【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩 作:まだら模様
今回はより休みをという雰囲気が強いようです。
ヴィラン連合が怖いからね…仕方がないネ
キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性がございます。
ご注意下さい。
評価付与、感想は野獣先輩が「白菜かけますね」とお湯(?)で体を流してくれます。
「明日は休養日だ。温泉施設を貸し切った。全員で行く」
相澤がHRで言った。
A組が一瞬止まって——爆発した。
「温泉!!」と上鳴が立ち上がった。「マジっすか!!」
「座れ」と相澤が言った。上鳴が座った。「超常解放戦線の件で精神的な疲弊が見られる。コンディション管理の一環だ。浮かれるな」
「浮かれますよ!!」と上鳴が言った。
「座れ」
「座ってます!! でも浮かれます!!」
野獣先輩はその会話を聞いていた。
「あ~、いいっすね~」
静かに言った。
「先輩が「いいっすね」って言った!!」と切島が言った。「先輩が温泉に乗り気!!」
「ありますあります」
貸し切りバスの中。
上鳴がスマートフォンをいじっていた。
「先輩、一個聞いていいっすか」
「ありますあります」
「「オイル塗ろっか?」——これ、温泉でも発動しますか」
「ありますあります」
「どっちの「ありますあります」ですか。「発動する」か「質問に答える」か」
「ありますあります」
「分かんない!!」
隣の席で切島が「そりゃ分かんないよ」と言った。
「でも気になりません? 「オイル塗ろっか?」が温泉で何を引き起こすか」
「俺は気になんない」と爆豪が前の席から言った。
「ありますあります」
「「ある」のか田所」
「ありますあります」
「……何が気になってんだ」
「ありますあります」
爆豪が「うるせえ」と言って窓の外を見た。
温泉施設に到着した。男湯と女湯に分かれた。
男湯の更衣室。
A組男子が一斉に着替え始めた。
野獣先輩は自分のロッカーに向かいながら索敵を——いや、索敵ではなく——
切島が上着を脱いだ。
背中が広い。肩が張っている。硬化個性の影響で体表筋が常時やや緊張しているから、脱衣した瞬間に筋肉の輪郭が出る——
「お前さっき俺ら着替えてる時チラチラ見てただろ」
砂藤が野獣先輩に言った。
更衣室が一瞬静かになった。
「ありますあります」
「「ある」の!!?」と上鳴が大声を出した。
「ありますあります」
「認めた!! 先輩が認めた!!」
「うるさい」と爆豪が言った。「着替えろ」
「でも先輩が「チラチラ見てた」を認めましたよ!!」
「ありますあります」
「それ「ありますあります」は何の「ありますあります」ですか!!」
「ありますあります」
「全部「ありますあります」になってる!!!」
砂藤が「まあ田所さんの場合は索敵のせいもあるだろ」と冷静に言った。「索敵で体格が分かるんだろ」
「ありますあります」
「それは「索敵で見てた」「でも見てた」どっちだ」
「ありますあります」
「……「両方」か」
「ありますあります」
砂藤が深呼吸した。「……まあいい」
湯船に浸かった。
広い。
岩風呂だった。湯気が立っている。天井が高い。
「ああ^~もう糞が出るう~~」
野獣先輩が湯船に浸かった瞬間に言った。
上鳴が「何が!!」と声を出した。「何が出るんですか!!」
「ありますあります」
「何が「ありますあります」なんですか!! 気持ちよすぎてってことですか!!」
「ありますあります」
「そういう語録なんですね!!」と上鳴がスマートフォンを……持っていなかった。「あ、防水じゃないから持ってこれなかった」
「あくしろよ」
「何を!! 記録?! 記録しろってこと?!」
「ありますあります」
「記憶します!!」
上鳴が頭の中でメモを始めた。
湯船の向こう側に切島と砂藤がいた。
切島が肩までつかっている。肩から首にかけてのラインが——湯の中でも肩幅の広さが分かる。硬化個性は皮膚の表層近くを変質させるから、水に濡れると筋肉の境界線がより鮮明になる。鎖骨の下から胸板にかけて——
「アーイクッ!」
思わず出た。
「先輩!!」と切島が振り返った。「今なんか言いましたか!!」
「ありますあります」
「……語録ですか」
「ありますあります」
「温泉気持ちよかったんですか」
「ありますあります」
「……そっか」と切島がにっこりした。「俺も気持ちいいっすよ、温泉」
「ありますあります」
しばらくしてミリオが入ってきた。
ミリオは体が大きい。
上半身が——
透過個性のせいで体の制御意識が高く、全身の筋肉バランスが異常に均一だ。偏りがない。どの筋肉も均等に発達している。体幹が太い。腰から肩にかけての台形——
「マッチョして♡」
漏れた。
「田所さん!!」とミリオが明るい声を出した。「それ語録ですか!!」
「ありますあります」
「筋トレしろってことですか!! 俺、します!!」
「ありますあります」
「温泉入った後でも!?」
「ありますあります」
「元気ですね田所さん!!」
「ありますあります」
上鳴が「先輩、さっき「マッチョして」って言いましたよね」と小声で言った。
「ありますあります」
「ミリオ先輩の体見て言いましたよね」
「ありますあります」
「……語録まとめに「マッチョして♡:筋肉を見た時に出る語録・ハートつき」って書きます」
「ありますあります」
「記憶した!!」
全員がゆっくり浸かっていた。
湯気の中でA組男子がぼんやりしていた。
砂藤が肩を揉んでいた。凝っているようだった。
野獣先輩はそれを見た。
「オイル塗ろっか?」
言った。
一瞬、男湯が止まった。
「……え」と砂藤が言った。
「ありますあります」
「今「オイル塗ろっか?」って言いましたか」
「ありますあります」
「……俺の肩を見て言いましたか」
「ありますあります」
「……なんで」
「ありますあります」
「「ある」のか!!」
上鳴が「先輩の「オイル塗ろっか?」は補助効果語録ですよ!!」と叫んだ。「砂藤くんの凝りを解消する「滑り付与」効果です!! 語録まとめ①に書いてあります!!」
「そんなもん書くな」と砂藤が言った。
「でも本当にそういう効果なんですよ!!」
「それを温泉で言うか」
「ありますあります」
「「ありますあります」じゃない!!」
「淫夢要素はありません」
野獣先輩が静かに言った。
男湯全体がもう一度止まった。
「……今なんて言いましたか」と砂藤が言った。
「淫夢要素はありません」
「……温泉で……「淫夢要素はありません」って……」
「ありますあります」
「それを言う必要があったんですか」
「ありますあります」
「どっちの「ありますあります」ですか」と上鳴が言った。「「要素はない」か「言う必要はあった」かどっちですか」
「ありますあります」
「分かんない!!」
切島が「……先輩の「淫夢要素はありません」、絶対ありますよね」と言った。
「ありますあります」
切島が「正直だ!!」と叫んだ。
湯上がりの休憩室。牛乳を飲みながらA組が座っていた。
上鳴がスマートフォンを取り出してメモを始めた。
「「オイル塗ろっか?」→砂藤くんの肩の凝りに向けて使用。温泉では「滑り付与」効果が「筋肉の解凝」として働く可能性あり。「淫夢要素はありません」で自己申告→つまり先輩本人も「淫夢要素がある」ことを認識している。重要記録——★★★★」
「何書いてんだ」と爆豪が横から見た。
「あ! 見ないでください!!」
「語録まとめか」
「……はい」
「俺の欄は」
「……「爆豪くんの背中:★★★(上方修正済み)」です」
「★★★のままか」
「……爆豪くんが自分で「上げろ」って言ったのが★★★です」
「もっと上げろ」
「え!! また自分で上げるんですか!!」
「うるせえ。上げろ」
「……★★★★にします」
「ありますあります」
野獣先輩が牛乳を飲みながら言った。
「先輩も同意見ですか!!」
「ありますあります」
「爆豪くんの★が四つになりました!!」
「当然だ」と爆豪が言った。牛乳を一気飲みした。
夕方。
A組がほとんど上がった後、野獣先輩だけ露天風呂に残った。
一人だった。
空が橙色になっている。山の稜線が見える。
今日の男湯を振り返った。
切島——肩から首のライン、硬化によって際立つ筋肉の境界線。湯の中でも分かる肩幅の広さ。
ミリオ——全身筋肉のバランスが異常に均一。透過個性による体幹の発達。台形の上半身。
砂藤——凝り固まった肩の奥に、よく見ると腕の筋肉の密度が高い。磁力制御で常に細かい筋制御をしているせいで前腕が異様に発達している。
上鳴——細身だが電撃の反動を受け続けているせいで体幹が意外と固い。湯の中で姿勢が良かった。
「いやーもう十分堪能したよ…」
野獣先輩は空に向かって言った。
一人だったので誰にも聞こえなかった。
「ありますあります」
自分に向かって確認した。
湯が気持ちよかった。
「あ^~うめぇなぁ!」
また出た。
誰もいなかった。
空が少し暗くなり始めた。
夕食の大広間。
B組の物間も同じ施設に来ていた——というより、全学年合同の休養日だったらしい。
物間が食事のトレーを持って広間に入ってきた。
野獣先輩を見た。
来るかどうか迷っている気配がした。
「ありますあります」
野獣先輩が先に言った。
「……何が「ありますあります」ですか」と物間が言った。
「ありますあります」
「「座っていいですか」への返事ですか」
「ありますあります」
物間がトレーを持って野獣先輩の横に座った。
しばらく無言で食事した。
「……今日の男湯は、何か語録が出ましたか」と物間が聞いた。
「ありますあります」
「どんな語録が」
「淫夢要素はありません」
物間が箸を止めた。
「……温泉でその語録が出たんですか」
「ありますあります」
「……自己申告ですか」
「ありますあります」
「……意図的に?」
「ありますあります」
「……なぜ」
「おまたせ!アイスティーしかなかったけどいいかな?」
野獣先輩がお茶を物間の前に置きながら言った。
「……お茶ですけど」と物間が言った。「「アイスティー」じゃないですけど」
「ありますあります」
「……まあいいです」
物間がお茶を受け取った。飲んだ。
「……田所先輩」と物間が少し間を置いて言った。「私は「淫夢語録」というコンテンツを——」
「ありますあります」
「……まだ何も言っていませんけど」
「ありますあります」
「……「分かってる」ということですか」
「ありますあります」
物間の耳が少し赤くなった。「……私は別に、そういうコンテンツに詳しいわけでは——」
「ありますあります」
「……「ある」んですか」
「ありますあります」
「……」
物間が前を向いた。もう何も言わなかった。
その様子を離れた席から相澤が見ていた。
相澤が手元の湯呑みを置いて、隣の現代文の先生に「物間があの語録を知っている可能性がある」と小声で言った。
「え、相澤先生が語録知ってるんですか」と現代文の先生が言った。
「……職務上の把握だ」
「詳しいんですか」
「……「ありますあります」と「24歳、学生です」の意味は分かる」
「相澤先生それ結構詳しくないですか」
「……黙れ」
夜、廊下で切島が待っていた。
「先輩、ちょっと」
「ありますあります」
切島が廊下の隅に連れて行った。声を潜めた。
「……上鳴からDMが来たんです。「語録まとめ③、先生に見られたら大変なことになる」って」
「ありますあります」
「「ある」のか」
「ありますあります」
「……どのくらい大変ですか」
「いや無理かわかんないだろ!」
「分かんないんですか!!」と切島が言った。「先輩の索敵でも分かんない規模ですか!!」
「ありますあります」
「……上鳴のことが心配です」
「ありますあります」
「でも止められないですよね、あいつの語録研究」
「ありますあります」
「……先輩は止めようと思ってますか」
「ありますあります」
「……「ない」ってことですか」
「ありますあります」
「……そっか」と切島が言った。「先輩も上鳴の語録まとめ、嫌いじゃないんですね」
「あっ、いいっすよ(快諾)」
切島が「快諾した!!」と小声で叫んだ。「先輩が語録まとめを快諾した!! 上鳴に言っていいですか!!」
「ありますあります」
「やった!!」
切島が小声のままテンションを上げた。すぐ静かにして「……あと一個だけ聞いていいですか」と言った。
「ありますあります」
「今日の男湯で、先輩のホモ視点が何回ありましたか」
「ありますあります」
「「ある」のか」
「ありますあります」
「何回ですか」
「ありますあります」
「「ある」じゃなくて回数を——」
「いやーもう十分堪能したよ…」
野獣先輩が言った。
切島が一拍止まって「……「十分」か」と言った。
「ありますあります」
「……それは俺たちのことですか」
「ありますあります」
「……」
切島が少し笑った。「変な先輩だ」と言った。
「ありますあります」
「でもまあ……先輩のホモ視点で見てもらえてるの、嫌じゃないですよ。なんか」
「ありますあります」
「……そっか」
深夜。
相澤が自室で報告書を書いていた。
「田所の索敵・今週の変化——安定。超常解放戦線の核の動きなし。」
書きながら、今日の大広間での物間との会話を思い出した。
「……「淫夢要素はありません」を温泉で使用」と相澤は書いた。
書いて、止まった。
少し間を置いて、書いた言葉を消した。
報告書に不要な情報だ、と思った。
それだけだ。
そう思った。
スマートフォンを取り出した。エンデヴァーに送信しようとして——止まった。
「……何をしているんだ、俺は」と相澤が呟いた。
「ありますあります」
廊下から聞こえた。
「……盗み聞きするな」
「ありますあります」
「……寝ろ」
「ありますあります」
廊下の気配が遠ざかった。
相澤はもう一回報告書に向かった。
「田所の索敵・今週の変化——安定。異常なし。本人コンディション良好。」
と書いて、閉じた。
帰りのバス。
上鳴が隣の席で語録まとめを更新していた。
「先輩、昨日で語録まとめ③が七十二項目になりました」
「ありますあります」
「増えすぎですよね」
「ありますあります」
「でも止められないんですよ」
「ありますあります」
「先輩が「快諾」してくれたって切島先輩から聞きましたよ!!」
「ありますあります」
「うれしい!! じゃあ遠慮なく続けます!!」
「やっぱジャイアンツ!」
野獣先輩が言った。
「……え? 「やっぱジャイアンツ」? 初めて聞いた語録だ!!」
「ありますあります」
「どういう意味ですか!!」
「ありますあります」
「「ある」の!!?」
「ありますあります」
「教えてください!! 語録まとめに追加したい!!」
「ありますあります」
「先輩が答えてくれないの分かってる上で聞いてます!!」
バスの後部座席で爆豪が「うるさい」と言った。
「ありますあります」
爆豪が「うるせえ」と言った。
「ありますあります」
バスが走った。
景色が流れた。