闇堕ち地球連邦が行く銀河大戦2205 作:末弟(特異点)
期待しないでください
時々、思うことがある。
あの時別の選択をしていれば、
争い合うのではなく手を取り合えるような、そんな未来が……
◆◇◆◇◆◇◆
時に、西暦2205年。ガミラスとの戦争に勝利し、ガトランティスをも退けた地球連邦は正しく、あるいは愚かしくも、時間断層を維持する事を選択し経済の発展と軍拡を続けていた。
地球人類のガミラス人への複雑な感情は変わらず、しかしただ一つの友好国であり深く関わらなければならないという歪な関係は経済成長にもまた、歪さを与えていた...
そんな折、ガミラスから一通の連絡が届いた。曰く、ボラー連邦領内にガミラス星の代わりとなる惑星を発見した。と。
︎︎…程なくしてガミラス帝国とボラー連邦は紛争状態に入ることとなった。
地球連邦は、ガミラスとの防衛協定に基づきこの紛争に参加しなければならず、更にはボラー連邦による地球連邦勢力圏への領宙侵犯が多発する現状に、地球人類はついに幻想を捨て、理解したのである。──則ち、他文明は信用に値せず、と。
西暦2205年 太陽系第三惑星 地球
地球衛星軌道 ︎︎新型戦艦就役式典
「2191年、ガミラス大戦。今でこそ友好国であるガミラスは、かつて地球連邦に対して極めて敵対的でした。我々の
2202年、ガトランティス戦役。平和を取り戻した地球連邦に、新たな火種が降りかかりました。時間断層やヤマト、アンドロメダを始めとする連邦宇宙軍の活躍でこの強大な敵を退けました。
しかし、その傷跡はあまりにも深かった…
土星は消え、再び多くの人々が地球を守るために散っていきました。
そして今、我々は再び戦火に飲み込まれようとしている!
我々は戦わなければならない!地球の為、友と家族の為に!我々の独力で、この美しき地球連邦を守らねばならない!
我々は、その為の力を遂に手に入れたのである!それこそが、『春藍』である!」
地球連邦全土に大統領の演説が響く中、地球軌道に大艦隊が一糸乱れぬ隊列で航行している。
2隊に別れた艦隊の間をアンドロメダ級戦艦と護衛艦に引き連れられ、白く塗装された巨大な戦艦が進んでいく。
『春藍級戦略指揮戦艦 春藍』
アンドロメダ級の船体を拡張し波動砲を3門に、主砲は51センチ4連装陽電子衝撃砲を5基20門、副砲として41センチ4連装陽電子衝撃砲を3基12門及びその他対艦装備、対抗手段を多数装備。波動エンジンを3基搭載し内2基を推進用に、残る1基を波動砲及び艦内動力の供給源としている。
部分的とはいえ2500mmを超える装甲を持つ本艦は彼のヤマトを超える湛航性を持つことを期待されている。
この大戦艦は地球のトラウマの具現化であり、何者にも屈しないというプライドそのものなのである。
「我々はガルマン・ガミラス帝国との協定に基づきボラー連邦へ宣戦を布告する。しかし、これは我々の独立と自決のための戦いである!我々は何者にも屈せず、何者にも強制されないのだ!」
◆◇◆◇◆◇◆
「艦隊総旗艦春藍より全艦優先通信。作戦参加の全艦艇は所定の
『機関出力は既定推力を維持』
『進路上に障害物は無し』
『艦内各所のチェック終了。オールグリーン』
「人類初の長距離艦隊侵攻作戦だ。友人の為に、家族の為に必ず成功させるぞ」
「はい!」
ボラー連邦への侵攻部隊を指揮する総旗艦春藍の艦橋では張り詰めた緊張が漂っていた。人類初の長距離侵攻。ヤマト単艦による超長距離航海の記録こそあるものの、第1艦隊を中核とする大艦隊の派遣は不確定要素を多く含んでいる。
編成されたボラー連邦侵攻軍の戦力は以下の通りである。
・地球圏 第1艦隊 総旗艦「春藍」
・同 第2艦隊 旗艦 「アルデバラン」
・ボラー方面軍 第11艦隊 旗艦 「ティタウィン」
・同 第12艦隊 旗艦 「べリタテ」
・同 第13艦隊 旗艦 「ムジカ」
総計1000隻を超える大艦隊である。
「全艦隊集結しました」
「よろしい、全艦発進。目標、ボラー連邦」
「目標ボラー連邦、針路0-4-5、よーそろー!」
『全艦に通達。進路0-4-5、ワープ用意』
『艦隊同期空間跳躍システムは正常に機能中』
『跳躍航路の演算終了、長距離ワープ準備よろし!』
『各艦、次元アンカーによる相互固定を確認せよ』
『ボラー連邦領内への直接侵攻だ。気を抜くなよ』
「全艦ワープ開始!」
︎︎美しき宇宙を白色の大戦艦が行く。
︎︎春藍率いる艦隊は、待ち構えるボラー連邦艦隊との大海戦に臨むのであった…