赤龍帝の弟は"種族値"が主人公 作:一般通過氷4倍弱点ドラゴン
「わっははははは! これ結構楽しいな、ライザー!」
「待て待て待て待てぇっ!?」
一人の
「そのバカでかい岩でどうするつもりだっ!」
「ぶん殴る!」
あ、これマジの奴だ。
そう悟った悪魔の行動は早かった。
悪魔、ライザー・フェニックスにとって現状唯一助かるかもしれない手段に手を伸ばしたのだ。
「イル、ネル、どっちでもいいからこいつを止めろぉぉぉ!」
「えっと、無理ですライザー様!」
「無理無理ー!」
ダメだった、もはやあの暴れ龍を止める手立てはこの場にない。
ああ全身を押し潰されるのってどんな気持ちなんだろうな、生き返るとはいえ流石にやばそう、子供の純粋さって怖い。
……なんて考えが、彼の脳裏をよぎり。
「行くぞライザー!」
「くっ……ああ良いとも、来い!」
大岩がライザーへと直撃する
「いっせー……!」
ことは、無かった。
「せいっ」
「のあたっ!?」
背後からの謎の一撃が、彼の意識を逸らしたからだ。
「いててて……何すんだよ
「やめさせろって部長が言ったので」
「えぇー?」
ライザーはほっとした、運命は俺を見捨てていなかったのだと。
「なんか問題あった?」
「それ以上は訓練じゃない、だそうです」
「ふーん」
ライザーに思いっきり戦っていいって言われたから、俺にできる精一杯で戦ってたんだけどな。
ちょっとやり過ぎだったらしい、反省しなきゃかな。
「なら仕方ないかー、ごめんなライザー」
「ああいや、構わない……むしろ、すまなかった」
イルとネルは……なんかこっち見て笑ってる。
楽しかったか?
「うん! すごかったよ
「ライザー様のあんな姿初めて見た!」
「あんな攻め方をされたのは初めてだったからな……」
んー、ライザーはなんか疲れてる。
「なあ、ライザー」
「なんだ?」
「俺、強かったか?」
ライザーは俺やご主人よりずっと生きていて強い、今回は俺の実力を試す為に家同士が画策したとご主人が怒っていたし。
……まあサーゼクス様がどうこうは俺は正直どうでも良くて。
ライザーにとって、俺は脅威であったのかが重要だ。
「弱い」
「……」
「……とは、今の俺には言えないな」
「!」
「炎を纏った俺に近付けないと判断して、魔力を物に纏わせる判断は良かった……と思うぞ、まあそれはそれとしてバカでかかったけど」
「そうか! なら良かった!」
良かった、ライザーにそう思ってもらえて。
強くないと、俺の取り柄が無くなっちゃいそうだからな!
俺には父さんと母さんと、兄貴が一人いる。
血のつながりはないんだけど、相当に愛してもらったと自覚できるいい人達だ。
父さんと母さんは優しくて、兄貴は……まあちょっと問題点はあるんだけどそれでもすっごく優しくて。
だから……。
「ばけもの!」
「っ……」
あの人達と"違うこと"が、すごく苦しかった。
物心つく前に拾われた俺は、本当の両親について知らない。
けれどやっぱり、兄貴達とは違うんだ。
そう最初に気付いたのは小学生の頃。
「あ……」
「ばけもの、ばけものーっ!」
当時仲の良かった近所の子と、冒険と称して街を練り歩いた時があった。
その子は兄貴と仲が良くて、弟である俺のことも面倒を見てくれていたのだ。
そこで、当時の俺にはよくわからないものと出会った、出会ってしまった。
「っ!」
なんというか、ご主人が言うに俺は人外の血が混ざっているんだって。
とっても強い何かの血が。
よくわからないもの……はぐれ悪魔を、子供一人で倒してしまえる程度には強い力を秘めた血。
そのせいで、あの近所の子が引っ越すまでその子とは喧嘩別れになった、兄貴にもあの子にも悪いことしたな。
それからはまあなんやかんやあってご主人に拾われた俺は、強さがアイデンティティだと自負している。
「ご主人」
「リュー、怪我はない? ……というか、やり過ぎよ?」
「うぐ、すみません」
そう俺を諌めるのはご主人、リアス・グレモリー。
俺の二つ上にあたる先輩で、何というか……兄貴が好きそうな見た目の人。
ベットの下に似た様な人がいた気がするし。
「頑張るのはいいことだし、今回に限ってはあなたが悪い訳じゃないけれど……あんな無茶して、あなた自身にに何かあったらどうするの」
「はい」
この人もまた、とても優しい人だ。
無茶をした俺を叱る目が、兄貴や父さん達とどこか重なってほっとする。
でも、不思議と苦しさは感じない。
「まあ、もういいわ。帰りましょう?」
「ん、サーゼクス様はいいんですか?」
「疲れてるだろうからって……全く、疲れさせたのは誰のせいなのかって話よね」
俺をよく止める塔城も、力比べじゃよく引き分ける。
そんなこの人達に囲まれていると、俺だけが化け物じゃないって思えてちょっと安心してるんだと思う。
そんな折……。
「リュー!」
「あ、兄貴っ!?」
避けていた兄貴が、駒王学園に入学してきたのだった。