ポケモントレーナーの日常?   作:チャンピオンズやってる人

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森の中に詐欺師のおっさんと喋るニャースがいるのは間違っていないか?

 グレーバッジを無事?に手に入れてニビシティからハナダシティに向けて歩いています。

 

 サトシがニビシティに到着した頃だと思う。まぁ…一足先に行っちゃいますね。ニビシティに結構滞在するだろうからほんま会う機会はなさそうだけどね。

 

 なんだかんだ3日しか滞在していない。どっかの町でひと段落したい。そのためにもハナダシティに向けておつきみやまを目指しているんだよね。

 

「ピカ」

 

「ブイ」

 

 ピカチュウとイーブイを肩に添えて。

 ……そこそこ歩いちゃいるが山というか洞窟が見えない。寧ろ森の中をひたすら突き進んでいるといいますかねえ。

 

 もしかして迷ったのでは?

 

 これはこれで旅の醍醐味ってやつかな。

 グレーバッジは偶然の産物。…集めるつもりは正直ない。

 

 入手方法も…ねえ。物々交換やで?

 てなるとハナダシティに行く理由もない。

 

 森もトキワの森に比べて小規模だから適当にぶらついても出られるだろうし最悪の場合野宿すりゃいい。

 

 暗くなってきたら良さげな場所探しに切り替えてもよい。晩飯はきのみオンリーか。

 

「よってらっしゃい見てらっしゃい!」

 

 ……ん?

 

「ピカ?」

 

「ブイ?」

 

 屋台…?しかも森の中で?

 ねじり鉢巻のおっさん。テーブルにはモンスターボールが1つ置かれておりバンバンと叩いている。

 

 なんでこんな人が通るかも怪しい所まで屋台を引いてきたんだろうか。…謎過ぎる。

 

「おお!そこ兄ちゃん!このポケモンを買ってかないかい!今ならなんと500円だよ!」

 

「ピカ?」

 

 ……あーこれおつきみやまのポケモンセンターであったイベントみたいな奴だ。

 

 コイキングを500円で売りつける詐欺師。

 アニメにもいたんだな。しかし…500円でコイキングって寧ろ安価なんだよな。

 

 育成は手間がかかるけどLv20でギャラドスに進化する。2段進化したのかってぐらいステータスも跳ね上がる。

 

 ただアニメだとLvの概念はないし数値化されてないから育成は難しいかもしれない。あとは進化のストレスによって敵味方構わず暴れ回り町すら破壊するとか言われてんだよ。

 

 怖すぎだろ。…ピカチュウで何とかなりそうではあるけどさ。

 

 俺には手が余りますわ。

 ということでスルーさせていただきます。

 

 屋台を通り抜ける。

 

「待って待って!少しくらい話を聞いてくれよ!!」

 

 慌てた様子でおっさんが出てきた。

 目の前で仁王立ちだよ。…え?なに…買わなきゃ通さないとでも?

 

 怒ってますよ?と目を細める。

 

「…ッ…こ、このコイキングは珍しくて…500円…いや300円……兄ちゃんなら100円でいい!お願いだ!買ってくれぇ!」

 

 今度はジャンピング土下座!?

 あのー…顔を上げてもらっても…?

 

「お願いします!…今月苦しいんです!少しでも金が欲しいんです!!」

 

 10歳のガキに言うことっすかそれ?

 100円……100円かー…100円ならいいか。

 

「ピカピ」

 

 えーみたいな顔するのは分かるよピカチュウ。ただの泣き落としに近いわけで…これすら詐欺手口の内になるんだろうしねえ。

 

 ただ…コイキングが可哀想だからさ。もし買わなきゃコイキングがどうなるかわからない。…一応コイキングは食べられるらしいから……ははっ…。

 

 100円を取り出しておっさんに渡す。

 両手で大事そうに受け取ると屋台に戻りモンスターボールを押し付けるように渡してきた。

 

「貴方様は命の恩人です!ありがとうございました!…あ、クーリングオフは受け付けておりませんので!!」

 

 逃げるように屋台を引いて去っていったわ。

 これには苦笑い。

 

「…ピカ」

 

「ブイ?」

 

 呆れているピカチュウと何も知らないイーブイ。……とりあえず自己紹介だけしよう。

 

 出ておいでコイキング!

 モンスターボールを投げて繰り出す。

 

 地面をピチピチと跳ねている。

 うんうんパッとしない地味な土色のボディに痩せこけた頬、目の下には隈がありヒレはボロボロに見える。

 

 これは立派なコイキング…じゃなくね?

 ……これ()()()()じゃね?実はコイキングだったのか?……は?

 

「ピカ…ピカチュ」

 

 胸ポケットを叩く。…ああ!こういう時のポケモン図鑑!…見れば名前とタイプは分かるから全く使ってなかったわ。

 

 1000種類ぐらい頭の中に入ってるからな。

 姿さえ見れば分かるのよ。…ほいじゃポケモン図鑑ポチー。

 

『データなし この世界にはまだ知られざるポケモンがいる』

 

 ……あ、これヒンバスですわ。

 ええ…ヒンバス?いやーマジか。

 

 普通にレアやぞ?1マス1マス確認する鬼畜作業を思い出すわ。進化方法も特殊の特殊でうつくしさを上げてLvアップだったけか?最新作じゃアイテムを持たせた通信交換に緩和されたんだよな。

 

 入手方法も進化も鬼レベルのポケモン。

 …進化先のミロカロスは10人中10人が見惚れるほどの美しさを誇る。

 

 正にみにくいアヒルの子だよね。

 そっかそっか……進化させる方法はわかったとしてさ。ポロックもポフィンも作れないや。

 

 美しさを上げるきのみは知っちゃいるから次の町で買えばいい。…きのみ食わせまくればいけたりしない?

 

 …流石にないわな。

 ヒンバスはコイキングと違い色んな技を覚える方なので戦闘に出しても大丈夫のはず。

 

「よろしくヒンバス」

 

「…ヮ!」

 

 うんむ。ピカチュウとイーブイ…纏めてピカブイと呼ぶとして2人と違って出しっぱなしは無理だな。水を張ったバケツに入れて持ち運ぶことはできそうだけど。

 

 ヒンバスだけモンスターボールの中は可哀想だしな。次の町で……買うか。そうしよう。

 

 それまでは中で大人しくしててくれよ。

 ヒンバスをモンスターボールに戻して森の中を歩き始める。

 

 少し時間を食ったけど森の外には出られると思……。

 

「相変わらずムサシとコジロウはポケモン使いが荒いのにゃー」

 

 特徴的な声。近くの草木が揺れて…中からポケモンが頭を出す。

 

「このキノコは食べられそうにゃ…にゃ?」

 

「…ピカ?」

 

「…ブイ」

 

 色とりどりのキノコを抱えた猫型のポケモン。人語を喋る唯一無二の特技を持つ…ニャース。

 

「にゃ…にゃにゃにゃ!?お前は!?…にゃ?よく見ると…違う?」

 

「ピカピ!」

 

「ブイブイッ!」

 

 ロケット団のニャース?

 え?なんでこんなところに……。

 

「にゃ、にゃーはニャースにゃ。よろしくにゃ」

 

「ブイ!」

 

「しかしイーブイかにゃ。初めてみたにゃ」

 

「ブイ…ィブイ!」

 

「人の言葉を喋ることができて凄いにゃ?にゃはは…照れるにゃ」

 

 ……あれだよな。サトシ一行や悪巧み?が関わらなきゃニャースって真面目だし常識人なんだよな。機械関係にも強くて知識も豊富…なにより人と言葉を介してコミュニケーションが取れる。

 

 サトシのピカチュウや伝説のポケモン、幻のポケモンにも引けを取らない程珍しく凄いんだよなぁ。

 

 言葉の壁ってのは分厚い。

 ……理由はどうであれ尊敬に値するよ。

 

「人違いだったにゃ。申し訳ないにゃ」

 

「大丈夫だ。こんな森の中で何をしているんだ?沢山きのこを持ってるみたいだけど」

 

 …殆どが毒キノコよ。死にはしないが一部は幻覚作用もあるから…食べない方が良いと思う。

 

 因みになぜ知っているかというと食ったことがあるからですね、はい。子供って好奇心でなんでもかんでも口に入れちゃうじゃん?

 

 ピカチュウと共にハイになってヤバかった。

 …楽しくも苦い思い出として残ってます。

 

「食材集めにゃ。これだけ取ったらきっと2人も喜んでくれるにゃ」

 

 嬉しそうに微笑む。

 ……ムサシとコジロウのこと大切に思っているんだな。心が痛いが教えてあげなきゃね。

 

「ニャース。その」

 

「ピカ」

 

「どうしたのかにゃ?もしかして欲しいのかにゃ?少しだけなら分けてあげられるにゃ」

 

 …スゥ……めっちゃええ子やん。

 

「ピカ…ピカピ、ピカピカチュ!」

 

「にゃ!?殆どが毒キノコにゃ!?」

 

「…ピカ……ピカピカ…チュ」

 

「私は食べたことがあるけどとても苦しい思いをしたから食べない方がいいよ、かにゃ。…にゃ、それは仕方ないにゃ。教えてくれてありがとにゃ!」

 

 律儀にお礼を言いつつも落胆している。

 一生懸命集めた食材が毒物でしたは落ち込んでも仕方ない。…時間はまだある。

 

「…あのさ。もし良ければ手伝わせてくれないか?」

 

「にゃ?」

 

「食材集め。俺たちにも手伝わせて欲しいんだ」

 

「…いいのかにゃ?」

 

 もちろん。…ニャースに会えたのは奇跡に等しいしさ。……皮肉な話…久しぶりに会話をしたから…そのお礼ってのもある。

 

「ニャースが良ければ」

 

「…こんなに優しくされたのは久しぶりだにゃ。…おみゃーら良い奴だにゃ」

 

 涙ぐむニャース。

 

「んじゃ…探そうか」

 

「そうだにゃ」

 

 それから食材集め。

 ニャースとお喋りをしつつ楽しい時間。

 

 気を利かせてくれてピカブイの翻訳もしてくれた。…ニャース曰くピカチュウはお喋りなお姉さんでイーブイは明るい女の子らしいです。

 

 ニャースの話も聞いてさ。ムサシとコジロウという仲間と旅をしているんだってさ。…ムサシは怒ると怖いけど意外と乙女で芯のある性格をしていてコジロウはなよなよしているが根は優しくてここって時は決めてくれるらしい。

 

 2人に出会ったことはかけがえのないもの、か。嬉しそうに教えてくれたよ。…ムサシとコジロウには内緒らしい。

 

 何時間経ったんだろう。

 空は赤くなっていた。

 

 手には溢れんばかりの食材の数々。

 これだけあれば1週間は持つんじゃないかな。

 

「本当にありがとにゃ!」

 

「どういたしまして。かなりの量だけど1人で大丈夫?」

 

「大丈夫にゃ。これ以上は迷惑をかけられないにゃ」

 

 迷惑なんて思ってないんだけどなぁ。

 

「わかった。…また会いたいね」

 

「……にゃ」

 

 反応が悪い。…ロケット団ってことは隠してたもんね。…世間的には有名だもんな。しゃーないしゃーない。

 

「また会った時は何か食べようか。もちろん奢るからさ」

 

「!…いいのかにゃ?」

 

「もちろん。ピカチュウとイーブイがニャースのことを気に入ったみたいでね。俺もだけど…アイスクリームやフライドチキンとか買ってさ。…一緒に食べようぜ」

 

「にゃ……そうにゃ!その時はムサシとコジロウも紹介するにゃ!おみゃーらならきっと仲良くなれるにゃ!」

 

「うん、楽しみにしてるよ!…またなニャース!」

 

「またにゃ!」

 

 手を振りまた森の中を歩き出す。

 ……ピカブイひとことも喋んなかったな。

 

 左右を見る。…なんかめっちゃニコニコで見ていた。…なんだよその反応は…。

 

 そんなにおかしかったか?

 …楽しくてテンション上がってたけどさ。

 

 そうだ。またニャースに会った時の為に…コミュ障治さなきゃな。ムサシとコジロウの前で無口キャラとかシャレにならんて。

 

 ──────

 

 面白い奴だったにゃ。

 初めて出会った時はピカチュウのガキンチョだと思ったくらいにゃ。

 

 パッと見は似てるけど全然違うにゃ。

 …あれは相当の修羅場を潜っていると見るにゃ。

 

 肩に乗ったピカチュウは強さだけなら特別なピカチュウを遥かに超えているにゃ。

 

 もしムサシとコジロウとにゃーで戦ったとして十中八九返り討ちにゃ。実力が違うにゃ。

 

 イーブイの方は戦いを知らない箱入り娘だにゃ。名家のポケモンかもしれないにゃ。

 

 トレーナーも気さくで穏やかにゃ。

 その裏でとても鋭い牙を隠している。

 

 なによりポケモンに真摯に接してくれていた。とても良いトレーナーにゃ。…ピカチュウとイーブイの顔を見ればわかるにゃ。

 

 幸せそうにしていたからにゃ。

 あんなトレーナーもいるんだにゃ。

 

 …もし、出会いが違えば──

 

「ニャース!どこいったのよー!」

 

「どこいったんだー!ニャース!」

 

 んにゃ…たらればの話に意味はないにゃ。

 

「ムサシ!コジロウ!こっちにゃー!」

 

 にゃーは今を生きるだけだからにゃ。

 




コイキングを売りつけるおっさんを思い出して自然な形(?)で出すためにヒンバスになりました。あとニャースを出しました。実はロケット団ってニビジムの間は全く音沙汰がないので出しても大丈夫か?と思い出しました。もしムサシとコジロウがいたらコミュ障発揮してました。
そういう意味ではニャースとは1番相性がいいんだよなぁ。

またアンケ投げときますね

結局ハナダシティ行く?

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