デュエル・マスターズDD 〜Dream creatures & Dragon girls〜 作:特撮恐竜
栗茶市の上空を一機のヘリコプターが飛んでいた。ヘリコプターに乗っていたのはツルギと同年代くらいの赤と白のメッシュが入ったロングヘアの桜龍高校の制服を着た少年だった。隣には2mを超えた人間離れした筋肉質の男が座っている。
「そろそろだな。懐かしい、栗茶市の町だ。」
「リュウゴ坊っちゃま、桜龍高校が見えました。」
「ご苦労、そのまま飛んでくれ。」
「了解しました。」
操縦士の報告を聞いたリュウゴと呼ばれた少年はヘリコプターをそのまま飛ばす様に告げる。リュウゴの指示を聞いた操縦士はそのままヘリを桜龍高校の方に向かって飛ばした。
その頃、ツルギ達はいつものように登校していた。ツルギは校門前でアーシュ達生徒会メンバー全員と合流し、6人はそのまま談笑しながら歩いていた。話の途中で突然、ゼオスが何かに気付いて上に目を向ける。
「ゼオスさん、どうしたんですか?」
「ヘリがこっちに飛んで来てるワ。」
「えっ⁉︎・・・何も来てませんよ。」
「いえ、こっちに近付いてマス‼︎」
アーシュは思わずゼオスの見ていた方向を見るも何も見えない。ゼオスの気のせいかと思った彼女が気のせいではないかと考えるも、ゼオスは視線を上に向けている。するとアーシュ達の目にも小さくだがヘリが写った。
「本当だ‼︎ヘリが飛んでる。」
「何でヘリがここに向かってるんだ⁉︎」
「落ち着け。偶々ヘリの行き先がここを通過するだけの可能性もあるだろ。」
すずは冷静に見るも、ヘリは確かに桜龍高校に近付いている。そして桜龍高校に近付くにつれて低空に差し掛かっていた。
「おい‼︎あのヘリこっちに降りてくる気だろ絶対に‼︎」
「何でヘリがここに着陸するん⁉︎」
「何だ何だ‼︎」
「ヘリがこっちに向かってるわ‼︎」
アーシュ達以外の登校していた生徒達もヘリに気付いて騒めき出す。ヘリは桜龍高校の真上で高度を下げると、ヘリのドアから桜龍高校の制服を着た凛々しい顔付きの赤と白のメッシュが入ったロングヘアの少年が顔を見せた。真っ先にメガとアーシュ、ツルギがそれに気付く。ツルギは少年の顔を見て驚いた顔になった。
「ヘリから誰か出て来たよ‼︎」
「桜龍高校の制服を着てるって事はこの学校の生徒⁉︎」
「えっ⁉︎アイツ、まさか⁉︎」
「ヘリを降ろしてくれ。」
「了解しました。」
ヘリはそのまま降下し始める。そして校庭に着陸すると少年が校庭に降り立つ。少年が降り立ったと同時にそばにいた仮面の大男も降り立つとヘリは上昇し、何処かへ去っていく。生徒達が騒ついているのを見て先生が2人ほど駆け付ける。つばきと一緒に生徒指導で体育教師の『シゲちゃん』と呼ばれている先生が周りの生徒に確認を取った。
「皆さん、何の騒ぎですか⁉︎」
「ヘリの音が聞こえて来たぞ⁉︎」
「あっ、ツバキちゃんにシゲちゃん‼︎」
「あの人がヘリに乗って登校して来たんや‼︎」
2人が視線をギャイの指差した方向に向け、ヘリから降り立った生徒を確認する。そしてヘリから降り立った生徒を見て驚きを見せた。
「お前、ボルシィか⁉︎」
「お久しぶりです。シゲ先生、つばき先生。」
「ヘリに乗って来たの⁉︎駄目よ!周りの人達の事を考えなさい‼︎」
「申し訳ありません。乗る筈の便があった空港でハイジャック事件が起きてしまい、間に合いそうに無かったので自家用ヘリを飛ばしました。安心して下さい。校長先生には許可を取っていますので。」
「「えっ⁉︎」」
2人の先生は思わず驚きを見せる。するとタイミングを見計らったのか校長がその手にヘリの着陸許可証を持ってやってきた。
「大丈夫じゃよ、2人とも。」
「校長先生⁉︎」
「既にボルシィ君からの申請があってのう、空港で非常事態が発生した為、今回に限ってヘリの着陸許可が欲しいとな。」
「そ、そうなんですか・・・。」
「校長先生、私達にも先にそれを伝えて下さいよ・・・。」
思わず先生2人が安堵する中、上級生の女子達が騒めき出す。ツルギが真っ先にボルシィと呼ばれている少年に向かう。アーシュとギャイが引き留める声も気にせず、真っ先に話しかけた。
「嘘⁉︎あれってボルシィ君⁉︎」
「間違いないわ、ボルシィ様よ‼︎」
「3学期の間、海外に留学していたあのボルシィ君が帰ってきたのね‼︎」
「ヘリで登校してくるなんて、何てワイルドなの‼︎流石はボルシィ様だわ‼︎」
「え、ツルギ君⁉︎」
「ちょっ、何処行くねん⁉︎」
「凄え派手な登校してんな、リュウゴ。」
ツルギにリュウゴと呼ばれた少年はツルギの顔に目を向けると驚いた顔になる。そして何処か嬉しそうな笑みを浮かべてツルギに駆け寄った。
「君は・・・ツルギ?まさかツルギか⁉︎」
「そーだよ。一昨年の冬休みの時期に開催されたデュエル・マスターズバトルアリーナJr.グランプリに参加して、一緒に決勝トーナメントに参加したツルギだ。」
「やはり・・・ツルギ、久しぶりだな‼︎元気にしてたか⁉︎」
「おう、お前も元気そうだな‼︎」
ツルギとリュウゴはお互いに笑みを浮かべながら腕を組み合う。よりによって1年のツルギがリュウゴと親しそうなのが気に食わない様子の上級生の女子達が2人の間に割って入った。
「うわっ、何なんスか⁉︎」
「それはこっちの台詞よ‼︎1年の癖にボルシィ様に向かって偉そうにタメ口を叩いて‼︎」
「貴方もかなりのイケメンだけど、ボルシィ様は貴方を上回る凛々しい素敵なお方なの‼︎1年の分際でタメ口をきいて話しかけないでくれる⁉︎」
「そうよ‼︎そもそも貴方、1年でしょ‼︎それなのに年上で私達と同じ2年のボルシィ様にタメ口を聞いて、生意気にも程があるわ‼︎」
「お、俺はただ単に」
「止めないか、みっともない‼︎」
流石に上級生から一斉に非難され、ツルギもタジタジになるがリュウゴが思わず止めに入る。上級生達は思わずリュウゴに疑問を口にする。
「どうして止めるんですか⁉︎」
「そうよリュウゴ君‼︎生意気にも貴方にタメ口を」
「ツルギは一昨年の冬休みに心を通わせた私の友だ。年下だろうが関係ない。お前達こそ私の友に無礼だぞ‼︎」
「「ううっ・・・。」」
リュウゴに戒められ、上級生達が思わず押し黙る。リュウゴはツルギに顔を向けると頭を下げて謝罪した。
「ツルギ、すまない。悪い人達ではないのだが、彼女達は私を神聖化し過ぎている所があってな・・・。」
「いや、俺もリュウゴの方が年上だと知らないで接していたからな。悪かったよ。」
「あの時はお互い、どっちが年上かとかは気にしなかったからな。私の事は今まで同様に呼び捨てでいいぞ。タメ口も構わない。寧ろあの決勝トーナメントに進出した8人の1人であるお前に敬語で話される方が好かん。」
「分かったよ。これからもよろしくな、リュウゴ。」
「あの〜、ツルギ君・・・。」
ツルギがリュウゴと笑いながら向かい合っている横でアーシュ達が恐る恐るツルギとリュウゴに話し掛ける。ツルギはアーシュ達の事を思い出すとリュウゴに紹介した。
「ああ、悪い。アーシュ、皆、前に話したよな?昔、一緒にデュエマの大会に出たリュウゴだ。リュウゴ、コイツらは俺のクラスメイトで同じ生徒会メンバーのアーシュにメガにギャイにすずちゃんにゼオスさん。」
「よ、よろしくお願いします‼︎」
「よろしく、リュゴ先〜。」
「メガ、流石に馴れ馴れしいって‼︎ボルシィ先輩よろしゅうお願いします・・・。」
「構わないさ。気にしないでくれ。それにしても・・・君達が生徒会メンバー?我が校に生徒会が出来たのか?」
「ええ、校長先生に任命されてしまいまして・・・。」
「そうか、入学したばかりなのに大変だな。何かあったら力を貸そう。これでも中学時代は生徒会長をしていたからな。君達の役に立てる筈だ。」
「ほ、本当ですか‼︎ありがとうございます‼︎」
「朕達生徒会の経験が無いから助かりマス‼︎」
「ボルシィ、少しいいか?」
アーシュ達生徒会役員がリュウゴと顔合わせしてる中、シゲちゃんが話しかけてきた。つばきがリュウゴと共にヘリから降りた後ろにいる鉄仮面の大男に視線を向けて訊ねる。彼女に釣られてツルギ達も大男の方を向いた。
「あの方は一体どなたなのかしら?貴方と一緒に降りてきたけど・・・。」
「あの男、凄い筋肉やな・・・。」
「背も高いし、シゲちゃんが小さく見えるね・・・。」
「私のボディガードです。向こうは銃社会で物騒なので学校にも付き添って貰いました。」
「あ、ああ・・・成る程。でもな、ボルシィここは日本だ。治安に関してなら問題はない。もしもの事があっても日本の警察は対応が早いし、いざとなれば俺達がいるからな。」
「だから申し訳無いけど、ボディガードに帰って貰えないかしら?」
「しかし・・・。」
リュウゴはツバキの言葉に困ったような顔になる。それを見た校長が提案をした。
「仕方ないのう。今回に関しては今日の授業が終わるまで来客室で待って貰おう。」
「校長先生・・・。」
「その代わり、明日以降は学校には入らないようにするんじゃぞ。もし、ボディガードとして就けるとしても学校の敷地内に入らずに、近くの場所で待機して貰いなさい。」
「それで構わないのであればそうします。すまないが今日の授業が終わるまで来客室で待っててくれないか?」
「・・・分かった。お前がそう言うのなら従おう。」
「あの大男喋りおった⁉︎」
(ボディガードが警護対象にタメ口を?)
ここに来て漸くリュウゴのボディガードが口を開いた。すずがボディガードの口調を気にするその一方でツルギはリュウゴのボディガードを見て何かを感じている。アーシュとすずが思わず訊ねた。
「ツルギ君、どうしたんですか?」
「あのボディガードに何かあるのか?」
「いや、あのボディガード・・・何処かで見たような感じがしてさ・・・。」
その時、チャイムが鳴る。それを聞いたアーシュ達は急いで教室に向かった。
「いけない‼︎予冷のチャイムが鳴っちゃいました‼︎」
「この後、全校集会があるから急がなきゃ‼︎」
(あのボディガード、デュエマの漫画に出てきたカイザのボディガードに似てる・・・確かカイザのボディガードの正体は・・・まさかな。)
ツルギは自身の考えた可能性を否定するとそのまま教室に向かおうとする。するとリュウゴが思わず彼らを引き止めた。
「ツルギ、生徒会メンバー諸君、少し遅れたが桜龍高校の2年生としてこれだけは言わせてくれ。ようこそ、桜龍高校へ。私は君達を歓迎するよ。」
「ああ。」
「ボルシィ先輩・・・ありがとうございます‼︎」
「ありがと〜。」
「ボルシィ先輩、よろしゅうお願いするで‼︎」
「ふふん。」
「ハイ、よろしくデス‼︎」
アーシュ達がリュウゴにお礼を言うと、そのまま教室に向かって走っていく。そして数十分後、全校集会が開かれると生徒会長就任挨拶があったのだが、アーシュが何かを気にするような仕草を見せていた。ツルギは不安げな顔で壇上のアーシュを見る。
「アイツ、大丈夫か?」
「さて、ここで私と一緒に生徒会として活動するメンバーを紹介します!」
「へ?」
「まずは生徒会長補佐の蒼井ツルギ君。」
「・・・へ?俺⁉︎・・・あ、ああっ‼︎よろしくお願いします‼︎」
ツルギは思わず自分に振られてきた事に反応が遅れるもすぐに視線を向けてきた皆に気付いて挨拶する。何とか切り抜けたツルギはアーシュに対して不安げな顔をしながら彼女を見る。
(おい、俺達にいきなり振ってくるなんて聞いてねえぞ‼︎どうしたんだよアーシュ⁉︎)
「(今の内に・・・よし‼︎)・・・以上、私を含めた6名で活動します。至らぬ所も多いと思いますが尽力して参りますのでよろしくお願いします。」
その一方でアーシュはドラゴンの尻尾が出てしまった為、注意を逸らす為に生徒会メンバーの紹介し、その間に深呼吸してドラゴンの尻尾を消す。ドラゴンの尻尾が消えた事を確認したアーシュは話の続きに入ろうとするも原稿を間違えて顔が青ざめる。動揺のあまり、彼女の頭にドラゴンの角が出てしまった。
(持ってくる紙間違えた・・・。)
(アーシュ、角出てるじゃねーか‼︎やべえ、どうすりゃいいんだ⁉︎)
「ゴホンゴホン‼︎ゴホッゴホッ‼︎」
突然、ギャイが咳込み出し、周りの視線が彼女に移る。ツルギはそれを見て自身も腕を振って虫を振り払う仕草を取る。それを見てクラスの男子が訊ねてきた。
「どうした?」
「いや、今小蝿が飛んでたような気がして。」
周りの視線が自身に向いている間にアーシュの角は消えている。それを見て思わずホッとするも、リュウゴのみはアーシュから視線を逸らさず、真っ直ぐ見つめていた。
その頃、来客室ではリュウゴのボディガードを務める仮面の男が腕を組んで座っていた。来客室のドアが開くと、マスコット形態のドギラゴンがいた。どうやらツルギのデッキをこっそり抜けてきたらしい。大男がドギラゴンに気付くとドギラゴンの方も気安く話し掛ける。
「お前は・・・ドギラゴン⁉︎」
『よぉ、久しぶり。やっぱり無事にこっちの世界に来れたんだな。』
どうやらドギラゴンはこの大男と知り合いらしい。鉄仮面の大男の方も目の前にいる小さなドラゴンを見て思わず笑みを浮かべると、リラックスしながら話しかけた。
「随分と小さくなったな。」
『この世界に迷惑を掛けないようにこの姿になってるだけさ。お前も人間に迷惑を掛けないようにその姿になってるんだろ?』
どうやら鉄仮面の大男は人間ではないらしい。その証拠にドギラゴンと知り合いな上、彼の言葉に賛同するように頷くとドギラゴンとの思い出を語り出す。
「こうやって我々が話すのはランド大陸で開かれた友好関係を築く為の交流試合以来だな。」
『ああ、あの時の試合はマジで凄かったぜ。俺の友にもボルシャックの名を持つ奴がいるけど、お前の強さはアイツを遥かに越えてたよ。』
「私の勝利を願う民達の想いに応えただけだ。それより、この学校の校長、人間ではないな。」
鉄仮面の大男は先程までこの部屋に自身を招いた小さな老人の事を思い出す。どうやら校長が人間でない事にも気付いたようだ。
『・・・やっぱ気付いたか。そうだよ。あのジジイの正体はアークゼオスだ。』
「何⁉︎アークゼオスというと・・・あの五龍神の1体のアークゼオスか⁉︎何故奴が人間界にいる?しかも教師になって・・・。」
『分かんねえ。アーシュ達をドラゴン娘にしたのはこの世界を荒らすクリーチャー達に対処する為とか言ってたが本当かどうか・・・。』
「ドラゴン娘?」
『あれ、知らなかったか?実はな・・・。』
ドギラゴンは鉄仮面の大男にアーシュ達が校長からドラゴンの力を押し付けられた事でドラゴン娘にされた事を話す。その話を鉄仮面の大男は黙って聞いていた。
その頃、全校集会ではアーシュがドラゴン化しながらも他のメンバーがその度にアーシュから視線を逸らすべく尽力し、ドラゴン化した事がバレずに済んで、アーシュの生徒会長就任挨拶が終わる。そして彼女と入れ替わりにリュウゴが壇上に立った。
「それでは続いて、海外留学から帰国したリュウゴ・ボルシィさんの挨拶となります。それではリュウゴさんどうぞ。」
「あれってさっきの先輩やん。」
「ヘリで通学してきた人だ。」
『あれは・・・リュウゴ・ボルシィ⁉︎』
「えっ⁉︎あの人が前に∞ちゃんに勝ったJr.チャンピオン⁉︎」
『そう。無敵のボルシャック使いことリュウゴ・ボルシィ。まさかこの学校の先輩だったなんて・・・。』
過去にデュエル・マスターズ バトルアリーナJr.グランプリで負けた∞が反応する中、上級生達(特に女子)が黄色い声で騒めき出す。その様子を見て今年から入学した1年生達は動揺の声を隠せない。
「来た、ボルシィ君よ‼︎」
「本当に桜龍高校に帰って来てたのね‼︎」
「ああ、壇上に上がられた姿、やはりとても凛々しくて素敵♡」
「流石は桜龍高校の太陽、ボルシィ・トミー・カンパニー御曹司のリュウゴ様だわ‼︎」
「何だか上級生達が騒ぎ出しているぞ・・・。」
「凄く歌舞伎者なのカシラ?」
「それを言うなら『人気者』な。」
「そういえばテニス部の先輩達が言ってましたわ‼︎World級のhobby companyの御曹司がこの学校に通っていて、3学期から海外に留学してたとか・・・。」
「それ、吾輩も美術部の先輩から聞いたでし‼︎まさか・・・奴がその男でしか?」
「凄い歓声じゃな・・・。」
「諸君、静粛に‼︎」
上級生達の騒めきぶりに思わず1年生達が戸惑う中、校長の一喝が入り、体育館内は静かになる。そして壇上に立ったリュウゴはマイクの前に立つと静かに口を開いた。
「私の事を知っている在校生は久しぶり、そして今年から入った新入生諸君は初めまして。我が名はリュウゴ・ボルシィ。3学期の間、桜龍高校を代表し、アメリカの方に留学に行っていた者だ。」
(あの人、留学してたんだ・・・。)
「私は留学先のアメリカでそこで素晴らしい物を何度も見たよ。学生の身でありながら起業した者、アメリカ全土に暮らす市民達が誰もが活用するアプリを開発した同年代・・・同年代でありながら教職に就く者・・・他にもアメリカの暮らしに既に大きく関わる事業に携わる者達を何人も見てきた。この3学期の中で私は改めて思い知ったよ。私達には無限の可能性があるとね。しかし、世界には上へ進む向上心が無いにも関わらず‼︎腐り切った大人達が高い社会的地位を独占し、若者達の活躍の場を奪っている‼︎」
「何か凄く過激な事を言ってへん?」
「全校集会で言う事じゃないだろ・・・。」
「凄い事を言う男じゃな・・・。」
「このままでは世界全体が腐っていくばかりだ‼︎そんな事はボルシィ・トミー・カンパニーの御曹司として生まれたこの私が許さん‼︎我々若い世代が活躍出来るように尽力を尽くさなければ‼︎だからこそ、君達に海外に留学し、私の経験した事全てを伝授しよう。人には必ず自分にしかない長所という物がある。それを生かして更に発展させ、この世界を変えようではないか‼︎」
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」
「リュウゴ‼︎」
「リュウゴ‼︎」
「リュウゴ‼︎」
「リュウゴ‼︎」
「リュウゴ様‼︎」
「リュウゴ様‼︎」
体育館内が1年生と一部を除いた上級生達の歓声で溢れ出す。リュウゴを呼ぶコールが体育館内に溢れ、1年生達は戸惑いでついていけずにいた。この騒動は先生達が何とか抑えて事態を収拾させる。
そしてリュウゴの挨拶から数十分後、全国集会が終わったツルギ達は廊下を歩いていた。
「いやー、ホンマヒヤヒヤしたわ。」
「ねー。かいちょーってばいきなり角生やしちゃうんだもん。」
「角?」
「お前気付いて無かったのか⁉︎」
「ギャイとツルっちが皆の気を引いてかいちょーから目を逸らしてくれたんだぞ。」
「へっ?そうだったんですか⁉︎」
「その様子じゃ、手がドラゴン化してた事も気付いて無さそうだな。」
「え?」
「全くこのでくのぼうが注意を逸らしてなきゃ危ない所だったんだぞ。」
「ウフフ、上手くいって良かったワ。」
(全然気付かなかった・・・って事は3人が何とかしてくれなきゃ私は今頃・・・。)
無自覚にドラゴン化していた事に気付かなかったアーシュは最悪の事態を想像し、顔が青ざめる。そしてその事態を回避した3人に頭を下げた。
「ツルギ君、ギャイちゃん、ゼオスさん、助けてくれて本当にありがとうございました‼︎」
「何だよ。水臭いな。」
「お礼なんていらんて。」
「ソウソウ、仲間なんだから助け合うのは当然ヨ。」
「それにしても、リュゴ先凄かったよね〜。」
「ああ、まさか上級生達があんな騒めき出すとはな・・・。」
「何ていうか完全に私の挨拶飲まれちゃいましたよね・・・。」
「私がどうかしたか?」
「「「「「「うわああああああああ⁉︎」」」」」」
突然、後ろから話しかけられてツルギ達は驚く。そこにはリュウゴの姿があり、ツルギが文句を言う。
「お前、いきなり話し掛けんな‼︎ビックリすんだろ‼︎」
「済まない。別に驚かせるつもりは無かったのだが・・・。」
「い、いえ・・・それよりボルシィ先輩、先程の挨拶お疲れ様でした。凄かったです。あんなに熱狂するなんて・・・。」
「君の方こそ、初めて生徒会長になったにしてはいい挨拶だった。これから先、伸び代があると確信したよ。君達はいい生徒会になる。」
「本当ですか⁉︎ありがとうございます‼︎」
「それより、私も君達に聞きたい事がある。君はアーシュ君だったかな?」
「は、はい・・・。」
「君の頭に角が生え、手に鱗が生えるのを見たが、あれが何か教えて貰えるかな?」
「「「「「⁉︎」」」」」
リュウゴの疑問を聞いて先程のアーシュのドラゴン化を見られた事にツルギ以外の生徒会メンバーが戦慄する。その話題から逸らすべく、ツルギもアボルの話を思い出しながら口を開いた。
「俺もお前には聞きたい事がある。お前、アボルに荷物を送ったろ?」
「アボルに?・・・ああ、あの古文書の事だな。」
「悪いけど、あの古文書について色々と話して貰うぜ。それとそろそろ授業が始まるから、この話は放課後でいいか?その時なら時間が取れるぜ。」
「いいだろう。放課後、屋上で待ってるぞ。」
リュウゴは自身の教室に向かって背を向けて去っていく。その背中を不安そうな顔でアーシュが見送りながらツルギに話し掛けた。
「つ、ツルギ君どうしましょう⁉︎ドラゴン化した所、完全に見られちゃいましたよ。」
「俺が何とかするよ。それに多分だがアイツにはドラゴン化の事、話して大丈夫だと思う。」
「何で⁉︎」
「アイツは俺とアボルが本物のクリーチャーを相棒にしてる事を知ってこれを送って来たんだ。多分、アイツも何かクリーチャーを連れてる可能性がある。」
そう言ってツルギはアボルから受け取ったドリーム・クリーチャーの古文書を取り出す。そしてリュウゴの背中を見届け、放課後に意気込みながらアーシュ達と共に教室に向かっていった。
キャラ紹介
リュウゴ・ボルシィ
世界的な玩具メーカーの会社『ボルシィ・トミー・カンパニー』社長の一人息子でツルギ達より1歳年上。両親が世界的な玩具会社を経営してるだけにかなりのお坊ちゃまだが、ボルシィ・トミー・カンパニーが桜龍高校のスポンサーというのもあり、桜龍高校に2年生として在籍している。しゅうら、ザーナ、栄久、増樹はクラスメイト。
中学3年の時にツルギ、アボルが出場したデュエル・マスターズ全国バトルアリーナJr.グランプリに出場し、決勝トーナメントまで勝ち抜いて優勝を掴み取った。この時にツルギ、アボルとは友人になる。
性格、口調はデュエルスタイルも相まって『リアルプリンス・カイザ』と呼ばれるくらいカイザに近いが、両親も健在で親子仲も悪くない為、ウィン編前半のカイザに比べればかなり穏やか。成績も優秀で運動能力も高く凛々しい顔付きでイケメンである為、3年生にもファンが多い。前述した通り、ウィン編前半のカイザよりは穏やかではあるものの、腐った大人や向上心がない者に対してはカイザ程ではないが厳しい目を向けている。
中学時代に人間性が余りにも酷い教師に目を付けられて嫌がらせをされて散々な経験をしていた為、高校1年の頃までは教師を最低の大人と思っていた。その為、当時は教科書に無い難解な漢字問題をふっかけてくるつばきを本気で嫌っていて、普段は借りない親の力を借りてでも教師人生を潰そうとした事がある。
尚、この騒動はつばきが善良な先生だと理解したしゅうら達クラスメイトやシゲちゃんの説得もあり、つばきとサシで話し合って、お互いの本音を理解した事で和解し、現在は良好な関係になっている。それ以降は教師に対する考えも変わり、特に本音で語り合ったつばきと親の事を気にせず1人の生徒として向き合ってくれたシゲちゃんには1番に心を許している。
実は聖ゾディア学園、ピタゴラスアカデミーには小学校卒業と同時に離れ離れになった幼馴染がいるらしい・・・。
名前の由来は轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー