【実話】あの踏切で起きたことを書く   作:yami_craft

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第3話をお読みいただきありがとうございます。

前回、「見ないでください」というメモを拾いました。
今回は、そのメモを持ち帰った後の話です。
そして、私が初めて「声」を聞いた夜のことを書きます。

それでは、どうぞ。


声

メモを持ち帰った。

 

 理由はわからない。

 

 持ち帰るべきではなかったと思う。今でもそう思う。でもあのとき、何かに引き寄せられるように拾って、ポケットに入れた。

 

 

 家に帰ってから、メモを見た。

 

 白い紙だった。普通のメモ用紙だった。

 

 文字は、震えていた。

 

 鉛筆で書かれていた。筆圧が弱かった。何度も書き直したような跡があった。

 

「見ないでください」

 

 それだけだった。

 

 他には何も書かれていなかった。

 

 

 裏返した。

 

 裏には、何もなかった。

 

 真っ白だった。

 

 でも、何かがあった。

 

 うまく説明できない。でも、何かがあった。

 

 触れると、冷たかった。

 

 紙なのに、冷たかった。

 

 

 机の引き出しにしまった。

 

 しまってから、少し後悔した。

 

 捨てるべきだったと思った。

 

 でも、捨てられなかった。

 

 

 その夜、声を聞いた。

 

 

 午前二時ごろだった。

 

 眠れなくて、布団の中で天井を見ていた。

 

 静かだった。

 

 隣の部屋からも、上の階からも、音は聞こえなかった。

 

 外も静かだった。

 

 車の音も、風の音も、何も聞こえなかった。

 

 

 それから、聞こえてきた。

 

 

 最初は、風だと思った。

 

 窓の隙間から風が入ってきて、何かに当たって音を立てているのだと思った。

 

 でも違った。

 

 窓は閉まっていた。

 

 風は吹いていなかった。

 

 

 声だった。

 

 誰かの声だった。

 

 小さな、細い声だった。

 

 

 何を言っているのか、わからなかった。

 

 言葉として聞き取れなかった。

 

 でも、何かを言っていた。

 

 何かを、繰り返し言っていた。

 

 

 耳を澄ませた。

 

 声は、近くから聞こえていた。

 

 部屋の中から聞こえていた。

 

 どこか、特定の場所から聞こえていた。

 

 

 起き上がった。

 

 声の方向を探した。

 

 机の方から聞こえていた。

 

 机の、引き出しから聞こえていた。

 

 

 メモだ、と思った。

 

 あのメモから、声が聞こえている。

 

 

 近づこうとして、やめた。

 

 近づいてはいけないと思った。

 

 理由はわからない。ただ、そう思った。

 

 

 布団に戻った。

 

 耳を塞いだ。

 

 でも、聞こえた。

 

 耳を塞いでも、聞こえた。

 

 

 声は、ずっと続いていた。

 

 何時間も、続いていた。

 

 朝になるまで、続いていた。

 

 

 朝になって、声は止んだ。

 

 止んだのか、聞こえなくなったのか、わからなかった。

 

 

 机の引き出しを開けた。

 

 メモは、そこにあった。

 

 何も変わっていなかった。

 

 白い紙に、震えた文字で「見ないでください」と書かれていた。

 

 

 裏返した。

 

 裏には、何もなかった。

 

 昨夜と同じだった。

 

 でも、何かが違った。

 

 

 紙が、少し湿っていた。

 

 触れると、冷たかった。

 

 昨夜より、冷たかった。

 

 

 その日、会社を休んだ。

 

 理由は適当に作った。体調不良だと言った。

 

 嘘ではなかった。実際、体調は悪かった。

 

 

 一日中、部屋にいた。

 

 メモのことを考えていた。

 

 捨てるべきだと思った。

 

 でも、捨てられなかった。

 

 

 夕方、もう一度メモを見た。

 

 文字が、少し変わっていた気がした。

 

 気のせいかもしれない。

 

 でも、そう思った。

 

 

 「見ないでください」

 

 その文字が、少しだけ濃くなっていた。

 

 筆圧が強くなっていた。

 

 そんな気がした。

 

 

 夜になった。

 

 また、声が聞こえた。

 

 

 今度は、もっと近くから聞こえた。

 

 机の引き出しからではなかった。

 

 もっと近くから聞こえた。

 

 枕元から聞こえた。

 

 

 目を開けた。

 

 暗闇の中に、何もなかった。

 

 誰もいなかった。

 

 でも、声は聞こえていた。

 

 

 今度は、少しだけ聞き取れた。

 

 何を言っているのか、少しだけわかった。

 

 

「見ないで」

 

 

 そう言っていた。

 

 何度も、何度も、繰り返していた。

 

 

「見ないで」

 

「見ないで」

 

「見ないで」

 

 

 声は、だんだん大きくなっていった。

 

 大きくなって、近くなって、耳元で囁くようになった。

 

 

 耳を塞いだ。

 

 でも、聞こえた。

 

 耳の中から聞こえているような気がした。

 

 

 朝まで、声は続いた。

 

 

 三日目の朝、決めた。

 

 メモを捨てることにした。

 

 

 ゴミ袋に入れた。

 

 それから、外のゴミ捨て場に持っていった。

 

 捨てた。

 

 手を離した。

 

 

 それでも、声は聞こえた。

 

 

 帰り道、ずっと聞こえていた。

 

 部屋に戻っても、聞こえていた。

 

 メモはもうないのに、聞こえていた。

 

 

 その夜も、声は聞こえた。

 

 でも、少し違った。

 

 今度は、別の言葉が聞こえた。

 

 

「ありがとう」

 

 

 そう聞こえた気がした。

 

 何に対しての「ありがとう」なのか、わからなかった。

 

 

 翌朝、踏切を通った。

 

 久しぶりだった。

 

 避けていたが、もう避ける理由もないと思った。

 

 

 踏切に着いた。

 

 何もなかった。

 

 ランドセルも、水たまりも、人影も、何もなかった。

 

 

 でも、踏切の端に、何かがあった。

 

 

 白い紙だった。

 

 メモ用紙だった。

 

 同じものだった。

 

 

 近づいた。

 

 拾おうとして、やめた。

 

 

 文字が書かれていた。

 

 震えた文字で、こう書かれていた。

 

 

「もう一度、見ないでください」

 

 

 私は、その場を離れた。

 

 二度と、踏切には近づかないと決めた。

 

 

 でも、声は今も聞こえる。

 

 毎晩、聞こえる。

 

 小さく、細く、耳元で囁く。

 

 

「見ないで」

 

 

 何を見てはいけないのか、今でもわからない。

 

 

 




──── 第3話、終わり ────

次回は、踏切を避けて遠回りするようになってから起きたことを書きます。
そして、私が「あれ」を見てしまった夜のことを。


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【作者より】
この連載はClaude(AI)を使って生成した作品です(AI支援作品)。
「Claudeで書く恐怖の技法 ホラー創作プロンプト設計書」
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