転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜   作:bouton

30 / 31
第三十話     追跡

「俺のポケットが切られて中身だけなくなっているんだ!」

 

「なんだって?!また盗まれたのか?

 今すぐに追いかけにいくぞ!」

 

「いや、落ち着け。こういう時こそ、落ち着くべきなんだ」

 

「この状況だと、落ち着いている場合ではないだろ!早く探しに行かないと」

 

「いや、一旦落ち着いてみる。

 ふーーーすーーー」

 

 そう言って、まずは、ポケットの中身を確認したら、

 

「そんなことしたってノートが見つかるわけ…」

 

「あったぞ!」

 

「ノートがあったのか!

 いったいどこに?」

 

「もう片方のポケットに入れてあった」

 

「うっかり過ぎじゃないか?

 まあ、見つかったならよかったよ」

 

「でも、犯人は早く探さないとな!

 また取られないように、しっかり捕まえておこう」

 

「ああ、わかったよ」

 

 そうして俺らはノートを盗んだやつを探すことにした。

 

「でも、どうやって探すんだ?

 ノートを持っていないから捕まえても見つからないぞ?

 わざわざ自分から盗んだなんて自白する奴はいないし…」

 

「それは大丈夫だ。

 犯人は、君のノートを盗んだと思っているから、きっと気づいた頃には怒っているはずだし、それにノートを奪う時にきっと逃げるようにして去っていったはず。

 ならば、1人くらいは怪しいと思って見ていた村人もいたはずだ」

 

「それなら、聞いてみるか!」

 

「2人で手分けして聞き込もう。

 その方が早いはずだ!」

 

「わかった」

 

 俺はまず、さっき俺を胴上げしてくれた男に話しかけた。

 

「あの?誰か怪しい男を見ませんでしたか?

 逃げるようにしてここから去っていって人とかって?」

 

「逃げるって、何か盗まれたのかい?」

 

「いえ、そうではないのですが、人を探していて…」

 

「んーー。すまんな。あまり覚えていなかったよ。

 あそこにいる騎士なら何か知っているんじゃないか?」

 

 そう言って彼は、先ほどの女騎士を指さしていた。

 

「では、あの人に聞いて見ますね。

 教えてくれてありがとうございます」

 

「おうー。頑張れよ!英雄さん」

 

 そうして俺は、騎士へ行き…

 

「あの、逃げるようにして、ここから立ち去った怪しい人っていませんでしたか?」

 

「怪しい人…あいつか!確かに怪しいと思っていたんだ。

 何をしたか分からないが、もし、用があるなら、その男が行ったところまで案内しよう!」

 

「いいのか?なら頼むぞ!」

 

 そう言われて、俺は再び女騎士の後ろをついていった。

 

「いたぞ!あいつだ!」

 

「?!あいつって、どっかで見たような…」

 

「思い出したぞ!あいつは、我が村の盗人、

 ヴオルールだ!」

 

「ヴ、ヴオルール?!」

 

「なんだ?知っているのか?」

 

 知っているも何も、あいつは俺のノートを盗んだ奴なんだ。

 しかも、また盗もうとするなんて。

 あれ?でも…

 

「あいつって、捕まったんじゃないのか?」

 

「そうなんだ。あいつは捕まえて牢屋にぶち込んだはずなのに、なぜ外に出ているのだ?

 とにかく今は、あいつを捕まえるぞ」

 

「まずい。もうあんなにも遠くに…」

 

 あの男の奥にいる老人は誰だ?

 ん?よく見たら、村長じゃないか?

 

「村長!危ないぞ!その男はあの盗人なんだ。

 村長早く…」

 

「止まらんか!」

 

「俺が止まるわけないだろ!」

 

「止まらんというのなら、わしが捕まえてやる」

 

「あ?捕まえてみろよ。捕まえれるもんならな!」

 

「駄目だ早く逃げるんだ。

 早くしないとヴオルールがぶつかってきて大怪我を…」

 

「盗人がわしの村を暴れるんじゃない!」

 

 ぶつかりそうになったていたその瞬間、村長はヴオルールの腕を掴み、勢いよく投げ飛ばした。

 

「村長強っっよ!」

 

 予想外の光景だった。

 周りの村人も皆驚いている。

 

「午後6時11分」

 

 異世界でもそれやるのか。

 

「そういえば、お前ノートなんて持ってないじゃないか?

 入っていたのはティッシュだけじゃねーかよ。

 しかも、鼻を噛んだのか、全体が湿ってグチュグチュじゃないか!

 なんてもの盗ませてくるんだよ?」

 

「確かに俺はノートを持っていたが、お前が盗んだのは、反対のポケットからなんだよ!」

 

「何?おまえ、ノートは右ポケットに入れていたはずじゃないのか?」

 

「確かに俺はこれからノートは右ポケットに入れるつもりだった」

 

「そうだろ?だって、俺が見た時は右に入っていたのに…」

 

「そうだよ!

 だから俺は…」




毎日9時更新予定です。
面白いと思ったら、続きが見たいと思ったら反応をお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。