ティファレト抑制の難易度が上昇しました   作:森の翁

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 赤い霧の強者感演出するのすんごく難しいですね、このままで大丈夫なのでしょうか。

 ちゃんと出来ていると良いのですが、不安だ。


林檎を齧ったその先は?

 結局双子と別れる事は出来なかった。

 

 私が少しでも離れようとすると2人揃って私の手を握ったまま離さないのだ。

 

 本当にそこまで仲良くなった感覚はなかったのだが、何故こうも懐かれてしまったのだろうか。

 

「ハイド、また離れようとしてない?」

 

『返答、お二人が手を離さない限りは不可能かと』

 

「ハイド、もしかして何か不安な事があるの?」

 

 エノクはやはり利発な子ですね、機械である私には表情がありませんが、ちょっとした声音の違いで私の不安を感じ取ったということでしょうか?

 

 それとも、子供特有の勘が良さという可能性も...

 

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 本人は気づいてないけど、ハイドはとてもわかりやすい人なの。

 

 自分には表情なんてないって言うけど、慌てると目がチカチカ光るし、怒っているとやっぱり目が赤く光る。

 

 それに声の調子がずれるから隠し事をしてたらすぐにわかっちゃう。

 

「ハイドって何処から来たの?初めて会った時は廃墟だったけど」

 

『返答、当機にもわかりません、当機を構成する材質と開発コードまでは解っていますが、当機を開発したのがいったい何者なのかは一切謎です。

 

 だからこそお二人に危害が及ぶ可能性を考慮し、私を置いてお二人だけであのフィクサーに着いていくことを推奨しています』

 

「...一つ質問がある、お前はどうやって私がフィクサーだと気づいた」

 

『返答、所持品及び携行している武器からの推測...』

 

「...それ以外にも理由があるだろ、お前は私を見た瞬間に一切の淀みなくフィクサーだと断定したな?予めそうであることが解っていたかのようにだ」

 

『返答、貴方は殺し慣れた動きをしている』

 

 なんだか凄く怖い話が始まってしまったわ、私何か余計な事を言ってしまったかしら。

 

「リサ、2人なら大丈夫だよ、多分大人たちの間では良くあることだから」

 

 エノクもこう言っているし大丈夫?

 

 でも凄く不安だわ、ハイドったら話がうまく行かないとすぐに相手を撃っちゃうから。

 

 私たちと出会った直後も凄かったわね、外郭の怪物たちに追われて廃墟に逃げ込んだら、目の前に凄く大きな機械の巨人がいて、それがハイドだった。

 

 すぐ後ろには怪物たちが迫っていて、私とエノクは仕方なくハイドの後ろに会った壊れかけのロッカーの中に隠れたの。

 

 そしたらハイドが急に動き出して〝何処から出したのかわからない変なフラフープみたいなもの〝を取り出して、そのヘンテコなフラフープから凄い音をたてて大量の火花が飛び出してた。

 

 少ししたら音が止んだから、こっそりロッカーの外に出たら怪物が全部死んでた。

 

 全身が穴だらけになったり爆発してたり、あんまりにも現実感がなくて、私たちは気づいたらハイドにしがみついて震えてたの。

 

 そんな私たちのことをハイドは嫌がらずに心配してくれて、私たちはこの人ならきっと守ってくれるってそう思った。

 

 とても不安だったけど、私たちはハイドに聞いたの「貴方は私たちを守ってくれる?」って、そしたらハイドは私たちを守ることが最優先目標だって言ってくれたわ。

 

 でも、ハイドったら不思議なのよ。

 

 此処が都市の外郭でとっても怖い所だって事は知ってたみたいで、此処にいるのは私たちを襲ってくる怪物ばかりだって解っているのに毎回お話から入るの。

 

 誰かに会う度それが怪物相手でもお話しようとするんだけど、皆ハイドの話を聞かずにすぐ襲ってくるから結局毎回あの変なフラフープを取り出して撃ちまくっちゃうのよ。

 

 だからお話なんて出来っこなくて、私たちと出会ってから今日まで毎日肩を落としていたわ。

 

 でも今は何か楽しそう、やっと私たち以外のお話出来る相手に会えたからかしら?

 

「もう一つ聞きたい、何故お前はメイド服を着ているんだ?」

 

『返答、不本意ながらこれしか当機を覆い隠せる服が存在せず』

 

 ハイドってばやっぱりメイド服は嫌なのね、結構似合ってるんだけど。

 

 あのメイド服、ハイドが居た廃墟の奥に沢山あったけど誰が置いたのかしら?

 

「...取り敢えず質問はもうない」

 

『では此方からも質問をしてもよろしいでしょうか?』

 

「なんだ?」

 

『貴女のお名前はお聞きしたい、現状何とお呼びして良いか解りませんので、このままではフィクサー様とお呼びすることになってしまいます』

 

 そういえばこの人の名前を聞いていなかったわね、いったいどんな人なのかしら?

 

「カーリー、それが私の名前だ」

 

『登録が完了しました、以後カーリー様と呼称いたします』

 

 あれ?ハイドの声、何だか震えてる?

 

『(まずい、この展開は極めてまずい、友人に教えて貰った通りの展開であれば、この女性に着いて行くと私は確実に死ぬ、それだけなら別に構わないが友人が話した内容からしてこの子たちまで死んでしまう。

 それは、この子たちが死ぬのは看過できない、私は既に一度死んでいるからただ在るべき形に戻るだけだが、この子たちは今を生きているのだ...いったいどうしたものか)』

 

「ハイド、私たちは大丈夫だから今はこの人に着いていきましょう?」

 

『了承、オーダーに従います』

 

 良かった、いつものハイドだわ。

 

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 演算開始、現状戦力による頭が保有する戦力に対し対抗...兵装不足により不可能。

 

 旧研究所職員全員の抹殺...却下、目の前の赤い霧により確実に失敗する。

 

 仮にその方法でお二人が助かったとしてもお二人は喜ばないでしょう、故にこの案は論外。

 

 結論、お二人が離ればなれになる実験が行われる際にお二人を連れて脱出する。

 

 或いは最悪の場合、旧研究所襲撃の際にリサだけでも連れ出して逃亡する。

 

 これが現状私の出し得るベストでしょうね。

 

 手を出してしまった以上は最後まで責任を持たねばなりません。

 

 何故か懐かれてしまいましたしね。

 

 子供の笑顔が消えるのはいつだって辛いものですから。




 でけぇ女とかメカ娘にメイド服着せるのって何か良いよね?まぁこの作品の主人公男なんですけど。
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