転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜   作:bouton

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第二十八話    禍福

「飛び降りるって、どこからですか?」

 

「橋かららしいんだが、あまりもう時間はないかもしれないらしい。

 私は現場に向かうから、ついてきたかったら勝手にするがいい」

 

 橋っていっても、下には川が流れているはずじゃないのか?

 この村では川が流れているのはよく見るし、流石にそれくらいでは死んだりしないよな?

 気になってしょうがないな。

 見に行ってみるか。

 

「待ってくれ。俺もついていく!」

 

 そうして俺は、女騎士について行った。

 

 

 橋の周囲には、人だかりができていて、何やら女性が叫んでいるようだ。

 

「やだーーー私は今からここから飛び降りて死ぬのよーー!」

 

 死ぬってここからじゃ死なな……

 しかし橋の下を見ると、確かに川は流れているが、浅すぎるし、岩だらけだ。

 高さも結構あるみたいだから、この高さで落ちたら多分即死だろう。

 

「くそっ。誰も説得できないぞーー!誰かあの女を説得できる奴はいないか?」

 

 みんな困っているみたいだな。

 だが、俺にできることはなさそうだな。

 ここは誰かに任せて…

 

「君って、前にあった村の英雄だよね?」

 

「えっと、まあ、間違ってはいな…」

 

 この人って確か最初にノートを持って行ったあの人じゃ…

 まだ村を救ってるわけではないのに、英雄扱いされているのか。

 

「みんなーー。この村の英雄が説得してくれるみたいだぞ!」

 

「おーー頼むぞーー!」

 

 あ。もう流れ的に説得しにいくしかなさそうだな。

 

「しょうがない」

 

 そういって俺は女性の近くに駆け寄った。

 

「えっと、あなたは?」

 

「あまり自分の名前は出したくないので、今は旅人とだけ名乗っておきます」

 

「じゃあ旅人さん。悪いけど私は今から死なせてもらうからね」

 

「それはなぜですか?」

 

「何もかも嫌になったのよ。

 私が生きているだけで不幸になる人がいる。

 だから、私は死なないといけないの」

 

「では、あなたはどう、人を不幸にさせましたか?」

 

「私なんて、人に迷惑をかけるだけなよ。

 だから、私は死んだ方が…」

 

「具体的には、いつ、誰に、どう迷惑を?」

 

「そんなこといちいち覚えていると思うの?

 でも、いっぱいあるはずなのーーーーー」

 

「落ち着いてください。

 では、あなたは人を幸せにしたことはありますか?」

 

「私が?そんなわけなじゃない」

 

「ですが貴方は、不幸にしたことも覚えていない。

 でもそれなら、本当に不幸にしたかは分からないはず。

 なぜなら、不幸にしたか、幸せにしたか覚えていないし、分からないから。

 それなら今まで自分が人を不幸にしてきたことが、ただ覚えていないだけで幸せにしていた時間かもしれないんですよ?」

 

「でも、私がここで死んでも誰も不幸にならないはずじゃ?」

 

「それなら、あなたがここで死んだら誰かが幸せになるのですか?」

 

「だって、誰も不幸にならなければ…」

 

「あなたは人を不幸にしたくないのか、幸せにしたいのか、どっちなんですか?

 まあ、人を幸せにするときは、みんな少しは人を不幸にさせてしまうでしょう」

 

「そう。だから私は不幸にならないように…」

 

「だから、人はその分大きな幸せを与えなければならないのです。

 ただ、意外に簡単なことだ。

 人を不幸にしない努力でなくて、人を幸せにする努力をすれば、少なくとも相手には幸せな気持ちが大きくなるはずです」

 

「じゃあ、私は人を幸せにするためにここから飛び降りて…」

 

「俺は、自殺は他殺と同じくらいの罪だと思っているんですよ」

 

「自殺が他殺と同じ?バカ言わないでよ。

 だって、他殺は他の人が死ぬのよ?」

 

「自殺も人が死にますよ?」

 

「他殺は、人を殺そうという心が存在しているのよ?」

 

「自殺も自分を殺そうという気持ちが存在しています」

 

「じゃあ、私があなたをここで殺すのと、私が今からここで飛び降りるのは、同じだっていいたいの?」

 

「もちろん前者の方が嫌ですね。

 俺からしたら私が殺人鬼に殺されるか、知らない他人が殺人鬼に殺されるかの違いですから。

 まあ、私の世界では自殺も他殺も補助すると罪になりますから」

 

「でも、自殺するの自体は罪がないんじゃ?

 

「俺は正直、自殺をした本人はなぜ罪とならないのかと思うんだ」

 

 ちなみに、今まで言っていることは、全て漫画の受け売りである。




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