昨日もう1話更新できませんでした…
夜の街を離れ、道は徐々に細くなり、街灯の数も減っていった。
……ヘリは低空をゆっくり飛んで先導し続け、その下にワイヤーでぶら下がった
「ふわー! ふわふわー!」
と嬉しそうな鳴き声を上げながら手を振っている。
あとちゃっかり狐ちゃん達はヘリに乗り込んでいる…
そしてあかり、凛、静華の3人は、その後ろを歩いてついていく形になっていた。
最初はまだ住宅街の端だったが、だんだん人家がまばらになり、アスファルトの道が土の道に変わり、木々が目立ち始めた。
「……山の方に向かってる?」
静華が小さくつぶやいた。
足取りが少しずつ重くなる。
凛も周囲を警戒しながら、穏やかだった表情にわずかな緊張を浮かべた。
「……街からだいぶ離れて来てる。このまま行くと、かなり深い山に入りそう」
装甲を着た狐娘は相変わらず嬉しそうだった。
ワイヤーにぶら下がったまま、体を軽く揺らして、
「んぴっ!ふあっ!ふわー!」
と元気に鳴きながら、「こっち! もっとこっち!」とばかりに尻尾を大きく振る。
赤いセンサーライトが楽しげに点滅し、尻尾もぶんぶん回っている。
しかし、3人の魔法少女の気持ちは徐々に変わり始めていた。
あかりは武器を握る手に少し力を込めた。
「静華先輩……正直、私ちょっと警戒し始めたんです。
山の奥って、魔物の巣窟になる場所も多いし……
この子たちが本当に味方でも、どこに連れて行かれるかわからないと……」
静華も二丁のショットガンのホルスターに軽く手を添え、周囲の木々の暗がりを鋭く見回した。
「私も同じ気持ちよ。さっきまでは街の中で民間人を守るような動きだったから信用できたけど、ここまで山奥に入ると……流石に警戒せざるを得ないわね。」
「あかりも凛ちゃんも万一の時はすぐに離脱できるように、距離は少し取っておきましょう」
3人は自然と歩く速度を少し落とし、ヘリと装甲狐娘との距離を数メートルほど開けた。
装甲狐娘はそれに気づいたのか、ワイヤーにぶら下がったまま体をくるっと回転させて、
「ふわー?」
と少し首をかしげた。
嬉しそうな鳴き声に、わずかに不安げな響きが混じったように聞こえる。
「んぴ……?」
ヘリも少し速度を落とし、コックピット内の狐娘がガラス越しに地上を覗き込んでいる。
どうやら「どうしたの?」と心配している様子だった。
あかりは声を張って呼びかけた。
「ねえ……もう少しで着くの?この先、かなり山が深くなるよ……私たち、ちょっと心配になってきたんだけど」
装甲狐娘は「ふわっ!」と短く鳴き、両手をぶんぶん振って「大丈夫だよ!」という仕草を見せた。
しかし、3人の魔法少女の警戒心は簡単に解けなかった。
静華が静かに言った。
「あかり、凛ちゃん2人とも武器に魔力を少し溜めておいて。私はいつでもショットガンを抜けるようにしておくわ。この子たちが敵意を見せたら、すぐに後退する。」
「……でも、まだ攻撃的な動きはないから、もう少しだけ様子を見るわ」
山道はますます細くなり、木々の枝が頭上を覆い始める。
月明かりがまばらに差し込むだけで、周囲はかなり暗い。
ヘリのローター音が木々に反響し、なんだか不気味に聞こえてくる。
装甲狐娘はまだ嬉しそうに手を振り続けているが、二人の足取りが明らかに慎重になっていることに気づいたのか、時々
「ふわ……?」
と小さく鳴いて、ワイヤーにぶら下がったまま振り返っては、心配そうに紫色の瞳を覗かせる。
あかりは胸の内でつぶやいた。
(この子、ほんとに悪気はないみたいだけど……
山の奥って、どんな場所なんだろう……
もし魔物の群れがいたら、すぐに逃げられるようにしないと……)
凛も静華同じように、周囲の気配を常に探りながら歩いていた。
ショットガンのグリップに指を軽くかけ、いつでも抜ける状態を保っている。
ヘリはまだ低空をゆっくり飛んで先導し、装甲狐娘はワイヤーに吊るされたまま、
「ふわー! んぴ!」
と誘い続ける。
しかし、魔法少女3人はもう完全に警戒モードに入っていた。
山が深くなるにつれ、「本当にこのままついていっていいのか」という不安が、3人の胸の中で静かに大きくなっていった。
夜の山道を、小さなヘリとぶら下がった装甲狐娘が先導し、その後ろを、警戒を強める二人の魔法少女が歩いていく。
夜の山道はますます細くなり、木々の密度が一層増してきた。
ヘリのローター音が木の葉に反響して、まるで周囲全体が低く唸っているように聞こえる。
月明かりは枝葉に遮られ、地面に落ちるのは斑らな白い点だけ。
足元は柔らかい土と落ち葉で、歩くたびにくぐもった音がする。
あかりはヘリにいつの間にか乗り込んでいた狐ちゃん達を意識しながら歩いていた。
凛はあかりの少し後ろを歩きながら、静かに息を整えていた。
静華は先頭に少し出て、両手のショットガンに軽く指をかけ、周囲の暗がりを鋭く見据えていた。
彼女の表情は穏やかさを保ちつつも、瞳の奥に明確な警戒の色が浮かんでいる。
「……もう街の灯りは完全に消えたわね」
静華が低い声で言った。
「この先は、ほとんど人の手が入っていない原生林よ。魔物が潜みやすい場所……特に夜は注意が必要」
装甲狐娘はヘリの下にワイヤーでぶら下がったまま、まだ元気よく体を揺らしている。
「ふわー! ふわふわー! んぴっ!」
嬉しそうな鳴き声が木々の間を抜けて響く。
赤いセンサーライトが楽しげに点滅し、尻尾を大きく左右に振って「もうすぐだよ!」とアピールしている。
しかし、魔法少女たちが距離を取って警戒を強めていることに気づいたのか、時々「ふわ……?」と不安げに振り返る回数が増えていた。
ヘリに乗り込んでいる狐ちゃん、ぴーちゃん、ゴムちゃんは、ヘリ内でちょこんと並んで窓から外を眺めている。
ぴーちゃんが「んぴ!」と小さく鳴いて、窓ガラスに手を押しつけ、ゴムちゃんも同じ様に外を見ている。
あかりは声を少し大きくして呼びかけた。
「ねえ……本当に大丈夫?この先、かなり深い山に入っちゃうよ……?」
装甲狐娘はワイヤーに吊るされた体をくるりと回転させ、両手をぶんぶん振って「大丈夫! 大丈夫!」と訴える。
「ふあっ! んぴぴ!」
ヘリも速度を少し落とし、コックピット内の狐娘がガラスに顔を近づけて、3人の魔法少女たちを心配そうに見下ろしている。
山道はさらに急な上りになり、木の根が地面を這うように露出している。
空気は冷たく湿り気を帯び、遠くで夜行性の鳥が不気味な声を上げた。
静華がショットガンのグリップを軽く握り直した。
「あかり、凛ちゃん。もう距離を少し開けるよ。もし何かあったら、すぐに後退できるように」
あかりが静かに頷く。
「わかりました。この子たちが悪気がないのは伝わってくるけど…特にあのヘリがどこを目指しているのか…」
凛はスーちゃんに、
「スーちゃんは大丈夫?」
と聞くとスーちゃんは、
「ん!」
と「大丈夫!」と言いたげに鳴いた。
装甲を着た狐娘は再び「ふわー!」と明るく鳴き、
ワイヤーを少し揺らしてヘリを急かしている。
ヘリはゆっくりと高度を下げ、木々の隙間を抜けるように進路を調整し、やがて木々が少し開けた場所に出た。
そこは小さな谷のような窪地で、岩肌が露出した崖が両側に迫っている。
前方に、ぼんやりとした青白い光が見え始めた。静華の目が細くなる。
「……あの光、何かしら?」
凛も声を低くし静華に言う。
「あれですか…自然のものとは思えないですね……空間魔法?っぽいですね。」
装甲を着た狐娘はあかりたちに向かって大きく手を振った。
「ふわっ! ふわふわー! んぴっ!」
まるで「ほら、あそこ! もうすぐ着くよ!」と言っているようだった。
嬉しそうな声に、期待が混じっている。
しかし、三人の魔法少女は足を止め、互いに視線を交わした。
「……本当に大丈夫かな……?」
「……もう少し近づいてみる?」
「……万一の時は、私が先に撃つわ。みんなはすぐに下がって」
山奥の冷たい風が吹き抜け、ヘリのローター音と、装甲狐娘の「ふわー!」という鳴き声が、静かな谷間に響き渡っていた。
そして、3人の魔法少女は、警戒を最大限に高めながら、ゆっくりとその青白い光に向かって歩みを進めていった。
その頃、あかり達3人の後ろをこっそりとついて行っている狐ちゃん達と違い狐耳、髪色、尻尾が銀色の小さな狐娘が1匹居た。
「んぴ!ふわふわー。」
(家の屋根からついてきたけど)
「ふわー」
(ここからどうしよう)
その狐娘はあかりを家からずっとつけ回していた狐娘だった。※第15話登場の屋根に居た新しい子
「んぴ!ふわわわ!」
(あ!お家の入り口だ!)
魔法少女達がワープホールに近づいていくのを見ていたが家の入り口が見えて走り出してしまう。
あかり達は歩きながら狐ちゃん達の乗った小さいヘリが
ワープホールに向かっていくのを見ていた。
すると、急に「んぴ!んぴぴぴぴぴ!」と言う狐ちゃん達が良く発する連続した鳴き声が後ろから聞こえてきてつい振り返ると、こっちに向かって銀髪の珍しい子が走ってきた。
「……今!…」
あかりの足元を抜けていこうとした時、あかりはいつも狐ちゃん達を捕まえる時の要領で銀髪の子をタイミング良く持ち上げた。
「んぴ!?ふわ?ぶわー!!」
銀髪の小さい狐娘は、ジタバタし始めてあかりに対して「ぶわー!」と鳴いた。
「離せー!」と言っていそうだが、あかりはガン無視…と言うかその鳴き声に気づいていないようで、両手で持ち上げたまま、
「一つ聞きたいんだけど…このワープホールってあなたのお家に繋がってるの?」
と聞くと
「ムッ!ぶわー!」
と銀髪の子はあかりに対して眉間にしわを寄せムッとした顔で鳴く。
すると、あかりは
「あ、あれ?…もしかして怒ってる?」
ようやく気づいた。
凛が、あかりに対して
「多分離して欲しいんじゃないかしら?」
と言うとすると、あかりは銀髪の子を地面にそっと足をつけさせてから離してあげた。
すると、すぐにムッとした顔をやめた。
そして、あかりはもう一度聞く
「さっきはごめんね?それでもう一回聞くけど…あのワープホールってあなたのお家に繋がってるの?」
すると、銀髪の狐娘は頷きながら「んぴ!」と答える。
静華は、
「やっぱり、この子達の家に繋がっているみたいね」
と言う。
「なら、いきましょう。」
凛がそう言うと、あかりと静華もあかりもワープホールに向かって歩き出す。
そしてその前をヘリがゆっくりと飛んで行く。
ヘリは低くホバリングしたまま、その光の渦のすぐ手前に近づいた。
装甲狐娘はまだワイヤーにぶら下がった状態で、
「ふわー! ふわふわー!」と嬉しそうな声を上げ続けている。
赤いセンサーライトが興奮気味に激しく点滅し、尻尾を大きく振っている。
すると、ヘリのコックピットに乗り込んでいる狐娘が、
何の躊躇いもなく機体を前進させた。
低く唸るローター音とともに、ヘリはまっすぐに青白い光の渦へと突入した。
機体が光に触れた瞬間、表面が一瞬きらめき、あっという間に飲み込まれるように姿を消した。
装甲狐娘も一緒にワイヤーで繋がれたまま、「んぴっ!」という短い鳴き声を残して、光の中へ消えていく。
あかり、凛花、静華の三人は思わず息を飲んだ。
「……本当に入っていった」
あかりが小さくつぶやく。
静華がショットガンのグリップを強く握り、
低い声で
「こんな、高度な空間魔法を使えるなんてね…しかもずっと維持してる。」
凛も穏やかな表情を保ちながら、警戒を強めた。
「確かに、この空間魔法だけでかなりの魔力を消費する筈…」
「……どうしよう。みんな入っちゃったけど…私…今更ビビってるんですけど…どうしよう、凛さん、静華先輩…」
「「それは仕方ない」」
三人はそのまま数分、じっとその場に立っていた。
しかし、ワープホールからは何の反応も返ってこない。
光の渦はゆっくり回転を続けているだけで、中から音も気配も感じられない。
全員が入るのを渋っているといい加減入れと言いたげに
「んぴ!んぴ!ぐるるる!!」
スーちゃんが、凛の肩をペチペチと叩きながら静華に唸った。
「ちょっ…ちょっとスーちゃん落ち着いて…」
「んぴ!むん!」
スーちゃんはもう知らない!と言いたげに顔をぷいっ!と背けた。
「は…はぁ〜…行くしかないか…」
静華が覚悟を決めて歩き出そうとした。
その時——ワープホールの縁から、
二つの小さな顔がぴょこっと顔を出した。
その顔とは、ぴーちゃんとゴムちゃんだった。
2匹が、
ワープホールの向こう側から顔だけをこちら側に突き出している。
ぴーちゃんは耳をぴこぴこさせ、ゴムちゃんは紫色の瞳をきょとんとさせてこちらを見ている。
「んぴ?」「ふわ……んぴ!」
二匹は同時に小さく鳴き、
「どうしたの?」「早く来て!」と言わんばかりに、
小さな手をぱたぱた振ってきた。
顔と手だけを出しているので、なんだか不思議でコミカルな光景だった。
静華が小さく息を吐いた。
「……あの子たち、こっちを待ってるみたいね。
顔だけ出して、誘ってるわ。」
凛も少し微笑みながら、
「気持ちは伝わってきますね…『大丈夫だよ、こっちに来て』って」
すると、狐ちゃんも顔を出してきて「んぴぴ!」と元気よく鳴きながら手を振る。
ゴムちゃんも「ふあっ!」と鳴いて、手をパタパタと振ってみせる。
どうやら「早く!」「心配ないよ!」と急かしているらしい。
すると、あかりが
「よし…あの子達を信じて行きます!」
それに対して凛は、
「そろそろスーちゃんがガチギレ寸前だから私も行くわ…」
そして静華も、
「はぁ〜…仕方ない…私から入るよ。」
そう言って静華が最初にワープホールに足を踏み入れた。
お気に入り登録してくれている人が増えてて嬉しい!
誤字などがあったら教えてください!