【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩 作:まだら模様
ここまで読んでくれた方、付き添ってくださった方々には感謝してもしきれません。
最後までワードたっぷりでお楽しみください!
キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。
評価、感想付与は野獣先輩が魂を込めた叫びをしてくれます!
ここが全力で精気を込めて力を出し尽くすかもしれませんね…
朝。
ワードレスで索敵を起動した。
発声しなかった。
全員の気配を確認した——いる。
「ありますあります」
でも今日は——何かが引っかかっていた。
索敵の中ではなく。
自分の中で。
何かが——来る、という感触があった。
HRの後。
相澤が「田所。後で職員室に来い」と言った。
「ありますあります」
静かな声だった。
怒っているわけではない。でも——「話がある」という声だった。
職員室。
相澤と二人だった。
「一つだけ聞く」
「ありますあります」
「田所。お前は——これからどうする」
野獣先輩は少し間を置いた。
「ありますあります」
「「まだ考えていない」か」
「ありますあります」
「戦争が終わった。状況が変わった。——お前はまだ、雄英にいるつもりか」
長い間があった。
「ありますあります」
「「いる」か」
「ありますあります」
「「迷っている」か」
「ありますあります」
相澤が「そうか」と言った。「今日一日、考えろ。答えは明日でいい」
「ありますあります」
屋上に出た。
昼間の屋上。
ワードレスで索敵を起動した。
発声なし。
A組の気配が下の教室に集まっている。授業中だ。
「ありますあります」
野獣先輩は空を見た。
これからどうするか。
その問いは——百年以上、ずっとあった問いだった。
索敵を動かしながら——
野獣先輩の中で、何かが揺れ始めた。
「こ、去年ですね」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
「時間軸のずらし」——
でも今は誰かに向けて使った語録ではなかった。
自分の中で——時間が揺れた。
去年ではなかった。
もっと前だった。
ずっと前だった。
「こ、去年ですね」
もう一度言った。
「ありますあります」
記憶が来た。
木村の顔が浮かんだ。
丸い顔だった。よく笑う顔だった。
深夜に——よく二人でいた。どこかのアパートの一室だったか。畳の部屋だったか。
木村が何かを食べていた。夜中に何かを食べながら、笑いながら、何かを言っていた。
「MURさん夜中腹減んないすか?」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
木村の声が聞こえた気がした。「なんで腹減んないんだよ、お前はよぉ」と言っていた気がした。
次に——三浦の顔が浮かんだ。
細い顔だった。眠そうな顔だった。でも目が鋭かった。
「裕子と菊代」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
「二者の名前」——
木村と三浦。
二人の名前ではない。でも——二人がいた。それだけで十分だった。
二人ともとっくに死んでいる。
何十年も前に。
でも今でも——索敵を動かすたびに、どこかに気配が残っている気がした。
秋吉師範の顔が浮かんだ。
怖い顔だった。でも誰よりも真っ直ぐな人だった。
野獣先輩が何かをしようとするたびに——制約があった。
「それはできない」「それはやめろ」「それは昼間にやることじゃない」
「申し訳ないが昼はNG」
野獣先輩が言った。
秋吉師範の声が聞こえた気がした。「そういうことじゃない、田所」と言っていた気がした。
「ありますあります」
師範が何かを始めさせようとしていた。野獣先輩はいつも後ろにいた。
でも師範は「お前は始まっている」と言っていた。
「He didn’t…he begin…」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
「開始の予告・何かが始まる前兆」——
始まっていた。ずっと前から。師範と一緒にいた頃から、もう始まっていた。
遠野の顔が浮かんだ。
明るい顔だった。いつも何かを言っていた。
遠野がいると——場がうるさかった。うるさいのに、うるさくても良かった。
「YO!」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
遠野の笑う声が聞こえた気がした。「田所さん!! それ!! そこで言うんすか!!」と言っていた気がした。
遠野とよく夜まで何かをしていた。
くたびれると遠野が言っていた。「もうやだ〜」と言っていた。
「ぬわあああああん疲れたもおおおおおん」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
広域疲労付与——ではなかった。
遠野の言葉だった。
遠野も——とっくに死んでいる。
でも遠野の「ぬわあああん」は——この語録の中にまだいる。
「ありますあります」
野獣先輩はワードレスで「こ↑こ↓」を起動した。
発声なし。
屋上の端から——少し動いた。
「ありますあります」
成功した。
百年以上前にこの語録を最初に言った時——まだ「語録でしか話せない」ことの意味が分からなかった。
なぜ語録でしか話せないのか。
それは今でも分からない。
でも——語録の中に、木村がいる。三浦がいる。秋吉師範がいる。遠野がいる。
「こ↑こ↓」——言わなかった。
でも移動した。
「ありますあります」
みんなが、語録の中にいる。
昼。
A組が屋上に上がってきた。
全員ではなかった。デク・爆豪・切島・上鳴・轟・お茶子の六人だった。
「先輩、何してたんですか」と切島が言った。
「ありますあります」
「索敵ですか」
「ありますあります」
「一人で、ですか」
「ありますあります」
デクが「相澤先生から聞きました。先輩に「これからどうするか」という話をしたと」と言った。
「ありますあります」
「先輩は、雄英を出て行くんですか」
野獣先輩は少し間を置いた。
「24でぇ~す」
野獣先輩が言った。
A組が「え!?」と言った。
「ありますあります」
「「24歳です」ということですか」と上鳴が言った。
「ありますあります」
「「まだ学生だ」ということですか」
「ありますあります」
「「学生はまだ卒業できない」ということですか」
「ありますあります」
切島が「先輩、まだいてくれるんですか」と言った。
野獣先輩は空を見た。
木村の顔が浮かんだ。三浦の顔が浮かんだ。秋吉師範の顔が浮かんだ。遠野の顔が浮かんだ。
全員——とっくに死んでいる。
野獣先輩は百年以上、ずっと続けてきた。
なぜ続けられたのかは——分からない。
でも——語録がある限り、続けられた。
そして今——索敵の中にA組がいる。
デクがいる。爆豪がいる。切島がいる。上鳴がいる。
「24歳、学生です」
野獣先輩が言った。
静かに言った。
A組が静かになった。
少しして——切島が「それって「まだ学生でいる」ということですよね」と言った。
「ありますあります」
「「雄英にいる」ということですよね」
「ありますあります」
「先輩!!」
切島が叫んだ。
デクが「先輩、ずっといてください」と言った。
「ありますあります」
爆豪が「うるさい」と言った。でも前を向いていた。「お前がいた方が都合がいい」
「ありますあります」
上鳴が「先輩!! 好きっすよ!!」と言った。
「ナオキです」
上鳴が「また!!」と言った。
「ありますあります」
お茶子が「先輩、ずっといてくれるんですよね」と言った。
「ありますあります」
轟が「そうか」と言った。短かった。でもそれで十分だった。
「ありますあります」
野獣先輩は——全員の前で、ワードレスを動かした。
発声なし。
索敵——起動。A組六人の気配が全員、索敵の中に入ってきた。
「ありますあります」
転移——起動。屋上の端から真ん中に出た。
「ありますあります」
菅野美穂——起動。囮が六体出た。A組の六人と同じ数だった。
「ありますあります」
†悔い改めて†——起動。
「ありますあります」
ちかえし——起動。
「ありますあります」
全種——全部、今ここで動いた。
発声は一つも出なかった。
全部——ワードレスだった。
A組が息を呑んだ。
「今のは!!」と上鳴が叫んだ。
「ありますあります」
「全部、語録なしで!!」
「ありますあります」
「「百年以上かけて到達した」ということですか!!」
「ありますあります」
切島が「先輩は——すごいな」と言った。泣いていた。
「ありますあります」
野獣先輩は——A組を見た。
索敵の中に全員がいる。
デクがいる。爆豪がいる。切島がいる。上鳴がいる。轟がいる。お茶子がいる。
下の教室には——残りのA組が全員いる。
索敵を最大まで広げた——ワードレスで。
全員の気配が一斉に入ってきた。
A組。B組。相澤。オールマイト。ミリオ。壊理。
全員——いる。
「やりますねぇ!!」
野獣先輩が言った。
大声で言った。
食い気味で言った。
今までで——一番大きな声で言った。
A組が「!!」と叫んだ。
「やりますねぇ!!」
もう一度言った。
「ありますあります!!」
夜。
屋上に出た。
ワードレスで索敵を起動した。
全員確認した——いる。
「ありますあります」
空を見た。
木村。
「ありますあります」
三浦。
「ありますあります」
秋吉師範。
「ありますあります」
遠野。
「ありますあります」
全員——死んでいる。索敵には引っかからない。
でも——語録の中にいる。
野獣先輩がこれまで言ってきた全ての語録の中に、みんながいる。
「ぬわあああああん疲れたもおおおおおん」
野獣先輩が言った。
「ありますあります」
疲れた。百年以上、本当に疲れた。
でも——続く。
明日もA組がいる。明日も授業がある。明日もワードレスの練習がある。
「ありますあります」
索敵の中で——A組が眠っていた。
全員いる。
「やりますねぇ!」
野獣先輩が言った。
夜の屋上に向かって、静かに言った。
「ありますあります」
深夜。
相澤から来た。
「答えは出たか」
「24歳、学生です」
「そうか」
相澤が「それでいい」と言った。
「ありますあります」
「エンデヴァーに伝える」
「ありますあります」
しばらくして、エンデヴァーから来た。
「「24歳、学生です」か」
「ありますあります」
「「まだ雄英にいる」ということか」
「ありますあります」
「そうか」
少し間があった。
「来週、会える場所で——「焼く時は!」と「金!暴力!SEX!」を教えてもらう。約束だ」
「ありますあります」
「田所」
「ありますあります」
「「やりますねぇ!」」
エンデヴァーが送ってきた。
エンデヴァーが——「やりますねぇ!」を送ってきた。
「ありますあります!!!!」
野獣先輩は今日一番の勢いで返した。
翌朝。
HR教室。
野獣先輩が教室に入った。
「オッスオッス!」
野獣先輩が言った。
A組が「オッスオッス!!」と返した。
「ありますあります」
デクが席に座っていた。
爆豪が窓の外を見ていた。
切島が「先輩、おはようございます!!」と言った。
上鳴が「先輩!! 好きっすよ!!」と言った。
「24歳、学生です」
野獣先輩が言った。
A組が笑った。
「ありますあります」
野獣先輩も——笑った気配があった。
索敵には、それが引っかかった。
「やりますねぇ!!」
野獣先輩が最後に言った。
「ありますあります!!」
〜原作レ○プ!語録使いになった先輩〜
完
終わり!閉廷!…以上!皆解散!