムエンペラーです‼︎」
ギャイ「アオハル組の1人、∞はんの切札でコスト、パワー共に∞、水と闇を併せ持つチーム零を纏める闇のドラゴンや‼︎」
アーシュ「コスト∞なんて普通は召喚出来ませんが、ムゲンクライムによってクリーチャーを4体タップすれば水と闇のマナを合わせて4マナで召喚出来ます‼︎」
ギャイ「そして1番の能力はやはり、コスト5以下のクリーチャーの能力と呪文の効果を無効にしてまう能力や‼︎コイツが場にいる限り、コスト5以下のカードはバニラ化してまうで‼︎」
アーシュ「シールドを好きなだけ破壊できる∞ブレイカーに加えてブロッカーも併せ持つ正にエンペラー・・・皇帝の名を持つに相応しい闇のドラゴンです‼︎」