デュエル・マスターズDD 〜Dream creatures & Dragon girls〜   作:特撮恐竜

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今回はアニメ版のクリーチャー捕獲勝負がベースですが、かなりオリジナル展開になっています。


楽シミノ影、迫ル(前編)

「ふ、不審な生物やて⁉︎」

「まさか・・・。」

 

校長の放送にギャイとツルギが嫌な予感を感じる。ツルギ達が校長の言っていた不審な生物の正体をクリーチャーだと疑っていたその時、ドーラの後ろにそれが姿を見せる。

 

『ヘドゥル〜。』

「「「「⁉︎」」」」

「クリーチャー⁉︎」

「ヘドリアンの消男か・・・。」

 

頭が黒板消しになったヘドロのような黒い体のクリーチャーを見てツルギが特定する。その一方でアーシュ達はアオハル組にドラゴンの姿を見られる訳にはいかず、動けないでいる。ドーラに消男が後ろから迫る中、アーシュが叫んだ。

 

「ドーラさん危ないです‼︎下がって下さい‼︎」

 

アーシュが思わず覚悟を決めてドラゴン娘になり、消男を倒そうとしたその時、彼女は衝撃の光景を目にする。何とドーラは裏拳でクリーチャーを怯ませ、捕まえてしまったのだ。

 

「ほう、コイツが不審な生物とやらか・・・面白い。」

(コイツ‼︎クリーチャーを素手で捕まえやがった‼︎)

「さっきの放送では不審な生物とやらは複数いると言ってたな。丁度いい。部活の予算を掛けた勝負・・・第二ラウンドといこうではないか。」

「はぁ⁉︎」

「ちょー待て‼︎決着はついたやろ⁉︎∞はんがデュエマに負けて、ツルギはんが勝ったからウチら生徒会の勝ちの筈や‼︎」

「今の勝負だけで儂が納得すると思うか?儂自身は戦ってもおらんのじゃぞ。それに・・・先程の勝負に納得していないのが儂を含めて3人おるからのう。」

 

ドーラは横目でマロンとジュラ子に目を向ける。2人の目は未だに納得がいってない様子なのが見て分かる。

 

「さて、第二ラウンドの開始じゃ。勝敗は簡単、校内に現れた不審な生物を多く捕まえた方が勝ちじゃ。」

「く、クリーチャーは怖くないんですか⁉︎」

「怖くなどあるものか。」

『同じく。』

「ウチも怖くなか。」

「吾輩もでし。」

「ジュラ子もですわ。」

 

先程、未知の存在であるクリーチャーが現れたにも関わらず恐れを見せないアオハル組を見てアーシュは驚く。ツルギはクリーチャーに恐れない彼女達に疑問を浮かべる中、思わぬ展開におろおろしながらアーシュが全員に訊ねる。すると即座にギャイとすずが先に答えた。

 

(コイツら全員何でクリーチャーを怖がらねえんだ⁉︎デュエマを知ってる∞は兎も角他の奴らにとって本物のクリーチャーは脅威の筈だろ?)

「み、皆さんどうしましょう?」

「こうなったらしゃあない・・・受けて立つで。そっちは3人もさっきの勝負に納得してへんみたいやしな。」

「上等だ‼︎どんな勝負だろうとわらわが負けるものか‼︎次の勝負もわらわ達が勝つ‼︎」

 

ギャイとすずの言葉がきっかけでゼオスとメガも頷き、部費を掛けた勝負第二ラウンドの幕が上がる。その言葉を聞いてマロンとジュラ子が待ってましたと言わんばかりの表情になった。

 

「今度こそ吾輩達が勝つでし‼︎」

「流石に card battleだけで決められたらbadだったから丁度いいですわ‼︎」

「上等だ‼︎俺らが勝ったら今度こそ本当に俺らの言う事聞けよ‼︎」

「無論じゃ。うぬらが多く捕まえたらその時は今度こそそっちに従おう。2人も異論はないな。」

 

マロンとジュラ子も頷いた事で生徒会とアオハル組の部活の予算を掛けた勝負の第二ラウンドが幕を開けた。ツルギ達生徒会メンバーは2人1組に分かれて生徒会室を出る。ツルギはアーシュと組んでクリーチャーを探す。すると10分もしない内に廊下を彷徨く消男を発見する。

 

『ヘドゥル〜。』

「見つけたぜ‼︎」

 

消男はその場から逃げようとする。しかしその先にはアオハル組のしのぶと∞がいた。消男は2人に気付かないままぶつかるとそのまま捕まえられてしまう。さっきのドーラに続き、またしても先を越されたと思ったツルギは悔しさを見せる。

 

「だーっ‼︎やられたぜ・・・。」

「またアオハル組に先を越されましたね・・・。」

 

アーシュも何処か凹んだ声で話す。すると∞としのぶは捕まえた消男を差し出してきた。これにはアーシュだけでなくツルギも驚きを隠せない。

 

「えっ・・・ええ⁉︎」

「どういうつもりだお前ら⁉︎」

 

∞としのぶは何処か申し訳なさそうな顔になっている。∞は申し訳なさそうな顔で手に持つ端末を操作し、機械音声が鳴らす。

 

『決着がついたにも関わらず、私の仲間が納得を見せなくて・・・本当に申し訳ない・・・。』

「い、いえいえ‼︎そんな気にしないで下さい‼︎私もドーラさん達の立場だったらカードゲームで決めるなんて納得しなかったと思いますし・・・。」

「ウチと∞ちゃんはさっきの勝負で負けを認めとるけん。だから・・・ウチら2人が捕まえた分は生徒会に譲るばい。」

「いいのか?そんな事したら2人とも他の3人から反発されるぞ‼︎」

『気にしないで。せめてものお詫びだから。それにドーラ達にバレないようにこっそりやれば大丈夫だと思う。』

「それにバレたとしてもきっと3人も分かってくれる筈ばい。特に実際に勝負した∞ちゃんの言い分は。」

「す、すみません・・・わざわざありがとうございます‼︎」

 

こうしてアオハル組の中で∞としのぶの協力もあり、1匹捕獲したツルギとアーシュ。ここからはしのぶと∞、ツルギとアーシュに分かれて校舎の中にいる消男を捜索する。そして10分もしない内にツルギとアーシュは家庭科室の入り口辺りを彷徨いていた消男を発見する。

 

「見つけた‼︎早速」

「待って下さい‼︎左右から回り込んで挟み撃ちにしましょう。」

「分かった。」

 

アーシュの案でツルギはアーシュと別れて彼女の真反対に向かう。そして消男に気付かれないように忍び足で近付く。アーシュも回り込んで既にツルギの視界に写っていた。2人とも忍び足でギリギリまで近づく。そしてツルギがアーシュに視線を向けて彼女と目が合うとアーシュも頷いた。そして2人同時に飛び掛かる。

 

「今だ‼︎アーシュ‼︎」

「はい‼︎」

『ヘドゥ⁉︎』

 

そのまま消男を捕らえられると2人が思った。しかし、驚いた消男は真上にジャンプして、回避する。当然勢いを付けて飛び出したツルギとアーシュがお互いを避ける事などできる筈もなく、2人は激突して倒れ込んだ。

 

「きゃあああああ⁉︎」

「うおあああああ⁉︎・・・痛てて、アーシュ大丈夫・・・か?」」

 

ツルギは思わず目を閉じてしまうが、アーシュの無事を確認するべく目を開ける。するとアーシュの体はツルギの真下にあり、ツルギが押し倒したみたいになっている。アーシュの方はイケメンであるツルギの顔があと少しでキスするくらいの距離にあった事で顔を真っ赤にしている。思わずツルギはアーシュから飛び退き、謝った。

 

「す、すまねえ‼︎わざとじゃねえんだ‼︎ぶつかった拍子に‼︎」

「い、いえいえ‼︎謝らなくても大丈夫ですよ‼︎これに関しては仕方ありませんから‼︎」

「あれ?クリーチャーは何処に行った⁉︎」

『ツルギ、上だ‼︎』

 

ドギラゴンの声通りに上を向くとそこに消男がいた。消男はぶつかったツルギとアーシュを笑って馬鹿にした。

 

『ヘドルルルルルル‼︎お前ら2人とも馬鹿でマヌケでヘドゥル‼︎お前らみたいな馬鹿に捕まる程、俺様はマヌケじゃないヘドゥルよ〜‼︎』

 

消男はツルギ達に背を向けて、尻を振りながら嘲笑う。更に尻を振るだけでなくお尻を自分で叩きながら挑発した。

 

『間抜けマーヌケ‼︎アホ人間のアンポンタン‼︎俺様を捕まえられる物なら捕まえてみろヘドゥ〜‼︎」

「んだとテメエ‼︎攻撃出来ない雑魚クリーチャーの分際で馬鹿にしやがってええええええええ‼︎」

「つ、ツルギ君落ち着いて下さい‼︎」

 

尻を振りつつ、自分でお尻ペンペンしながら馬鹿にしてくる消男の態度にツルギが思わずブチギレる。その怒り様にアーシュが慌てて抑えようとするもツルギはアーシュを振りきって飛び蹴りをかます。しかし、軽く蹴りを避けた消男はすぐさま何処かに逃げていく。

 

「待てやゴルァ‼︎」

「ツルギ君、待って下さい‼︎ツルギ君‼︎」

『お、おいツルギ‼︎アーシュ呼んでるぞ‼︎』

 

怒りのあまり、頭に血が上っていたツルギはアーシュの自身を呼ぶ声もドギラゴンの声も聞かずに消男を追い掛ける。消男は空中に浮かびながら逃げるもツルギはドギラゴン剣のカードを出す。ドギラゴンがマスコット形態で実体化する。ドギラゴンは見事なカーブを描きながら消男の前に回り込んで挟み撃ちにした。そして口から火炎放射を放つ。

 

『喰らえ‼︎ドギラゴンファイヤー‼︎』

『ヘドゥル⁉︎』

 

消男は思わず、横に逸れて火炎を避ける。炎は直撃しなかったものの僅かに掠った炎が消男にダメージを与えていた。

 

『ヘドゥ⁉︎熱‼︎熱熱熱⁉︎』

『今だツルギ‼︎』

「うおらあああああああ‼︎」

 

ツルギは僅かに負った火傷のダメージで苦しむ消男に飛び掛かる。そしてその身柄を完全に抑えた。

 

「よっしゃあ‼︎これで1匹捕まえたぜ‼︎サンキューなドギラゴン‼︎終わったら後でチーズバーガー奢ってやるぜ‼︎」

『ポテトも付けてくれよな?』

「勿論‼︎」

 

ツルギは消男の首根っこを掴みながらドギラゴンに礼を言う。ドギラゴンと軽いやり取りを見せ、アーシュに1匹捕まえた事を話そうとするも傍に彼女の姿がない事に気付く。

 

「あれ?アーシュ?・・・アーシュ‼︎何処だ‼︎」

『あー、やっぱりはぐれちまったか。ツルギ、アーシュの奴お前を止めようとお前の名を呼んでたんたぜ。』

「アーシュが⁉︎何で言ってくれねえんだよ⁉︎」

『いや、俺も言ったんだぜ。けど、相当頭に来てたのかお前、俺らの言葉に耳を貸さずに飛び出しちまったから。』

「マジで⁉︎すまねえドギラゴン‼︎アーシュにも謝んねえと・・・兎に角アーシュと合流するぞ‼︎」

『ああ。』

 

ツルギは消男を探しながら、アーシュを探す。ドギラゴンもデッキに戻ろうとするが、何かを思い出したようにツルギに話し掛けた。

 

『悪いツルギ‼︎その前に話さなきゃいけねえ事があった‼︎』

「あ?何だよいきなり?」

『アオハル組・・・アイツらから何故かクリーチャーの力を感じた。』

「⁉︎」

 

ツルギはドギラゴンの口から出た言葉に驚く。驚きを隠せないまま、相棒の肩を掴んで問い詰めた。

 

「ど、どういう事だよそれ⁉︎アイツらクリーチャーだってのか⁉︎」

『いや、違う‼︎アイツらが人間なのは間違いない筈なんだ。だけど・・・何ていうかその・・・アーシュ達みたいに人間でありながらクリーチャーの力も僅かに感じてるんだよ。』

「それってまさか・・・アイツらもドラゴン娘だっていうのか⁉︎」

 

ツルギの口から出た推測にドギラゴンは頷く。ツルギは拳を掌に叩き付けて、校長室の方を向いた。

 

「もし、アイツらがドラゴン娘ならアークゼオスのクソ校長を問い詰めねえとな。生徒会メンバーは既に揃ってるってのに勝手に増やしやがって‼︎」

『全くだな。そろそろ行こうぜ、ツルギ。』

 

ドギラゴンがツルギを促す。ツルギもアーシュと合流しようと動く。2人はアーシュと消男を探すが、かなり遠いところまで離れたのかアーシュが見つからずにいる。

 

『ヤッベえな・・・何処まで来ちまったんだ俺ら・・・。』

「マジで御免。・・・俺が頭に血が上ってお前の言葉を聞かなかったばかりに・・・。」

『ま、お前の気持ちは分かるよ。あんな挑発されたら誰だってキレるだろうからな。だから気にすんなって。』

「・・・なぁ、ドギラゴン。」

「どうした?」

 

ツルギはドギラゴン剣のカードを取り出してカードを眺める。カードを眺めながら静かに口を開いた。

 

「アボルからドリーム・クリーチャーの話を聞かされて1週間経つだろ?」

『ん?あ、ああ・・・。』

「あれから1週間かなり考えてみたよ。でも、正直な話自分の夢はまだ見つかってねえ。」

『たった1週間で見つかる物じゃねえって。気にすんなよ。俺は気長に待つって言っただろ?』

「でもさ、夢がない俺でも、夢を守る事は出来ると思うんだ。例えば・・・アーシュは中学時代ぼっちだったから高校生になってからは俺達生徒会のメンバーと一緒にキラキラJKライフを送る日々を夢見てる。・・・多分、メガもギャイもすずちゃんもゼオスさんも・・・そしてアオハル組の皆も何かしら夢見る物があると思うんだ。」

 

ドギラゴンはツルギの言葉を黙って聞いている。ツルギはドギラゴンの表情も見ずに話し続けた。

 

「生徒会やアオハル組だけじゃない、もし俺に守れる力があるのなら・・・皆が何気なく夢見る未来を守りたい。夢を壊そうとする奴らから皆の夢を守りたい。それが俺の夢に対する思いだ。・・・こんなんでお前がドリームの力に目覚めるとは思えないけどな。」

『んな事ねえ。立派な夢に対する思いだと思うぜ。』

 

最後に出た自傷気味なツルギの言葉にドギラゴンはそんな事ないと否定する。ドギラゴンも己の過去を思い返しながら口を開いた。

 

『侵略者の奴らにランド大陸が襲われたあの日から思ったんだよ。民にとっての1番の幸せってのは・・・笑って・・・泣いて・・・くだらない話で盛り上がったり、一緒に飯を食ったり・・・そんな当たり前だけど平凡な生活こそが民にとって1番の幸せだってな。』

「ドギラゴン・・・。」

『だからよ‼︎俺達で力を合わせて戦おうぜ‼︎皆が夢見る何気ない物を壊そうとする奴らとな‼︎』

「ありがとな・・・ドギラゴン。」

 

その時、蒼き団長 ドギラゴン剣のカードが光り出す。そしてツルギ自身も赤と緑の光を放っていた。ツルギは思わぬ自身の姿に困惑を見せる。

 

「ど、ドギラゴン‼︎何だよこれ⁉︎」

『わ、分からねえ‼︎』

 

ドギラゴンも未知の現象だったらしく困惑していた。するとツルギから出ていた光は赤と緑の粒子となりドギラゴンに降り注ぐ。ドギラゴンは自身の体に違和感を感じていた。

 

『何だこれ・・・力が漲ってくる‼︎これは・・・マナか⁉︎』

「マナ⁉︎どうして俺からマナが⁉︎・・・そういえば・・・。」

 

ツルギはアボルから見せてもらったドリーム・クリーチャーの資料にて『夢への思いを神秘の力に変える』という文を思い出す。古文書に書いてあった神秘の力がマナではないかという推測が正しかったとツルギは思い知った。

 

「やっぱり・・・神秘の力ってのはマナの事だったのか‼︎」

 

夢への思いが変換されたマナが全てドギラゴンに降り注ぎ切るとドギラゴン剣のカードから放たれる光が更に強くなる。ツルギもドギラゴンもその眩しさに思わず目を閉じた。そして光が収まり、目を開けるとツルギの手にあるカードが2枚に増えていた。

 

「カードが増えてる⁉︎もしかしてこれが・・・新たな力に目覚めたドギラゴンの姿か⁉︎」

『間違いねえよ。初めて革命チェンジの力を手に入れたあの時やドギラゴールデンの姿を手にした時と感覚が凄え似てる。お前のお陰でどうやら本当に新たな力に目覚めたみたいだぜ‼︎』

 

ドギラゴン剣の後ろに重なっていたそのカードを確認するとドギラゴン剣と同じく蒼い鎧を纏っているものの姿が何処か違うドギラゴンのイラストがあった。更にそのカードには大きく『DreaM』の文字が刻まれていた。ツルギはそのカードの名前を確認しながら口にする。

 

「これがドリームの力に目覚めたドギラゴンの姿・・・『蒼き王道 ドギラゴン超』・・・。」




漸く本作の根幹であるドリームレアのカードを出せました‼︎・・・ここに来るまで本当に長かった気がする・・・。
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