2作目書くことあり過ぎてめんどくさくなったので番外編です!
とある魔法少女の家では
23歳の魔法少女。明るい茶髪をポニーテールにまとめ、いつも元気いっぱいな彼女だが、
ここ二週間ほど、夜中に聞こえる奇妙な物音に怯えていた。
「また……今夜も……?」深夜2時半。
葵はベッドの中で布団を頭までかぶり、
枕を握りしめながら耳を澄ませていた。
カタ……カタカタ!……
ゴソゴソ……んぴっ!んぴ!
……トントン!……ん!……ふわ!……
そして時々「ん!」という、鳴き声のような音。
「うう……やっぱり幽霊とかじゃないよね……?
魔物でもないよね……?」彼女は魔法少女として4年目。
それなりに腕は立つはずなのに、
夜中の不気味な物音だけはどうしても苦手だった。
そして今夜こそ原因を突き止めてやる——
そう決意した葵は、意を決してベッドから起き上がり、
部屋の電気を点けた。
「誰!? そこにいるんでしょ!?」リビングのほうから、小さな物音がした。
葵は恐る恐るリビングへ向かい、
ソファの後ろに向かって「……出てきなさい!」と言う。
すると、ソファの陰から、
ちいさな影がゆっくりと姿を現した。
身長約30cm。
金色のふわふわした髪に、紫色の大きな瞳。
小さな狐耳をピクピク動かしながら、
こちらをじーっと見上げている。
「……狐、娘?」葵が呆然と呟いた瞬間、
その狐娘は、
にやりと笑ったような顔をした。
「(・∀・)」
「幽霊かと思った?狐なんだよ!!」と言いたげな、悪戯っ子丸出しの表情だった。
尻尾をくるくる回しながら、
テーブルの上のリモコンを小さな手で押したり床を叩いたりして「カチカチ」や「トントン」と音を立て、
さらにソファの下に隠してあったクッションをソファー擦り付けて「ゴソゴソ」と物音を再現する。
どうやら、ここ数日続いていた夜中の物音の犯人は、
この狐娘のイタズラだったらしい。
葵は、呆れたようにため息をついた。
「……あんたが犯人だったの?」狐娘は悪びれた様子もなく、「ふわ!」と元気よく鳴いて、葵の足元にぴょんぴょん跳ねながら近づいてきた。
どうやら「遊んで欲しい!」という顔をしている。
葵はしゃがみ込んで、狐娘をまじまじと見つめた。
「…ホントに狐娘って小さい……それにしてもどうやってここに入ってきたの?」
狐娘は得意げに「ふあふわ!」と鳴き、
部屋のドアを指差した。
どうやら堂々と侵入していたらしい。
葵は頭を抱えた。
「はあ……保護方針が出てるのは知ってるけど、
家に勝手に入ってくるのは困るんだけど……」
すると狐娘は、迷惑を掛けた事を悟ったのか、少しだけしょんぼりした顔になって、葵の膝の上にぴょんと飛び乗った。
「んぴ……ふわー…」小さな手で葵の指をぎゅっと握り、上目遣いに見上げてくる。
「ごめんなさい」という表情だ。
葵はため息をつきながらも、
結局その小さな頭を優しく撫でてしまった。
「……まあ、悪戯が可愛いから許してあげる。
でも、次は無いから覚悟しなさいよ?」と言うと狐娘は「ふあ!」と元気よく返事をして、
葵の膝の上でくるくる回りながら喜んだ。
その夜、葵は狐娘を布団の中に迎え入れ、
一緒に眠ることになった。
狐娘は葵の胸にぴったりくっつき、
「ん〜…」と安心したような寝息を立てる。
葵は天井を見つめながら、小さく微笑んだ。
「…可愛いイタズラっ子だなぁ……」と呟く。
こうして、新たに一匹の狐娘が、夜な夜なイタズラをしながら、自分の新しい居場所を作り始めていた。
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