トクベツな学園に入学した普通な私、何故かトクベツ側のみんなから迫られる!?~ただ私は平穏に学園生活を過ごしたいだけなのに~   作:青いバケモノ

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ミッション②

「テスト疲れたぁあああぁぁぁぁ!!」

 

「それなぁぁぁぁぁ!!」

 

「うるさいですわね…」

 

 

 今月のテストが終わった。一週間かけて、11教科のテストだ。私の数少ない取柄である、頭の良さは維持していたいから、ここ数週間は本当に頑張った…とはいえ、この学校じゃ私は50位以内入れれば良い方なんだけどね。

 

 

「私も疲れた…」

 

「お疲れ様、みっちゃん。」

 

「あなた達、テストよりも大事なことがあるでしょう?」

 

 

 テストよりも大事なこと。そう。今日は、ミッション達成したか否かをAIに判断してもらう日。この一か月で、私はだいぶこのグループにも馴染めてきた。まだ如月さんは怖いけど…

 でも、数週間前の十六夜さんとの放課後のお遊びから、明らかに十六夜さんとは仲良くなった。流石の私も、友達だと自覚出来る程度には。

 そう。だから、今回のミッションは恐らく、いや、確実に、成功だ。

 

 

「私は今回のテストのために頑張って自宅学習したもんねー!」

 

「私も。あの日々は辛かった…」

 

「一週間くらい長引いてたもんね、愛ちゃん。」

 

 

 小望さんは、敬語が抜けちゃうという事故が多発して、結局一週間くらいはずっと敬語小望さんだった。

 

 

「まぁでも!これできっと成功してるはず…!」

 

「私も、苦労しましましたわ…凛のせいで。」

 

「こっちのセリフよ姫香。あなた、短気すぎるのよ。」

 

「短気はあなたよ。」

 

 

 十六夜さんと如月さんも、結局あの日は喧嘩してしまい、一週間くらいトライ&エラーしていた。

 なんだかんだ、みんなミッションに振り回された一か月だったと思う。初めてのミッションだったし、きっとこれが普通だ。…逆に、むっちゃんは特別すぎる。

 

 

「よーし、それじゃあ番号順に一人ずつ呼ぶから、呼ばれた人は多目的室1に来い。ミッションの合否を判定する。何も持ってこなくていいぞ~。…お前らにとってが初めてのミッションか……楽しんで来いよ。」

 

「ミッションの合否で楽しむってなんだよー!」

 

「まぁ、それは行けば分かる。それじゃあ、一番から、呼んでいくぞ。」

 

 

 運命の瞬間だ。この中で一番最初に行くのは―――

 

 

「えー、次。三番、十六夜姫香」

 

「この中で一番早いのは、私ね。行って参りますわ。」

 

「行ってらっしゃいませ、姫!」

 

 

 十六夜さんの次は、神無月さん。そしてすぐに如月さんも行き、またすぐに小望さんも行ってしまった。……というか、帰ってこないな、行った人。

 

 

「二人っきりだね。」

 

「そうだね…なんだか懐かしいような…」

 

「最近は周りにみんないたもんねー。」

 

 

 中学生の頃は、むっちゃんの周りにはたくさんいたけど、私のまわりにはむっちゃんしかいなかった。そんな私の周りにもにも、ありがたいことに、最近は友達がいる。

 だから、むっちゃんと二人きりのこの漢字が、ちょっと懐かしく思ったのだろう。むっちゃんが寮生活になってから朝一緒に登校することもなくなっちゃったし。

 

 

「18番、鈴木 亜沙子」

 

「はい!」

 

「……一人ひとり消えていくの、なんか面白い」

 

「戻ってこないんだね…ミッションの合否を判定してもらった後、別の教室に行くのかな…?それとも、ただただ一番の人の合否が終わってないだけかなぁ?」

 

「それにしては長すぎるような……あと、それだと順番に呼ばれていくのも、謎だし…」

 

 

 多分、恐らくむっちゃんの言う通り、別の教室に移動させられているのだと思う。何の目的かは全く分からないけど。

 

 

「私たちの中で最後まで生き残るのはむっちゃんか…」

 

「私が最後だもんね。31番。」

 

()、だもんね~。渡辺さん以外にむっちゃんより番号遅い人なんていないんじゃない?」

 

「うーん…確かに、小中学生で私より番号後ろだったの、渡辺さんだけかも…ほかのクラスにはいたんだけどね。」

 

「次。えー、22番、夏子 文月。」

 

 

 そんな適当なやり取りをしていたら、遂に私の番が来た。

 

 

「はい!……じゃあ、行ってくるね。」

 

「行ってらっしゃい、みっちゃん。」

 

 

 多目的室までの移動……何気に、緊張するな……

 教室入るときって、失礼します。とか、ノックとか必要?ドアの開け閉めの仕方とか…高校受験で嫌というほどやったから、出来なくはないけど…AI相手にやるものなのかな…?

 

 多目的室の目の前まで来たが、扉の前に先生が立っているということもなかった。周りに生徒もいないし……と、とりあえず、三回ノックして、扉を開けて、誰かいたら、失礼します。と言おう。うん。それでが最適解だ!

 

 コンコンコン

 

「…し、失礼します。」

 

 

 思わず言っちゃったけど…人じゃなかった…あれ、ロボットだ。…真ん中に椅子あるけど……これって勝手に座っていいの?というか、そもそも私は勝手に歩き出していいの?え、みんなこれどうしてるの?

 

 

「何やってるのですか。早くこの椅子に座ってください。」

 

「あ、はい。すみません…」

 

 

 AIに怒られてしまった……なんか、当たり強くない?え、AIってこんなもんだっけ?

 

 

「私は月読命学園特別性AIです。そこら辺のAIと一緒にしないでください。」

 

「えっ!…も、申し訳ないです…」

 

 

 思考も読み取れるんだ……ナノチップってすげぇ。

 

 

「ナノチップの力ではありません。これは、この学園内にある私にしか感じることのできない特殊な電波が使われています。それを使い、私はミッションを作っているのです。」

 

「そうなんですか…」

 

 

 なんか、不思議な気分。言葉に出さなくても通じてるなんて。

 

 

「それでは、ミッションの合否判定に移ります。夏子 文月【友達を作れ】のミッションは―――」

 

 

 ……ためるんだ。そこで溜めるんだ。そういう演出もついてるんだ…すごいな。

 

 

「合格です!」

 

「……よ、よかったです…。」

 

 

 よっし!よし!よし、よし。

 ……いや、分かってたけどね?結果なんて。十六夜さんと私は友達だし。うん。疑う余地すらないから。別に。

 

 

「……はい。良かったですネー。」

 

 

 やっぱり冷たいよね、このAI。こんなに冷たいのに、さっきみたいな演出はしてくれるの、良くわからないな…

 

 

「嫌いな相手にもやらなくてはならないとプログラムされているのですよ。」

 

 

 嫌いな相手って……それ、ロボット、基《もとい》、AIが言っていい事なのか…というか、AIが人を嫌うって何?緊急事態じゃない?

 

 

「だから、私をそこら辺のAIと一緒にしないでください。特別性ですよ?世に出回ることがない、世界に一つ…いや、二つだけの。特別なAIなのです。」

 

 

 確かに、こんな人間みたいなAIが一般家庭とか、一般的な企業とかに使われ始めたら、昔の人が考えたようなAIの逆襲、みたいなことが本当に起きちゃいそうだもんね。

 

 

「失礼極まりない……睦月お嬢様に好かれてるからって生意気なガキが…」

 

「え?」

 

 

 今、睦月お嬢様って言った?……………って、今、私のことガキって言ったよね?え、AIが!?人間に向かって攻撃的な行為を!?AIの基本原則的なやつ守れてなくない?

 ……これが特別なAI、か。凄いな…

 

 …というか、私はいつまでここに?ミッションの合否だけじゃなかったの?

 

 

「……一人に時間を使いすぎたら怒られちゃう…夏子、あなたには、これからゲームをしてもらう。もちろん、あなただけでなく、他のみんなも行っているわ。」

 

 

 ゲーム…?学校で?……

 これ、あれでしょ。スポーツとかの試合をゲームというように、私が思っているようなゲームじゃないんでしょ。

 

 

「半分正解ね。それじゃあ、仮想世界へ行ってらっしゃい。」

 

 

 特別なAIさんがそういった瞬間、意識がストンッと落ちた。

 

 

 §

 

 

 もうわかっていると思うけど、この学校は、特別な学校だ。普通じゃない。それは…ミッションがあるから、だけではない。

 

 この学校は、成績を決めるのは頭の良さだけではない。運動神経だけでもない。

 

 

 頭の良さとはどういうことなのか、思ったことはありませんか?将棋はものすごく得意だけど、学校の勉強は出来ない。そういう人は、頭が悪い、のでしょうか?

 

 バスケで、どのタイミングで走り出すのか、どのタイミングでパスをするのか、感覚でわかる。でも、学校の勉強は出来ない。この人は、頭が悪いのでしょうか?

 

 ゲームでも、全キャラのスキルの効果、時間、すべてを覚えてる。だから、ゲームが得意。だけど、学校の勉強はできない。この人も、頭が悪い人、なのでしょうか?

 

 

 頭の良さとは、一概に〇〇!とは決められない。……これが、お父様の考え方だった。

 

 だから、仮想空間を作り出し、その中で、「ゲーム」をする。それが、この学校の成績の。頭の良さ、の指標となったのだ。

 

 

「……このミッション、何?」

 

「そ、それは……お嬢様に、欠点などございませんから…」

 

「…次こんなことしたら、お父様に言いつけるよ?」

 

「ご、ごめんなさいッ!」

 

「…はぁ。相変わらずね、ナエ。」

 

 

 §

 

 

「全員集まりましたね。」

 

 

 ん……?……あ、さっきの特別なAIさん…というか、ここどこ…

 

 

「騒がれると厄介なので、皆さんの行動を封じさせてもらいました。動けないし、喋れない。見る、聞くことしかできないと思いますが、安心してください。ここは、仮想世界です。そして私は、ゲームマスターの権限を持っている、ただのAIです。」

 

 

 マジでなんも状況が呑み込めないけど、とりあえずあの特別なAIさんが明らかに猫を被っているのは分かる。…いや、それとも、同じ見た目の別個体…?

 

 

「私は、さっきあなた方のミッションの合否を判定したAIと同じAIです。さて、早速ですが、ミッションを、開始してもらいます。」

 

 

 §

 

 

 この特別なAIさんが言ったことをまとめると…

 さっき合否判定を下したのは、仮ミッション。

 仮ミッションを達成できたものは、少し有利な環境でスタート出来る、いわゆるRPG。

 

 放課後までにどこまでレベルを上げたかを競うゲーム。行動一つ一つに、AIによるポイントがつけられ、最終的にポイントが高い人が成績上位になる。

 

 最低規定に達することが出来なかった者には、「赤」を付けられる。複数獲得してしまった場合、退学になる。

 

 ゲーム、は毎回同じという訳ではないらしい。いわゆるファームゲーだったり、デスゲームだったり、謎解きだったり、人狼ゲームだったり、殺し合いだったり、色々ランダムであるらしい。農業ゲーがしたいなぁ…

 

 そして、ゲーム知識での有利不利を出来る限り少なくするために、この世界の常識が書かれている本が配られる。

 

 最初の一時間は、番号順に並んでいる、専用の小屋でこの本を読んで作戦を決める時間らしい。その間は、外には出られないらしい。

 

 

 

 

 言いたいことがあるんだけど、一ついい?………なんで、私こんなことしてるの?

 

 え、学校だよね?ここ。一つの授業みたいな感じなのかな…?いや、そんなの聞いたことないよ。やっぱり、特別な学校、ということなのかな…?

 むっちゃんが前、特別で、少し不思議な~…みたいなこと言ってたけど、少しどころじゃないよ!凄く不思議だよ!!こんなの漫画の世界じゃん!二次元じゃん!

 

 …とまぁ、愚痴を零しても仕方がないので、早速本を読む……前に、私は仮ミッション合格者だから、このゲームでは、特別な能力が手に入るらしい。えーっと……

 

【貰える経験値30%UP】

 

 ………超普通。普通に、強そう。というか、絶対、無難に強いやつ。

 

 

 それじゃあ、早速、本を読んで作戦を練るか〜。………むっちゃん、一緒に行動してくれるかなぁ………

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