勝手に考えた! 異世界スーサイドスクワッド、2期以降! 作:烏丸和臣
「う、うーん……んえ?」
日は登り始め、所々に雲が浮かんでいるまさに気持ちの良い朝。そんな中、ハーレイは目覚めた。
(あったま痛ったい……何してたんだっけ?)
ハーレイが周りを見渡すとすぐ近くに水色の鱗が見える。
「あ、アーちゃん♡ ママの近くでねんねしてたのー?」
「グルル……」
そこにいたのは危険な感じしかしない巨大なドラゴン。このドラゴンの名は「アーサー」色々とありハーレイの事を母親と思っているドラゴンだ。
ハーレイがアーサーと戯れあっているとすぐ近くから声が聞こえる。
「んん……朝からうっせぇなぁ。二日酔いなんだから少しくらいゆっくりさせろよ……」
そう言いながら起きたのはドレッドヘアーの男。彼の名は「デッドショット」凄腕の暗殺者であり狙撃の腕は一級品だ。
「はぁ? おっさんの体調なんて気にするだけ損でしょ。ねー? アーちゃん?」
「グルル♡」
アーサーはハーレイに甘えるように頰をすり寄せたかと思うとデットショットに向かって殺意の眼差しを向けた。
「畜生、あんのマザコントカゲが……」
デッドショットはバツが悪そうに近くに置いてあった水を飲み干した。
「君たち、ようやく起きたのかね? 全く……ガサツなものだな」
すると1人の男がゆっくりとこちらに歩いてくる。
「常に完璧なスターである私にはそんな事とても出来ない……」
白いスーツに身を包んだ長身の男、彼の名は「クレイフェイス」本人曰くスター俳優らしいが実際には体を泥に変えることができるただのナルシスト役者だ。
「何を言う。貴様も10分前に起きたばかりだろう」
「ふん。その10分が私とコイツらの差なのだよ」
クレイフェイスにツッコんだ銀の仮面を被った男。コイツは「ピースメイカー」平和の為には残虐なことも厭わないと言う矛盾が服着て歩いているみたいな男だ。
「ガァァァアア!」
すると突然アーサーがクレイフェイスに向かって吠えた! どうやら母親が馬鹿にされているということを理解したらしい。
「そんなに噛み付くな。私は事実を述べたまでだぞ」
だがそんなアーサーとは対照的にクレイフェイスは余裕の笑みでアーサーに近づく。
「おい、危ないぞ」
ピースメイカーが注意するがそれでもクレイフェイスは歩みを止めない。
「なーに、私もハーレイの仲間なのだから手荒な真似は……」
ーガブッ!ー
次の瞬間、アーサーががっつりクレイフェイスの頭に齧り付いた。
「ぬわぁぁぁぁああ! や、やめるのだ! 育ててやった恩を仇で返すつもりか!」
「いやww育てたの私だしw」
ハーレイがツッコミを入れ、周りのメンバーとひたすらに笑っている。
「ハラ……ヘッタ」
するとアーサーの目の前に人のような四肢の生えたサメが立つ。
コイツの名前は「キングシャーク」本名はナラウエ。単純な身体能力ではメンバー最強だが知能は3歳程度で止まっている。
そんなナラウエがアーサーに近づき、そっと言った。
「ソイツ、ドロ。マズイゾ」
「グル⁈」
その瞬間アーサーがクレイフェイスを勢いよく吐き出した。
「おい、貴様! 私が美味くないと知った瞬間に吐き出しおって!」
どうやら大層アーサーに対してご立腹なようだが肝心のアーサーは……
「グル?」
どうやら言葉をうまく理解していないようだ。ナラウエと通じ合えたのは互いに人じゃないゆえか精神年齢が近いのか……
「ってか何やってたんだっけ? 記憶なさすぎるんだけど」
ハーレイがそうみんなに聞く。
「あのよくわからん奴ぶっ飛ばして宴会してただろうが!」
デッドショットが呆れた顔で言う。
「無理もなかろう。ハーレイは樽一つ分の酒を飲み干したのだから」
クレイフェイスがそう語る。どうやらハーレイは昨日調子に乗って酔い潰れたそうだ。
「ってかそれより皆は? あのお姫様も見当たんないし……」
「それならリッグと一緒に今朝歩いているのを見た。何故かは知らんがな」
ピースメイカーがそう伝える。どことなく不穏な言葉だがハーレイ達はそんなの関係ない。
「それよりさっさと帰りたいよねぇ。早くプリンちゃんに会いたい♡」
「私も良い加減本業に戻らせて欲しいものだ」
◆◇◆◇
ハーレイ達が起きた時、王城。玉座では国の実質的な支配者となったフィオネ王女とハーレイ達を監視(振り回されてる)リッグ・フラッグ大佐が面会をしていた。
「王女。改めて面会を許可していただき感謝します」
リッグが膝をつき、フィオネに深く礼をする。
「いえ、私も皆さんに恩があります。どうか頭を上げてください」
それを聞いたリッグはゆっくりと頭を上げた。
「それで要件とは?」
元々フィオネはハーレイ達と一時行動を共にしたこともあり距離は幾分か近い。
「それが、一つお願いがありまして」
「はい?」
「我々に資源採集の許可をいただけませんか?」
リッグの言葉はフィオネにとって予想外のもの。
「資源採集の……許可?」
「はい。我々は元々それを目的にこの世界まで来ました。どうか許していただけませんでしょうか?」
リッグが深々と礼をする。
だがフィオネは少し考えて難しい顔をする。
「すみませんが今すぐにとはいきません。先の戦いで母の死、重臣たちの投獄、国民の負傷など多くの事が起きました。未だ帝国との戦争も続いているなかそれほどの余裕がないのです。ですから、もうしばし待っていただけませんか?」
そう、今この王国は不安定極まりないのだ。元々政争をしたこともないフィオネにとって敵対派の大臣を退けられたのは尭孝だろう。
しかしその大臣達が政治を支えていたのもまた事実。元々フィオネを支持していたのは騎士団長のセシルを中心とする少数派だ。それがあの混乱でさらに少なくなり、国家運営が難しくなってしまったのだ。
その言葉を聞いたリッグは少し黙った。だがすぐに顔を上げ口を開いた。
「……分かりました。それでは私たちに何かできることは? 少しでも皆様のお役に立ちたいのです」
「そう、ですか。それでは一つよろしいですか? 実はあの混乱で最前線の兵士たちと連絡がとれなくなってしまったのです。国内の復興を進めたいのでその兵士達に帰還の指示を伝えていただきたいのです」
「そうですか……承知しました」
そうしてリッグとフィオネの静かな面会は幕を閉じた。
◆◇◆◇
その後リッグは王宮の一角で無線機を取り出した。
「こちらリッグ・フラッグ大佐。長官、応答願います」
「聞こえている。フラッグ大佐。資源確保の拠点はどうなっている?」
無線の先にいるのはハーレイ達をこの異世界に連れてきた張本人である、アマンダウォラー長官。まさに冷酷、それを体現したような女性だ。
「それが、まだ許しは貰えぬと。ですが王国が安定すれば可能だそうです。そして、そのためには現状の行動範囲では厳しくどうにかしていただけないかと思いまして……」
リッグはその言葉を言うと全身に悪寒が走る。無線機、そこから聞こえるのは沈黙を伝える雑音。だがそれすらも彼女の冷酷さを語っているようだった。
「分かった。対策をしよう。2日後にゲートに集まれ」
「はっ。承知しました!」
そうして静かな会話は幕を閉じた。
◆◇◆◇
ここは謎の場所、アマンダウォラーの居室。
「よもやあの手を使うことになるとはな……おい、カタナを呼べ。それとあの者と電話を繋げ」
「は、はい!」
アマンダは職員の1人に命令する。この後、現世には知られない壮絶な戦いが幕を開けるのだった。
こんにちは。烏丸和臣と申します! なろうで「妖狐のハンコウキ」というものを執筆していたのですがスースク愛が強すぎて思い切ってやってみました! 不定期投稿にはなると思いますがぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。