【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩   作:まだら模様

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勢いづいたので初投稿です
当方の駄文によりストーリー、キャラ崩壊の可能性あります。
申し訳ございません…なんでもしm


第4話「やべぇよやべぇよ(USJ)」

 

 バスの中は、思ったよりうるさかった。

 

 雄英のバスは二列シートではなく横並びのシートになっていて、クラスメイト全員が向かい合う形で座っている。おかげで会話が自然に生まれる。普通の遠足みたいな空気だ。

 

 野獣先輩は窓際の席に座って、外を流れる景色を見ていた。

 

 隣に切島が座っている。切島は入学してからずっと距離が近い。語録しか喋れない野獣先輩に対して、過剰に気を遣うわけでも遠ざかるわけでもなく、ただ普通に接してくれる。それがありがたかった。

 

「野獣先輩さんって、今日どういう動き方するつもりですか? 個性的に集団戦向きっすよね」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「ですよね! 俺は突っ込むだけっすけど、野獣先輩さんがサポートしてくれたら心強いっす」

 

「お、そうだな」

 

「よっしゃ! じゃあ今日コンビ組みましょう!」

 

 切島が拳を握った。野獣先輩はうなずいた。

 

 悪くない、と思った。切島の個性「硬化」は前に出ることに特化している。自分の語録は後方支援と妨害に向いている。組み合わせとしては相性がいい。

 

 バスの前方では緑谷と飯田と麗日が何か話している。緑谷が個性についての質問を爆豪に投げかけて、爆豪が切れている。いつも通りだ。

 

 野獣先輩は視線を前方に戻した。

 

 今日の実習先はUSJ——ユニバーサル・スーパーヒーロー時間と書いて、そういう名前の施設だ。様々な災害を模した訓練エリアが広がっている大型施設で、実際に使われている施設だ。

 

 原作では、ここでヴィラン連合の襲撃を受ける。

 

 野獣先輩はそのことを知っている。

 

 知っているが、どうすればいいかは難しい問題だった。「もうすぐヴィランが来る」と伝える言葉が語録にない。「危険だから引き返せ」と言える言葉もない。

 

 できることは、来たときに対処することだけだ。

 

 野獣先輩は窓の外を見ながら、語録のリストを頭の中で整理した。

 

 

 USJは広かった。

 

 入口を抜けると、中央の広場から複数のゾーンに分かれているのが見える。水没ゾーン、火災ゾーン、廃墟ゾーン、山岳ゾーン。それぞれが本物に近い環境で作られている。

 

 thirteenが出迎えた。

 

 白い宇宙服姿。穏やかな声で話す。ブラックホールの個性を持つヒーローで、災害救助のプロだ。

 

 thirteenが話し始めた。個性は使い方次第で人を傷つける凶器になりうる、という話。自分のブラックホールの個性も、使い方を誤れば人を吸い込んで殺すことになる。だからこそ、ヒーローとしての心構えが大切だ——という内容だった。

 

 野獣先輩はその話を聞きながら、thirteenの背中を見ていた。

 

 入学式の日、名前を呼ばれた瞬間に硬直した人物だ。今日は野獣先輩のほうを向いていない。訓練の説明に集中している。

 

 プロだ、とまた思った。

 

 thirteenの話が終わりかけたとき、相澤がオールマイトの遅刻について何か言いかけた。

 

 そのとき、野獣先輩の口から言葉が出た。

 

「やべぇよやべぇよ」

 

 切島が「え?」と振り返った。

 

 次の瞬間、中央広場の噴水が黒く渦巻い

 

 

 

 黒い霧が広場に立ち込めた。

 

 人影が次々と現れる。数えるだけで数十人はいる。明らかに一般人ではない。殺気が空気を変えた。

 

 クラスが一瞬固まった。

 

 相澤が即座に動いた。

 

「全員固まるな! thirteenはクラスを守れ!」

 

 捕捉布を展開しながら相澤が飛び出した。同時にthirteenがクラスの前に立った。

 

 黒い霧の中から、人物が浮かび上がった。

 

 黒霧——霧状の個性を持つヴィランだ。声が低く、丁寧な口調で話す。

 

「雄英の学生諸君、オールマイトに会いに来た。邪魔をするなら——」

 

「やめたくなりますよなんか部っ活ぅ~」

 

 野獣先輩が呟いた。

 

 クラスの数人が「今それじゃない」という顔をした。切島が「野獣先輩さん⁉」と小声で言った。

 

 黒霧が一瞬、動きを止めた。

 

 止まった理由は分からない。でも確かに止まった。コンマ二秒ほど。

 

「……散れ」

 

 黒霧が展開した。クラスメイトたちが各ゾーンに強制転移させられていく。

 

 野獣先輩は切島の腕を掴んだ。

 

「こ↑こ↓」

 

 黒霧の転移とほぼ同時に、野獣先輩と切島が別の場所へワープした。黒霧の転移先とは違う、野獣先輩が指定した座標——広場の端、柱の陰だ。

 

 直後、周囲が静かになった。

 

 二人は柱の陰に立っていた。

 

「……今の、黒霧の転移から逃げた?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「すげぇ……!」

 

 切島が目を輝かせた。野獣先輩は広場の状況を確認した。

 

 相澤がヴィランたちと戦っている。thirteenがクラスの残りを守ろうとしている。そして中央の広場には——脳無がいる。あの巨大な人型の個体だ。

 

 野獣先輩は状況を整理した。

 

 まずクラスメイトたちが各ゾーンに散らされた。自分と切島は広場の端に残っている。相澤はヴィランの集団と戦っている。オールマイトはまだ来ていない。

 

「切島」

 

「はい!」

 

「いいよ!こいよ!」

 

「……行くってことっすか?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「わかった、行きましょう!」

 

 切島が個性を発動した。体表が硬化し、鋼鉄のような質感になる。

 

 二人は柱の陰から出た。

 

 

 

 広場から离れ、廃墟ゾーンへ移動した。

 

 このゾーンには複数のヴィランが配置されていた。崩れたビルの残骸の間に、明らかに戦闘向きの個性を持つ人間が数人いる。

 

 切島が前に出た。

 

「俺が前に出ます! 野獣先輩さんはサポートで!」

 

「お、そうだな」

 

 ヴィランの一人が切島に向かって突進してきた。刃物のような個性で全身が覆われている。

 

 切島が硬化した腕で受け止めた。金属同士がぶつかるような音がした。

 

「ハードネスで受けきれる!」

 

 野獣先輩は切島の背後から、別のヴィランを見た。切島の背後を狙おうとしている。

 

「見とけよ見とけよ~」

 

 強制注目状態が発動した。背後を狙っていたヴィランの視線が、強制的に野獣先輩に固定された。動きが一瞬止まる。

 

「こ↑こ↓」

 

 そのヴィランを廃墟の瓦礫の山にワープさせた。ドカン、という音とともに瓦礫が崩れて、ヴィランが下敷きになった。

 

「野獣先輩さんえぐい!」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

 切島が正面のヴィランと渡り合いながら、野獣先輩が側面と背後を語録で処理していく。

 

 三人目のヴィランが距離を取って何か叫んだ。

 

「なんだこいつ……語録しか言わないのか?」

 

「はっきりわかんだね」

 

「答えんな!」

 

 野獣先輩は内心で少し楽しかった。

 

 四人目が個性を発動した。電気系の個性だ。放電が広範囲に広がってくる。

 

「やべぇよやべぇよ」

 

 危機察知が発動した。最適回避ルートが直感で分かる。野獣先輩は切島を引っ張って横に跳んだ。電撃が二人のいた場所を通過した。

 

「今のも察知したんすか?」

 

「お、そうだな」

 

「控えめに言って最高っす!」

 

 切島が笑顔で突進した。電気系のヴィランに硬化した拳を叩き込む。ヴィランが吹っ飛んだ。

 

 廃墟ゾーンのヴィランを全員無力化するまで、十分かからなかった。

 

-----

 

### 【広場の状況——脳無との遭遇】

 

 廃墟ゾーンを制圧したあと、野獣先輩は広場の方向を見た。

 

 相澤が戦っている。脳無と、その周囲のヴィランたちと。

 

 相澤の動きが見える。消去で個性を無効化しながら、複数のヴィランを同時に相手にしている。強い。でも、数が多い。

 

 そして脳無は——相澤に向かって動いていた。

 

「切島」

 

「はい!」

 

「あくしろよ」

 

「行くぞってこと?」

 

 野獣先輩は走り出した。切島がついてくる。

 

 広場に出た瞬間、脳無の巨体が視界を塞いだ。

 

 でかい。本当にでかい。四メートル以上はある。全身が無数の腕で覆われていて、動くたびに地面が揺れる。

 

 相澤が脳無に叩きつけられた。地面に激突した相澤が動かない。

 

「相澤先生!」

 

 切島が叫んだ。

 

 野獣先輩は脳無を見た。

 

 「こ↑こ↓」で転移させるには大きすぎる。直接触れなければ転移できない、という制約もある。

 

 別の手を使う。

 

「ぬわああああん疲れたもおおおおおん!」

 

 野獣先輩が全力で叫んだ。

 

 重力増加フィールドが展開された。

 

 半径十五メートル以内の重力が急上昇する。切島が「うわっ」と声を上げてよろけた。野獣先輩自身も膝に来る。でも脳無への効果はさらに大きい。

 

 脳無の動きが、急激に鈍った。

 

 四メートルの巨体を動かす筋力が、増加した重力に対抗しきれない。ずるずると速度が落ちて、足が地面にめり込んでいく。

 

「これ……重力が上がってる?」

 

 切島が歯を食いしばりながら言った。

 

「王道を征く」

 

「何が?!」

 

 脳無が完全停止するまで八秒かかった。八秒間、野獣先輩は重力フィールドを維持した。かなり消耗した。足が震えている。

 

 停止した脳無のセンサー部分——頭頂部のコア——に向けて、野獣先輩は手を伸ばした。

 

「こ↑こ↓」

 

 コアが手元にワープしてきた。

 

 叩きつけた。

 

 脳無が停止した。

 

 重力フィールドが解除される。切島が大きく息を吸った。

 

「……やったんすか、今」

 

「やったぜ。」

 

「かっけぇ……!」

 

-

 

 相澤は意識を失っていた。

 

 全身に傷がある。脳無に叩きつけられたダメージだ。呼吸はある。でも放置はできない。

 

 野獣先輩は相澤の状態を確認しながら、周囲を見渡した。

 

 広場の中央に、黒霧がいる。

 

 黒霧は野獣先輩たちを見ていた。視線が、まっすぐこちらに向いている。

 

「……なかなか、やりますね」

 

 黒霧が言った。丁寧な口調は変わらない。

 

「やりますねぇ!」

 

 野獣先輩が即座に返した。

 

 黒霧が一瞬、沈黙した。

 

 丁寧な口調の外側で、何かが揺れた気がした。

 

「……あなたは、変わった個性を持っている」

 

「はっきりわかんだね」

 

「その語録……どこかで——」

 

「これもうわかんねぇな」

 

 黒霧がまた沈黙した。今度は少し長い。

 

 野獣先輩は黒霧を観察した。黒霧は戦闘個性というよりも転移・偵察特化型のヴィランだ。直接戦闘には向いていない可能性が高い。でも「こ↑こ↓」で転移させようとしても、霧状の個性を持つ相手に触れることができない。

 

 どうする。

 

「野獣先輩さん……あいつ、なんか様子おかしくないすか?」

 

 切島が小声で言った。

 

 確かに、黒霧は動いていない。戦闘態勢に入っていない。こちらを見ているだけだ。

 

「なんで?」

 

 野獣先輩が呟いた。

 

 黒霧の動きが——反転した。

 

 展開しかけていた霧が、逆方向に引いていった。黒霧が後退した。

 

「……今日のところは、退きましょう」

 

「え、なんで?!」

 

 切島が叫んだ。

 

 野獣先輩にも理由は分からなかった。「なんで?」の効果が発動して、黒霧の行動が反転したのかもしれない。でも霧状の相手に「なんで?」が通じるとは思っていなかった。

 

 そのまま黒霧が霧散した。

 

「……行った?」

 

「ダメみたいですね」

 

「追えないってこと?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

 切島が肩の力を抜いた。

 

 そのとき——USJの壁が、砕けた。

 

-----

 

### 【オールマイト、参上】

 

 壁を突き破って入ってきた人物を見て、野獣先輩は思った。

 

 でかい。

 

 マッスルフォームのオールマイトが、破壊した壁の向こうから現れた。入口から来ず、壁を直接突き破って来た。それだけで場の空気が変わった。

 

「私が来た!」

 

 声がUSJ全体に響いた。

 

 野獣先輩の口から、反射的に言葉が出た。

 

「やりますねぇ!」

 

 身体能力強化バフが発動した。足の震えが止まった。

 

 オールマイトがこちらを見た。

 

 相澤が倒れているのを確認し、脳無が停止しているのを確認し、野獣先輩と切島を確認した。

 

 そしてオールマイトは、野獣先輩の顔を、三秒間見た。

 

 三秒だ。コンマじゃない。まるまる三秒。

 

「……君たちは無事か!」

 

「王道を征く」

 

「……そ、そうだ! 王道だ! ヒーローはいつでも王道を!」

 

 オールマイトが笑顔で言った。

 

 笑顔だが、目の奥が若干揺れていた。

 

 切島が「オールマイト来た! すげぇ!」と興奮している横で、野獣先輩はオールマイトを観察した。

 

 三秒だ。

 

 相澤はコンマ一秒。プレゼントマイクは三秒。thirteenはコンマ二秒。そしてオールマイトは今日だけで「810」の数字でコンマ三秒、直接会ってまるまる三秒。

 

 合計三秒三コンマ。

 

 これは——相当知っている。

 

「王道を征く」

 

 野獣先輩はもう一度呟いた。自分用の確認だ。

 

 オールマイトが「うん!?」という顔をしてこちらを見たが、すでに視線を脳無に戻していた。

 

 

 

 その後の展開は、早かった。

 

 オールマイトが脳無を倒した。それも圧倒的な速度と力で、一撃で。

 

 野獣先輩はその様子を少し離れた場所から見ていた。

 

 切島が「あれが本物のヒーローだ……!」と呟いていた。野獣先輩も同じことを思った。

 

 でかくて、速くて、強い。語録とか個性とか、そういう次元ではない純粋な力がある。

 

 その後、ヴィラン連合は撤退した。

 

 死柄木弔——あの手が多い青白い人物——が何か叫んでいた。「計画通りにいかなかった」という内容だった。

 

 野獣先輩は死柄木を見た。

 

 原作で知っている。あの人物は今後、もっと大きな脅威になる。今日は失敗したが、次は違う。

 

 死柄木の視線がこちらに向いた瞬間、野獣先輩は口を開いた。

 

「しかし、修行やってます。いつの日か世界を救うと信じて。」

 

 死柄木が止まった。

 

「……何?」

 

「ないです」

 

「ないって何が……」

 

「多少はね?」

 

 死柄木が眉間に皺を寄せた。黒霧が「死柄木弔、撤退を」と声をかけた。

 

「……覚えてろよ」

 

 死柄木が黒霧の霧に包まれて消えた。

 

 その直前、死柄木の目が野獣先輩の顔を見た。

 

 奇妙な目だった。怒りとも困惑ともつかない、不思議な表情だった。

 

 野獣先輩は消えていく霧を見送った。

 

「今の……死柄木? に話しかけたんすか?」

 

「お、そうだな」

 

「何て言ってたんすか」

 

「しかし、修行やってます。いつの日か世界を救うと信じて。」

 

「……どういう意味っすか?」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

 切島が困惑した顔のまま、でも深く考えるのをやめた顔で「わかんないっすけど、かっけぇ気がしました」と言った。

 

-

 

 ヴィランが撤退したあと、USJ内の生徒たちが中央広場に集まってきた。

 

 それぞれのゾーンで戦っていたクラスメイトたちが、怪我を負いながらも戻ってきた。全員の顔を確認した。緑谷が腕に包帯を巻いている。轟が無表情だが体には傷がある。八百万が消耗している。

 

 全員いる。

 

 野獣先輩はその事実を確認して、少し息を吐いた。

 

「いいゾ〜これ」

 

 切島が「何がいいんすか?」と聞いた。

 

「全員いる」と言いたかったが、その言葉が出ない。

 

「ないです」

 

「ないって……まあ、全員無事そうでよかったっす!」

 

 切島が自分で解釈して納得していた。

 

 救護の人員が到着した。相澤が担架で運ばれていく。意識はまだない。

 

 野獣先輩は担架の横を少し歩いた。

 

 相澤は強い教師だ。今日、一人でヴィランの集団を相手に時間を稼いだ。それがなければもっと被害が出ていた。

 

「王道を征く」

 

 担架を運ぶ人員が「え?」という顔をしたが、野獣先輩はもう前を向いていた。

 

 

 

 帰りのバスは、行きより静かだった。

 

 全員が疲れている。怪我をしている者もいる。今日起きたことの重さが、少しずつ実感として押し寄せてきているらしく、クラスの空気が重かった。

 

 野獣先輩は窓の外を見ていた。

 

 切島が隣で寝ている。よほど消耗したのか、座ったまま目を閉じている。

 

 バスの前方、教師席にオールマイトが座っている。

 

 オールマイトは前を向いていたが、一度だけ振り返った。そしてバスの後方にいる野獣先輩を見た。

 

 目が合った。

 

 オールマイトは何も言わなかった。野獣先輩も何も言えなかった。

 

 三秒間、お互いに見ていた。

 

 それからオールマイトが前を向いた。

 

 野獣先輩も窓の外を見た。

 

 夕暮れの景色が流れていく。

 

「多少はね?」

 

 誰に言うでもなく、窓に向かって呟いた。

 

 今日は多少うまくいった。多少は。

 

 次はもっとうまくやれる、という確信は今のところない。

 

 でも——

 

「しかし、修行やってます。いつの日か世界を救うと信じて。」

 

 切島が寝ぼけた声で「……うす……」と返した。

 

 野獣先輩は小さく笑った。

 

 語録しか喋れない自分が笑うと、たぶん変な顔になっている。でも誰も見ていないので問題ない。

 

 バスは雄英へ向かって走り続けた。

 

 

 

 その夜、雄英の職員室では。

 

 プレゼントマイクが一人で残って、今日のUSJの映像を確認していた。

 

 相澤は入院した。重傷だ。意識は戻ったが、しばらく動けない。

 

 映像の中で、野獣先輩が「ぬわああああん疲れたもおおおおおん」と叫んで重力フィールドを展開している。

 

 プレゼントマイクは映像を一時停止した。

 

 しばらく画面を見ていた。

 

 それから、口元を手で覆った。

 

 肩が震えていた。

 

 笑いをこらえているのか、泣きそうなのか、それとも両方なのかは、映像には映っていない。

 

「……ショータ、早く治れよ……」

 

 プレゼントマイクは映像の再生を止めて、電気を消した。

 

 職員室が暗くなった。

 

 




ちなみに13号先生のはあえてやってる表記ネタです
DTN的な…オリジナル設定生やしてますがユルシテ…
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