【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩   作:まだら模様

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今回はいよいよ作戦会議会です。
はやくエリちゃんを助けられるように頑張って欲しいですね…

キャラの語彙などの崩壊、ストーリーなどの崩壊の可能性があります。
ご注意ください。

感想、評価付与は野獣先輩から感謝の「ありがナス!」が届きます!


第21話「(会議室に)入って、どうぞ(八斎會・合同会議)」

 

 

 合同会議の前日、ナイトアイが事務所全員を呼んだ。

 

 棚のフィギュアが全部こちらを向いていた。ナイトアイが立っていた。表情がいつもより固かった。

 

「明日、各事務所の代表者が集まる。テーマは八斎會——オーバーホール、治崎廻についての情報共有と作戦立案だ」

 

「やべぇよやべぇよ」

 

「その認識で正しい。——参加事務所は複数ある。エッジショット事務所、ロックロック事務所、ガンヘッド事務所、ミッドナイト、そしてホークスの事務所も参加する」

 

「ありますあります」

 

「ある。——野獣先輩、お前は今回の会議で重要な役割を担う」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前ではない。——お前の索敵範囲と精度が、作戦の核になる。八斎會の地下施設の規模を把握できる個性は今のところお前だけだ」

 

 ミリオが「野獣先輩、すごいっすよ!!」と言った。バブルガールが「……責任重大ですね」と言った。

 

「はっきりわかんだね」

 

「分かっているなら——明日は最高の状態で臨め」

 

「ン~いい時には結構いくね」

 

「いい状態であることを祈っている。——以上だ。今日は早く休め」

 

-

 

 事務所近くの宿舎に戻った。

 

 インターン期間中、野獣先輩はナイトアイ事務所の近くの宿舎を借りていた。雄英からは少し離れている。

 

 布団に入った。

 

 眠れなかった。

 

 天井を見た。索敵を展開した。

 

「TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…」

 

 夜の街。眠っている人間が多い。気配が穏やかになっている。これが「夜」の気配だ。百年以上生きてきて、この感覚は変わっていない。

 

 でも——今夜は落ち着かない。

 

「やべぇよやべぇよ」

 

 独り言が出た。誰もいない部屋に出た。

 

 明日、プロヒーローたちが集まる。野獣先輩の索敵情報を元に作戦が立てられる。

 

 百年以上生きてきて、人の命がかかった場面には何度も立ち会ってきた。慣れているはずだった。

 

「まーだ時間かかりそうですかね~」

 

 独り言が出た。明日が来るまでの時間が長い。

 

「一ヶ月くらい…」

 

 また出た。

 

「ないです」

 

 一ヶ月も待てない。明日だ。

 

「王道を征く」

 

 それだけ言って、目を閉じた。

 

-

 

 

 翌日、ナイトアイ事務所に各事務所の代表が集まった。

 

 事務所が狭くなった。

 

 エッジショット。静かな男だった。折り紙のように細くなれる個性の持ち主。気配が鋭い。

 

「TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…」

 

「あっ(察し)」

 

 強い。エッジショットの気配は——削ぎ落とされた刃のような気配だった。

 

 ロックロック。大柄な男。気配が重い。安定している。

 

 ガンヘッド。明るい雰囲気を持っているが、気配の底に鋼がある。

 

 ミッドナイト。来た瞬間にバブルガールが「あっ」と言った。ミッドナイトが「あら、かわいい子ね」と言った。バブルガールが固まった。

 

「……野獣先輩はどなた?」

 

 ミッドナイトが野獣先輩を見た。

 

「24歳、学生です」

 

「え? 学生さんがいるの?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前なの!!」

 

 ミッドナイトが笑った。ナイトアイが「彼が索敵担当です」と言った。

 

 その時——ドアが開いた。

 

 金髪。赤い羽根。

 

「お待たせっす。——あっ、野獣先輩さんもいる!!」

 

「お待たせ」

 

「俺が遅れたのに野獣先輩さんが謝るんですか!? 面白いっすね」

 

 ホークスが笑いながら入ってきた。室内の空気が少し明るくなった。

 

「入って、どうぞ」

 

「入ってますよ!!」

 

 

 

 

 

 全員が席についた。

 

 ナイトアイが立った。

 

「本日はお集まりいただきありがとうございます。議題は一つ——八斎會、ならびに治崎廻の壊理ちゃんへの関与と、救出作戦の立案です」

 

 室内が静かになった。さっきまでの空気と違う。プロヒーローたちの「仕事の顔」が揃った。

 

「まず情報の共有から始めます。——野獣先輩、索敵で把握している八斎會の位置情報を伝えてくれ」

 

「ありますあります」

 

「伝えられるか、という意味だ」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

 野獣先輩は立った。

 

「センセンシャル!」

 

 索敵の感度が上がった。テーブルの上に指で「地図」を描いた。商店街の位置。路地の位置。そこから先の——感じていた「重い気配の溜まり場所」。

 

「あっ(察し)」

 

 ナイトアイが「地下施設の位置と推定規模ですね」と補足した。

 

「索敵でそこまで分かるの?」とロックロックが言った。

 

「ありますあります」

 

「ある! ——どのくらいの精度で?」

 

「多少はね?」

 

「多少分かる、か。——それでも他の索敵系個性より格段に広い」

 

 エッジショットが「実戦で使えるか」と聞いた。

 

「イキますよ~イキますよ~」

 

「……宣言した、か」

 

 エッジショットがナイトアイを見た。「この語録個性の発動宣言は信頼できるか」

 

「実績があります」とナイトアイが言った。「USJ、体育祭、林間合宿、神野区の爆豪救出作戦——全ての実戦で機能している」

 

「ありますあります」

 

「ある。——では作戦に組み込む価値がある」

 

 ホークスが「俺も一回実際に感じましたよ。索敵で俺の羽根の枚数当てられました」と言った。

 

「ファッ!?」

 

「本当だって!!」

 

 

 

 

 

 ナイトアイが地図を広げた。

 

「突入は複数チームに分かれる。野獣先輩は索敵担当として全チームの位置をリアルタイムで把握し、情報を伝達する」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前か——では確認する。地下での索敵範囲は」

 

「多少はね?」

 

「地上より範囲が下がる、か。——どのくらい」

 

 野獣先輩は指で「半分」のジェスチャーをした。

 

「半減か。——それでも有効だ。地下での索敵可能な個性者は少ない」

 

 ミリオが「野獣先輩と連携で動きます!!」と言った。

 

「具体的な連携は」

 

「暴れ馬よ…!」

 

 全員が少し止まった。

 

「……それは語録の名前か、それとも今発動したのか」とガンヘッドが聞いた。

 

「多少はね?」

 

「多少どっちか!!」

 

「名前でもあり今使ったでもある。——相手の動きをランダム化させる語録だ」とナイトアイが補足した。「実戦では相手の体勢を崩した後にミリオの透過で潜り込む連携が有効とのことです」

 

「見とけよ見とけよ~」

 

「発動後を見ていろ、か」とエッジショットが言った。「……信頼に値する」

 

 ミッドナイトが「なんか、語録で作戦会議が進んでるの面白いわね」と言った。

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前なんだ!!」

 

 ミッドナイトが笑った。ロックロックが「……笑えないな、俺は」と言った。でも口元が少し緩んでいた。

 

 

 

 

 

 

 休憩になった。

 

 ホークスが野獣先輩の隣に来た。

 

「野獣先輩さん、俺に記事の後日談来るって言ってたじゃないっすか」

 

「ありますあります」

 

「まだ来てないっすよ。——「俺も後から洗ってくれよな~」ってやつ」

 

「まーだ時間かかりそうですかね~」

 

「まだかかる!! いつっすか!!」

 

「一ヶ月くらい…」

 

「一ヶ月!? 長い!! ——まあいいっすけど」

 

 ホークスが笑った。それから少し声を落とした。

 

「今日の作戦——野獣先輩さんの索敵が一番重要っすよね。俺、羽根を偵察で使えるけど、地下には入れない。索敵で地下を把握できるのは野獣先輩さんだけっす」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前か!! 自信があるのは、いいことっすよ。——でも」

 

「ありますあります」

 

「気をつけてください。あいつら——本当にやばい。俺でもそう思う」

 

「うわあ……たまげたなあ」

 

「俺でもたまげる案件っすよ。——だから一人で突っ込まないでくださいね」

 

「ちゃんと、ベスト出せるようにね」

 

 ホークスが止まった。「……俺に言ってる?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「……当たり前か」

 

 ホークスが少し黙った。

 

「……ありがとうっす」

 

「やったぜ。」

 

「それ喜びの語録っすよね!! わかってきたっす!!」

 

 

 

 

 

 午後になった。

 

 作戦の詳細が詰まってきた。

 

 突入日時。チーム編成。脱出ルート。壊理の保護を誰が担当するか。

 

 野獣先輩の役割は「索敵担当・後方支援・緊急時の転移」で確定した。

 

「暴れんなよ…暴れんなよ…」

 

「拘束系の語録も使えるんですか」とロックロックが聞いた。

 

「ありますあります」

 

「どの程度の拘束力で?」

 

「多少はね?」

 

「多少の拘束、か——脳無クラスなら」

 

「ありますあります」

 

「ある! ——脳無への拘束も有効か。これは大きい」

 

 エッジショットが「語録個性は声で発動するか」と聞いた。

 

「ありますあります」

 

「声を封じられると機能しないか」

 

「多少はね?」

 

「多少機能する——ワードレスで出力できる部分もある、か」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「……それは強みだ」

 

 ナイトアイが立ち上がった。

 

「作戦の概要は固まった。突入は近日中に行う。各自、準備を整えてほしい。——以上だ」

 

「入って、どうぞ」

 

 全員が止まった。

 

「……今のは?」とガンヘッドが言った。

 

「会議の締めの語録っすね、たぶん」とホークスが言った。

 

「ありますあります」

 

「「会議は終わった、次のフェーズに入る」——という意味ですね」とナイトアイが言った。

 

「はっきりわかんだね」

 

「分かった。——各員、準備にかかれ」

 

 

 

 

 

 各事務所の代表が帰り始めた。

 

 バブルガールが後片付けをしていた。野獣先輩が手伝いに行った。

 

「野獣先輩さん……今日、すごかったですね」

 

「ありますあります」

 

「索敵で地図を描いたところ——みんな驚いてましたよ。私もびっくりしました」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前なんですね!!」

 

 バブルガールが椅子を片付けながら言った。「……ホークスさんと仲良さそうで、よかったです」

 

「ありますあります」

 

「ある! ——よかった」

 

 バブルガールが少し赤くなった。「そういう意味じゃないんですけど!! プロとしていい関係が築けているという意味で!!」

 

「ないです」

 

「ある!! ——違います!!」

 

「ガリガリだからねしょうがないね」

 

「どっちの話ですか!! 私の話ですか!? ホークスさんの話ですか!?」

 

「多少はね?」

 

「多少どっちか!! ——もう!!」

 

 バブルガールが椅子を勢いよく片付けた。隠れ淫夢厨疑惑は今日も継続した。

 

-

 

 

 

 夜になった。

 

 ミリオが「野獣先輩! 今日の夜、少し練習しませんか!」と言った。

 

「やりますねぇ!!」

 

「やってくれる!!」

 

 事務所の裏の空き地で、二人で動いた。

 

 ミリオが透過で地面に潜った。野獣先輩が索敵で位置を把握した。

 

「あっ(察し)」

 

「分かりますか!?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「透過してても索敵に引っかかるんだ!! それだけ精度が高いってことっすね!!」

 

 次に、ミリオが走った。野獣先輩が「こ→→こ!」で小石を誘導弾として射出した。ミリオが透過でそれをすり抜けた。

 

「今の、ちゃんと軌道が追尾してました!! 「こ→→こ」って直線追尾弾になるんすよね!!」

 

「ありますあります」

 

「じゃあ次——敵の動きをランダム化させてから俺が入る練習を!!」

 

「暴れ馬よ…!」

 

 ミリオの足元に転がっていた小石が——バラバラな方向に転がった。

 

「これ食らったら体勢崩れますね!! そこに俺が入れば——」

 

「イキますよ~イキますよ~」

 

「宣言した!! じゃあ——来い!!」

 

 二人で動いた。

 

 夜の空き地で、語録と透過が組み合わさった動きの確認が続いた。星が出ていた。遠くで車の音がした。

 

 一時間後、ミリオが「完璧っす!!」と叫んだ。

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「当たり前か!!」

 

 ミリオが笑った。野獣先輩も前を向いていた。

 

「……野獣先輩」

 

「ありますあります」

 

「壊理ちゃん、絶対助けましょうね」

 

「王道を征く」

 

 ミリオが「……そうっすね」と言った。

 

「大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ」

 

「……ヘーキヘーキ。——行こう」

 

 二人で事務所に戻った。

 

 

 

 

 

 全員が寝た後、野獣先輩は屋上に出た。

 

 夜の街が広がっていた。

 

「TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…」

 

「センセンシャル!」

 

 感度を最大まで上げた。頭が痛くなる手前まで。

 

 商店街。路地。その先——重い気配の溜まる場所。

 

 地下に、何かがある。

 

 ここからでは分からない。近くに行かないと分からない。

 

 でも——確かに、ある。

 

「うん!おいしい!」

 

 独り言が出た。

 

 この語録——受け入れる語録だ。「受け取る」ことへの準備。明日、地下に入って、何が来ても受け取れるように。

 

「ありますあります」

 

「やべぇよやべぇよ」

 

「でも——」

 

「王道を征く」

 

 屋上の縁に立った。夜風が来た。

 

 遠くに、壊理がいる場所があった。

 

「大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ」

 

 届くはずがない距離だった。

 

 でも——言った。

 

 夜の街に語録が出た。

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