トクベツな学園に入学した普通な私、何故かトクベツ側のみんなから迫られる!?~ただ私は平穏に学園生活を過ごしたいだけなのに~   作:青いバケモノ

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十六夜姫華とのデート②

「えぇっ!?急な告白!?」

 

 

 というかそういう所ってどういうところ!?

 

 

「あなたがどんな事を考えてそれを私に言うという結論に至ったのかは分かりませんが……その結論に至る時点で、良い意味で普通では無いですわね。その、普通では無いところが、嫌いではないですわ。むしろ好きよ。」

 

「あ、ありがとうございます…?」

 

 

 なんか、突然めちゃ褒められた…んだよね?褒めに見せかけた、罵倒じゃないよね?

 いや、大丈夫なはずだ。十六夜さんなら、罵倒は遠回しではなく、直接的に言うはず……如月さんに対してはそうだったし。…私に対してはどうかは知らないけど…

 いやでも、私は「普通」だよ。個性も何もない、量産型女子高校生。…あの学校に通う人間としては普通すぎる、ザ・普通な人間…なはずだ。

 

 

「そうね。私《わたくし》の場合は、こういう時は貰うのが正解よ。あと、こういう時は…そうね。夏子さんの場合、自分に置き換えて考えてみれば、答えは出るのかもしれませんわね。」

 

「自分に置き換える…?」

 

「私《わたくし》を、夏子さんに。夏子さんを、私に入れ替えて考えるのですわ。」

 

「私が十六夜さんにグッズをプレゼント……」

 

 

 …確かに、それで拒否され続けたら普通に悲しい。ということは、やっぱり受け取るのが正解…?

 

 

「考えた結果、夏子さんはどうします?」

 

「ありがたく頂戴します…!」

 

 

 ということで、私は十六夜さんから、グッズをありがたく頂戴した。ピンクの一頭身、かわいい。

 

 

「じゃあ、私も引いてみます!」

 

「人が開けてるのを見るのも、なんだか楽しいですわね。」

 

 

 星の戦士が欲しい…!一頭身のピンク!…私は、一頭身キャラが好きなのだ!かわいいし、かわいい。

 お願い!間違えてもコックイワサキだけは………

 

 

「こ、コックイワサキ…」

 

「……運が悪いですわね…」

 

 

 なんで、よりにもよって十六夜さんの欲しがってるコックイワサキが、私の時に………いや、これ、十六夜さんが欲しがってるんだから、十六夜さんにあげればいいじゃん。

 そう考えたら、一概にハズレとも言えないな、コックイワサキ。

 

 

「十六夜さんに、これあげます!」

 

「……マジですの?」

 

「うん。私が欲しかった星の戦士は、十六夜さんに貰いましたし!」

 

 

 ………いや、スルーしそうになったけど、マジですの?って、何?「マジ」なんて、お嬢様が使うの?若者言葉とお嬢様言葉が合わさって変な感じになってるよ…

 

 

「それは……ありがたいですわ。」

 

「等価交換…的な?…いやまぁ、コックイワサキと星の戦士では人気差の格が違うけど…」

 

 

 って思ったけど、実はコックイワサキって結構人気なんだよね…サイコパスな言動だったりが、面白くて…

 グッズとしてはマジで要らないけど。(※あくまで夏子の意見です)

 

 

「まさかこの私《わたくし》が施しを受けるなんて…これが、人生、最初で最後ですわね。」

 

「……もしかして、余計なお世話でしたか…?」

 

「あ、いや、そんなつもりは無いですわ。グッズは確かに自分で集めたい派ですが、これはまぁ、気分的に大丈夫ですわ!」

 

「それなら良かったです…」

 

 

 でも、確かに言われてみれば、お嬢様って他人からの施しは受けません!みたいなイメージある…今度から余計なことはしないでおこう…

 

 

「私《わたくし》の趣味……あとは、そうね。私《わたくし》は、よく漫画を読みますわ。」

 

「漫画!?」

 

「そんな驚くことかしら…最初は、ゲームに付随して、その関連の漫画しか読んでいなかったのですが…読んでいくにつれ、漫画の奥深さに気が付きましたのよ。」

 

「漫画の奥深さ……例えば、コマ割り…とか?」

 

「そうね。それもあるわ。ただ、私《わたくし》が一番漫画に惹かれたのは…細かい「表情」よ。」

 

 

 表情……分かる…!アニメよりも、もちろん小説よりも、圧倒的に細かく表現し切ることが出来るのが、漫画。ミリ程度の目の動きでさえ、感情を読み取ることが出来る。表情だけで、この先の展開の伏線にもなり得る。漫画を読めば読むほど、そういうことに気づけて、本当に楽しい。

 

 

「一コマ一コマ変わることもある、表情!どこを見ているのか、何を考えているのか、何を感じているのか。ギャグ漫画でもそうよ。「何考えてるんだコイツ」っていう顔とか好きなのよ。」

 

「分かる!…実はちょっと、言いづらいんだけど…」

 

 

 今更、私実はアニメ漫画小説大好き人間なんです!なんて言ったら、なんでさっき言わんかったん。ってなると思う…けど、十六夜さんなら、言っても大丈夫。…いや、言いたい。共通の話題で、盛り上がりたい。

 そう思った。

 

 

「実は私は、アニメ漫画小説とか、いわゆる2D、ツーディメンション、二次元と呼ばれるものが大好きでして…」

 

「ほう…」

 

 

 十六夜さんが、顎に手の甲を当てて、私の話を聞く。これは、十六夜さんの手癖?だ。よくこうしてる。…なんか、お嬢様の定番のポーズって感じで、本当に、絵になる……完成されたポーズ感があって…美しい。

 

 

「そういう事なら…行く所は、一つですわね。こんなことしてる場合ではないですわ!行きましょう夏子さん!」

 

 

 そう言うと、十六夜さんは私の手を引いて早歩きし出す。

 

 

「え、ちょ、どこにですか!?」

 

 

 あと、手!ナチュラルに手繋いでるけど、私むっちゃんとも手繋いだことないんだけど!?

 あ、なんか、柔らかい……スベスベだし…流石十六夜さん、手も美しい……私、手汗とか大丈夫…じゃないよね!?明らかに緊張してるし、ヤバい!でも、振りほどく訳にもいかないし……詰んだ…

 

 

「あ、あああああの、わたわたわたし、手汗とか……」

 

「手汗なんて、そんなの生理現象ですわよ?気にしませんわ。そもそも、私《わたくし》が気にする人だったら、自分から手を繋いだりしませんわ。」

 

「あ、それはよかったで…す…………え、私、手汗ありますか?」

 

「ええ。緊張しているのですわね。」

 

「え、えと、それは…家族以外で、手を繋ぐのなんて初めてなので………」

 

 

 生理現象とはいえ、私が緊張、意識しすぎてるだけだし………というか、やっぱり手汗出てるんだ…十六夜さんが気にしないって言ってくれてるけど……私が、めちゃくちゃ気にする。やっぱり、恥ずかしいし!少しでも嫌だと思われたくないし!

 あ、でも、良かった。もう目の前に改札あるし、流石に改札は手を繋ぎながらは通れないよね。

 

 

「…流石に、改札は手を離さなくてはいけませんですわね。」

 

「そうですね。」

 

 

 今の状況、なんか、既視感が…改札の前繋ぐ手と手……確かに、いつものざわめきはある。東京駅だし。高校生活もまだ始まったばかりだし、新しい風でもある。見送るわけじゃなくて、私の場合は一緒に行くけど。

 

 

「名残惜しいですわよね…」

 

「はい………はい?」

 

「この私《わたくし》と繋いだ手を離さなくてはならないなんて、夏子さんからしたら酷なことよね…」

 

「え、いや、そんなことは…」

 

「本心はどうですの?」

 

 

 本心と言われても……手汗とか、気になってたし…寧ろ離したかったって言うか……まぁ、私にそんなこと言えるわけないけど……うーん…まぁでも、十六夜さんの手、すべすべで、ちょっと冷たくて、柔らかくて、確かに嫌だったわけでもないし…

 

 

「…ちょっとは、残念だった…かもです」

 

「…なによ。煮え切らない態度ね」

 

「うっ…すみません…」

 

「まぁ、別にいいですわ。それでこそ夏子さんよね。」

 

 

 ……たくさんある私の悪いところの一つ、「煮え切らない態度」。これは、優柔不断から来るものだと、私は思っている。何を言えばいいのか、熟考した結果、選べなくて煮え切らない態度になってしまう。

 

 そして、もう一つの悪いところは……私は人間運だけは良く、ものすごく性格のいい人が近くにいる。今みたいに、優しい言葉をかけてくれる人が、ありがたいことに、私の周りには、いる。

 そして、そんな優しい言葉をかけられた私は、言葉を直接的にしか受け取ることが出来ないため、またすぐに、「これでこそ私なら、このままでいいや笑」となってしまう。

 だから私はずっと、ダメダメなのだ。

 

 

「それじゃ、池袋へ!行きましょう!!」

 

「池袋!?」

 

 

 池袋って…ここから30分くらい掛かるよね?結構帰り遅くなりそうじゃない…?

 というか―――

 

 

「なんで池袋なんですか?」

 

「池袋には、世界最大の、アレがあるじゃない。」

 

「世界最大のアレ…?…確かに、言われてみれば……」

 

 

 オタクの聖地とも言える、あの場所。近くの所なら行ったことはあるが……世界最大、池袋の、となると話は別だ。

 むっちゃんはアニメとか漫画とか、興味津々!って程では無いから、池袋に行くという選択を取ったことが無かったし……

 

 

「行ったことはあるのかしら?」

 

「無いです…一度も…」

 

「実は私《わたくし》も無いのよ。お互い初めて同士、ということですわね。…初体験…微妙に緊張しますわね…」

 

「初体験って……」

 

 

 ……これは、言い方が悪くない?ちょっと変な想像しちゃっても、私悪くないよね…?

 

 

「私《わたくし》は色々なことを経験しているが故、今更初めて、というものは少ないのですわ…だからこそ、初体験……ワクワクとドキドキが同時に来ますわ…」

 

「言い方…」

 

 

 …そんなこと言ったら、逆に、私は初めてだらけだよ。楽器なんてほとんど触ったことないし、スポーツもバスケ以外ほとんどやったことがない。

 

 

「ここから池袋まで約30分…意外と掛かるわね……明日は休みですが…夏子さん、あなた、門限とかありますの?」

 

「門限…特には…」

 

「そう。じゃあ、今日帰りたい時間とか決まってます?」

 

「……特には…」

 

 

 中学生の頃は、むっちゃんと家が近かったのもあり、遊びは1から100まで本当に、全部むっちゃんが決めていた。もちろん、むっちゃんは私の行きたいところを聞いたりしてくれていたが、大体はむっちゃんだ。帰る時間も、全て。

 だから、当たり前のように何も考えていなかった…

 

 

「そう。なら、少しばかり、遅くなりすぎても大丈夫ですわよね?」

 

「……多分…?」

 

「一応、保護者の方に連絡しておきなさい。私《わたくし》もしておきますので。」

 

 

 十六夜さんに言われた通り、お母さんに連絡する。

 

 夏子(今日ちょっと遅くなるかも)

 お母さん(おっけ〜。じゃあ、帰る時言ってね。駅までお迎え行くから。)

 夏子(え、そんな、悪いよ。)

 お母さん(いいのよ。夏子は全力で遊んで来なさい。)

 

 遊びだなんて一言も言ってないのに……流石お母さんだな…

 

 夏子(ありがとう!)

 

 親への感謝を忘れない。これだけは、何に変えても守らなければならないことだと思う。

 

 

「男はいないですわ。かわいい女の子よ。…だから、二人きりですって!」

 

 

 …揉めてる?お嬢様だから、やっぱり門限的な…?それに、声も荒らげてる…如月さんとの喧嘩は大体淡々としてるから、ちょっと意外だ。

 

 

「……夏子さん、私《わたくし》と、ツーショット…写真、撮ってもらえません?」

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