血は家に 息は私に   作:ロリ好きの匿名

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物語を書きやすくするために、スレで決めた設定をある程度いじっています(京都校→東京校)
本当に申し訳ございませんm(__)m

時系列的には呪術廻戦0辺りになってます
プロローグ時点ではまだ高専に入っていません
また、秤と同期での掛け合いがなにも思いつかなかったので、一学年落としました
誠に自分勝手で申し訳ございませんm(__)m

気ままに投稿していく予定ですので、気軽に、気長に読んでくださると幸いです


プロローグ 本当は、生きたい

↓カモリン立ち絵

 

【挿絵表示】

 

 

URL

https://picrew.me/ja/image_maker/79302

 

#

 

 

「持って、あと十数年といったところでしょう」

 

白すぎる部屋だった

消毒液の匂いが、やけに鼻につく

二つのモニターの光が、壁を淡く照らしていた

 

医師は視線を落としたまま、言葉を選ぶように続ける

 

「進行は緩やかです。ですが――根治は、現時点では」

 

隣で、母が息を呑む音がした

 

「そ、そんな...何か、方法は...移植とか、最新の治療とか...」

 

縋るような声

私はそれを、どこか遠くで聞いていた

医師は、ほんのわずかに首を横に振る

 

「適合が、非常に難しいのです」

 

難しい

できない、とは言わないところが優しい

そして残酷だ

 

その後の会話は、ガラス越しの出来事みたいに曖昧だった

母が泣いていた気もする

私は何かを言った気もする

 

でも、不思議と取り乱さなかった

だって――

 

ああ、やっぱり

 

そう思ってしまったから

 

薄々、長くは生きられない気がしていた

走れない身体

すぐに息が切れる肺

寒さに弱い体温

 

全部、答え合わせみたいだった

 

十数年

二十歳くらいか

 

ちょうどいいかもしれない

 

大人になりきる前に、終われるのなら

 

#

 

呪術師を多く輩出する名門――

御三家のひとつ、加茂家

 

その正室の娘として、私は生まれた

 

名は、凛

 

生まれつき与えられていたのは、

加茂家相伝の生得術式――赤血操術

 

それだけで、将来は約束されていたらしい

時期当主候補

血筋も術式も申し分ない、と

 

けれど

 

期待というものは、壊れるときはあっけない

 

 

「若年性特発性肺線維症」

 

 

白い診察室で告げられたその名前は、やけに長くて、やけに静かだった

 

若年者に発症する進行性の呼吸器疾患

肺は徐々に硬くなり、酸素を取り込めなくなる

やがて呼吸不全に至る

 

治療法は、肺移植のみ

 

だが、それは――

 

「適合がありません」

 

そう続いた

 

私の血は、普通ではない

 

呪力を血液へと変換できる特異体質

加茂家にとっては誇りであるそれが、私の肺を救う可能性を、ことごとく弾いていた

 

寿命は、二十歳前後

 

その数字が明確になった瞬間、家の空気は目に見えて変わった

 

時期当主候補

 

その肩書きは、静かに剥がれ落ちる

 

代わりに貼られたのは、

「残り短い小娘」という値札

 

視線が減った

声も減った

期待だけが、きれいさっぱり消えた

 

――ただ一つを除いて

 

父は、惜しんだ

 

私の命ではない

術式と、特異体質を

 

血は残せる

 

そう判断したのだろう

 

ほどなくして、同じ御三家である

禪院家との婚約が決まった

 

寿命を迎える前に、相伝と体質を継ぐ子を産ませるために

 

そこに、私の意思はなかった

 

けれど

 

不思議と、怒りは湧かなかった

疑問もない

 

だって、それが正しいのだ

 

加茂家に生まれたのだから

加茂家の血として、生きるのだから

 

私は、私の命よりも、家の血の方が重いことを、ずっと前から知っていた

 

 

二十歳

 

それまでに、役目を終えればいい

 

それだけの話だ

 

#

 

「ほんとはムカついてんでしょー?」

 

廊下の窓から差し込む光を背に、白い包帯を巻いた男が立っていた

 

やけに背が高い

やけに場違いで

やけに楽しそうな顔をしている

 

直接会ったことはない

 

けれど、その名を知らない呪術師はいない

 

特級呪術師

現代最強

 

五条悟

 

「このままだとさー、君

家にいいように使われて人生終わるよ?」

 

軽い口調

ふざけた声音

 

「二十年ちょっとしかない人生だよ?

そんなのでいいの?」

 

胸の奥が、かすかに熱を持つ

 

うるさい

 

そう思った瞬間、自分が思ったよりも強く拳を握っていることに気づいた

 

いいわけがない

私だって、普通に生きたい

 

好きな人ができて

くだらないことで笑って

結婚して

子どもを抱いて

 

――そんな未来を、夢見たことくらいある

 

でも

 

それは許されない

 

加茂家の娘として生まれた時点で

選択肢は最初からなかった

私の人生は家のものだ

 

だから、蓋をした

 

怒っていないと

疑問もないと

これが正しいのだと

 

そうやって、静かに、自分を殺してきた

 

「図星じゃん」

 

五条はにやりと笑う

 

腹が立つ

 

全部見透かされているみたいで、それが何より癪に障る

 

「禪院家との婚姻はさー、僕の方で延期にしておきましたー」

 

思考が止まった

 

「だってさ、もったいないじゃん

君」

 

軽い

本当に軽い調子で

 

けれど、その言葉はやけに重かった

 

 

 

「呪術高専へ来なさい」

 

 

 

笑みが、ほんの少しだけ消える

 

「全部諦めるのは、それからでも遅くないよ」

 

どうして

 

どうして、この男は

 

閉めきったはずの蓋を、勝手にこじ開けるのだろう

 

私はもう、納得したはずなのに

 

役目を果たして

静かに終わればいいと

そう思うことに決めたのに

 

胸の奥が、痛い

 

肺とは違う場所が、苦しくて仕方ない

 

 

――もし

 

もしも、選べるのなら

 

 

そんな考えが浮かんだ瞬間、私はそれを必死に打ち消した

 

 

ああ

 

 

この男は、嫌いだ

諦めようとしていた私に

 

 

 

“生きろ”なんて言うから

 

 

 

#

 

呪術高専東京校の中庭

 

昼下がりの陽射しの下、ベンチに腰掛けた白衣の女性が煙を吐き出す

 

「正気?」

 

紫煙の向こうで、彼女は呆れたように言った

 

「余命五年の子を、前線に立たせる気?」

 

白い包帯を巻いた男は、隣で気楽に空を見上げている

 

「正気も正気」

 

即答だった

 

「寿命二十歳の子に“さっさと嫁いで子ども産め”って言う連中より、よっぽど健全でしょ?」

 

女性は、煙草を指先で弾く

 

「健全、ね

戦えば進行は早まる。肺は消耗品だよ」

 

「知ってるよ」

 

男はあっさり返す

 

あまりにも軽くて、本当に理解しているのか疑いたくなる声音

 

「でもさ」

 

少しだけ、声色が変わる

 

「彼女はあそこで腐らせるには惜しすぎる」

 

「……」

 

「才能も、性格も

あれは禪院にくれてやるレディじゃない」

 

包帯の奥で、笑った気配がする

 

「放っておいたら、たぶん本当に二十歳で終わるよ

何も選ばないままね」

 

女性はしばらく黙ってから、短く息を吐いた

 

「で? 病はどうするつもり」

 

「治す」

 

迷いがない

 

「簡単に言うね」

 

「簡単じゃないよ?」

 

肩をすくめる

 

「だから面白いんじゃん

とりあえず、なんとかできそうな術式持ちを洗い出してみる

最悪、海外も視野かなー」

 

「成功率は?」

 

「ゼロじゃない」

 

女性は煙草を踏み消す

 

「……あんた、ほんとに厄介なの拾うの好きだよね」

 

「原石を見る目はあるんだ」

 

男はくるりと背を向ける

歩き出しながら、ひらりと手を振った

 

「ま、任せてよ

僕が教師やってる意味、ちゃんと見せるからさ」

 

白衣の女性はその背中を見送り、小さく呟く

 

「……死なせるなよ、五条」

 

風が、紫煙の残り香を攫っていった




カモリンステ

名前:加茂凛(あだ名カモリン) 身長:143cm
加茂家出身 東京校一年 四級術師
髪色:黒にメッシュのピンク
目の色:真紅(呪いの影響で赤い)
髪型:ストレート
服装:常時寝巻き+毛布(高専時は制服と和服が合わさったようなものを着ています)
性格:善人、陰気
具体的な性格:自他共に欠点に目が行く
趣味:温泉巡り
好きな食べ物:トマトジュース
嫌いな食べ物:肉
持病:若年性特発性肺線維症

術式:赤血操術(九相図体質)
呪術センス:10 座学:5 運動神経:1
呪力総量:5 呪力出力:6 呪力効率:6
簡易領域、落花の情、反転術式、極ノ番、領域展開使用不可
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