転生したらチートアイテムが弱すぎて詰んでしまいました 作:bouton
「そんなことも知らないのか?」
「だって、俺が最後にこのノートを見たのは村人たちがみんなで見せ合っている時だから、そこからはあなたが持っていたんじゃ?」
「あの時にノートは盗まれていたのじゃよ。
わしがなんの騒ぎかと思って見に行こうとしたら、怪しい男が何かを隠しながら逃げるように群衆と反対方向に走っていってな、何かと思って聞こうとしたら逃げていったんじゃよ」
「でも、それじゃあどうして持っているんだ?」
「いくらなんでも怪しすぎると思い、追いかけて捕まえて中身を見てみたんじゃ。
そうしたら、中にあんなことが書かれているなんて、いくらなんでも驚いてしまったわい。
それをみていたら、村人たちがそいつを盗人だと言って、指を刺したんじゃ」
「捕まえたって、村長が捕まえたのか?
相手は男だろ?結構な力があるんじゃ?」
「ハッハッハー」
なんか笑って流されたんだが、まあどうせ捕まえたのは他の人だろうな。
「やっぱり村人に渡すのは反対だったんだ
私の言ったとおり、早く村長に見せるべだったんだ。」
まさか盗まれていたなんて思わなかったな。
村だから民度が良さそうだなんて、安直な考えをしていた俺が悪かったようだが。
「それで村長が取り返してくれたのか」
「まあそうじゃが、そうしたら持ち主が見知らぬ奴でな」
それで話しかけに来たってことか。
「だからもう少し大切に扱ってもらえないか?」
ここまでされたら、流石に大切するしかないな。
「分かった。もう少し用心深くするよ」
「ようやく分かってくれたか。
僕が一番注意したはずなのに一番聞いてくれなかったな」
「もう分かったからいいだろ。
俺はどうやって王都の奴らを止めればいいんだ?」
「いつかはわからないが、まだ時間はあるはずじゃ。
今のうちになるべく技を覚えて欲しいんじゃ」
「分かった。でも、それまで俺はどこにいれば?」
「それなら大丈夫じゃ。
村を救ってくれるなら2人にはなんでもするつもりじゃ。
寝場所も用意する。
何か食べたいものがあったら言ってくれんか?
なるべく出せるものは村人全員で出す」
そこまでしてくれるなんて、本当に英雄みたいだな。
「分かった。それなら、全力で王都軍から守れるように頑張るよ」
「ありがとうな」
「じゃあ、少しでも多くの技を覚えたいから、その寝泊まりする場所を案内してくれないか?」
「分かったぞ。ついてきてくれ。
トンプリーも一緒にな」
「僕にも部屋が?!」
「ああ、2人で頑張ってこの村を救ってくれたまえ」
「ありがとうございます」
そうして俺らは村役場から出て、部屋に案内された。
外はすでに暗くなっている。
だいぶ話し込んでいたからな。
入る前もある程度薄暗かったし、もう晩飯時かもな。
いくら異世界とは言え、ご飯の時間帯くらいは変わらないだろう。
そんなことを考えながら歩いていたら、ようやく部屋に着いた。
部屋というよりは小屋のように見える。
「じゃあ、晩ご飯までは時間があるから、ゆっくりにしていってくれ。
晩ご飯を食べたいと思ったら一度役場に戻ってきてくれ。
今日1日はわしはそこにいるから、また案内してやる」
「何から何までありがとうございます」
「こちらこそ期待しているぞ」
そうして村長はさっき歩いた道を戻っていった。
「ではお互い部屋に戻ってゆっくらしていよう。
僕はお腹が空いたらどこかにいってご飯を食べているから心配しないでくれよ。
それとあのノートはくれぐれも大切にな」
「ああ、ではまた明日」
そう言ってトンプリーは部屋に入っていった。
俺もそろそろ入るか。
ガチャっ
「お邪魔しまーす」
またいってしまった。
まあ、誰もみていないから別にいいか。
中を見たら、あるのは椅子一つに、机1つ。
それにベットが部屋の奥に置いてあった。
あとは入った左側と、ベットが置いてある場所に窓があるだけだ。
平凡だが、住むのには十分だ。
とりあえずしばらくはここが俺の拠点になりそうだな。
外の眺めはどうなっているんだ?
まずは一つ目の窓から開けてみよう。
俺は埃まみれの錆びついた窓を開けて、
「ガーガタガダー」
窓を開けたら、そこからはなぜかまた窓が見えた。
そうか、この部屋はトンプリーの部屋と隣だったな。
今は疲れているし、ここで彼が扉を開けたら話しかけられそうで面倒だ。
すぐに閉めよう。
そうしてバタンと扉を閉めた。
もう一つの扉もおそらく隣人の家の部屋の壁か窓が見えるだけだろう。
埃がベットにかかるのも嫌だし、後にすればいいか。
ノートの中身もじっくり見たいが、そろそろ腹が減ったな。
村役場の方に行って案内をしてもらうか。
持ち物は何もいらないな… あんなに用心しろと言われたんだ。
一応ノートは持っていっておくか。
他のものとわからなくならないように、これからはノートだけ右ポケットにいれておくか。
流石に盾と弓は余計な荷物になるだけでいらないだろ。
そして俺は部屋を後にして、村役場に向かった。
ある程度歩いたところで道がわからなくなってしまった。
誰かに聞いてみるか。
「あのー誰かいますかー?
道がわからなくなってしまってー」
「よう兄ちゃん。
道がわからないんだってな?
それなら俺が行きたいところへ案内してやろうか?」
その声は、鉄格子の中から聞こえてきた。
「案内してくれるって、そこからどうやって?」
「ただし、ここから俺を出してくれたらの話だがな!」
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