装備の確認をした後、俺は壁に張り付き、敵兵が来るのを待つ。
数分して敵兵が来て背中を向ける。
俺は咄嗟に敵兵を掴み、スタンロッドを敵兵の首元に突きつけ、尋問を行う。
「言え、出口はどこだ?」
「こ、ここから西に行ったところだ…!」
「そうか、恩に着る」
スタンロッドを当て、気絶させる。
俺は姿勢を中腰にし、足音を立てずに出口に向かう。
遮蔽物に隠れながら前進していると、敵兵二人の会話が聞こえた。
「プライベート・フォース?民間軍事会社の連中が、この辺境な地に何の用で来たんだ?」
「いや、あれだよ。核抑止云々の話さ」
核抑止?まるでピースウォーカーかファントムペインの話に聞こえてくるな。
「何でも近いうちにここが戦場と化するらしい」
「マジかよ…戦争屋じゃねぇか」
恐ろしい話を聞いたな。近いうちにプライベート・フォース(通称PF)が戦争引き起こすとかやりたい放題だな。
下手くそなPLでもそんな無慈悲なことしねぇよ…。
目的はなんだ?俺の知ってるメタルギア世界のPFは複数あるが…少なくてもファントムペインのPFではなさそう。
まぁ俺には奴らに対抗する術は持たない。
さっきまでCQCが出来たり、スタンロッドの扱い方も記憶が戻る前の俺が持ってる感覚と知識にすぎないからな。
敵兵の巡回をかわしながら出口を目指す。
留置場から数キロ離れたところで、俺は深く息を吐いた。
「ふぅ…さて、ここからどうしようか。敵兵たちの話によれば、ここは近いうちに戦場に変わる。となればこの地域に何かあるはずなんだが…まずは留置場以外の施設を目指してみよう」
*
それから3時間。休憩を挟みながら別の軍事施設を目指していると、近くで銃声が鳴った。
「何だ?」
銃声がした方向。看板には「資材集積所」と記されてある。
ここら辺の地域にゲリラ兵でもいるのか?
急いでそのエリアに侵入する。
特に敵兵の死体こそないものの、気絶してる兵士が多い。
俺以外にも単独潜入している奴がいるという事だ。
「誰だか知らないがラッキーだ」
気絶した敵兵からグレネード、無線機を奪う。
「ん?この無線機、ID登録されて無い?」
よく見ると、新品の無線機だった。ID登録をしていないものであり、使われる前に気絶させられていたようだ。
「とりあえず、傍受されないようにするとはいえ、どこかで戦闘している可能性があるし、その無線を傍受してみるか」
無線機のつまみを回す。数秒経つと何かの無線を傍受できたようだ。
『CP!CP!こちらズールー3…
『こちらCP、了解。気を付けろ、敵は近くにいるはずだ。探し出せ』
あれ?あの銃声は敵に見つかっていたのか。ここまで気絶させておいて見つかるミスはゲームでは珍しい話ではないが、現実になると話が違ってくる。
やられて無ければいいが…。
途中で敵兵が巡回に来て、気絶した味方を起こしにかかってる。
これ出れるか心配だな…。
「ん?あれは…?」
突然トラックのエンジンが起動する。乗っている人物は見たことない人だ。
後ろの荷台にもう一人の人物が乗っていくのも見えた。
奴らが騒ぎを起こしたのだろうか?急遽そのトラックを追いかける。
俺に追跡されてることに気づいていないのか、そのまま走り去る。
ただ、俺も黙ってこの集積所を去るわけじゃない。
潜入してる中で地図や資料の数枚を奪い、脱出した。