【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩   作:まだら模様

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ついに突入♂です!
相手はとにかくゲスですからね…野獣先輩が正規の鉄槌♂を下してクルルァ…くれることを祈りましょう!

キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性がございます。
ご注意下さい。

感想、評価付与は野獣先輩の活躍のためのエネルギーチャージ♂になります!


第39話「(現場に)入って、どうぞ(蛇腔病院突入)」

 

 

 「明日、動く」

 

 相澤が夜の教室でA組に言った。

 

 誰も喋らなかった。

 

「プロヒーロー全員出動。お前たちは雄英に残る。繰り返す——お前たちは出ない」

 

 デクが「……俺たちは」と言いかけて止まった。

 

「学生だ。俺の生徒だ。出さない」

 

「ありますあります」

 

 野獣先輩が言った。

 

 相澤が「……田所は別だ」と言った。

 

「ありますあります」

 

「索敵支援として俺の隣に置く。雄英から一歩も出ない。ただし索敵は全力で頼む」

 

「かしこまり!」

 

 野獣先輩が言った。

 

 上鳴が「先輩が「かしこまり!」って言った!! 初めて聞いた!!」と言った。

 

「座れ」と相澤が言った。上鳴が座った。

 

「ありますあります」

 

 

 

 

 

 夜が明ける前。

 

 相澤と野獣先輩は雄英の屋上に出た。

 

 空が白み始めていた。

 

「始めろ」と相澤が言った。

 

「TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…」

 

 索敵を広げた。

 

 通常の五倍。センセンシャル級。

 

 全ヒーローの位置が入ってきた。数が多い。百を超えるヒーローの気配が同時に展開している。

 

「N~いい時には結構いくね」

 

 野獣先輩が言った。

 

「……今日のコンディションは良いか」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「引きずられる心配は」

 

「ありますあります」

 

「……「ある」か」

 

「ありますあります」

 

「…「でも抑えられる」か」

 

「ありますあります」

 

「……分かった。続けろ」

 

 野獣先輩は索敵を維持した。

 

 全ヒーローの気配——エンデヴァー、ホークス、ミルコ、それぞれの位置が入ってくる。

 

 ミルコが——一番遠い。単独で動いている。速い。

 

「あっ…(察し)」

 

 野獣先輩が言った。

 

「どうした」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「……ミルコか」

 

「ありますあります」

 

「単独で先行しているのか」

 

「ありますあります」

 

「……ミルコらしい」と相澤が言った。「位置は」

 

「TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…」

 

 野獣先輩は索敵を絞った。ミルコの位置だけを追った。

 

 地下——建物の奥深くに降りていっている。速度が落ちた。何かと接触した。

 

「ありますあります」

 

「……もう交戦に入ったか」と相澤が言った。スマートフォンに何かを入力した。「続けろ」

 

 

 

 

 

 

 時間が経った。

 

 ミルコの気配が——地下深くで動き続けている。速い。複数の敵と接触している。一人で動いている。

 

「これだけははっきりと真実を伝えたかった」

 

 野獣先輩が言った。

 

「……何だ」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「ミルコは一人か」

 

「ありますあります」

 

「深部まで行っているか」

 

「ありますあります」

 

「……数は」

 

「ありますあります」

 

「多いか」

 

「ありますあります」

 

「……何体だ」

 

「車で言えばどのぐらいだ?」

 

 野獣先輩が言った。

 

 相澤が「……「車で言えば」——規模を比較する語録か。大きいか、小さいか」と言った。

 

「ありますあります」

 

「「大きい」か」

 

「ありますあります」

 

「……数十以上か」

 

「ありますあります」

 

 相澤がスマートフォンで何かを打った。「……一人で当たっている」

 

「ありますあります」

 

「……ミルコは」と相澤が言った。「止まらない、ということか」

 

「ありますあります」

 

「……分かった。位置は把握し続けてくれ」

 

「かしこまり!」

 

 

 

 

 

 一方、雄英の教室。

 

 A組が待機していた。

 

 上鳴がスマートフォンを開いていた。

 

「語録まとめ③——戦場版、開始します」と小声で言った。

 

「何してんだお前」と砂藤が言った。

 

「先輩がリアルタイムで語録使ってるはずなんで……記録しておきたくて」

 

「……できるの、それ」

 

「事後報告になりますけど後で聞きます。絶対」

 

 切島が「……俺も聞く」と小声で言った。

 

「先輩、今どこにいるんですかね」と上鳴が言った。

 

「屋上で索敵してるって相澤先生が言ってた」と切島が言った。「相澤先生の隣で」

 

「……先輩の索敵、今全開じゃないですか」と上鳴が言った。「全ヒーローの位置を把握してる」

 

「ありますあります」って今頃言ってそう、と切島が思った。

 

 轟が「……ミルコが心配だ」と言った。

 

「なんで轟が知ってんの」と上鳴が言った。

 

「……エンデヴァーから聞いた」

 

「父親から!!?」と上鳴が言った。

 

「……今朝、メッセージが来た」

 

「「気をつけろ」とか?」

 

「……「相澤に迷惑をかけるな」と書いてあった」

 

 上鳴が「そのメッセージ、エンデヴァーらしさが最大出てる」と言った。

 

「ありますあります」って先輩なら言うだろうなと切島は思った。

 

 

 

 

 

 時間が経つにつれて——ミルコの気配が変化した。

 

 速度が落ちた。

 

 それでも止まらない。

 

「悲しいなぁ」

 

 野獣先輩が言った。

 

 相澤が「……ミルコか」と言った。

 

「ありますあります」

 

「消耗しているか」

 

「ありますあります」

 

「……それでも動いているか」

 

「ありますあります」

 

「……そうか」

 

 相澤が短く「了解」とスマートフォンに打った。

 

 野獣先輩は索敵を維持した。

 

 ミルコの気配——深部で何かに近づいている。大きな気配。今まで感じていた「核」とは別の——

 

「あっ…(察し)」

 

 出た。

 

「どうした」

 

「ありますあります」

 

「……何かある」

 

「ありますあります」

 

「……大きいか」

 

「ありますあります」

 

「……死柄木とは別か」

 

「ありますあります」

 

「……「無為転変」の本体か」

 

「ありますあります」

 

 相澤が「……ドクター・ガーキーのいる場所、か」と呟いた。「ミルコが近づいている」

 

「ありますあります」

 

「……頼む。見続けてくれ」

 

「かしこまり!」

 

 

 

 

 

 さらに時間が経った。

 

 索敵を全力で維持し続けていた。

 

 ミルコの気配——速度がさらに落ちた。でも深部に到達した。何かを発見した。動きが止まった。

 

「溺れる!溺れる!」

 

 野獣先輩が言った。

 

「……索敵が引きずられているか」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「限界か」

 

「ありますあります」

 

「……縮小しろ。ミルコだけを追え。他は切れ」

 

「ありますあります」

 

 野獣先輩は索敵を絞った。センセンシャル級から通常の二倍まで縮小した。

 

 ミルコの気配だけに焦点を当てた。

 

 深部——まだいる。まだ動いている。

 

「生きてるゥ~!」

 

 野獣先輩が言った。

 

 相澤が「……ミルコは生きているか」と言った。

 

「ありますあります」

 

「……今の言い方は——安心したか」

 

「ありますあります」

 

 相澤がほんの少し息を吐いた。「……そうか。生きているか」

 

 しばらくして——索敵が安定してきた。

 

「俺の心の傷がどんどん癒されていきますよ!」

 

 野獣先輩が言った。

 

「……コンディションが回復したか」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「……それは良かった。続けろ」

 

 

 

 

 

 索敵の中でミルコの気配が——

 

 凄まじい。

 

 一人で突っ込んでいく体の動き方が——索敵越しでも密度が高い。筋肉の制御が精密だ。一打一打の出力が均一じゃない。状況に応じてリアルタイムに変えている。

 

 腕の——

 

「これはキツイですよ」

 

 思わず出た。

 

 相澤が「……何がだ」と言った。

 

「ありますあります」

 

「索敵がか」

 

「ありますあります」

 

「……ミルコの動き方がか」

 

「ありますあります」

 

「……「凄すぎてキツい」ということか」

 

「ありますあります」

 

 相澤が「……なるほど」と言った。「そういう形で語録が出るのか」

 

「ありますあります」

 

 相澤が「……田所、お前は索敵の中でもホモ視点で見ているのか」と言った。

 

「ありますあります」

 

「……」

 

 相澤が何も言わなかった。スマートフォンを見た。少し間を置いた。

 

「……エンデヴァーに「ミルコが凄い」と報告していいか」

 

「ありますあります」

 

「……「しろ」か「してもいい」かどちらだ」

 

「ありますあります」

 

「……「どちらでもいい」ということか」

 

「ありますあります」

 

 相澤がエンデヴァーにメッセージを打った。

 

 

 

 

 

 

 三十秒後、返信が来た。

 

「分かった。田所の索敵に感謝を伝えろ」

 

 相澤が読んだ。

 

「……エンデヴァーが「感謝を伝えろ」と言っている」と相澤が野獣先輩に言った。

 

「ありますあります」

 

「……語録で返してやろうか」

 

「ありますあります」

 

「……どんな語録を打てばいい」

 

「ありますあります」

 

「……「ありますあります」を打てばいいのか」

 

「ありますあります」

 

 相澤がエンデヴァーに「ありますあります」と打った。

 

 十秒後に返信が来た。

 

「……意味は分かっている」

 

 相澤が「……エンデヴァーが「意味は分かっている」と返してきた」と言った。

 

「ありますあります」

 

「……知っているのか」

 

「ありますあります」

 

 相澤が「……そうか」と言って、スマートフォンをポケットに入れた。

 

 

 

 

 

 時間がさらに経った。

 

 深部でミルコが——大きな何かと交戦している。

 

 気配の動き方が変わった。

 

「あっ…(察し)」

 

 野獣先輩が言った。

 

「何だ」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「……大きい相手か」

 

「ありますあります」

 

「……未完成のものか」

 

「ありますあります」

 

「……ミルコはまだ動けるか」

 

「ありますあります」

 

「……削られているか」

 

「ありますあります」

 

「……」

 

 相澤が「……報告する」と言ってスマートフォンを取り出した。

 

 打ち込みながら「——田所、お前はずっと索敵を続けている。今も維持できているか」と言った。

 

「N~いい時には結構いくね」

 

 野獣先輩が言った。

 

「……今は好調か」

 

「ありますあります」

 

「……なぜだ。ずっと広域展開しているのに」

 

「ありますあります」

 

「……「引きずられる何か」が安定したのか」

 

「ありますあります」

 

「……死柄木の核か」

 

「ありますあります」

 

「……「変化が終わった」ということか」

 

「ありますあります」

 

 相澤が「……つまり、完成した」と言った。声が低かった。

 

「ありますあります」

 

 

 

 

 

 夜が明け始めた頃。

 

 ミルコの気配が——止まった。

 

「生きてるゥ~!」

 

 野獣先輩が即座に言った。

 

「……生きているか」と相澤が言った。

 

「ありますあります」

 

「……動いていないか」

 

「ありますあります」

 

「……重傷か」

 

「ありますあります」

 

「……救援が来ているか」

 

「ありますあります」

 

「……分かった」

 

 相澤がスマートフォンを操作した。複数の相手に送信している。

 

「……田所。ミルコは生きているか。もう一度確認しろ」

 

「TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…」

 

 絞って確認した。

 

「生きてるゥ~!」

 

「……確かか」

 

「ありますあります」

 

「……ありがとう」

 

 相澤がそう言った。

 

 珍しかった。相澤が「ありがとう」と言ったのは——野獣先輩が雄英に来てから初めてだった。

 

「ありますあります」

 

 

 

 

 朝になった。

 

 作戦の第一段階が終了した。プロヒーローが撤収し始めた。

 

 雄英に報告が入った。「ミルコは生存。重傷だが意識あり」「死柄木が目覚めた」「脱出した」

 

 相澤が一つ一つの情報をA組に伝えた。

 

「以上だ。今日のところはここまで」

 

「終わり!閉廷!以上!皆解散!」

 

 野獣先輩が言った。

 

 A組が全員野獣先輩を見た。

 

「……語録か」と切島が言った。

 

「ありますあります」

 

「「解散」って言いましたよね」

 

「ありますあります」

 

「でも相澤先生が終わりって言ったから……先生より先に締めましたか」

 

「ありますあります」

 

「相澤先生、語録に先越されましたよ!!」と上鳴が言った。

 

「……知っている」と相澤が言った。「田所が一番早い」

 

「ありますあります」

 

 

 

 

 

 昼休み。

 

 上鳴が野獣先輩のところに走ってきた。スマートフォンを持っている。

 

「先輩!! 今日使った語録、事後報告してもらえますか!!」

 

「ありますあります」

 

「「かしこまり!」って使いましたよね!! 切島先輩から聞きました!!」

 

「ありますあります」

 

「初使用ですよね!! 相澤先生への「了解」語録!! 語録まとめ戦場版に追加します!!」

 

「ありますあります」

 

「「生きてるゥ~!」も使いましたよね!!」

 

「ありますあります」

 

「ミルコさんの生存確認ですよね!!」

 

「ありますあります」

 

「……先輩が「生きてるゥ~!」って言った時——相澤先生、どんな顔でしたか」

 

「ありますあります」

 

「「ある」のか」

 

「ありますあります」

 

「どんな顔ですか!!」

 

「悲しいなぁ」

 

「それが相澤先生の顔ですか!! 悲しい顔!?」

 

「ありますあります」

 

「違う!!」

 

「ありますあります」

 

「どっちですか!!」

 

 砂藤が「……上鳴、先輩に語録で顔の表情を説明させようとするな」と言った。

 

「でも気になるんですよ!!」

 

「ありますあります」

 

「先輩も気になってるのか!!」

 

「ありますあります」

 

「何が!!」

 

「ありますあります」

 

 切島が笑いながら「先輩が相澤先生に「ありがとう」って言われた話、後で教えてください」と言った。

 

「ありますあります」

 

「本当に「ありがとう」って言われましたか」

 

「ありますあります」

 

「……先輩が相澤先生に「ありがとう」って言われた。それって——」と切島が少し間を置いた。「先輩が今日ちゃんとやったってことですよね」

 

「ありますあります」

 

 

 

 

 

 夕方、相澤が部屋で今日の報告書を書いていた。

 

 「田所の索敵記録——本日の総括。広域展開を朝から夕方まで維持。ミルコの位置を継続追跡。「生きてるゥ~!」×2回——生存確認の語録。「悲しいなぁ」——消耗の感知。「かしこまり!」——任務了解。「溺れる!溺れる!」——一時的な引きずられ状態→自力回復——」

 

 書きながら止まった。

 

「……「ありがとう」と言ったな、俺は」と相澤が呟いた。

 

 その事実を改めて確認した。

 

 言った。確かに言った。語録使いの学生に「ありがとう」と言った。

 

 それが正しかった、と相澤は思った。

 

 スマートフォンが鳴った。

 

 エンデヴァーだった。

 

「田所の索敵は信頼できるか」

 

 と書いてある。

 

 相澤が「信頼できる」と打った。

 

 十秒後。

 

「「悲しいなぁ」——あれはミルコへの語録か」

 

 と返信が来た。

 

 相澤が止まった。

 

「……どこでそれを聞いた」

 

「ホークスから」

 

 相澤が「……ホークスから」と呟いた。

 

「田所がミルコの消耗を「悲しいなぁ」と表現した、と聞いた」

 

 相澤が「そうだ」と打った。

 

 返信が来た。

 

「……そうか」

 

 それだけだった。

 

 相澤がスマートフォンを置いた。

 

「……エンデヴァーが語録の一つ一つを確認してくる」と相澤は呟いた。「誰かに言いたいが——誰にも言えない」

 

 廊下から「ありますあります」と聞こえた。

 

「盗み聞きするな」

 

「ありますあります」

 

「……今日はよくやった」

 

 廊下が少し静かになった。

 

「ありますあります」

 

 遠くから聞こえた。

 

 

 

 

 

 夜、廊下で物間が野獣先輩を待っていた。

 

「……今日、索敵担当だったんですね」

 

「ありますあります」

 

「ミルコさんは生きていますか」

 

「ありますあります」

 

「……「ある」のか」

 

「ありますあります」

 

 物間が「……それだけで十分です」と言った。

 

 少し間を置いた。「……「生きてるゥ~!」という語録を使ったと、上鳴くんから聞きました」

 

「ありますあります」

 

「……あれは——安心した時に出る語録ですか」

 

「ありますあります」

 

「……田所先輩が安心した」と物間が言った。「索敵で確認して、安心した」

 

「ありますあります」

 

「……そういう人なんですね、あなたは」

 

「ありますあります」

 

「……仲間のことを、索敵で見続けている」

 

「ありますあります」

 

 物間が「……ありがとうございます」と言った。

 

「かしこまり!」

 

 野獣先輩が言った。

 

 物間が「……それは「どういたしまして」ですか」と言った。

 

「ありますあります」

 

「……まあ、そういうことにしておきます」と物間が言った。

 

 廊下に二人が立っていた。

 

「……田所先輩」と物間が言った。「「ありますあります」ってどういう意味ですか、本当のところ」

 

「ありますあります」

 

「……「ある」という意味ですか」

 

「ありますあります」

 

「……「全部ある」ということですか」

 

「ありますあります」

 

「……」

 

 物間が「そうですか」と言って、歩いて行った。

 

 廊下の向こうに消えた後——物間が小さな声で何か言った。

 

 野獣先輩の索敵に引っかかった。

 

「ありますあります」

 

 と言った。

 

 一人で廊下で言っていた。

 

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