小さな狐娘と魔法少女   作:う〜☆☆☆

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久しぶりの投稿ですぅ…新しい作品のアイデアが浮かばないんですよぉ…


番外編24 『注射嫌いの子狐、みゅう』

 

 

みゅうは今日、予防接種の為に協会から指定された病院にやって来ていた。

 

沙耶が診察室の扉を開けた瞬間だった。

 

「ふゃっ!?」

 

みゅうの耳がぴんと立ち、次の瞬間には紗耶の肩からぴょんと飛び降りていた。

 

「みゅう!」

 

沙耶が呼ぶがみゅうは、小さな足をぱたぱたと動かし、診察室の隅へ一直線に駆ける。

 

そのみゅうが目指す先は、この病院に来る度に逃げ込むキャビネットだった。

 

「ふゃ、ふゃ、ふゃっ!」

 

勢いよく隙間へ飛び込もうとするが、焦りすぎて足を滑らせ転がる。

 

ころん。

 

「ふゃっ!?」

 

一回転しながら転んだものの、すぐに起き上がって再び猛ダッシュ。

 

「んみー!」と鳴きながら、今度こそキャビネットの奥へ潜り込み、小さな尻尾をぷるぷる震わせていた。

 

医者は思わず吹き出す。

 

「今回も同じ場所ですね。」

 

「お気に入りなんです……。」

 

紗耶も苦笑しながらキャビネットの前にしゃがんだ。

 

「みゅう、終わったらお菓子だよ?」

 

「……」

 

返事はない。

 

「…う〜ん…じゃあ、プリンとアイスクリームも付けるよ?」

 

小さな尻尾がぴくっと動く。

 

「…ふゃー」

 

ほんの少しだけ顔を出した。

 

「よし、そのまま──」

 

と言いかけたタイミングで医者の持っていた注射器が視界へ入る。

 

「ふゃーーーーっ!」

 

みゅうは光の速さで奥へ引っ込んだ。

 

「やっぱり駄目かぁ…」

 

数分にわたる説得の末、紗耶はようやくみゅうを抱き上げることに成功した。

 

「ふゃー! ふゃー!」

 

小さな両手をぶんぶん振り回し、足をじたばた。

 

必死に空中を走るように足を動かしているが、当然逃げられない。

 

「よいしょ。」

 

診察台へ乗せられた瞬間。

 

みゅうは今度はぺたんとうつ伏せになり、四肢を思い切り広げた。

 

「……。」

 

「みゅう?」

 

「……ふゃ。」

 

完全に脱力している。

 

いつもは暴れて注射されるので今回は、「動かなければ注射されない」と思っているらしい。

 

医者と紗耶は顔を見合わせ、思わず笑ってしまった。

 

「残念だけど、それでも打てちゃうんだよ。」

 

その一言で、みゅうはがばっと飛び起きる。

 

「ふゃぁぁ!?」

 

逃げようとするが、紗耶に優しく包み込まれる。

 

「ごめんね〜本当に一瞬だから」

 

「んみぃぃ……。」

 

注射器が近づく。

 

みゅうはぎゅっと目を閉じ、耳までぺたりと伏せた。

 

ちくっ。

 

「ふゃぁぁぁ…」

 

恐る恐る片目を開ける。

 

医者が微笑んだ。

 

「はい、おしまい。」

 

数秒の沈黙。

 

みゅうはきょろきょろと周りを見回し、自分の腕をぺたぺた触る。

 

「……ふゃ?」

 

「もう終わったよ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、全身の力がふにゃりと抜けた。

 

「ふゃぁ……」

 

安心したように紗耶の腕へ飛び込み、胸元へぴたり。

 

「よく頑張ったね。」

 

頭を撫でられると、小さく鼻を鳴らす。

 

「……ふゃ。」

 

その表情はどこか得意げだった。

 

さっきまで診察室中を逃げ回っていたことなど、本人はもう忘れたかのように。

 

 





新しい作品書きたいけどアイデアが無い…
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