トクベツな学園に入学した普通な私、何故かトクベツ側のみんなから迫られる!?~ただ私は平穏に学園生活を過ごしたいだけなのに~   作:青いバケモノ

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委員長と副委員長

 皆にあんな姿を見られた恥ずかしさで、誰とも目を合わせることが出来ず、逃げるように黒板を見ると…委員会はほとんど決まっていた。……が、クラス委員長と副委員長の部分だけ埋められていなかった。

 

 

「やっぱりこうなったか……」

 

 

 人数的に…委員長と副委員長は他の委員と掛け持ちしないと無理なようになっている。掛け持ちで委員長とか…バケモンでしょ…そんなの立候補する人一人いないでしょ…

 先生も、「やっぱりこうなったか」って言ってるし、昔から決まりづらいものなのだろう。そもそも、普通の委員長、副委員長ですら決まりづらいイメージだし…

 

 

「……学校行事委員、ちょっといいか?」

「いいですよー!」

「委員長か副委員長、やりたいやついるか?」

 

「ふっ…私がやってやったって…いいんだぜ?」

 

「そうだぜ!私がこのクラスを導いてやるってんだぜ!」

 

「私も、やりたい人がいないなら…」

 

「私《わたくし》なら、確実に完璧にクラスをまとめあげることが出来ますわ。誰もいないのならば、仕方がないのでやってあげてもよろしくてよ?」

 

「姫香にやらせるくらいなら私がやるわ。」

 

 

 流石だなぁみんな。クラス「代表」なんて、大きな責任が伴いそうな役割、私は絶対に、ぜっっったいにやりたくないよ。うん。だから、そのぉ……みんな、私の方見るのやめてくれませんかね…先生含めて、私の発言待ち?

 え、なんで?沈黙は否定でしょこの場面はさ!

 

 

「わ、私は……や、ややややりたくないですぅ…」

 

「「知ってた」」

 

「みっちゃんは、人の前に立つの、苦手だもんね。」

 

 

 私はもちろん、無理だ。無理。普通に、無理。人前に立って話すとか無理だし。委員長、副委員長がどんなことをやるのか分からないけど…それでも無理だ。

 

 

「委員長ってどんなことやるんですか?」

 

「委員長は、授業の挨拶、SHRの挨拶くらいだな。学校行事や集会で呼ばれるとかもあるかもしれないが…先生達からの信頼も得られるし、顔も覚えられるぞ。」

 

 

 顔を覚えられるのって、デメリットじゃないの?…期待されて期待されて、それが期待外れだったと気付かれる。それが、一番辛い。一番…心にくるんだ。

だから、顔を覚えられるのは、デメリットでしか無い。私は、そう考えている。

 

 

「副委員長はー?」

 

「副委員長は…長が休みの時の代わりが基本だ。あとは委員長が何か頼まれた時、その補佐をするくらいだ。委員長ほどではないが、信頼は得られるぞ。」

 

 

 副委員長も、委員長と同じ理由で、嫌だ。

よって、私に委員長、副委員長をやるメリットは無い!

 そもそも、特大級のメリットが無い限り絶対にやりたくないし。

 

 

「自らやりたい人は0…となったら、投票式にするしかねぇな…」

「やってもいい人達だけで?」

「……いや、一旦、全員で、だ。」

 

 

 投票式……まぁ、十中八九、むっちゃんが選ばれるだろう。

 

 

「紙に誰か一人書いてもらって、一番多かった人が委員長。二番目が副委員長。的な感じだ。もちろん、理由も、書いてもらう。簡易的で構わない。」

 

「人気投票だ!」

 

「違う。委員長投票だ。しっかりと仕事をこなしてくれそうな人を選ぶんだ。人気投票じゃないからな?くれぐれも、勘違いするなよ?」

 

 

 先生は否定してるけど、つまり、現時点の人気投票みたいなものか。

 やっぱり、これむっちゃんが勝つよね。

 

 

「知り合ってまだ日が浅いから迷うだろうが…まぁ、委員長は半年だけだし。気軽に決めてくれ。」

 

 

 そう言いながら紙を配る先生……だが、先生の予想とは裏腹に、5、10分もかからぬうちに紙は全部集まった。

 

 

「早いなお前ら……何かもう、誰が選ばれてるのか見なくても分かるような気がするよ。…それじゃあ、集計するから、少し待っててくれ。」

 

 

 クラスの人数は32人。その集計となると…5分以上かかりそうだ。

 

 

「ねぇねぇ、誰に投票した?」

 

「私は玲ちゃん!」

 

「私もむっちゃん!」

 

「私は…自分はダメだなんて言われてなかったから自分に投票しちゃった」

 

「!そんな策があったなんて…!恐るべし、ルナっち…」

 

 

 自分に投票って…本当に、凄い自信だ。自分に自信を持てるって、人間として出来上がってる証拠だよね…本当に尊敬する。

 

 

「おいこれどうせ小望か神無月だろ…なんだよ「私」って。「私」じゃ誰か分かんねぇよ!」

 

「あ、ごめん、それ私~!」

 

「神無月。これ、無効票にしとくからな。」

 

「えー!?なんで!」

 

「確かに自分書くのはダメだと言わなかった先生も悪いが……なんでもだ。」

 

 ……出来上がってる人間は人の名前を書けって言われて、「私」だなんて書くとは思えないけど、ともかく。それでも、尊敬する事に変わりはない。

 

 

「よし、集計終わったぞ。思ったよりも接戦で、面白い。」

 

 

 接戦?……そうか、まだ皆に、むっちゃんの魅力が伝わっていないという事か…

 

 

「あ、接戦と言っても、一位は圧倒的で玲美だ。」

 

「!流石はむっちゃん!!」

 

「まぁ、納得だよね。」

 

「玲ちゃんなら安心安全!」

 

「…流石ですわね。」

 

「当然の結果ね。」

 

 

 前言撤回。めちゃくちゃ伝わってたみたいだ。

 流石はむっちゃん!

 

 

「え、えー…なんか、照れちゃうなぁ…」

 

 

 照れてるむっちゃん、最高に可愛い。

 

 

「そして、接戦の二位だが…接戦だったのは、この5人だ。」

 

 

 先生が、黒板に名前を書いて行く。

 

 十六夜 姫香

 如月 凜

 神無月 瑠奈

 小望 愛華

 夏子 文月

 

 うんうん。なっとくのメン……って、私!?え、なんで!?

 やっぱり、むっちゃんとよくいるから?

 

 

「まず、神無月を選んだ理由は…いつも元気だから。ポジティバーだから。圧倒的な明るさがあるから。…まぁ、こんなもんだな。」

 

「私を選んだ人、センスあるね!」

 

 

 確かに、神無月さんのそのいつでも元気な陽気パワーは、周りの人をも元気づけてくれる。

 

 そんな人が委員長になったら、元気なクラスになりそうだ。

 

 

「そして小望は、場慣れしてそうだから。など…まぁ、大体神無月と同じような理由だな。」

 

「私とルナっちのダブル委員長もアリかもね!」

 

 

 小望さんもたしかに神無月さんと同じで明るい。

 ただ、小望さんは、神無月さんよりなんか、場慣れ感というか…背もちょっと高くてお姉さん感もあって…

 あと、小望さんとお話をすると分かるけど、めちゃくちゃ話しやすい。神無月さんの、陽気全開トークとは違って、話を合わせてくれている感じがある。いやもちろん、神無月さんもそうなんだけどね?なんか、慣れている感が違う(?)気がする。

 

 委員長になったら、良い感じの雰囲気なクラスになりそうだ。

 

 

「十六夜は…お嬢様だから。上に立つことに慣れていそうだから。高貴だから。私達市民を光へと導いてくれるから。……なんか、厄介ファンいないか?」

 

「あら、見る目のある人もいるのですね。将来有望ですわね。」

 

 

 たしかに、十六夜さんは上に立つ、ということに慣れていそうだ。メイドさんとか、執事さんもいそうだし、幼少期の頃から、人の使い方、とかも習っていそう。

 あくまで、「〇〇っぽそう」なだけで、事実かは分からないけど。だとしても、それを全然あり得ると思わせるほどのナニカが、十六夜さんにはある。

 

 十六夜さんが委員長になったら、礼儀正しいクラスになりそうだ。

 

 

「如月は…クールだから。首席だから。頭が良いから。感情で判断しなさそうだから。」

 

「…光栄だわ。」

 

 

 如月さんは、クールだ。感情が表情に出ないし、嫌なことは嫌と、キッパリと言う。物事をすぐに判断し、行動に移せるのは、長として大事な能力だ。

 

 如月さんが学級長になったら、規則正しい、クールなクラスになりそうだ。…クールなクラスって何?

 

 

「最後に、夏子。夏子は…しっかりしていそうだから。常識人枠だから。変なことしなさそうだから。無難に、向いてそうだから。」

 

「………お言葉はありがたいですけど…無理です…」

 

 

 冷静に考えて、私に投票するのはおかしいでしょ。

 

 いつでも元気なパワフル神無月さん

 空気が読める陽キャギャル小望さん

 品行方正お嬢様十六夜さん

 首席クール如月さん

 

 この4人に並んで、

 パワフルでも無いし空気が特別読めるわけでもなく、礼儀作法とか知らない、頭もそこそこな夏子文月を選ぶとか、本当にどうかしてる。

 って、そんなこと言ったら私を選んだ人の感性を否定してしまう事になる。私を選んでくれた人まで否定するなんて、やっぱり私はダメダメだ…って、そんなこと言ったら私をetc…

 

 危うく無限ループが始まるところだったがそれはともかく、本当に、私には無理だ。

 

 

「正直、副学級委員長は仕事が少ない。だから、ぶっちゃけ本当に誰でもいい。ただ、出来るのならばキッチリしてる人の方がいい。担任として良い顔出来るからな。」

 

 

 先生の発言とは思えないけど…これも、中学と高校の違いかな…?

 

 

「それじゃあ、もう一度この五人のみ、で投票を行う。めんどくさいし、挙手制でいいか?………いや、先ほどと同じく紙に書いて投票してもらう。」

 

 

 挙手制だと、票が偏りがちになる事が多いと思ったのか、結局、めんどくさいらしい、紙での投票方式になった。

 挙手制だと、日本人だから、誰かが挙げたら挙げる。だから、票が偏りやすい。

 女子校だとどうなのか分からないけど…多分、変わらないと思う。

 

 

「今回も名前と、簡単に、選んだ理由を書いてもらう。あと、『自分』は禁止だ。分かったな?神無月。」

 

「はーい。」

 

 

 まぁ、天地がひっくり返っても私が当選することは無いだろうし、別にいいけど……どうしても、私を投票してくれた頭のおか……優しい人に、なんと言うか、申し訳が立たない。

 

 

「はい2分経ったから回収なー。」

 

 

 私は、めちゃくちゃ悩んだ末に……神無月さんにした。

 なんとなく、一番票が集まりそうだったから。あと、むっちゃんと仲良く出来そうだから。…まぁ、むっちゃんなら誰とでも仲良く出来るだろうけどね。

 

 

「…これまた面白い。またもや超僅差だ。まずは、投票数だけ発表していく!」

 

 

 一位 9票

 二位 6票

 三、四、五位 5票ずつ

 

 むっちゃんには投票の権限がないので、合計30人で全てだ。

 

 

「そしてこれの面白いのが…この立候補者5人の票を抜いた場合、全員同票になる、という事だ。」

 

「お~!凄い奇跡!」

 

「みんな同じくらい魅力的、という事だね~」

 

「…やるわね」

 

 

 色々ツッコミどころはあるけど…まず私、立候補してないし。あと、私がみんなと同じくらい魅力的なわけがない。私達では、格が違う。(私が下で、みんなが上です。)

 

 

「一位はやはり……」

 

「…まぁ、姫香じゃないのならば何でもいいわ。」

 

「うんうん。一番お似合い、だもんね!」

 

「それな~!」

 

 

 みんなもう、勘付いている様子……これは…………恐らく、神無月さんが一位だろう。

 私と同じように、みんなが神無月さんに投票し、神無月さんのみ、他の誰かに投票した。

 これなら全ての辻褄が合う。

 

 

「なんだ?みんなもう、見当がついてるのか?」

 

「「「「「はい」」」」」

 

 

 まぁこれは、少し考えれば分かる。…神無月さんは、自分への自信が凄すぎるから気づいたのかな…?一番お似合いって自分で言えるの、本当に凄いな…

 

 

「そうか、流石だな。じゃあ発表するぞ。副委員長は────」

 

 

 神無月さん。神無月さんならこのクラスをよりよく──

 

 

「夏子 文月!」

 

「流石なつk…夏?……夏子………えぇぇぇえッ!!?私っ!?」

 

 

 わ、わわわわわわわわわわわ、わたたたたたわたし!?!?わを言いすぎてゲシュタルト崩壊してきたよ…

 いや、そんなふざけてる場合じゃなくて、ヤバいって!て、なんで私!?バグ?!

 

 

「なんで驚いてるのー?」

 

「当然の結果ってやつっしょ!」

 

「え、いや、なんで…なんで私…」

 

「ここにいる四人全員があなたに投票したのですわよ。自信持ちなさい!」

 

「…」

 

 

 …………え、いや、まだ全然実感湧かないんだけど…私が、副とはいえ、学級委員…?いや、というか、なんでみんな私に投票したの?特に、如月さん!なんで!?

 

 

「逆に二位は誰だったの~?」

 

「みっちゃんが入れた一人、確かに気になる…!」

 

「えー、二位は神無月だ。危なかったな。」

 

 

 私のことは蚊帳の外で、二位の話をしてる……私、まだ全然現実を受け止められてないんだけど?私に投票した理由とか…

 

 

「ふみふみ、私のこと一番好きなんだ~!……って、危なかったって何?」

 

「くっ負けた!」

 

「……なんだか負けた気分ですわ…」

 

「…」

 

 

 むっちゃんと気が合いそうだから、なんて適当な理由、口が裂けても言えないな……

 

 

「まぁ、じゃあ決まったというわけで…実は、あと一時間あるんだ。…本当の本当に、もうやることないぞ?」

 

 

 え、私本当に副学級委員長なの?え、本当に?私が?何もできないよ?いや、本当に。こんな軽いことある??

 

 

「じゃあ今度こそゲームしましょ!ゲーム!」

 

「まぁ、それも一つの手だな。」

 

「マジ?田中っち神!」

 

「……まだ、決まったわけじゃねぇからな?」

 

 

 なんか、デジャブを感じる。

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