青空の下で、管理人と司書補は何を見る   作:Olrand621

6 / 8
投稿が遅くて申し訳ない。他の方々はなんであんな速度で投稿出来るんだ…?


DAY1 RESULTS

「ここがシャーレのメインロビーです。」

 

 七神に案内された場所には、『空室、近日始業予定』と書かれた紙が貼られていた。

 

「長い間空っぽでしたが、ようやく主人を迎えることが出来ましたね」

 

 部屋に入ると、かなり広々としたオフィスがあった。

 

「部室です。ここで先生のお仕事を始めると良いでしょう」

 

「…そういえば、未だに詳しい業務内容を聞いていなかったな。具体的に、俺は何をすれば良い?」

 

「シャーレは、権限だけはあるものの、目標がない組織です。これといって特に何かしなきゃ行けない、という事も在りません。」

「キヴォトスのどんな学園の自治区も自由に出入りでき、所属関係なく先生の希望する生徒達を部員として加入させることも可能です。

 面白いですよね、捜査部とは呼んでいますが、その部分に関しては連邦生徒会長も特に触れていませんでした。」

 

「それ、つまりキヴォトス全体の雑用係ってことじゃ無いんですか?」

 

「いいえ。....なんでも先生たちのやりたいことをやって良い、ということです。本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま。私達は彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起こる問題に対応できるほどの余力はありません。」

 

「今も連邦生徒会に寄せられてくるあらゆる苦情。支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなど。もしかしたら時間が有り余ってるシャーレであれば。

 この面倒な苦情の数々を解決できるかもしれませんね。」

 

 そう、七神は微笑を浮かべながら言ってくる。自分で面倒な苦情と言っているのに笑顔でそれを他人に任せようとする辺り、中々したたか*1だ。

 

「その辺りに関する書類は、机の上に沢山置いておきました。 気が向いたらお読みください。

 全ては、先生の自由ですので。

 

…ああ、それと」

 

 彼女は少しお待ちください、と言って部屋を出て行く。数分後、アタッシュケースを持って来て、それを俺に渡して来た。

 

「こちらは先生、そして司書補の皆様に連邦生徒会長が遺した物です。中身は私も分かりません」

 

 手渡されたアタッシュケースを開けると、そこには14個の腕時計型のデバイスが入っていた。ちょうど、ここにいる司書補に俺を合わせた人数と同じ数だ。ひとまず全員に装着させ、自分の物を起動させる。

 

 そしてそこに表示された文字に、目を見開くことになった。

 

「E.G.O管理システム…だと……?」

 

 それを口に出した瞬間、俺はようやく七神L社の外の人間がこの場にいることを思い出した。

 

「…七神。何度も悪いが、少し席を外してもらえるか?」

 

「…そんなに重要な物だったのですか?」

 

「ああ。俺と司書補以外には、あまり見られたくない程度にはな」

 

「…分かりました。それでは、私は一度戻らせていただきます。必要な時は連絡しますので、それまでどうぞごゆっくり」

 

 そう言うと、七神は一礼してから部屋を出て行った。彼女が遠ざかっていくのと、誰も来ていないことを確認した俺は、改めて腕に付けたデバイスについての検証を始める。

 

「アントン、一度L社で使っていたE.G.Oを取り出してみてくれ」

 

「ふむ、俺がか?」

 

「この中で最もE.G.Oの適性が高いのはお前だ。もし侵食を受けたとしても、お前ならば耐えられるだろう?」

 

「それもそうだな。少し待ってくれ」

 

 アントンがいくつかの操作を行うと、突然その姿が変わる。肩には黄金の目、腹には赤い大口が生え、包帯が巻きついたコートに包まれる。そして右手にはコートと同じように黄金の目が生えた黒い羽の大剣、左手には肉のような質感のグロテスクな大剣が握られていた。

 

 間違いなく、それは"黄昏"と"ミミック"…司書補図書館ではなく職員L社の頃のアントンが使用していたE.G.Oだった。

 

「どうだ、何かおかしい所はあるか?」

 

「いや、特に問題は無いな。あの鬱陶しい声も…しっかりと聞こえて来やがるしな」

 

「…連邦生徒会長は、どうやってこんな機械を作ったんだ?というか、そもそもL社にE.G.Oって残ってるのか?」

 

「L社が崩壊した時に、ほとんどが外部の人間によって回収され、残った僅かなものもアンジェラがL社を図書館に作り替えた時に、図書館に取り込まれたはずだ。埋没した支社はともかく、本社のE.G.Oは残っていないはずだが…」

 

「はぁ…意味が分からないな…」

 

 連邦生徒会長…奴は一体なんなんだ?

 

「…そういえば管理人、この世界でE.G.Oって明らかなオーバーパワーじゃないか?生徒相手に振るう訳にはいかないだろうし、何かしら決めておいた方が良いんじゃ無いか?」

 

「いや、その辺りの規則は追って決めることにしよう。ひとまず…」

 

 一度言葉を切って、顔を扉の方に向ける。その向こうからは、数人の足音が聞こえていた。

 

「あいつらを労うことが、先決だろう」

*1
???「急ぐことないし、ゆっくり始めようか。」




一応プロローグはこれで終わりになります。こんなに長くなる予定じゃなかったんですけどねぇ…。
今のところ、アビドス編に入るまで数話挟む予定です。
…いつ本編を始められるかなぁ…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。