アルフィア狂い 作:PETTA
ビクトール
「・・・アルフィア!!俺たち結婚したんじゃ?」
アルフィア
「残念だったな、トリックだよ」
アルフィア
「それともう一つ・・・前の話はプロローグと言ったな」
ビクトール
「あぁ・・・そうだ。アルフィア...俺たち夫婦の始まりだろ?」
アルフィア
「あれは嘘だ。」
「彼の始まりの話をしましょう。」
眷属の子達にねだられて団長の話をする事になった。
「どうやってLv5までの記録を破ったのか」
とか
「Lv6の静寂との関係」
等
は聞かれない。
前者は見ていればどれ程努力しているのかが分かるし、後者は4週間に一回は聞かされているからだろう。
誰も知らない事。
それは遥か昔の事。
まだこのファミリアが2人だけだった頃の話。
今は面影が無いけど昔は虚無主義であまり楽しそうでは無かった彼が変わった日の事を話そう。
_________
なぁにこれ・・・
逞しいのヴィクの背中に乗りながら唖然とする。
そうこの男・・・勝利を意味する名を冠した男だ。
ビクトール・レイ
『Lv1』
力:D571→S993
耐久:E483→A884
器用:C696→SS1044
敏捷:B738→SS1060
魔力∶I000→S989
《魔法》
【
詠唱式
【アルフィア】
・付与魔法(自己のみ)
・愛属性
・発展アビリティ『治力』『精癒』『耐異常』『耐精神異常』の一時発現(1日中)。
・想いの丈と声の大きさに比例して効果向上
【】
《スキル》
【問答→白姫追想】
・運命の人を見つけるまで効果はない
・対象には返答を強制する
・早熟する。
・一蓮托生を達成するまで効果持続。
・想いの丈に比例して効果向上。
【白姫模倣】
・特定技能の習熟が早まる。
・潜在能力(ステイタス)を限界まで引き出せる。
【脳内白姫】
・思考能力に特殊な補正。
・精神攻撃に対する耐性。
【白姫之英雄】
・能動的行動に対するチャージ実行権。
・解放時における全アビリティ能力補正。
・能力補正はチャージ時間に比例。
・チャージ中、敵の戦意を削ぐ存在しない記憶が流れる。
【白姫本能】
・逆境時、全アビリティ能力高域補正
__以下省略__
訳の分からないスキルが大量に目覚めているし、多すぎて省略されている。
こんな魔法も知らない。
愛属性ってなに?
「へ、へぇ・・・・。」
初めての子どもなので、どうなのかは分からないがこれだけは分かる。
この子にはやると言ったら必ずやる“凄み”がある・・・ッ!!
「しかし、ヴィクはどんな冒険をすればこうなるの?」
それから彼の回想が始まった。
________
特に目標も無く今まで生きて来た。
親が居なくなって、お金をどうやって稼ごうかと思いなんとなくオラリオにやって来た。
そのツケを今払わされている。
黒い魔物?に襲われている新人を見て助けてやろうかなぁなんて思った。
3階層に敵なしと思っていた3か月の半人前は油断していたのだ。
見通しが甘かった。
俺は魔物に蹂躙され、肋骨が肺に突き刺さり息も絶え絶えの満身創痍。
だが、それは相手も同じだ。 最後の一撃
それを制する事が出来たのはこれを楽しいと思った…やっと思えた自分が居たからだろう。
倒れ込み、何とか目を開けて上を見る。
生きる意味が分かった...そんな気さえした。
今までは強くなる快感だとか戦闘が楽しいなんてのは思わなかった。
強くなればなるほどもっと楽しくなるそんな予感がする。
退屈が裏返る感覚
それが分かってしまった故に出てくる物もある。
もう戦えない俺に迫るモンスターに恐怖を感じてしまったのだ。
運命が背後に迫ってきた。
俺は死神に何でも差し出す積もりだった。
(あぁ、俺は今まで碌でもない人間でした。でもやっと見つけたんです、だからお願いします...頼むッ)
「消え失せろ、雑音ども」
灰色の髪が横切る時、太陽みたいな匂いがした。
死神と言うにはそれはあまりにも美しすぎた。
だがその黒服のせいだろうか、死神というのにも納得できた。
「名前は・・・」
その人はこちらを一瞥し、また歩み始めた
待ってくれと言う前に俺は立ち上がった。
「驚いたな・・まだ立てるのか。」
開いた瞳は透き通っていて、その奥に囚われそうになる。
かつてミノタウロスを閉じ込めた迷宮があったらしい、彼女のそれは竜ですら逃げる事は出来ないだろう。
「お名前は・・・・何ですか・・・」
「・・・。」
彼女の顔は覚えていない。
「お名前は」
「・・アルフィア」
試練を乗り終えた勇者への褒美を与えた姫は立ち去ろうとする。
あぁ・・・アルフィア・・・アルフィア・・アルフィア?
「どんな冒険がタイプだ?」
身体の疲弊を気にせず初対面の相手に発動するスキル
「数多の洗礼と幾つもの限界を越える・・・それが私の中の冒険だ」
その瞬間…脳裏に浮かび上がった
「隣に越してきた者です」
そう言った若い女性はその娘と共に挨拶に来た。
その子は幼さの中に大人らしい美しさも併せていた。
将来どれほどの美人に成長するのかと思った出会い。
何も無い田舎町だから俺たちはすぐに仲良くなったな。
将来お嫁さんになるなんて言われたっけな。
アルフィアの妹とは偶にしか会えなかったが。
その妹…メーテリアは基本的には優しかった・・・食べ物については最恐だった。
楽しい日々だった…。
二人が病気を患うまでは・・・。
俺は勉強した…勉強して勉強して勉強して勉強して勉強して勉強して勉強して
俺は理解した、それはここオラリオにしか無いと確信したんだ。
「『大きくなったら結婚しよう』...か。我ながら大したことを言う」
「アルフィアさん・・・いや、
「・・お前なぜメーテリアことを」
そうして俺はとうとう気を失ってしまった。
__________
「神様・・・俺は遂に見つけたんですよ・・運命を。」
理解できない発言もあったが、それ以上に彼が喜びで満ちている事は分かった。
冒険は彼に幸福をもたらしたのだろう。
【ランクアップ】が出来る・・・これこそがその証左であろう。
「神様・・どうしました?」
背中に乗っている事を忘れてしまっていた。
「あぁ…。うん、ふふッ。ランクアップ出来るよ・・頑張ったね」
「・・あぁッ・・やったぁ。」
発展アビリティに見慣れない物があったがそんな物だろう。
彼はそのアビリティを選択し、気絶するように眠った。
君も・・・始めることが出来たんだね。
今の姿を見れば前までのヴィクが火のついていない蝋燭であった事が分かる。
それほどまでに彼の顔には希望が見え、瞳には明日が写っていた。
翌朝
いつもならまだ眠っているヴィクがなんと白い正装に身を包んでいるではないか。
「一体全体どうしたんだい?」
「プロポーズしてきます」
花束を持ったヴィクがそう言って飛び出して行った。
「あぁ!ちょっと待ちなさいってばーー」
既に彼は見えなくなっていた。
不吉な予感を感じながらも、新たな上級冒険者の始まりを見送った。
・・・2日後血塗れになったヴィクが抱えられて帰って来た。
その子は灰色の髪をしており『この子』かぁと納得した。
確かに美人だ。
その子はヴィクをベッドまで運び、慰謝料として当時としては大金を渡して去って行った。
持っていたポーションを使い果たす大怪我で生と死をさまよう中うわ言で
「花束を渡せました!」などと言うから驚いてしまった。
そうして翌日には走ってダンジョンに向かって行った。
元気だなぁ等と当時は思ったが、今思えば異常だ。
心配だったが何とも無さそうだと一安心した頃に神会が開かれた
新参者には拒否権など無い
一体どんな会議になる事やらとびくびくしていたが、意外にも落ち着いた雰囲気だった。
だが二つ名を決める時間になるとそれは消え去った。嵐の前の静けさとはまさにこのことだろう。
そして私は絶句した
ヴィクの二つ名候補があまりにもひどかったからだ。
「
2日間へラ・ファミリアの前で土下座
団長が蹴り飛ばしても何度も帰って来た
訳の分からない事をまくしたてる
ゼウスですら「度し難い」と匙を投げる変態
普段はふざけた名前を付ける神たちがふざけなかったという事実を受け止めきれずに居た。
結局一番マシな
今は変態ではなく筋肉魔人という二つ名がガネーシャの提案で送られているからよりマシになった。
憐憫の目が辛かった。
確かに彼は他とは違うかもしれない、でも確実に良い子なのだ。
そんな子が二つ名で初対面のまま敬遠される未来を憂いて、枕を濡らした。
予想通り彼の悪名は瞬く間に広まった。
と同時にある噂も広まる。
ヘラ・ファミリアに勝利した上級冒険者
その噂は数日で広まった。
通行人曰く「俺は見たんだ、ヘラんとこの団長が頭を下げてたぜ。」
冒険者曰く「魔導士に笑顔で吹っ飛ばされてたよ。あれは変態なんてもんじゃねぇ・・もっと恐ろしい片鱗を感じたぜ」
ある神曰く「稀代の狂人」
だがヴィクはそれで終わらなかった。
常に話題の中心で居続けた。
____________
話を聞き終わった後団員たちは全員が号泣していた。
正直言って号泣するような話はしていないつもりだが、悪い気はしない。
「俺感動しました!ずっと強いだけのストーカーとばかり思っていた自分が恥ずかしいです…。」
アランは感情が昂ぶりすぎて服が破け、立派な胸筋が見えてしまっている。
「俺も・・・でもそれ以上に自分が情けないっす」
マーラーは全身で悔しさを表現している。
「お前ら!やるべきことは見つかったな!!」
ヴィクの次に強いラヴェルは副リーダーとしての職務を全うしている。
「「「「「押忍!!」」」」」
一般的な冒険者は強さよりもお金の為に潜る人が多いと言うがそれは本当なのだろうか。
ダンジョンへ駆けて行った子供達を見てそう思う。
誰も居ないホームは広く、少し寂しい。
だが彼らは今英雄の道を突き進んでいるのだ。
それを見守るのが私の役目。
太陽神はほほ笑んだ。
lv2の最速記録
1位ビクトール ソール・ファミリア
2位アルフィア へラ・ファミリア
3位マーラー ソール・ファミリア
Lv3
1位ビクトール ソール・ファミリア
2位アルフィア へラ・ファミリア
3位アラン ソール・ファミリア
Lv3
1位ビクトール ソール・ファミリア
2位アルフィア へラ・ファミリア
3位 サティ ソール・ファミリア
Lv4
1位ビクトール ソール・ファミリア
2位アルフィア へラ・ファミリア
3位ラヴェル ソール・ファミリア
Lv5
1位ビクトール ソール・ファミリア
2位アルフィア へラ・ファミリア
3位バーナード オオヌマオシヒメノカミ・ファミリア
ランクアップの度に記録を塗り替えれば不正を疑われ
トレーニングに参加してもらえば狂人呼ばわりされるファミリア
それがソール・ファミリア