デュエル・マスターズDD 〜Dream creatures & Dragon girls〜   作:特撮恐竜

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こちらの小説はウルトラマンとの差別化を図り、前編と後編の2部構成にする予定でした。しかしデュエルのシーンが思ったより長くなってしまい、前回はやむなく中編も入れました。
今度こそ2部構成にするつもりでしたが、ドギラゴンによるツルギへの事情説明でかなり文字数を使った事で、長くなる事が確定したので今回も中編を入れて3部構成になります。

それと活動報告でも記したと思いますが、本作のドギラゴンは漫画版VSと漫画版デビチルの作者である藤異先生が描いた背景ストーリーのコミカライズである『デュエル・マスターズSAGA』に出たドギラゴンをモチーフにしています。その為、デュエプレ版や他の作者様達が書いたデュエマSSのドギラゴンに比べるとだいぶラフな性格と口調です。
ドギラゴンの口調、性格は厳格な方がいいと思う方は閲覧を控える事を推奨します。


遭遇!ドラゴン娘‼︎(前編)

高校に入学して早々タイラーとの真のデュエルに巻き込まれ、クラスの女子に危険人物認定され散々な目にあったツルギだが、気を取り直した今、彼は誰もいない夕方の公園で目の前にあるドギラゴン剣のカードと向き合っている。そしてカードに問い掛けた。

 

「おい、俺の質問に答えるって約束したよな?」

『おう‼︎何でも答えてやるぜ‼︎』

.「そっか・・・じゃあ色々と聞かせて貰うぜ。だからカードから出てこいよ。」

『へ?カードから?・・・悪いけど・・・俺が出てきたらとんでもない騒動になるぜ・・・。何せ俺はこの世界の生物に比べたらデカくて目立つからな。それでもいいのか?』

「マジか・・・でもこの状態じゃカードに話し掛けてる痛い奴に思われるし・・・そうだ‼︎お前、この姿になれないか?」

 

ツルギはスマホを取り出して操作するとデュエルマスターズVSの単行本6巻を表示させる。そしてあるページをドギラゴンに見せた。それはマスコット化したドギラゴンが登場したコマが載ったページだった。

 

『コイツは・・・燃える革命の時の俺か⁉︎すっげえ小さくなってんな・・・。ちょっと待ってろ・・・。うううううううううう・・・・りゃあああああああああ‼︎』

 

ドギラゴンがスマホに表示された画面を見て強くイメージする。そしてカードから光と煙が飛び出した。

 

「うわあああああ⁉︎」

 

ツルギは思わずその光に目を瞑る。光と煙が治まり、その先には漫画みたいにマスコットじみた姿にデフォルメしたドギラゴン剣が立っていた。

 

『よっしゃあ、成功したぜ‼︎』

「おおお‼︎凄え‼︎漫画とほぼ同じ姿に‼︎」

『この姿はいいな‼︎いつもの姿に比べりゃ力は落ちてっけどこの世界に迷惑をかけない丁度いい大きさだ!気に入った‼︎』

『そりゃ良かった、んじゃ早速質問させて貰うぜ。お前はあの蒼き団長ドギラゴン剣でいいんだよな?」

『勿論だ‼︎』

「お前、何処から来た?出身は?」

『そのカードを待っているなら予想はつくだろ。この世界とは別の世界にあるクリーチャーワールド・・・ランド大陸火の国出身さ‼︎』

「じゃあ・・・やっぱお前は本物の・・・本物のドギラゴンなんだな‼︎マジかよ・・・クリーチャーの世界が本当に・・・凄え・・・。」

 

ドギラゴンの言葉で自身が好きなデュエマのクリーチャーが暮らすクリーチャーワールドが空想の存在ではなく、本当に実在すると知り驚愕と興奮、そして感動を隠せない。感動しているツルギをドギラゴンが正気に戻した。

 

『おーい、色々と聞きたい事あるんだろ?聞かなくていいのか?』

「おっと、そうだったな。何でお前半年前のあの日、流れ星となって落ちてきた?」

『最近、お前らの世界で事件や事故が多発してないか?』

 

ツルギはここ半年間の間にニュースで起こったおかしな事件や事故を思い出して頷く。するとドギラゴンは罪悪感を抱えた表情で答えた。

 

『そいつらは俺達の世界から来たクリーチャーの仕業で起こったんだ。』

「は?」

『お前もさっき見たろ?人間に取り憑いて好き放題やってるクリーチャーを。・・・俺達の世界からこの世界に色々なクリーチャー達がやってきて騒ぎを起こしてんだよ。』

「たまったもんじゃねえなそれ・・・。」

『だろ?こっちの世界の住人がクリーチャーの襲撃を受けたらひとたまりもないからな。俺らの世界でも色々と問題になってよ、どうにか解決する為に全ての文明から代表的なクリーチャー達が集まって話し合ったんだ。結果、俺みたいに強力な力を持つクリーチャーが人間界に行き、お前みたいな人間と手を組んで対処する事になった。実際、俺と手を組んで奴と戦えたろ?」

 

ツルギは先程のデュエルを思い出しながら頷く。ドギラゴンも過去の事を思い出しながら空を見上げて語り出した。

 

『人間でも俺らと組めばデュエルでクリーチャーと戦えるようになる。だから俺達も人間界に行って人間に力を貸そうってなった。まず最初に人間界に行くメンバーの第一候補として俺自身が自ら立候補した。その後にジョニー、ジョラゴン、モモキングのジョーカーズをまとめるリーダー3人が自ら立候補して』

「ちょっ、ちょっと待て‼︎な、何でお前の世界にジョーカーズがいるんだ⁉︎ジョーカーズがいる世界とお前のいた世界って別の世界だったろ⁉︎」

 

ツルギはドギラゴンの話を聞いて思わずストップを掛ける。デュエル・マスターズには背景ストーリーというものがあり、その物語の中でクリーチャー達の戦いの歴史が描かれている。世界観も異なっており、ツルギが知っているドギラゴンのいた世界と正に自由を表した様々なクリーチャーがいる『ジョーカーズ』がいる世界は別世界として描かれていたのでドギラゴンの口から出た話に驚きのあまり、ストップを掛けたのだ。

 

『へ?何言ってんだ、俺達の世界に普通にいたぜ。』

「は?嘘だろ⁉︎俺が知ってるデュエマの背景ストーリーじゃジョーカーズがいる世界とお前がいる世界は別の世界だったぞ‼︎」

『そっちの俺達の世界の言い伝えだとそうなってんのか?俺がいた世界には普通にいたぜ。』

「マジか・・・。」

『話を続けるぜ。俺、ジョーカーズの3大リーダーに続いてボルシャック・カイザー、その幼馴染ドラン・ゴルギーニも名乗りを挙げた。他にも色々な奴らが名乗りを挙げ、話し合いの結果、最終的なメンバーは俺、ミラダンテ、デス・ザ・ロスト、グレンモルト、ガイギンガ、Q.E.D.、ジョニー、ジョラゴン、モモキング、サッヴァーク、“罰怒”ブランド、ボルシャック・カイザー、ドラン・ゴルギーニ、ゴルファンタジスタ、カツキング、ボルメテウス、アルカディアスになった。』

「おいおい、人間界に行く事が決まった奴ら・・・凄えのばっかじゃねえか。つーか、そいつらも一緒にいる世界なのか、とんでもないクリーチャーワールドだな。」

 

ドギラゴンの口から出た人間界への遠征メンバーがこちらでも名だたるクリーチャー達である事に驚く。ドギラゴンは過去を思い出しながら淡々と話を続ける。

 

「Q.E.D.達水文明によって人間界と繋がるゲートが開発され、全ての準備が終わって出発しようとしたその日、事件は起こった。』

「何が起こったんだ?」

『人間界を繋ぐゲートが襲撃されたんだ。この世界で好き勝手にやりたい奴らは俺達の想像より遥かに多かったらしい・・・俺達は奴らを人間界に行かせない為に全力で戦った。けど、奴らの参入によって更に事態が混沌を極める事になった。』

「何が起こったんだ?」

『アビスの奴らが乱入して来やがった。』

「あ、アビス⁉︎まさかアビスロイヤルか⁉︎ボルシャック・カイザーやドラン・ゴルギーニがいるからもしやとは思ったけど・・・アイツらもお前の世界に⁉︎」

『ああ、特にアビスベル=ジャシン帝は前から人間界に興味があったらしく、混乱に乗じて配下のアビス達を連れてゲートを通り人間界に行っちまった。それにアビスだけじゃねえ、変な連中が沢山現れて強引にゲートを突破して行きやがった。俺達は奴らを追ってゲートに突入し、あの日空から落ちてきたのさ。』

 

ツルギはドギラゴンの話を聞いて目の前のドラゴンが何故こちらの世界に来たのかに加えてあの日流れた流星群の正体を完全に理解した。

 

「それじゃ、あの流星群の正体は・・・こっちの世界にやってきたクリーチャー⁉︎それじゃあミラダンテ達もこっちにいるのか?」

『いや、ミラダンテ達は向こうに残りこっちの世界に乗り込もうとする連中を食い止めながら人間界とクリーチャーワールドを繋ぐゲートを閉じた。だから予定よりこっちの世界に来れたメンバーが少なくなっちまった。』

「じゃあ結局、この世界に来たのは・・・?」

『覚えてる限りだと俺、モルトにアイラ、ボルシャック・カイザーにアルカディアス、ジョニーにドラン・ゴルギーニ、ボルメテウスにモモキング位しか来る事が出来なかったな。』

「それでも名だたるメンバーが来れたんだな。・・・この半年間、ずっと黙ってたのに何で今になって俺に話しかけて来たんだ?それに何でカードの状態でいた?」

 

ツルギは先程の真のデュエルから思っていた事を口にした。ドギラゴンの話が正しければこの半年間の間、ドギラゴンは幾らでも自身に話し掛ける機会はあった筈である。それなのに今までの間、話し掛けて来なかった理由が分からないのだ。

 

『お前にずっと語り掛けなかったのには2つ理由がある。まず第一にお前が善人かどうか見極める必要があったからだ。』

「俺が・・・善人かどうか?」

『人間にも色々いるだろ?いい奴と悪い奴ってのがさ。もしも俺達の力を私利私欲に使おうとする連中の元に渡ったらこの世界で事件や事故を引き起こしている奴らと何も変わらねえ。だから、お前が信頼出来る奴か否かを見極めていたんだよ。』

「成る程な。」

『そしてもう1つの理由はいきなり信じて貰えるとは思わなかったからだ。実際に遭遇するまではお前も俺達が実在するなんて信じなかったろ?』

「ま、まあな・・・。」

『だろ?だからお前自身が俺達クリーチャーと遭遇し、俺らの存在をはっきりと信じてくれるまで待っていた。今までずっとカードでいたのは本来の大きさでいれば目立つだけじゃねえ。クリーチャー退治で俺達が放った余波が人間界にとんでもない被害を出しかねないからだ。』

「成る程・・・全てに納得がいったぜ。」

 

ツルギはドギラゴンが語った全ての話を聞いて全てに納得する。ドギラゴンも一旦落ち着き、口を閉じるとツルギに向き合って土下座した。

 

「お、おいどうした⁉︎」

『蒼井ツルギ・・・こんな危険な事に巻き込んで本当に悪い・・・。だが、この半年間の観察とさっきのデュエルではっきりと分かった。俺の相棒に相応しい人間はお前だけだ‼︎勝手なのは分かってる‼︎でも頼れるのはお前以外いない‼︎俺と一緒に戦ってくれ‼︎俺にはお前が必要なんだ‼︎』

 

ツルギはドギラゴンの必死な声を聞いて先程の真のデュエルを思い出しながら問い掛ける。

 

「今日みたいに人間に取り憑いて好き放題やってる奴は他にもいるのか?」

『勿論だ。他にも直接人間を襲ってる奴もいる‼︎』

「本当に俺でいいのか⁉︎今日だってギリギリだったんだぞ。」

『構わねえ‼︎人間的にもデュエリストとしてもお前が1番だ‼︎頼む‼︎』

 

土下座をしながら頼み込むドギラゴンのその姿を見て両者の間に数秒間の沈黙が生まれる。そしてその沈黙を破ったのはツルギの声だった。

 

「・・・顔を上げろよ。」

 

ドギラゴンはツルギの声に思わず顔を上げるとそこには自身に向かって笑みを浮かべながら手を差し伸べるツルギの姿が見えた。ドギラゴンは感涙した表情でツルギを見上げる。

 

『お、お前・・・。』

「俺でよけりゃ力になるぜ。それに俺もお前の話を聞いてクリーチャー達を何とかしなきゃって思ったよ。だから、一緒に戦ってやるぜ。」

『う、うおお・・・おお・・・うおおおおおおおおおお‼︎すまねえ・・・ありがとよ・・・。』

 

ドギラゴンは嬉しさの余り、涙を浮かべながらツルギが差し伸べてきた手を掴む。そして両者はお互いに笑みを浮かべながら向き合った。

 

「今日からよろしくな・・・ドギラゴン‼︎」

『おうよ、よろしく頼むぜ‼︎ツルギ‼︎』

 

両者の握手で今ここに新たなる新コンビが結成された。新コンビが結成された瞬間、今までの緊張から解放されたのかお互いに腹の音が鳴り響く。

 

『腹減ったな〜。』

「だな〜・・・ハンバーガーでも食うか?」

『ハンバーガー?美味いのかそれ?』

「ああ、俺がこの世で一番好きな食い物だ。コンビ結成記念に一緒に食おうぜ。」

『そりゃ楽しみだぜ‼︎』

 

2人は笑いながら公園から去って行った。そして後にツルギからハンバーガーを貰ったドギラゴンは人間界の食べ物でハンバーガーが一番好物になったのだが・・・それはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 

 

ツルギとドギラゴンの新コンビが誕生してから数日後、ツルギはいつものように学校に登校していた。欠伸をしながら校門を抜けたツルギの目に登校する生徒にビラを配るも断られる少女の姿が見えた。

 

「あれって・・・。」

「あのー、もし良かったら・・・生徒会に・・・。」

「えっ・・・えっと・・・私、喧嘩は強くないんで‼︎」

「あれってクラスの・・・。」

 

ツルギはその少女がクラスメイトのアーシュであると気付く。どうやら入学式の日の騒動のせいで怖がられているらしく、チラシを拒否されていた。その後も彼女は懸命にチラシを配ろうとするも誰にも受け取って貰えずにいる。そんなアーシュの姿にツルギは歩み寄った。

 

「おい。」

「え?は、はい⁉︎」

「これ配ればいいんだよな?」

「は、はい‼︎」

「半分くれないか?俺も配るの手伝う。」

「ええ⁉︎」

「生徒会なんざ興味ないが・・・配るのくらいだったら手伝える。駄目か?」

「い、いえ‼︎そんな事ありません‼︎寧ろ凄くありがたいです‼︎お願いします‼︎」

 

ツルギはアーシュからビラの半分を受け取ると彼女よりも大きい声で目の前で投稿している生徒に配り始める。しかし、それでも結果は良くはならなかった。

 

「生徒会メンバー募集してます‼︎もし良かったらどうっスか⁉︎」

「あー、生徒会とかメンドーだからパス。」

「生徒会どースか⁉︎」

「ごめーん。興味なーい。」

(やっぱ生徒会って名前で面倒がられてるな・・・こりゃメンバー集めるの大変だぞ。)

 

誰もが生徒会へのイメージのせいでビラを貰おうともせずに素通りしていく。それが何度も何度も続く中、アーシュが2人の生徒に声を掛ける。そしてその2人は声を掛けられて立ち止まった。

 

「あ、あの生徒会に入りませんか⁉︎」

「ん〜?生徒会?」

 

ツルギはアーシュの方で動きがあった事に気付き、そちらの方向に視線を向ける。するとアーシュが声を掛けた2人に驚いた。その2人は騒動に巻き込まれた2人組だったのだ。

 

(あれってあの時の2人⁉︎)

「すまんな〜、ウチら急いでるんや。」

「で、でもギャイ・・・。」

「せ、せめてビラだけでも貰って」

「⁉︎・・・ほらメガ!遅刻すんで〜!」

「ちょっ⁉︎引っ張るなギャイ〜!」

 

ツルギはせめてチラシだけでも受け取って貰おうとする。しかし、ギャイの方はツルギの顔を見た瞬間、駆け足気味でメガを引っ張りながら校舎に向かってしまった。

 

「え・・・ど、どうして?受け取ってくれてもいいのに・・・。」

「項垂れんな。生徒は多いんだから誰か1人くらいは受け取ってくれる筈だ。だから頑張んぞ。」

「え?は、はい‼︎」

 

ツルギの言葉でアーシュは気を取り直して登校する生徒にビラを配り始める。ツルギも彼女の助けになるべくビラ配りを再開した。




本作のドギラゴンがいたクリーチャーワールドはドラゴンサーガをベースとしつつ、ジョーカーズやアビスなどのドラゴンサーガ以外の背景ストーリー世界のクリーチャーも全て存在している世界です。なので我々の知る背景ストーリーに限りなく近い物語が同一世界で全て起きた事になっています。
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