【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩 作:まだら模様
ついに野獣先輩が仮免を取るのか…
まあ元から皆のヒーロー(?)的な感じでしたから野獣先輩ならきっとなんとかしてくれるでしょう!
キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊の可能性があります。
ご注意ください。
野獣先輩には是非とも王道を行くようなヒーローの鏡になって欲しい(小並感)
でもサイクロップス、バットマン(淫夢)とか仮面ライダービースト(淫夢)とかガンバマン、アナルナサシンとか色んな世界線の先輩もきっといるはず…
そんなマルチバース淫夢(外伝)が奇跡的に揃う外伝なんかも評価付与が50を超えたり、感想をいただけたら実現したりしなかったりするかもしれません…
第12話「緊張は(ないです)(仮免試験・前日まで)」
仮免試験の告知があった。
相澤が朝のHRで言った。淡々と言った。「今年は特別措置で1年生も受験できる。希望者は申込書を提出しろ。ただし——」
相澤が全員を見回した。黒い目が教室の端から端まで走った。
「雄英ブランド目当ての他校が全国から集まる。お前たちは目立つ。最初から集中攻撃される。それを踏まえて判断しろ」
緑谷が真っ先に手を挙げた。一瞬の迷いもなかった。爆豪は話が終わる前に申込書を取った。相澤が「まだ話し終わっていない」と言ったが爆豪は無視した。
飯田が「雄英の名に恥じない戦いを!!」と立ち上がりながら申込書を取った。切島が「行きます!!」と言いながら取った。麗日が静かに取った。砂藤が「まあな」と言いながら取った。上鳴が「えっ受けるの俺も受けるっす!!」と慌てて取った。
野獣先輩も申込書を取った。
「野獣先輩さん、申込書取りましたね」
「やりますねぇ!!」
「やるんだ!!」
上鳴が嬉しそうに言った。野獣先輩は上鳴を見た。今日の上鳴は体育の後で制服の第一ボタンを外している。首のあたりが——首の付け根の骨格が、こう——
……何もない。
「ガリガリだからねしょうがないね」
「野獣先輩さんが言うと俺が言われてる感じがする! 俺ガリガリじゃないですよ!? 体育あったんでポンプしてますよ!?」
「ないです」
「あるのか!? どっちだ!? ポンプしてる自覚はあります!?」
「多少はね?」
「多少あるんだ!! じゃあガリガリではないじゃないですか!!」
上鳴がプリントを見ながら「試験まで一週間か……ちゃんと受かるかな」と呟いた。
「ちゃんと、ベスト出せるようにね」
上鳴が止まった。「——え? 今の、俺に向けて言いました?」
「当たり前だよなぁ?」
「……なんか急にやる気出てきた。語録の効果ですか?」
「多少はね?」
「多少は効いてる!! ありがとうございます!!」
後日、相澤が野獣先輩だけ別室に呼んだ。
職員室の隅で向かい合った。相澤の寝袋が机の下に丸まっている。いつも通りだ。目の下が少し暗い。昨夜も寝袋で過ごしたのだろう。
「試験について一点言っておく。お前の索敵と転移は試験で有効に機能する。ただし——矢印系の語録が特定の動き方と関連していると、使い込む内に他校に読まれる。矢印の方向を変えて使え。同じ組み合わせを連続で使うな」
「ありますあります」
「ある。——もう一点。声なし発動の訓練は続けているか」
「多少はね?」
「三割前後の出力か。把握した。試験中、声を封じてくる相手には無声で対応しろ」
「はっきりわかんだね」
「分かったなら……」
相澤が少し止まった。
「……「はっきりわかんだね」というのは把握した、という意味か」
「当たり前だよなぁ?」
「……そうか」
相澤が立ち上がった。書類を取り出した。
「——もう一点だ。索敵の「範囲」と「精度」、どちらを優先できるか」
「ありますあります」
「両方できる、か。——試験中、一点集中の精度索敵と広域カバーを切り替えろ。二百メートルの広域で全員の位置を把握しつつ、特定の一人を深く追う——それができると戦術の幅が広がる」
「センセンシャル!」
相澤が眉を動かした。「……今の語録は?」
「ありますあります」
「索敵範囲の拡張系か」
「当たり前だよなぁ?」
「……試験中に使えるなら使え。——ただし使いすぎると頭痛が出るタイプの語録か?」
「多少はね?」
「多少出る、か。連発はするな。温存しておいて、ここぞという場面で使え」
「はっきりわかんだね」
相澤が立ち上がった。それから——寝袋に向かって歩き始めた。
潜りながら呟いた。
「……これもうわかんねぇな」
野獣先輩が止まった。
「……今のは」
寝袋の中から声がした。
「聞こえていない」
「ないです」
「聞こえていない!!」
野獣先輩は職員室を出た。
廊下で一人前を向いた。
「やったぜ。」
相澤の素が出たのはこれが初めてではなかった。でも本人が認める気配は今のところゼロだ。
試験前の自由時間、野獣先輩は校舎裏で一人訓練していた。
石を並べて的を作った。距離を変えながら語録の効果範囲を確認する。
「見とけよ見とけよ~」
目の前の練習用ダミーに向けて言った。ダミーの「視野」がこちらを向いた。誘導注視——相手の注意を固定できる。「見ておけ」という命令が「見る」という行為を強制する原理だ。応用として、一点に注意を集めながら別方向から動く、という囮戦術に使える。
「オイル塗ろっか?」
ダミーの足元に向けた。地面との摩擦が消えた。ダミーが滑った。転倒させられる。あるいは——自分に使えば、拘束された時に縄の摩擦を消して抜け出せる可能性がある。
「暴れんなよ…暴れんなよ…」
倒れたダミーに向けた。動きが止まった——正確には、「動こうとする意思」を抑制する効果があった。完全拘束ではないが、「じっとしていてほしい」場面には使える。「二回繰り返す」ことで強度が増した気がした。
「ぬわああああん疲れたもおおおおおおおおおん」
広範囲に向けて放出した。周囲の木の葉が揺れた。練習に来ていた別学年の生徒三人が急に「……なんか疲れてきたな」と言って帰っていった。一人が「俺今日調子悪いのかな」と言いながら歩いていった。本人には分からない。
「……ありますあります」
範囲疲労撒き散らし。使いどころを選ぶが、場を制圧するには使える。ただし自分も少しだるくなった。
次の語録を試した。
「イキますよ〜イキますよ〜」
宣言してから——「こ↑↑こ!!」を放った。
ダミーが視界から消えた。真上に射出された。通常なら二十メートルがせいぜいだが、今日はその三倍以上の高さまで上がった。しばらく経ってから遠くで落下音がした。
「……ありますあります」
「イキますよ〜」を事前に使うことで次の語録に威力ボーナスが乗る。「予備動作」として機能する。武道の「ため」と同じ原理だ。ただし宣言するので相手に「何かが来る」と分かる。一試合に何度も使える技ではない。切り札だ。
「上手くいってますか!!」
上鳴が走ってきた。今日は自主練のようで私服だった。黄色のTシャツ。腕の筋肉が——腕の動きがいい、機能的な筋肉の付き方をしている。
……何もない。筋肉は重要な個性の土台だ。観察しただけだ。
「見てほしいんすけど! 俺も新しい使い方を考えたんですよ!!」
「やりますねぇ!!」
「乗り気!!」
上鳴が電撃を地面に流す練習を見せてくれた。「放電を点ではなく線で走らせる練習してるんですよ! これがうまくいけば転倒させつつ広範囲に——」
「ああ^~いいっすね^~」
「いいっすか!! じゃあ野獣先輩さんも見せてくださいよ! 今やってたやつ!」
「じゃけん行きましょうね~」
「一緒に練習しましょうってことっすか!!」
二人で練習した。上鳴が野獣先輩の語録効果を記録していった。
「「暴れんなよ…」って動き抑制っすか! それ試験の終盤に温存しておくといいっすね! あと「見とけよ」で注意固定して、「こ↑こ↓」で転移——これ連携できますよ!!」
「はっきりわかんだね」
「わかりましたね!! あと——「イキますよ〜イキますよ〜」って宣言してから威力上がるやつ! あれ俺の電撃と組み合わせたら、俺が「イキますよ〜」言ってから電撃撃ったら威力上がりますかね!?」
「多少はね?」
「多少上がる!! 試してみたいっす!!」
「ありますあります」
上鳴が電撃を構えた。「イキますよ〜イキますよ〜」と宣言してから——放った。
普段より少し太い電撃が出た。
「上がった!! 上がったっすよ!! 語録効果って他の人も使えるんすか!!」
「多少はね?」
「多少使える!! これ応用が広すぎる!!」
上鳴が興奮した。野獣先輩は上鳴の目が輝くのを見た。
「よし、俺と野獣先輩さんで試験中に連携しましょう!!」
「オッスお願いしまーす」
「こちらこそです!!」
上鳴が握手を求めてきた。手が大きかった。指が長かった。
……何もない。握手だ。
-
夕食は全員で食堂に集まった。
今日のメニューはカレーだった。でかい鍋がカウンターに並んでいて、各自でかけるスタイルだ。切島が「タンパク質も取りたい!!」と言いながら肉を三倍に追加していた。爆豪が無言で食べていた。爆豪のカレーは辛さ増しだった。食べる速度が速い。耳郎がスマホを見ながら食べていた。飯田が「食事中のスマホは!!」と言ったが耳郎が「いい曲見つけたんだよ」と言ったら黙った。
「野獣先輩さん、隣いいですか」
砂藤が来た。
「ありますあります」
砂藤が向かいに座った。無言でカレーを食べ始めた。砂藤はこういうタイプだ。しゃべらなくても一緒にいる。
砂藤の横顔を見た。鼻の形がいい。眉が太い。顎が——
……何もない。本当に何もない。観察癖だ。
「ないです」
「何が?」
「多少はね?」
「……何が多少あるんだ」
「ありますあります」
「……お前の会話はよく分からん」
砂藤がカレーを食べた。野獣先輩もカレーを食べた。
食堂の声が賑やかだった。
「ああ^~いいっすね^~」
野獣先輩が言った。
砂藤が少し笑った。「……そうだな」
悪くない夜だった。
消灯前の廊下で爆豪とばったり会った。
「お前、試験はどう動くつもりだ」
爆豪が聞いた。
「ありますあります」
「索敵で把握しながら動くってことか。……他校が雄英を狙ってくるのは分かってる。お前は最初から的になる。語録が個性だと把握されてたら声を封じに来る」
「多少はね?」
「対策はしてるってことか」
「当たり前だよなぁ?」
「……分かった。じゃあ俺は俺で動く。邪魔すんな」
「ないです」
「邪魔しないってことか。……ていうかお前、前から気になってたんだけど」
爆豪が少し声を落とした。
「何でいつも男のことじっと見てんだ」
野獣先輩が止まった。
「……見てるか?」
「見てる。切島の時も砂藤の時も今さっき俺の時も。何か観察してるよな」
「ないです」
「ある! 今絶対見てたろ!!」
「多少はね?」
「多少は認めてる!! 何で見てんだよ!!」
「ありますあります」
「何がある!? 答えろ!!」
「王道を征く」
爆豪が頭を抱えた。「……語録でしか答えられないの分かってて聞いた俺が悪かった」
爆豪が自分の部屋に帰っていった。
野獣先輩は廊下に一人残った。
「やりますねぇ!!」
誰もいない廊下に言った。
試験は明日だ。
「大会近いからね、しょうがないね」
部屋に戻った。
部屋の電気を消して、天井を見ながら今日整理した語録の解釈を反芻した。
試験当日、どれをどの場面で使うか——頭の中で整理しておく。
**【現時点での語録運用まとめ(野獣先輩の頭の中)】**
こ↑こ↓——基本ワープ、転移。
こ→←こ——左右から圧縮して拘束。
こ↑こ→——斜め上に弾き飛ばす。
こ←こ↓——左にそらして叩き落とす。
こ↑↑こ——真上に高く射出。
菅野美穂——無音歩行。または「存在を曖昧にする」索敵回避。
TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR——索敵展開。
センセンシャル!——索敵範囲拡張・全感覚拡大(頭痛注意・温存推奨)。
やべぇよやべぇよ——危機察知。または周囲に危機感を伝播。
見とけよ見とけよ~——相手の注意を固定、誘導注視。
ホラホラホラホラ——自身または周囲の行動加速。
暴れんなよ…——相手の動作意欲を抑制(二回で強化)。
ぬわああああん疲れたもおん——広範囲疲労撒き(自分にも効く・注意)。
緊張すると力出ないからね——相手の個性出力を一時的に低下。
オイル塗ろっか?——摩擦消去、転倒誘発、拘束解除。
俺も後から洗ってくれよな~——遅延発動型効果を付与。
†悔い改めて†——相手の状態を少し前に差し戻す。
痛いですね…これは痛い——自己または相手の痛覚操作。
ちゃんと、ベスト出せるようにね——味方の個性出力上昇。
イキますよ〜イキますよ〜——次の語録に威力ボーナスを付与する予備動作(切り札・使いすぎ注意)。
まだ解釈できていない語録も多い。でも今日判明した分だけで、試験を乗り切るには充分だ。
「大会近いからね、しょうがないね」
試験本番。それが全て分かる。
目を閉じた。
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——第12話 了——
【今話の新語録追加】
- `センセンシャル!` → 相澤との個別指導シーンで索敵拡張として自然に初登場。相澤が「頭痛が出るタイプか」と的確に分析する
- `イキますよ〜イキますよ〜` → 個人訓練で発見・上鳴との合同訓練で「他人にも使える」ことが発覚。試験への伏線
- 語録一覧に両語録を追加
野獣先輩も頑張ってるってはっきりわかんだね…
皆さんもこの野獣先輩の努力に是非評価付与や感想で「やりますねぇ!」と賛辞を送りましょう!
野獣先輩も作者もエネルギッシュ♂になります!