小さな狐娘と魔法少女   作:う〜☆☆☆

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番外編2つ目です!


番外編02 『神社の狐娘達の日常』

 

 

 

神社の朝は、いつも静かで賑やかだった。

 

朝霧が境内を白く包む頃、ゆるやかな石の坂道のあちこちから、小さな足音と鈴の音が響き始める。

 

「ふわっ!」

 

「んぴ?……ふわ!」

 

身長約30センチの狐娘たちが、ぴょこぴょこと坂を上り下りしている。

 

金色の長い髪に紫色の瞳、ふわふわの狐耳と大きな尻尾。

 

服装は白と黒を基調とした小さな着物やドレスがほとんどで、髪飾りは花、リボン、鈴、小さな鈴など、それぞれ少しずつ違う。

 

この神社の狐娘たちの総数は、焔月ですら正確に把握しきれていない。

 

理由は少なくとも1日で数匹、多い日には10匹を超える狐娘が増えているからだ。

 

古くからこの神社に住み着き、代々増え続け、今も毎日どこかで新しい子が生まれているらしい。

 

本殿の前では、今日も何十匹もの狐娘たちが集まっていた。

 

何匹かは小さな箒で石畳を丁寧に掃いている。

 

「ふわ……んぴ……」と小さな声で言い合いながら、

落ち葉を一枚一枚集めては、竹籠に入れている。

 

別のグループは灯籠の掃除をしていた。

 

背伸びをしてガラス部分を布で拭き、「んぴっ!」と満足げに鳴きながら、次の灯籠へ移動する。

 

境内の一角にある小さな畑では、

数十匹の狐娘たちが朝の水やりをしていた。

 

りんごの木や小さな野菜の世話をしながら、

「ふわふわ!」と楽しそうに鳴き合っている。

 

特にりんごの木は彼女たちの大好物で、実がなると毎日何十匹も集まってきて、木の下で「んぴぴ!」と喜びの声を上げながら実を待つのが日課になっていた。

 

本殿の裏手にある大きな厨房では、

さらに多くの狐娘たちが朝食の準備をしていた。

 

台所を、30センチの体で一生懸命使っている姿は、

見ているだけで微笑ましい。

 

何匹かが階段で台の上に登り、大きな鍋をかき混ぜたり、ご飯をよそったりしている。

 

※台所は人間サイズなので狐娘達が移動用の階段や足場が至る所にある。

 

※狐娘達は一応魔物なので怪力です。弱い子でも2人用ソファーを両手で持ち上げるくらいのパワーがあります。(尚、スーちゃんは本気を出せば、軽自動車を持ち上げるくらいの怪力を発揮するが怒った時のみなので発揮する事はほぼない。)

 

 

「ふわっ! んぴ!」と声を掛け合いながら、

野菜を小さく切ったり、味噌汁の具を入れていたりする。

 

厨房の隅では、焔月が静かに座って全体を見守っていた。

 

九本の銀色の尻尾を優しく揺らし、赤い瞳で狐娘たちを温かく見つめている。

 

「ふわ……」

 

一匹の狐娘が焔月の足元に駆け寄り、

小さな器に入れた味噌汁を「味見して!」と言いたげに「んぴ!」鳴きながら差し出した。

 

焔月は優しく微笑み、その頭を撫でてから一口飲んだ。

 

「ありがとう。みんな、上手になったわね」もちろん狐娘たちは言葉が通じない。

 

それでも、焔月の優しい声と撫でる手に、

「ふわぁ〜!」と嬉しそうに鳴いて、尻尾をぶんぶん振る。

 

璃音も朝早くから厨房を手伝っていた。

 

金色の髪を後ろでまとめ、青いリボンを揺らしながら、

狐娘たちと一緒に小さな器にご飯をよそっている。

 

「んぴっ!」

 

一匹が璃音の袖を引っ張り、「もっと!」と訴える。

 

璃音は柔らかく笑って、

「ふふ、はいはい。もう少しね」と言いながら、

もう一口分を追加してあげた。

 

神社の朝食は、基本的には果物や野菜中心だが、

最近は人間の食べ物を少しずつ取り入れ始めていた。

 

あかりたちとの交流がきっかけで、

味噌汁やおにぎり、簡単な煮物なども少しずつ作るようになった。

 

朝食の時間になると、境内全体が一気に賑やかになる。

 

何百匹もの狐娘たちが、

本殿前の広い石畳に集まり、

自分の小さな器を持って座る。

 

「ふわっ!」「んぴ!」「ふわふわー!」という声が重なり合い、

鈴の音がちりんちりんと響く。

 

何匹かは友達同士で寄り添って食べ、

何匹かは璃音や焔月の近くに陣取り、

「んぴぴ!」と甘えるように鳴いている。

 

特に人気なのは、味噌汁だった。

 

狐娘たちはそれを小さなスプーン具をすくい一生懸命食べながら、幸せそうに目を細め、尻尾をゆっくり振っている。

 

食事が終わると、午前の自由時間になる。狐娘たちは思い思いに境内を動き回る。

 

坂道をぴょんぴょん跳ねて遊ぶグループ、

木の陰で追いかけっこをするグループ、

本殿の回廊で日向ぼっこをするグループ……

中には、境内の隅にある小さな池で水遊びをしている子たちもいる。

 

「ふわっ! んぴぴ!」

一匹が池に飛び込み、水しぶきを上げると、

周りの狐娘たちが「ふわぁ!」と大喜びで拍手のような仕草をする。

 

午後になると、少し落ち着いた活動が増える。

 

何十匹かが本殿の掃除を手伝い、

何百匹かが境内の草むしりをしている。

 

小さな手で一生懸命草を抜きながら、

「ん!……んぴ…!」と集中した声を出す。

 

特に熱心なのは、りんごの木の世話をする狐娘たちだった。

 

毎日水をやり、落ち葉を掃き、

実がなるのを楽しみに待っている。

 

実が少し赤くなり始めると、

木の下に何百匹も集まってきて、

「ふわー! ふわふわー!」と興奮した声を上げながら、

収穫の日を心待ちにしている。

 

夕方近くになると、神社全体が再び賑やかになる。

 

厨房では夕食の準備が始まり、

何百匹もの狐娘たちが協力して働いている。

 

大きな鍋を何個も並べ、りんごを切ったり、

味噌汁を作ったり、おにぎりを握ったり……

「ふわっ!」「んぴ!」という声が厨房中に飛び交う。

 

焔月と璃音は、夕暮れの本殿前で静かに座っていた。

 

焔月が九本の尻尾を優しく揺らしながら、

璃音に小さく語りかけた。

 

「ねぇ璃音…。今日も、みんな元気ね……

私達ですら数えきれないほどいるのに、

毎日こうして笑って暮らしてくれている」

 

璃音が柔らかく微笑んだ。

 

「そうだね、お母様。本当に……

あかりさんたちと出会ってから、

みんなの表情がますます明るくなった気がする。

 

その時、境内の坂道から「ふわー!」という元気な声が聞こえてきた。

 

青い木蓮の髪飾りをしたマグノリアちゃんとコウノトリのバッチを髪飾りにつけているファットちゃんが、

数匹の友達を連れて坂を上ってくる。

 

彼女は今日も外の世界を少し見て回ってきたらしい。

 

「んぴっ!」と鳴きながら、焔月のところへ駆け寄り、

今日見たことを一生懸命動きを交えて伝えてくる。

 

焔月は優しく頭を撫でながら、

「そうだったのね。教えてくれてありがとう。」と微笑んだ。

 

夜になると、神社はまた違った美しさを見せる。

 

灯籠に火が灯され、青白い柔らかな光が境内を照らす。

 

狐娘たちは小さなグループに分かれて、

本殿の前で集まったり、回廊で休んだりしている。

 

何匹かは璃音の膝の上で丸くなり、

「ふわぁ……」と寝息を立て始めている。

 

何匹かは焔月の九本の尻尾に包まるようにして眠りにつく。

 

焔月は静かに境内を見渡しながら、

心の中でつぶやいた。

 

(本当に……数えきれないほどいるのに、

みんなこうして平和に暮らしてくれている……

これからも、この子たちを守っていかなければ…!)

 

璃音も、眠りについた狐娘の頭を優しく撫でながら、

小さく微笑んだ。

 

「ふわ……んぴ……」一匹の狐娘が寝言のように小さく鳴く。

 

その声が、夜の神社に優しく響いた。狐ノ杜神社の日常は、今日もこうして、穏やかで、賑やかで、温かい「ふわ!」と「んぴ!」の声に満ちて続いていく。

 

神社内だけで数千、いや数万に及ぶ狐娘たち。

 

焔月ですら全員の名前や顔を完璧に覚えきれないほどの大所帯。

 

それでも、彼女たちは毎日、同じように掃除をし、食事を作り、遊び、時には外の世界の話を聞きながら、静かに、しかし確かに、平和な日々を紡いでいるのだった。

 

 

 

 




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ありがとうございます!今後も番外編や別の作品を投稿していくと思うのでよろしくお願いします!

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