番外編もそろそろネタが尽きてきたな…どうしよ
――白峰紗耶の家の寝室のドアの前にて――
午前11時を過ぎても、紗耶の部屋のドアは固く閉ざされたままだった。
ドアの前では、二匹の小さな狐娘が並んで立っていた。
左側にいるのは、15cmの子狐・みゅう。
金色のふわふわした髪に紫色の瞳。
右側にいるのは、30cmほどの狐娘・ゆき。銀色の短い髪に赤みがかった瞳で、一般的な身長の狐娘でつい最近、紗耶の家の庭を走り回っている所を捕まえた。
二匹はドアの前に並び、小さな手で「トン!トン!トン!」とリズミカルにドアを叩いていた。
「ふゃー!ふゃふゃー!」「んみー!んみぃー!」みゅうが元気いっぱいに鳴きながらドアを叩く。
ゆきも負けじと「んぴぃー!んぴぃー!」と声を重ね、
時々ドアに体当たりするように軽くぶつかり弾かれて転がってを繰り返していた。
二匹の表情は完全に「早くあけろ!」と言いたげだった。
耳はピンと立ち、尻尾はイライラと左右に振られていて顔はムッとしている。
お腹がすいているのか、時々「ふゃー…んみ…」と情けないみゅうの声も混じっていた。
部屋の中からは、まだ寝息が聞こえてくる。
紗耶は昨夜、遅くまで別にその日にやらなくてもいい筈の報告書を書いていたらしく、まだぐっすり眠りこけていた。
みゅうは我慢できなくなったのか、ドアの前でぴょんぴょん跳ねながら声を大きくして「ふゃー! ふゃふゃー!」と鳴いた。
ゆきもそれに合わせて、両手でドアを「トントントン!」と激しく叩く。
「んぴー!んぴー!」二匹の小さな手と体がドアに当たる音が、家の廊下に響き渡る。
ようやく、部屋の中から寝ぼけた声が聞こえた。
「…んん……みゅう?…ゆき……?」ドアがゆっくりと開き、寝癖だらけの紗耶が顔を出した。
パジャマ姿のまま、目をこすりながら立っている。「ふゃー!」とみゅうが鳴き即座に紗耶の足に飛びつき、
「ムー!」とゆきも鳴きながら反対の足にしがみついた。
二匹とも「いつまで寝てるの!」と言いたげに、紗耶の足を小さな手でぺたぺた叩きながら鳴いている。
紗耶はまだ半分眠ったまま、ぼんやりと二匹を見下ろした。
「……あれ? もうこんな時間?ごめんね、昨日遅くまで仕事しててさ……ふわぁ〜…」
みゅうは紗耶の足に顔をすりすりしながら、「ふゃ! ふゃふゃ!」と急かした。
ゆきも「んー!」と声を重ね、早くご飯が欲しいと言いたげだ。
紗耶は苦笑しながらドアを開ける。
「わかったわかった。今、ご飯作るから……今日は何がいい?」
みゅうは即座に「んみー!」と鳴き、ゆきも「んぴ!」と元気よく鳴いた。
とにかく何か食べたいらしい。紗耶はキッチンに向かいながら、まだ眠い目をこすった。
「本当に元気だねぇ…昨日も夜遅くまで遊んでたのに…あー…ねむ…」
みゅうとゆきは紗耶の足元について歩きながら、「ふゃふゃ!」と「んみー!」と鳴き続け、早くご飯を用意してほしいとせっついている。
紗耶は小さく笑いながら、冷蔵庫を開けた。
「はいはい、すぐ作るよ。今日はおにぎりでいい?」
二匹は同時に「ふゃ!」「んぴ!」と大喜びの声を上げ、
キッチンの床でぴょんぴょん跳ね回った。
紗耶の家では、今日も二匹の小さな狐娘たちが、元気いっぱいに朝食をねだっている。
これからも自分の作品をお願いします!