転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜   作:bouton

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第二十三話    女力

「あの王都についてなんだけど、一つ聞いて欲しいことがあるの

 聞いてくれる?」

 

「別にいいけど」

 

「あのね。実は私もあなたみたいに、王都に対抗しているの」

 

 この娘、ただの娘じゃなくて、そんな村を守ろうとまで…

 

「この国の王との話は知っているよね?

 私たちに立ち退かせようとしているんだよ。

 酷い話だよね。

 しかも立ち退いでしまうと、もうこの温泉を営業することも、入ることもできなくなっちゃうんだ」

 

「確かに、ここに居られないなくなったら行くあてもなくなるしね」

 

「だから、わたしはどうしても対抗しようと思っているんだけどね。

 男性の方が力が強いし、女性は危ないからって、武器さえ持たしてくれないの」

 

「それなら、どうやって対抗する気なんだ?」

 

「私は武器がなくても、少しでも戦うため、体を鍛えているの」

 

 そうか。確かにそれを聞くと大男2人を倒したって言う噂も納得だ。

 そういえばここにきて風呂に入ろうとした時、別の部分が衝撃すぎて完全に忘れていたが、腹筋がいくつもの数にバキバキに割れていたな。

 本来なら二度見してしまうような筋肉だった。

 俺としたことが、筋肉よりもそっちに目が入ってしまうなんて。

 まあ、男なら仕方がないよな。

 

「だから、私も対抗するし、あなたは救世主と言われているほどだし。

 一緒に戦いたいの!」

 

 そうか。だからさっきからあんなにも近づいてきたのか。

 変な気持ちとかじゃなくて、純粋に助けを求めてか。

 にしては近すぎる気もするが…

 

「わかった。俺も頑張るから、一緒にこの村を守り抜こう!」

 

「ありがとう」

 

 そうして彼女はこちらへ手を出してきた。

 俺はとっさに自分の手を出し、握手をしようとしたが、その瞬間…

 

「痛だだだだだだだだ!」

 

 とてつもない強さで俺の手を握ってきた。

 

「あれ?痛かった?」

 

 ふと見ると手には血管が浮き出ていて、筋肉が異常にがっちりついた手で俺の手握っていた。

 痛い。痛すぎる。

 

「これ以上何かされたら困るし、今日のところはこれで」

 

 そういって、俺は逃げるように湯から出た。 

 

 

 

 俺はその後、シャワー室で頭を洗っていた。

 

「ゴシゴシゴシ」

 

「くっそー。痛い目にあったなーー。

 まさかあんなにも力が強いなんてな…」

 

「背中、洗おうか?」

 

「げっ!」

 

 もしかして、俺が湯を出たタイミングでついてきたのか?

 だが、せっかく洗ってくれるんだったら、遠慮しずに…

 

「ああ、頼むよ」

 

「了解!」

 

 あれ、彼女、背中を洗うようなタオルなんて持っていたっけ?

 もしかして、タオルじゃなくてあれで背中を拭くんじゃ…

 そんな妄想をしていると、突然…

 

「ガリガリガリガリガリガリガーーーー!」

 

 背中に激痛が走った。

 

「なんだ?」

 

「あれっ気づいた?

 タオルがなかったから、たわしでふいてるんだよー」

 

「たっ、たわし?!」

 

 どうりで痛いと思ったら、まさかたわしでふいていたなんて。

 ただでさえザラザラしていると言うのに、彼女のあの力でやられたら痛くてたまらない。

 

「つるっ!」

 

 俺はすぐにその場から逃げようとしたが、落ちていた石鹸で足を滑らせてうつ伏せに倒れてしまった。

 

「痛ってーー」

 

「逃げるなーーー!」

 

「まずい逃げ…」

 

「どっしーーーーーーーーーーーーーん!」

 

「ぐへっ!」

 

 逃げようとしたが、その瞬間、彼女に上に飛び乗られたせいで、身動きができなくなってしまった。

 しかも彼女、見た目は一切太っているようには見えないし、身長も俺と同じくらいだが、上半身のあの部位がとんでもなく大きく、そして筋肉がたくさんついているせいで、とんでもなく重く感じる。

 いくらなんでも女性とは思えない重さだ。

 俺はつい、

 

「お、重い…」

 

 と口を滑らせてしまい…

 

「今、私に重いっていったなーー!」

 

「ガリガリガリガリガリガリガリーーーー」

 

「ぐはっ」

 

 さっきよりも何十倍もの力で、彼女は俺の背中をたわしでこすり回した。

 このままだと血が出てしまう。

 早くこの場から逃げなければ…

 

「誰か!助けてください!」

 

「助けを呼んでも無駄だよ!

 だってここは私の家の温泉だもん。

 もう母は寝ているから、今ここにいるのは私と君だけだね!」

 

 俺は必死に抗おうとしてもがいていたが、彼女には逆効果だったみたいだ。

 

「なに?逃げる気だな?

 それなら今度は!」

 

「くるっ」

 

 一瞬体が宙に浮いたような感覚になったが、それから今度はうつ伏せにされた。

 そしてまた、

 

「どっっっすーーーーーーーーーーーん!」

 

 今度は俺の顔の上に乗ってきた。

 

「うっ。うっぷ」

 

 重すぎて息ができない。

 窒息死しそうだ。

 苦しい…

 

「今度はお腹だーーー!」

 

 そう言って、今度はお腹を

 

「ガリガリガリガリガリガリガリガリーー」

 

「ガハッ!」

 

 そして俺は、たわしでお腹を擦り続けられた。




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