小さな狐娘と魔法少女   作:う〜☆☆☆

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狐ちゃんを喋べらせたいけど…喋らせたら今までのキャラがなぁ〜…と考えながら作った番外編です!


番外編10 『喋りたい狐ちゃん』

 

 

夕暮れのあかりの部屋は、いつものように三匹の小さな声で賑やかだった。

 

あかりがソファに座って本を読んでいると、

狐ちゃんが膝の上にぴょんと飛び乗ってきた。

 

金色の髪が少し乱れ、紫色の瞳が真剣に輝いている。

 

「ふぁ……ふぁりー!」と狐ちゃんは小さな口を一生懸命に動かして、

何か言っている。

 

しかし、舌が上手く回らず、変な響きになっている。

 

あかりは本を閉じて、狐ちゃんの顔を優しく覗き込んだ。

 

「ん? どうしたの、狐ちゃん?」狐ちゃんは指を指す、

耳をぴくぴくさせながら、もう一度挑戦した。

 

「ふぁ……ふぁりー! ふぁりー!」あかりは一瞬目を丸くして、すぐに理解した。

 

「……あかり、のこと?」狐ちゃんは大きく頷き、尻尾をぶんぶん振った。

 

「ふぁりー! ふぁりー!」どうやら「あかり」を一生懸命に言おうとしているらしい。

 

口がまだ上手く回らず、「ふぁりー!」という可愛らしい変な響きになってしまっている。

 

あかりは思わず笑って、狐ちゃんの頭を優しく撫でた。

 

「うん、ちゃんと伝わってるよ。

『あかり』だよね? 頑張ってるね、狐ちゃん」

 

狐ちゃんは褒められて目を細め、

さらに意気込んで次の言葉に挑戦した。

 

「き……きちゅ……きちゅねー!」今度は「狐」と言おうとしているようだ。

 

しかし「きつね」が「きちゅねー!」という、なんだか舌足らずで可愛らしい発音になってしまっている。

 

あかりはくすくす笑いながら、狐ちゃんの頰を指で軽くつついた。

 

「『きつね』だよね? 自分のお名前?」

 

そう聞くと狐ちゃんは「ん!」と力強く頷き、さらに頑張って次の言葉を紡ごうとする。

 

「だ…だい……だいちきー! だいちきー!」今度は「大好き」と言おうとしているらしい。

 

しかし「だいすき」が「たいちきー!」という、完全に口が回っていない可愛い変形発音になってしまった。

 

あかりの胸がきゅんとなった。

 

「『大好き』……?」狐ちゃんは、小さな両手をぎゅっと握って何度も繰り返した。

 

「たいちきー! ふぁりー、たいちきー!」あかりは狐ちゃんをそっと抱き上げ、自分の胸にぎゅっと抱きしめた。

 

「可愛いね、狐ちゃん。頑張って言葉を話そうとしてくれて、ありがとう」

 

狐ちゃんはあかりの胸の中で、「ふわぁ……」と幸せそうな長い声を出し、尻尾をゆっくりと左右に振った。

 

まだ言葉が上手く出せないもどかしさを、全身で表現しているようだった。

 

そこへ、ぴーちゃんとゴムちゃんもやってきた。

 

ぴーちゃんは鉛筆飾りをぴょこぴょこさせながら、狐ちゃんの隣に座って「んぴ?」と首をかしげる。

 

ゴムちゃんは消しゴムを抱えたまま、狐ちゃんの背中にぴったりくっついて「ふあっ!」と応援するように鳴いた。

 

狐ちゃんは二匹の存在を感じて、さらに頑張って言葉を紡ごうとした。

 

「ぴー…ぴーちゃっ!こ…ごーちゃっ!ごむちゃっ!……だいちきー!」

 

「ぴーちゃん」と「ゴムちゃん」もまだ上手く言えず、

「ぴーちゃん」は「ぴーちゃっ!」とんが無い呼び方になり、「ゴムちゃん」は「ごむちゃっ!」とぴーちゃんと同じ様な感じになっている様に聞こえた。

 

あかりは三匹をまとめて抱きしめながら、優しく微笑んだ。

 

「みんな、ちゃんと伝わってるよ。狐ちゃんが一生懸命言葉を覚えようとしてくれて、とっても嬉しい」

 

狐ちゃんはあかりの胸の中で顔を上げ、紫色の瞳をキラキラさせながら、もう一度挑戦した。

 

「ふぁりー……きちゅねー……たいちきー!」「あかり、きつね、大好き」三つの言葉を、なんとか詰め込んで言おうとした。

 

しかし実際に出たのは「ふぁりー! きちゅねー! たいちきー!」という、完全に舌が回っていない可愛らしい変な言葉の羅列だった。

 

あかりはもう我慢できずに笑いながら、狐ちゃんの頭を何度も撫でた。

 

「うんうん、全部ちゃんとわかった。狐ちゃんは私のことが大好きなんだね。私も狐ちゃんのことが大好きだよ」

 

狐ちゃんは褒められて、耳をぴくぴくさせながら、「ふわぁ〜……」と長く幸せそうな声を上げた。

 

ぴーちゃんとゴムちゃんも、狐ちゃんの頑張りを応援するように、「んぴぴ!」と「ふあっ!」と鳴きながら、

三人で重なり合ってあかりの膝の上で丸くなった。

 

あかりは三匹を優しく包み込みながら、心の中で思った。(まだ言葉が上手く出せなくても……狐ちゃんの気持ちは、ちゃんと伝わってくるよ)

 

その夜、狐ちゃんはあかりの枕元で眠りにつくまで、

何度も小さな声で練習を続けて頑張っていた。

 

「ふぁりー……きちゅねー……だいちきー……

ふぁりー……きちゅねー……だいちきー……」少しずつ、でも確実に、狐ちゃんの言葉は成長していっている。

 

あかりはそんな狐ちゃんの寝顔を見ながら、

静かに微笑んだ。

 

「頑張ってるね、狐ちゃん……これからも一緒に、ゆっくり覚えていこうね」

 

アパートの部屋に、三匹の狐娘たちの温かい寝息と、

あかりの優しい声が、静かに響いていた。

 

 

 

 

 

まぁ…翌日狐ちゃんは話すのを一旦諦めていつもの「ふわ!」と「んぴ!」と言う喋り方に戻っていた…。

 

 

 





皆さんからの平均評価が8を超える事を目指して頑張って行きます!
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