勝手に考えた! 異世界スーサイドスクワッド、2期以降!   作:烏丸和臣

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「とりあえず落ち着けよ。全員」

 赤いスーツの男が皆を止めようとする。

 

「テメェこそ先に武器下ろせよ。レッドロビン!」

 デッドショットの語気が一層強まる。

 「レッドロビン」ゴッサムの裏社会にいて、その名を知らぬ者はいない。彼はゴッサムを中心に活躍するダークヒーロー、バットマンのサイドキックの1人なのだ。

 棒術の達人であり、先輩のサイドキックであるナイトウィングとともに我を忘れがちなレッドフードと未熟なロビンを支えるヒーローだ。

 

「そんなこと言われても、こっちも大変なんだ。だからまず説明させてくれ」

 レッドロビンは元来真っ直ぐな性格だ。確かにヴィラン達とは色々ありすぎると思うが、最低限理性があったデッドショットが銃を下す。

 

「いいぜ、説明しろ。ふざけてたらその脳天ぶち抜いてやる」

 

 そうしてレッドロビンが説明し始めた。

 

「実は数日前からゴッサムのヴィラン達が姿を消したんだ」

 

「……姿を消したとはどれくらいだ?」

 

 ピースメーカーの視線が鋭くなる。

 

「ごっそりだ。ペンギン、ポイズンアイビー、トゥーフェイス、ゴリラグロッド、デスストローク、ラーズ・アル・グールも姿を消してる」

 

「活動を休んでいる訳ではないのか?」

 

「いや、投獄されてた奴も含めてそうなってる。その原因究明のため、バットマンと他のサイドキックは日夜走り回ってる。そんな時にアマンダ長官から連絡が来てね。手掛かりになるかもとバットマンの代わりに来たんだ」

 

「なんでテメェなんだよ! ってか蝙蝠野郎が呼ばれてんのがそもそも気に食わねぇ!」

 

 話を聞き終えたデッドショットがまた文句を言う。

 

「なぁ、なんであんなに不機嫌なんだ?」

 

 リッグがわからずピースメーカーに聞く。

 

「アイツは確かに腕利きの狙撃手だが、敵でも味方でもバットマンが関わると全て失敗するそうだ」

 

「アイツが狙えって言う相手はちょこまか動くし、アイツ狙う時もいつの間にか消えてるし成功できるやつなんかいねぇだろ!」

 どうやらバットマンが嫌いな理由自体すこし特殊なようだ。

 

「これからもう当てらんないんじゃないの〜?」

 

 ハーレイがここぞとばかりに煽る。

 

「うっせぇ! ピエロ女! ここで当ててもいいんだぞ……」

 

「やってみなさいよ言い訳狙撃手!」

 

 そんな風に喧嘩になりかけるがそれを無視してレッドロビンが話し続ける。

 

「ジョーカーも姿を消しているがこっちは確認中だ」

 

「プリンちゃんが⁈」

 

 その言葉に喧嘩の手を止め、ハーレイが反応する。

 

「あぁ。ということで俺がここに来たってわけ」

 

 レッドロビンが説明を終える。

 

「それと、フラッグ大佐。これを」

 

 するとレッドロビンがリッグに何かを投げ渡す。

 

「これは?」

 

「それは起爆装置。フラッグ大佐とクレイフェイス以外、首に爆弾があるはずだ。その時限装置をアマンダ長官が解除した」

 

 その言葉に全員の顔色が変わる。

 

「その代わりに俺、カタナ、そしてフラッグ大佐に起爆装置が渡されている。これは俺たちがボタンを押すか、死ぬことでお前達のその爆弾をボンって出来る」

 

「良いのか? 私にそれは無意味。もしかして釈放か?」

 

 クレイフェイスが勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

 

「いや、お前にはこれを着けておく」

 

 そう言いながらレッドロビンはノールックでクレイフェイスに何かを撃ち込んだ。

 

「なっ、この私に何をした!」

 

「ただの捕縛装置だ。他の奴らと同じようにこのボタンを押せばお前の能力を封じることができる。変な真似すんなよ」

 

「ちっ……」

 

 クレイフェイスが舌打ちをする。

 

「なるほどな……それで、「はいそうですか」となるとでも思ったか!」

 その瞬間、今まで黙っていたピースメーカーが前に飛び出す!

 

「貴様と共闘するのは、たとえ崇高な使命のためでも許容できん! この場で死ね!」

 そしてレッドロビンに向かって豪快なフルスイング!

 

「ぐっ!」

 それは見事にレッドロビンに直撃し、奴のガードごと吹き飛ばした!

 

「喰らっていろ!」

 そして距離が離れた瞬間、ピースメーカーが拳銃を取り出し、レッドロビンに向かって3発の鉛玉を放つ!

 

「うおっ!」

 レッドロビンは間一髪でそれを避け、木に隠れて射線を切る。

 

「確かに俺とお前は正反対だけどさ! 少しは仲良くすんのも良いんじゃないの?」

 するとレッドロビンはそう言いながら手裏剣3枚をピースメーカーに投げる!

 

「むぅ!」

 だがピースメーカーはそれを軽々と躱す。

 

(そうだろうと思ったよ……蝙蝠と戦う時は、搦手を考えとけよ!)

 するとピースメーカーが着地した場所に何か違和感を感じとる。

 

(まさかっ! これは!)

 そこにはワイヤーで作られた輪っかが置かれていた。

 

「引っかかったな!」

 するとレッドロビンは手元のワイヤーを力一杯引っ張る!

 

「ぐっ! 小癪な!」

 だがピースメーカーもそのワイヤーに気づくと同時に拳銃で切断した!

両者が再び向かい合う……。

 その時、デッドショットが銃口をレッドロビンに向け、カタナがピースメーカーの喉元に刀を押し当てる。

 

「もうそろそろやめろ……」「動くなよ蝙蝠野郎」

 

 そうして頭を冷やしたピースメーカーとレッドロビンは互いに武器をしまった。

 

「ふん。あくまで平和のために協力するだけだ……妙な真似をすれば、即刻撃ち殺す!」

 

 ピースメーカーはレッドロビンを睨みつけてそう言い放った。その顔にはもう平和主義者の面影はなく、冷たい犯罪者の顔が張り付いていた。

 

「分かったさ」

 

 レッドロビンもそれを軽くいなす。

 こうして元々ヴィランだけだった凸凹チームにヒーローも加わることになった。

 

◆◇◆◇

 

一方その頃、帝国の王宮内では……。

 

「やあやあ皆さん。ようこそ我が城へ……ご気分はいかがかな?」

 

そう言って不気味に笑う男と、そいつの目の前には何人もの凶悪なオーラを纏った者たち。

 

「フンッ! 何を言うか気色悪い、約を違えられんかの心配はしとるがな」

 

 そう言う小柄な男は「ペンギン」かつて奇形で生まれたがために下水で成長したゴッサムのヴィランだ。多様な傘を使って戦い、機械を通して無数のペンギンを操る事ができる。

 

「それで、私達の楽園はどこにあるんだい?」

 

 妖艶な空気を纏うこの女は「ポイズンアイビー」。植物を愛するあまり、度々バットマンと対立する事があるスーパーヴィランだ。その唇には毒があり、キスをした瞬間アウトだそうだ。

 

「コインで決めたまで貴様を殺すか否かは……表、殺さぬ」

 

 異様な顔をしたこの男は「トゥーフェイス」。かつては成功者の1人だったが強力な硫酸を浴びたことで顔の半分が変形してしまい、あらゆる決断をコインで決める狂人だ。

 

「蝙蝠はここにいるのだな? いなければ叩き切るぞ……」

 

 このオレンジと黒の鎧に身を包んだ男は「デスストローク」。唯一レベルでバットマンと正面から殴り合って勝つ可能性のある根っからの武人であり、何度も死闘を演じたスーパーヴィランだ。

 

「ふむ……早くこの世界のことを解明したいものだ。私の力はここの者たちにも有効なのか?」

 

 この人……というか喋っているゴリラは「ゴリラグロッド」。これでもしっかりとした科学者であり、機械を通して人を操る事ができる力を持つ。人を実験道具にする事もあるためバットマンと対立する事も多い。

 

「全く……若いもんはせっかちだな。果報は寝て待てというだろう」

 

 この髭を生やした男は「ラーズ・アル・グール」。世界的な犯罪組織、リーグ・オブ・アサシンのトップでありバットマンの義父にあたる人物だ。老齢に見えるがバットマンにも引けを取らない武術の使い手であり、バットマンを自身の後継者にしようとしている。

 

「まぁまぁ落ち着け。ここは本当に自由だが……秩序で凝り固まった国があってな。潰しても構わないぞ」

 

そう話すこの男……その正体は、犯罪王ジョーカーだ。そう、コイツも異世界に来ていたのだ。

 

「フンッ!」「指図しないで」「すべてはコインの意のままに……」「蝙蝠はどこだ」「実験設備を広げようかな」「茶ぁ淹れるが誰か飲むか?」

 

ジョーカーの話を聞いてる者が半分いるかどうか、ヴィランというものは共通で人の話を聞かないらしい。

 

 

 この先、レッドロビン、カタナを加えたスーサイドスクワッドとジョーカー率いるヴィランチーム。この二つの「色」が、異世界を混沌に染めていくのかもしれない。




さーてさてさてようやく更新されました本作。待ちましたかね? 新たにハーレイ、クレイフェイスとギッスギスのカタナとDC原作でヴィラン全般とギッスギスなレッドロビンが加わりました! それに加えて一期ラストで怪しげは雰囲気を出していたジョーカーはなんと他のスーパーヴィランと合流! 元々アメコミは頭のネジを外してナンボ、今回も例に漏れず出し惜しみなしで狂っていきます! それでは、評価や投票に感想などしていただけると嬉しいです。それではまたいつの日か……。
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