ホームルームのチャイムが鳴ると、僕たちの担任である悠理先生が入ってきて、大きく低く心地良い声でいう
「さぁ、ホームルームを始めるぞ〜」
「起立!」
僕たちはその言葉に一斉に席から立ち上がる
「礼!」
「よろしくお願いします!」
静かになった教室に先生の言葉が響き、僕たちは礼をしながら元気にそう応える。
「よーし、それでは今日の予定だ、今日は午前戦闘演習、午後は通常授業だ、では早速各々体操服に着替えるように」
先生はそれだけ言い、教室を後にする
先生が去ったあと、僕は体操服に着替えながらこう思うのだった
(戦闘演習かぁ…やだなぁ…)
僕達能力者には、産まれながらに能力なるものが備わっている…例えば僕。
僕の能力は……ぶっちゃけあまりよくわからないのだが、思ったことを具現化できるというもののようで…
そこだけ聞くと強いのだが、この能力の使い方もそれに見合う体力もない…
(こうなると僕カモにされるんもんなぁ…)
戦闘演習は週三のペースであるのだが…正直ほとんど負けている…
確かに使いこなせたら強いが、今の僕にはそれは無理だし…そもそも小物を作るだけでバテてしまう。
だから僕だとどうしてもただのちょっと便利な能力にしかならないのだ。
「鳴瀬〜、早く行こうぜ」
「そうだよ、ほら早くー」
着替え終えた僕に飛彩くんと大道くんがそう話しかけてきてくれる。
「うん、今行く〜」
僕は水筒とジャージを持ちながらそう言い、2人に駆け寄りあとにつく。
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僕達がグラウンドに着くと、そこには既に悠理先生がおり。
他のみんなは各々悠理先生の前に座っていて。
「よし、全員来たな?では、これから戦闘演習を執り行う、ではまずは各々準備体操をしておくように、その間に私は準備をしてくる」
そして先生がいなくなると僕達は立ち上がる。
それから皆は普通に準備体操をしたり、ストレッチをしたり、はたまた筋トレをする人までいて。
「よしっ、これで僕達は終わりだねっ」
「おう!じゃあ水でも飲んで待ってるか?」
僕は飛彩くんと準備体操を終え、水を飲みながら先生を待っていると、そこに突然クラスメイトの柳くんが話しかけてくる…
「ねぇ勇斗くん…よかったら演習のペアを組まないかい?お手柔らかにしてあげるからさ〜」
ニヤリと口元に笑みを浮かべ、僕の肩に手を回してくる…
そう、柳くんはいっつも僕にこう言い、ペアを組んではボコボコにしてくる…
「え、えっと……」
僕がオドオドしていると、隣にいた飛彩くんがこういう
「おい待てよ、お前全然お手柔らかにしないからダメだ、鳴瀬、俺と組もう」
そう言ってくれる飛彩くんに僕は心の中で感謝しながら頷き。
柳くんにはこういうことだから、ごめん…とことわりをいれる。
すると柳くんからは舌打ちが返ってきて、柳くんはその場を去り。
「はぁ…鳴瀬、なんかめんどくさい奴にしか絡まれねぇな…」
「あ、あはは…そうだね…」
思わず苦笑いして、目を逸らす…でも今日は飛彩くんが組んでくれる、少しは安心できる。
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そうして能力ありの一対一の実戦型演習が始まる。
「よろしくね飛彩くん!」
「おう!やる以上手加減はしねぇからな!」
そう言われると僕は頷き、ゆっくりと構える。
飛彩くんも同じように構える。
そうして先生が開始の合図を鳴らすと、そこら中で衝撃音が響き渡り、僕はゆっくり飛彩くんの出方を探る。
「先手もらうぜ!」
飛彩くんがそういうと腕を手刀のようにして、振り払う。
すると見えない斬撃が飛んできて、僕はそれをなんとかしゃがんで避けるが、飛彩くんはその瞬間にすぐ前まで迫ってきており…
「ぐっ…!」
その瞬間、僕のお腹に重たいボディーブローが突き刺さる。
「鳴瀬、もう終わりか?」
心配するような、挑発的な声が響く
「っ…まだ…!」
僕は体勢を立て直すと飛彩くんと距離を取り、今度は僕が飛彩くんに向けて走る。
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(まぁ…こうなるよね…)
次の瞬間、僕は地面に叩きつけられる、それはそうだ…僕は身体能力も能力も正直使い物にならないのだから…
「鳴瀬、平気か?」
空を見上げていると、僕を見下ろしてくる飛彩くんが目に映り、飛彩くんが手を差し伸べてくる
「う、うん〜…いや〜やっぱり飛彩くんは強いや…」
手を借り、立ち上がりながらそう苦笑交じりに言い。
「いやいや、でも一発耐えたじゃん、すげぇよ!」
「そんなことないよ〜…」
確かに前ならあれは耐えられなかったな…と思いながらも、まだまだ非力なことを痛感し、自分の拳を静かに握る。
「なぁ鳴瀬どうする?まだ時間あるけど…休憩するか?」
「そうだね、休憩しよっか」
僕らはそう話すと荷物が置いてある場所に行き、水を飲む…
すぐ目の前ではまた違うクラスメイト同士の戦いが巻き起こっており、むしろそこら中でペアの演習をしている……
その中でも特に目を引くのは……
「ねぇ…あれ大丈夫かな…」
「わからねぇな…まぁ死んだりとかはないだろ…」
そうヒソヒソ話し、その目線の先には……この学園最強の能力者…
「「上条渉(かみじょう わたる)」」
彼の能力は主に衝撃波を操ることができるらしく、その能力と高い身体能力…それによりこの学園で圧倒的トップと位置づけられていて、負けたことがないなんて噂もあり…
現に今、上条くんは圧倒的な力で相手をボコボコにしていて…
上条くんはそのまま演習で相手を気絶させると、心底つまらなそうに息をつき、先生に教室に戻るよう言い。
一足先に校内に戻ってしまう。
「上条くんって、いつもあんな感じだけど実際どんな人なの?」
「んー、ぶっちゃけわかんない、まぁ話してみればわかるんじゃね?」
(話すかぁ…んー…ちょっと無理そう…)
陰キャの僕にそんなことは心底無理だと思い、ため息をつく、仲良くはなってみたいが、自分から話しかける勇気はない…それが僕のだめなとこだ…
「とりあえず時間も余ってるし、2回目でもやる?」
「お!鳴瀬やる気だな、よし!やるか!」
そうして僕達は先ほどの上条くんのことを頭の片隅に入れながらも、2度目の演習に行ったのだった。
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変なとこあったらコメント?レビュー?お願いします〜…