魔王信長討伐記 ―三成、逆乱に立つ―   作:だいしゃりん

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第一陣 叛逆の胎動

 

 

 

 

 

 

雨が降っていた。その日はやけに早く目覚めてしまい、やることもないので書を書いていた。

 

 

 

俺は石田三成。戦国武将だ。といっても普通の人間とは違くて、「武魂術」っていうのを使えるんだ。

「武魂術」っていうのは戦乱の世に生きる者が、魂(武の魂)を力に変換する技術体系。

個人の信念・怒り・忠義・執念などの“精神の核”が力の質を決める。

 

 

俺の武魂術は「裁断ノ策」。──それは力押しの技ではない。

刀を振るうでも、炎を放つでもない。

戦場の“理”そのものを、俺の意思で切り分ける術だ。

戦況を視れば、敵の動き・攻撃・感情の流れ……すべてが線となって浮かび上がる。

その線を断ち切ることで、攻撃の軌道は途絶え、能力の繋がりは断絶する。

 

 

 

言わば、戦いという現象を分解して無力化する力だ。

だが、これは単なる防御では終わらない。

切り離した空間には、俺が描いた“策式”が展開される。

封陣、罠、結界。

戦場そのものを俺の計略に染め上げることができる。

俺は豪傑ではない。力で勝つ器量も持たない。

だからこそ、この術は俺にしか扱えない。

冷静に、合理的に、ただ“勝利の道筋”だけを見据えて戦う。

戦場の流れを断ち、勝利の形を描く──

 

 

 

..........まあ要するにタイマンなら誰にも負ける気がしない。俺自身頭いいし。

 

 

 

 

 

それが、俺の「裁断ノ策」だ。

 

 

 

 

 

今俺は織田信長様に支えていて信長様側近の「魔王の親衛八席」に入っている。

メンバーは柴田勝家、丹羽長秀、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康、滝川一益、大友宗麟、そして俺だ。

それは軍団長のような感じでそれぞれが一国を滅ぼせるほどの実力を持っている。

 

.......まあしかしもちろん同じように強い猛者は他国にもいるわけで。甲斐の武田信玄とか。越後の上杉謙信とか。そのメンバーを持ってしても今苦戦している。

 

 

 

 

「おはようございます。柴田軍団長。」

 

 

「ああ、三成軍団長か!おはよう!」

 

 

 

彼は柴田勝家。第一番軍隊軍団長だ。色黒で黒い肌を生やしており、がたいがいい。腕なんて俺の腹ぐらいの太さある。..........ムダ毛は多いが。

 

義理に厚く家臣みんなから慕われている親分的存在だ。

 

 

 

 

「てか三成。何か聞いているか?月曜でもないのに御前会議なんて。信長様は何を話されるんだろうな。」

 

 

「はて。俺にもわかりません。とりあえず天守閣に行きましょうか。」

 

 

 

 

 

天守閣にて。俺と柴田さんは同じく軍団長の丹羽長秀さんの次に到着した。座布団が四つずつ縦に並んでおり合計八席用意されており、その間の前には信長様専用の金の西洋式の椅子と肘掛けが置いてある。

 

 

 

そして1人ずつ入ってきて、軍団長八人が全員揃った。

 

 

 

「しかしまあ〜。信長様は何を話されるんでしょうかね〜。」

 

秀吉さんが切り出した。

 

 

 

「月曜日でもないのに御前会議で軍団長全員招集なんて初めてですよ.......。ひええ、、、恐ろしい。絶対信長様なにか怒ってらっしゃる...。」

 

「まあまあ滝川さん。落ち着きましょやー。ただの作戦会議なだけかも知れまへんしな。」

 

 

 

 

明智光秀......。京都弁が特徴できつね顔の男だ。第三番軍隊軍団長のその男は底が見えず何を考えているかわからない。俺が一番警戒している男だ。

 

 

 

 

 

 

!?!?!?

 

すると突然恐ろしいほどの圧を感じた。これは信長様だ....!!!

全員が雑談をやめ頭を下げる。

信長様は前までは義理堅い人で部下思いの人だった。そう、前までは。

 

最近では人が変わったかのように殺戮と虐殺を繰り返しており、部下も容赦なく殺す。あの頃の信長様はどこに行ってしまったのだろうか。.....などと考えているうちに金色の椅子に腰掛けた信長様は肘をつきながら、低い声で話す。

 

 

 

 

 

「面をあげい。今日皆を集めたのは他でもない。魔王親衛隊に新隊長を任命するためだ。」

 

 

 

みなが動揺する。なぜならもう八人の席は埋まっており、新隊長など迎えなくてもいいからだ。

そうみなが動揺しているとき、柴田さんが声を発する。

 

 

 

 

「お待ちください。信長様。もう八人の席は埋まっております。どこに新隊長殿の席がありますでしょうか。」

 

 

「まあいったん聞け。...........入ってこい。」

 

 

 

そういうと脇にある襖を開けて着物を着た女が入ってくる。肌は白く、髪をかんざしで止めた上品そうな人だ。

 

 

 

 

 

「みなさま初めまして。わたくし、森蘭丸と申します。本日から皆様のお仲間にならせていただきました。よろしくお願いします。」

 

 

 

 

信長様の横で礼儀正しく俺たち軍団長に挨拶をした。とても礼儀がいい。

 

 

 

 

「.........というわけで、三成。貴様と蘭丸の席を変える。退席せよ。」

 

 

 

 

 

突然のことであった。頭が真っ白になり少し沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

「.........何事ですか!納得できませぬ。その蘭丸という女の実力がどうであれ本日入団したばっかではありませんか。それなのに5年近く軍団に尽くしてきた私と入れ替えとは理にかなってませぬ.....!!!!」

 

 

 

「理にかなってないだと?吾輩は蘭丸の実力、そしてその武魂術を見込んでおる。...........三成、お前の武魂術はサシの勝負では確かに真価を発揮するかも知れない。しかし、これからは総力戦になる。お前の力は活かせない。........実際に先の戦でも負けただろ。」

 

 

 

「しかし信長様!!」

 

 

 

「........だから。用無しと言っているんだ。三成。」

 

 

 

その重い圧力に俺は呑まれて何も言えなくなってしまった。

 

 

............すると蘭丸とかいう女が声を発する。

 

 

 

 

 

「石田さん?納得できないようでしたら私とここで決闘しませんか?いいですよね?信長様。」

 

 

「.........かまわん。」

 

 

 

 

チャンスがきた。なんとこの三成にタイマンを仕掛けてきたのだ。馬鹿な女だ。ここで一方的に叩きのめしてやる。.......そう思っていたのだが。

 

 

 

 

「.......お前、どういう能力だ......」

 

 

「あら、弱いですね。石田”元”軍団長。」

 

 

 

 

 

攻撃が通らない.....!!!背後をとったかと思ったら逆に背後を取られている。さらに俺の武魂術の「裁断の策」で攻撃の流れを読んでも違う攻撃が飛んでくる。..........なんなんだいったいこいつは!!!

 

 

 

 

 

 

「..........もうよい。三成。お前にはさらに失望した。そんなに落ちぶれていたとはな。」

 

 

 

「信長様!!これは何かの間違いです!実戦経験で言ったら私の方が何倍も上..........」

 

 

 

「言い訳はどうでもいい。経験論で語るな。結果論で語れ。もうお前は除籍だ。」

 

 

 

 

ハッとし、腕を見ると軍団長のみに浮かび上がる数字が消えていた。軍団長にはそれぞれの数字が書かれており、俺は八番隊軍団長なので八の数字が書いてあったが、消されていたのだ。

 

 

 

 

 

「しかし!!!」

 

 

「実際、三成よ。今の時間に貴様の家を破壊した。中にいた家族を含めてな。...........勝てもしない戦いに夢中になり、そんなことにも気づかないとは落ちたもんだな。」

 

 

 

 

 

頭が真っ白になった。俺の家族を壊しただと?............嘘だ。信じたくない。

しかし、家の方を見ると焼け野原になっており、それは紛れもない現実であった。

 

 

 

 

 

「信長ぁぁ!!貴様ぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

俺は怒りのままに殴りかかる。

しかしその拳は届かなかった。

届く前に信長に指一本で吹き飛ばされたからだ。

 

俺は天守閣から人里がない山まで吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

「いや〜信長様。少しやりすぎでは?天守閣直すのはあっしの仕事なんで派手なのは勘弁してくだせえ。」

 

 

「黙れ秀吉(さる)。あれではもう死んでいるだろうし死者のことなんてどうでもいい。...........では八番隊軍団長に森蘭丸を入れるがだれか意義あるものは?.............いないようだな。では決定だ。解散。」

 

 

 

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

 

雨が降っていた。吹き飛ばされて自分がどこにいるかもわからない。体中が痛い。意識が朦朧としている。生きているのが幸運だ。

 

 

しかし俺は誓った。信長を必ずこの手で殺す、と。

 

 

 

 

これは単なる華やかな武将の戦記ではない。

俺の血泥にまみれた復讐劇だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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