トクベツな学園に入学した普通な私、何故かトクベツ側のみんなから迫られる!?~ただ私は平穏に学園生活を過ごしたいだけなのに~   作:青いバケモノ

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短編後編 文月と水無の夜(微エッチです)

 まぁ、ほっぺにちゅーくらい、どうってことない。そんなもので安心出来て、幸福になるなら人生イージーすぎる。

 ミナが何を考えているのかは分からないけど…いや、本当に、純粋に。リラックス、安心感、幸福感を求めているのかもしれない。

 

 そんなことを考えていたら、ミナの顔が、少しづつ近づいて―――――

 

 

「ちょ、ちょっと待て。」

 

「ん?」

 

 

 危なっ!危うく唇に触れるところだったよ!?私が手で唇を守ってなかったら、そのまま行ってたよ?え、マジで何をしてるの?ミス?致命的だよ?

 

 

「危ないよ!私が咄嗟に手でガードしなかったらどうするつもりだったの!?」

 

「……ん?」

 

「ん?ってかわい子ぶるな!」

 

「……え?」

 

「…もしかして、本当に状況呑み込めてないの…?」

 

 

 本当に、ミスって唇に来てたってこと?…ミナらしくないミスだ。

 

 

「今、そのままミナが近づいてたら、ほっぺじゃなくて、唇にちゅーする所だったよ?ほんと、気を付けてね。私の反射神経が良くてよかったね、ほんと…」

 

「……は?」

 

「どうしたの…急に怒って…」

 

 

 そんな変なミスをした自分に怒ってる的な?……いやでも、明らかに私の方を見て怒ってるんだけど…怒ってる顔も、威圧感あんまりなくてかわいいけどさ…

 

 

「ちゅーって言ったら、唇と唇でしょ!!!!!!」

 

「……うん?どうしたの、急に。」

 

「ほっぺって、私いつ言った?言ってないよね!?なんでほっぺだと思ったの?!そもそも、勘違いしてたしてもガードしないでよ!お姉ちゃんの反射神経が良くてがっかりしたのは今日が初めてだよ!ばーか!」

 

「ちょ、落ち着いて……」

 

 

 めっちゃ早口。ちょっと、いったん、状況を整理しよう…えーっと、ほっぺっていつ言ったか。いやまぁ、確かに言われてみれば言ってなかったけども……

 ちゅーは唇と唇が普通、そして、ほっぺだと私が思い込んでいたことに対して激怒、そして、反射神経が良いことにガッカリ?…と、……つまり―――

 

 

「え、ちゅーって、口にしようとしてたの?」

 

「うん。」

 

「Mouth to mouth?(口と口がくっつくちゅーのこと?)」

 

「Yes. I tried to do it.(そう。ミナは口と口がくっつくちゅーをしようとしたの。)」

 

「Oh...(マジか…)」

 

 

 マサカノ、マウストゥーマウス。……って、ふざけてる場合じゃないよ。

 流石に、キスはダメでしょ。過去一しゃれにならないよ。

 

 

「じゃあ、もう一回ちゅーするからね!次は手じゃなくて口ね!」

 

「いや、ちょ、待って。」

 

 

 私は、無理やり強行突破しようとするミナの口を抑える。

 

 

「ム―!ムームームームー!」

 

「流石に、キスはダメでしょ。私たち姉妹だし。あと、むーむー言ってるけど、別に普通に喋れるでしょ。」

 

「あ、ほんとだ」

 

「はいじゃあそゆことで。おやすみー。」

 

 

 ミナが変なことをする前に、手をミナの口から離して、すぐにミナに背を向け、壁側を向く。

 流石に流されやすい私とはいえ、キスはダメですよ~。いくら流されやすいと言ってもね?限度はありますよ。うん。

 

 

「は?何言ってんのフミ。ダメだから。」

 

「何がダメなの。」

 

「ちゅー、いいって言ったじゃん。」

 

「いやそれは、ほっぺだと思ってたから。」

 

「そんな言い訳が通用すると思ってるの?」

 

「もちろん。」

 

「約束破るんだ!」

 

「約束はしてないし。」

 

「はー?はい、もう怒ったもんね。フミがそういう態度なら、こっちだってそういう態度で行くからね!」

 

 

 そういう態度ってなんだよ……頼むから、もう何もしないで欲しい。もう寝ようよ。別に早く寝たいわけじゃないけど、同じベッドで寝る人とこれ以上喧嘩とかしたくないよ?気まずいじゃん。

 

 

「はいはい、分かったから。その話はまた明日ね。おやすみ―――うわッッ!!」

 

 

 適当にミナをあやそうとしたら、急に右肩を思いっきりひっぱられ、仰向けになったかと思ったら、私のお腹の上にミナが乗って来た。

 

 

「びっっっくりするかと思ったぁぁ…急に何!びっくりするかと思ったじゃん!」

 

「……お姉ちゃんって、マジで空気読めないよね。」

 

「え?よくミナに言われるけど…なんで今?」

 

「ふざける空気じゃないのに、ふざけてるバカがいたから言ったんだよ。」

 

 

 お姉ちゃんのことをバカ呼ばわり……それより、今ってふざけちゃダメな場面だったの…?

 急にミナがお腹の上に乗って来たから…ミナの体力が有り余ってて、ベッドの上で遊ぼうと思ってるのかと思った。

 でも、ふざける場面じゃないってことは、遊ぼうとしてたわけじゃないってこと…?

 

 そんなことを考えていたら、ミナに両手を抑えつけられてしまった。右上と、左上に、貼り付け状態だ。

 

 

「え、どんな遊び?」

 

「遊びじゃないよ!……いや、ちょっとえっちな遊びをするのも…いいかもネ?」

 

「ミナもふざけてるじゃん。」

 

「私は本気だよ!!!」

 

「あと、この格好ちょっと恥ずかしいからやめてほしいんだけど…」

 

「ふっ…むぼーびだね、お姉ちゃん♡」

 

 

 うわ、まるで語尾にハートが付いてるかのような声、気持ち悪いな…

 いや、やっぱりかわいいな……

 というか、どう頑張ってもかわいいわ…

 

 

「ふっ、ミナが力ずく方針なら、私も力ずくで対抗するよ?」

 

「バカはフミでしょ。今、私がお腹の上に乗ってるんだよ?もしフミ…お姉ちゃんが、腕に力をいれて逃げようとしたら、もちろん私も力を入れるよね…?」

 

「…うん。」

 

「そこで一番苦しいのは、お姉ちゃんのお腹、でしょ。抑えつけようと力を入れてるんだから、もちろん、体重もより掛かっちゃうよねぇ…。」

 

 

 ……確かに。……え、何?じゃあ私詰んでるの?

 

 

「…ここからどうすれば私は脱出出来ると思う?」

 

「良い方法があるよ。私も両手塞がっちゃってて不便だったんだよね。まず、私が手を離すから、そしたらお姉ちゃんは右手の甲を、背中を通して左脇腹に当てて?」

 

「はい、出来たよ。」

 

「そしたら、ちょっとキツイと思うけど、左手も同じように、左手の甲を、背中を通して右脇腹に当てて?」

 

「クッ…はい!出来たよ!」

 

「はい。そしたら、私が両肘を足で軽く押さえてあげれば、完成!超絶無防備なお姉ちゃん!」

 

「…………おい、何してくれてんねん。」

 

「お姉ちゃん、キャラ崩壊してるよ。」

 

 

 とりあえずミナに従ってたら、いつの間にか私の両手がだっき以上に動かなくなった。というか、変に動かしたら腕がイカレそう。

 くっ!私が、ノリ良すぎるがあまり…!

 

 

「はーい、これでお姉ちゃんは首から上しか動かせないね~。」

 

「足は動かせるよ」

 

「足はどーでもいいの。それじゃあ、早速、ちゅーするね♡」

 

「え?」

 

 

 これ、遊びじゃなかったの?

 

 

「ちょ、ちょっと、待って?」

 

「いいよって言った自分を憎むんだね、おねーちゃん♡」

 

 

 そういうと、ミナがゆっくりと近づいてくる。

 

 

「え、本気?」

 

「もちろん。」

 

「姉妹で?キスするの?」

 

「血繋がってないし。」

 

「それあんま関係なくない?」

 

「大アリだよ。」

 

 

 こんなやり取りをしている間も、徐々に迫ってくる。

 

 

「え、ちょっと、マジ?」

 

「大マジ」

 

 

 マジで危ないので、顔を全力で右に背ける。こうすれば、上から強引にキスしようとしても、ほっぺにしか出来ない。我ながら最強の作戦だ。

 

 

「そんなことしても無駄だよ?私には、両手空いてるんだから。」

 

 

 そういうと、ミナは右で私の顎を掴み、クイッっと、顔をまっすぐ前に戻される。そして、真剣な表情で、ミナは聞いてくる。……真剣な表情だと、意外とイケメンなんだな…ミナ。

 

 

「そんなに私にちゅーされるの嫌?」

 

「嫌とかじゃなくて、純粋に妹とキスは普通じゃ無いでしょ。」

 

「それなら、妹と風呂も、妹におっぱいと尻揉まれてるのも普通じゃないよ。そもそも、血繋がってないし。私たちは、元から、普通じゃないんだよ。」

 

「ミナは特別だけど、私は普通だよ。」

 

「ふーん……」

 

 

 そういうと、口と口の間、数センチでミナの動きが止まる。ミナの息が、私の口に当たる。ということは多分、私が吐いた息も、ミナに当たっている。それくらいの近さだ。

 

 そして、ミナの空いていた左手が、私の右頬に、包むように、優しく触れる。

 

 

「最後にもう一度聞くけど…嫌ではないんだよね?」

 

「……後悔するよ。」

「しないよ。絶対に。」

 

「……なんだかんだ言っても私はミナのこと好きだから。もちろん、嫌ではないよ。」

 

「……お姉ちゃんも十分特別だよ。」

 

「いーや。私は普通だね。特別っていうのは、むっちゃんやミナ。十六夜さんたちのことを言うんだよ。」

 

 

 

「………じゃあ、今日からお姉ちゃんも()()()()だね。」

 

 

 

 そう言った瞬間、ミナの唇が、私の唇に触れる。

 そんな気はしてた。だから、私は、ミナがキスする直前に息を吸うことが出来た。

 

 一秒一秒が、ものすごく長く感じる。目は瞑っているから、ミナがどんな表情をしているのか分からない。

 

 5秒、10秒、15秒、20秒………そして、唇が離れる。

 

 

「はぁ、はぁ、長いよ、ミナ。」

 

 

 目を開けると、そこには、ほんの少し顔が赤く火照っている妹の姿があった。

 

 ミナは、右手と左手を、私の顔の隣に、片方ずつ置いている。そして、足りなくなった酸素を補給しようと必死で、息を吸うとともに、肩、腕が上がり下がりしている。

 

 

「んっ、はぁ、……まだ、足りない。」

 

「え?」

 

 

 ミナは、そう言うと、私の両頬を両手で包み、そのまま二度目のキスをする。

 

 二度目のキスは、始まりから、一度目とは大きく変わっていた。

 

 まず、お互い目が開いていた。ミナはさっきも開けていたのかもしれないが、私は、この光景を始めてみた。

 

 そして、すぐに、ミナの舌が、私の閉じていた唇を強引に開けた。

 

「そこまでするか!?」と思いはしたが、一瞬で、「一度キスしてるし、もう何も変わらないか。」という考えになった。やってしまったものはしょうがない。今は、ソレを楽しもう。…と。

 

 

 ミナの舌は、ニュルニュルと、私の舌と混ざり合う。まるで、別の生き物かのように。

 私も、ミナほど過激ではないが、ゆっくりと、舌を動かす。

 

 そして、唇が離れる。さっきより半分以上短い時間だったのに、何倍も濃かった。

 

 

「んっはぁ、はぁ…」

 

「ッ……はぁ、…はぁ、」

 

 

 ミナの目が、ジッと、私を見つめる。やっぱり、イケメンだ。でも、かわいい。かわいらしさが、残っている。

 

 やっぱり、二度キスをしてみて分かったけど、別に、嫌ではない。嫌悪感は、0だ。……むしろ、気持ちが良い、もっとしたい、という感情さえ、私の中には芽生えている。

 

 そして、もう一度ミナは、私の両頬を優しく包む。私を、ジッと見つめて。

 

 

 言葉を介さなくても分かる。これは、もう一回キスする目だ。

 

 

 三度目。もう、拒否する理由なんて何もない。

 

 五秒か十秒か経った後、三度目のキスが始まった。

 

 

 今度は、ミナは目を瞑っている。

 

 ミナの態勢は崩れていて、もう、私の手の拘束はないようなものだ。すぐに両手を自由にし、そのままミナを抱きしめる。

 

 すると、ミナは、一瞬、ビクッとなった。が、目は開けず、唇も離さず、貪るように、キスを続けている。

 

 

「んっ……ん、…」

 

 

 時々漏れるミナの声。

 

 私は、完全受け身だから、舌をあまり動かしてないから、声は出ない。

 

 ……でも、私がミナと同じくらい舌を動かしたら?

 もっと声は漏れるのだろうか?もっと、そのかわいい声は聴けるのだろうか…?

 ……いや、これ以上は…危ない。普通から、どんどん遠ざかっていくのを感じる。

 

 

「んっ……はぁ、はぁ、…」

 

 

 今回は、二回目よりも、早く終わった。

 

 静寂の中、お互いの呼吸音だけが聞こえる。

 

 少し経つと、またキスをする――のではなく、ミナは、ベッドの上に膝立ちして、私を見下《みお》ろしている。

 

 ミナはもう満足したのか分からないが、多分、もう終わりだろう。

 

 

「……終わり?」

 

「…………」

 

「ミナ?」

 

 

 私の問いかけに、ミナは答えない。ただ、ずっっっっと、ジッと私を見続けている。

 

 

「…ミナ、どうしたの?」

 

 

 ミナの顔が赤い。息も、なぜかずっと荒い。

 

 

「大丈夫…?」

 

「おねえちゃん……」

 

 

 今までに聞いたことのないくらい、蕩けた、甘い声。耳が孕むかと思った…。

 

 

「おねえちゃん…やばい…」

 

「ヤバい?どうしたの?どこか辛い?大丈夫?水あるよ?寝っ転がる?お母さん呼ぶ?」

 

 

 ミナがいて起き上がれないので、手を伸ばして、ミナの胸の辺りを触る。…ものすごく心拍数が速い。まだ息も荒いし、顔も赤い。本当に、ヤバいのかも…

 

 

「おねえちゃん…」

 

「うん。お、落ち着いて?まずは深呼吸だよ。」

 

「だめ……おさまらない…」

 

「ま、まずは横になって、深呼吸。それでも収まりそうになかったらお母さん呼ぶから、対処してもらおう。あ、そうだ、まずはスマホで調べ―――」

 

 

「だめ、おさまらない!()()()()が、収まらない…!」

 

 

「……………え?」

 

 

 ムラムラ…?え、む、え、は?

 え、だから顔も赤くて、息も荒くて、心拍数も速かったの…?

 な、なんだ……心配させないでよ…。心配で心臓が張り裂けるかと思ったじゃん…。

 

 

「おねえちゃん、えっちすぎ…」

 

「…とりあえず…我慢できる?」

 

「……ごめん。無理。」

 

 

 無理……無理って、何?無理?え、何?じゃあ、私ここで妹に襲われるの?

 …え、無理ってそういうことだよね?

 

 

「え、流石にそれはヤバいよ?流石に姉妹でそれはヤバいよ?普通じゃ無いとか、そういう次元じゃないよ?」

 

「……分かってる。私も、分かってる。まだ、まだ早い。だから…今日は、おねえちゃんの部屋じゃなくて、自分の部屋のソファで、寝るね…」

 

「あ、はい……あ、じゃあ、この枕と、この毛布、使っていいよ…。あ、ぬいぐるみもいる?これ、私だと思って…一頭身だけど…」

 

 

 私の愛用している青いバケモノぬいぐるみを、ミナに預ける。

 

 

「……ありがとう。」

 

 

 ……もんのすごく気まずい………………

 

 そして、ミナはゆっくりとベッドから出ていき、そのままドアを開け、外に出る。

 

 

「……流石の私も恥ずかしいから…聞き耳は立てないでね………おやすみ…。」

 

「お、おやすみ………」

 

 

 そして、ミナは、静かにドアを閉め、自分の部屋へ行った。

 

 …因みに、本当に、何も関係ないけど……私の部屋とミナの部屋との間の壁は、薄い。防音性能なんて、ほぼ0だ。しかも、このベッドはミナの部屋側の壁にくっつけている。

 

 

 ……………………………………………………………………………うん。寝よう。

 

 妄想するな、想像するな。

 妄想するな、想像するな。

 妄想するな、想像するな。

 

 ……………………………………………………………………………よし。寝よう。

 

 

 

 

 

 §

 

 

 

 

 

「おはよう二人とも。朝ごはんは出来てるわよ……って、あなた達、酷い隈《くま》!昨日遅くまで何してたの!?もしかして寝てないの?もう!夜更かしはダメってあれ程言ったでしょ!」

 

「「すみません…。」」

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