トクベツな学園に入学した普通な私、何故かトクベツ側のみんなから迫られる!?~ただ私は平穏に学園生活を過ごしたいだけなのに~   作:青いバケモノ

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プロローグ:トクベツなみんなと、トクベツな私

「みっちゃん……私は、みっちゃんの言うような、天使じゃないんだよ。欠点もあるし、裏の顔もある。でも、そんな私の天使じゃない部分があったおかげで、私は、みっちゃんのことを好きになれたんだよ…?」

 

 

「文月さん、どうやら私《わたくし》は、あなたのことが好きになってしまったみたいですわ。私《わたくし》は、逃げも隠れもしませんですわ。だから、どうかあなたも、逃げも隠れもしないで欲しいのですわ。安心しなさい。あなたは、十分トクベツよ。」

 

 

「お姉ちゃん……お姉ちゃんは、ずっと、私のことどう思ってたの?キスしたときも、本当に、妹としか見てなかったの?……私は、違うよ。最初っから、お姉ちゃんのこと、お姉ちゃんとしてじゃなくて、「好きな人」として見てたんだよ。」

 

 

「ふみふみ……そうだよ。私は、あの頃からずっっっっっっと、ふみふみを目標に生きてきたんだよ。そして、高校生になって、ふみふみに出会って、気づいたんだ。この感情は、憧れじゃなくて、「恋」だって。」

 

 

「文月。あなたは、家族と姫香以外で私の秘密を知っている唯一の人間だわ。そして、どうやら私は、そんなあなたを好きになってしまったみたいね。…全く。こんなところも姫香と被るなんて、最悪だわ。ということで、文月。私と付き合ってくれないしら?」

 

 

「つきっち!私、つきっちのせいで新しい性癖の扉が開かれたんだよ?私、お姉さんタイプが好きだったのに。その責任、取ってくれるよね?か・ら・だ・で♡あ、あたしは、何Pでも構わないよ~?」

 

 

 特別な学園に通う、トクベツなみんな。そんな中に混じる、普通な私。

 

 なんで、そんな、普通な私を、トクベツなみんなが好きになるの?

 

 

 こんなの、まるで……まるで私が、トクベツ、みたいじゃん――――――

 

 

 

 

 

 §

 

 

 

 

 

 

 私は、平穏な学園生活を望む、普通の人間だ。……いや、それは過大評価すぎたかもしれない。

 

 普通を目指してる、普通以下の人間だ。

 

 私は、中学生のころ色々あり、不登校だった。むっちゃんがいなかったら、この学園には確実にこれていなかった。

 

 そんな私だからこそ、「普通」という高台を目指してこの学園に入った。

 

 

「えー、じゃあこの問題を……夏子。前に来て解いてくれ。」

 

「はい。」

 

「……正解だ。余弦定理の応用。そこそこ難しい問題だが、よく出来たな。」

 

 

 授業は真面目に聞くし、頭もそこそこ良い。

 テストの順位は約30~50位だ。めっちゃ良いわけではない。そこそこ、だ。

 

 

「今日の体育はバスケットボールの技術測定日だ。ピボットや、スクリーン、ディナイなどのバスケの基本的な技術から、5vs5ゲームでのシュートフォーム、パス後の動きなど、細かいところまで見ていく。計測終了後は、一人ひとりずつ名前を呼ぶから、来い。」

 

 

 私は、運動も、そこそこ出来る。

 運動力測定は、約20~30位。めっちゃ動けるわけではない。そこそこ、だ。

 

 

「夏子 文月。お前は、良く出来ていた。基礎的な技術も、パス&カットも、フォームも良かった。文句なしのAだ。」

 

 

 スポーツの中でも、一番得意なのはバスケだ。小学生のころに習ってたから。

 バスケじゃなければ、多分、悪くはないが、特別良くもない、B判定だっただろう。

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

「体育は終了だ。今日のショートホームルームはなし。教室に戻ったら、速やかに下校するように。」

 

 

 どうだ?私の今日の学校生活を見て、超普通。平穏な暮らしが出来そうじゃん。って思っただろ?

 私も思った。

 

 だが、こんな普通感満載の私だが…それでもやっぱり、「普通」は無理だったらしい―――――

 

 

「ふみふみ!一緒に帰ろー!ついでにデートしよ!」

 

「み、みっちゃん。あ、あの、放課後…い、一緒に…遊ばない…?」

 

「文月さん。新刊まだ買ってないのよ。だから、一緒に買いに行って、そのまま私の家で一緒に読みましょう!ついでに、私《わたくし》の家に泊まっていくといいわ。」

 

「文月。今日、私の家に来てくれないかしら?妹達が、また会いたいってうるさいのよ。…別に、私は来て欲しいなんて思ってないのだけれどね。妹達の思いを無下には出来ないわ。」

 

「つきっち!いっぱい体動かして、一緒に疲れよう!もちろん、夜もね?あ、みんなも一緒に来る?」

 

 ミナ(お姉ちゃん!今日寄り道しないで帰ってきてね?寄り道するくらいなら、せめて遊ぶ約束した人家に連れてきて?家で、あそぼーよ!!未読スルーは許さないからね!!)

 

 

 そう。私は、何故か、トクベツなみんなに好かれている。しかも、ライクじゃない。ラブらしい。

 

 こんなの、普通とかけ離れすぎている。

 普通は、5人一気にデートに誘われることはない。

 

 

「瑠奈さん、あなた、汗臭いわよ?あまり文月さんに近づかないでもらえるかしら?」

 

「え!?私汗臭い!?え、ほんと?つきちゃん。」

 

「そんなことないよ。瑠奈ちゃんは、いつも通り良い匂いだよ。」

 

「そう?よかったぁ。」

 

「睦月は相変わらず甘いわね。体育で一番動いてたのは瑠奈だわ。そんな人が汗臭くないわけがないでしょう?」

 

「え!やっぱり汗臭いの!?」

 

「大丈夫だよルナっち。汗だくは逆にエッチだから!それに、私はルナっちが汗臭くても気にしないよ。」

 

「え、やっぱり臭いの!?」

 

 

 姫香さんと凛さんを中心に、カンちゃんを虐めてる……

 いつもは姫香さんと凛さんがずっと喧嘩してるのに、時々こうやって標的を変えるんだよな……かわいそうなカンちゃん。

 

 こういう時は、早く放課後デートに対する返事をしないと、一生喧嘩が止まらない。

 平穏な学園生活なんて…普通なんて、どこにもなかったんだな…

 

 …そして、こういう時の対処法も頭に浮かんじゃうあたり、私はそもそも、平穏な生活が送れない…普通にはなれない側の人間だったのだろう。

 

 

「カンちゃんは全然臭くないよ。それと、放課後の話だけど……み、みんなで…うちで、遊ばない?姫香さんも、新刊、うちにあるので、一緒に読みましょう?凛さんは…また今度、行く、と妹さんたちに伝えておいて下さい…すみません。愛華ちゃんも、家で体動かせるゲームとか、やろ?妹も、大歓迎だって言ってるし……」

 

 

「めっちゃ鼻が良いふみふみが言うなら間違いないね!よかったぁ…」

 

「むっちゃんのおうち……じゃ、じゃあ、遠慮なく、お邪魔させてもらうね?」

 

「もう新刊を持っているなんて、流石文月さんですわね。是非、お邪魔させてもらいますわ。」

 

「…そうね。妹達には言っておくわ。ただ、文月。言ったわよね?また今度行く、と。言質は取ったわよ。」

 

「ということは、夜はつきっちの家でミナっちも込みでヤるってこと!?」

 

 

 こう言っておけば、結局、家に着いたらみんなで仲良くカードゲームをやっている。

 テストプレイなんかされていないようなカードゲームをやり、姫香さんと凛さんがお互い殺しあって、その間に私やむっちゃんなどの平和主義者が勝つ、といういつもの展開が、きっと、今日もまた繰り広げられる。

 そして、殺し合いしてる時の姫香さんと凛さんが、なんだかんだ一番楽しそうなんだよね。犬猿の仲というかなんというか……

 

 なんだかんだ、み~んな、ちょー仲良しなのだ。

 

 

「よっしゃ!そうと決まれば善は急げだ!早くいこーぜふみふみ!」

 

「水無ちゃんと遊ぶの、なんだか久しぶりかも?」

 

「い、妹さんは何が好きなのかしら?文月。妹さんの嫌いな行為は?嫌われないようにするにはどうすればいのかしら?逆に、好かれるには何をすればいいのかしら?い、いつになってもミナさんに会うのは緊張するわ……」

 

「ミナっちも、かわいいよねぇ。」

 

「新刊では遂にキスするのかしら……いや、まだ付き合ってないから流石に…いやでも…」

 

 

 とにかく楽しみたいルナちゃんに、ミナとの遊びを楽しみにしてくれてるむっちゃん。ミナと会うのに緊張している凛さんに、危ない発想の変態。じゃなくて愛華さん。そして、漫画の新刊を楽しみにしている姫香さん。

 

 みんな個性が強く、みんな個性が豊かで、裏の顔も欠点も含め、みんな最高に良い子。そして、こんなに個性的なのに、みんな仲が良い。

 でこぼこだからこそ、ピッタリはまる。

 

 

 全然普通ではないし、全然平穏でもない。学園には、このグループのファンクラブがあるくらいだし。

 

 

 ただ、それでも―――――

 

 

「行くぞふみふみ!」

「みっちゃん、行こ?」

「行くわよ文月。」

「行こ~つきっち~。」

「行きますわよ、文月さん。」

 

 

 なんだかんだ、私は、この学園生活に満足している。

 

 

「―――うん!行こう!」

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