【完結】ヒロアカレ⚪︎プ!語録使いになった先輩   作:まだら模様

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ついに最終回です!
ここまで読んでくれた方、付き添ってくださった方々には感謝してもしきれません。

最後までワードたっぷりでお楽しみください!

キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。

評価、感想付与は野獣先輩が魂を込めた叫びをしてくれます!
ここが全力で精気を込めて力を出し尽くすかもしれませんね…


第59話「王道を征く…やりますねぇ!(完結)(野獣先輩の選択・語録使いになった先輩)」

 

 

 朝。

 

 ワードレスで索敵を起動した。

 

 発声しなかった。

 

 全員の気配を確認した——いる。

 

「ありますあります」

 

 でも今日は——何かが引っかかっていた。

 

 索敵の中ではなく。

 

 自分の中で。

 

 何かが——来る、という感触があった。

 

 

 HRの後。

 

 相澤が「田所。後で職員室に来い」と言った。

 

「ありますあります」

 

 静かな声だった。

 

 怒っているわけではない。でも——「話がある」という声だった。

 

 

 職員室。

 

 相澤と二人だった。

 

「一つだけ聞く」

 

「ありますあります」

 

「田所。お前は——これからどうする」

 

 野獣先輩は少し間を置いた。

 

「ありますあります」

 

「「まだ考えていない」か」

 

「ありますあります」

 

「戦争が終わった。状況が変わった。——お前はまだ、雄英にいるつもりか」

 

 長い間があった。

 

「ありますあります」

 

「「いる」か」

 

「ありますあります」

 

「「迷っている」か」

 

「ありますあります」

 

 相澤が「そうか」と言った。「今日一日、考えろ。答えは明日でいい」

 

「ありますあります」

 

 

 屋上に出た。

 

 昼間の屋上。

 

 ワードレスで索敵を起動した。

 

 発声なし。

 

 A組の気配が下の教室に集まっている。授業中だ。

 

「ありますあります」

 

 野獣先輩は空を見た。

 

 これからどうするか。

 

 その問いは——百年以上、ずっとあった問いだった。

 

 

 索敵を動かしながら——

 

 野獣先輩の中で、何かが揺れ始めた。

 

「こ、去年ですね」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

 「時間軸のずらし」——

 

 でも今は誰かに向けて使った語録ではなかった。

 

 自分の中で——時間が揺れた。

 

 去年ではなかった。

 

 もっと前だった。

 

 ずっと前だった。

 

「こ、去年ですね」

 

もう一度言った。

 

「ありますあります」

 

 

 記憶が来た。

 

 木村の顔が浮かんだ。

 

 丸い顔だった。よく笑う顔だった。

 

 深夜に——よく二人でいた。どこかのアパートの一室だったか。畳の部屋だったか。

 

 木村が何かを食べていた。夜中に何かを食べながら、笑いながら、何かを言っていた。

 

「MURさん夜中腹減んないすか?」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

 木村の声が聞こえた気がした。「なんで腹減んないんだよ、お前はよぉ」と言っていた気がした。

 

 次に——三浦の顔が浮かんだ。

 

 細い顔だった。眠そうな顔だった。でも目が鋭かった。

 

「裕子と菊代」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

「二者の名前」——

 

木村と三浦。

 

二人の名前ではない。でも——二人がいた。それだけで十分だった。

 

二人ともとっくに死んでいる。

 

何十年も前に。

 

でも今でも——索敵を動かすたびに、どこかに気配が残っている気がした。

 

 秋吉師範の顔が浮かんだ。

 

 怖い顔だった。でも誰よりも真っ直ぐな人だった。

 

 野獣先輩が何かをしようとするたびに——制約があった。

 

「それはできない」「それはやめろ」「それは昼間にやることじゃない」

 

「申し訳ないが昼はNG」

 

 野獣先輩が言った。

 

秋吉師範の声が聞こえた気がした。「そういうことじゃない、田所」と言っていた気がした。

 

「ありますあります」

 

師範が何かを始めさせようとしていた。野獣先輩はいつも後ろにいた。

 

でも師範は「お前は始まっている」と言っていた。

 

「He didn’t…he begin…」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

「開始の予告・何かが始まる前兆」——

 

始まっていた。ずっと前から。師範と一緒にいた頃から、もう始まっていた。

 

 遠野の顔が浮かんだ。

 

 明るい顔だった。いつも何かを言っていた。

 

 遠野がいると——場がうるさかった。うるさいのに、うるさくても良かった。

 

「YO!」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

遠野の笑う声が聞こえた気がした。「田所さん!! それ!! そこで言うんすか!!」と言っていた気がした。

 

遠野とよく夜まで何かをしていた。

 

くたびれると遠野が言っていた。「もうやだ〜」と言っていた。

 

「ぬわあああああん疲れたもおおおおおん」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

広域疲労付与——ではなかった。

 

遠野の言葉だった。

 

遠野も——とっくに死んでいる。

 

でも遠野の「ぬわあああん」は——この語録の中にまだいる。

 

「ありますあります」

 

 

 

 野獣先輩はワードレスで「こ↑こ↓」を起動した。

 

発声なし。

 

屋上の端から——少し動いた。

 

「ありますあります」

 

成功した。

 

百年以上前にこの語録を最初に言った時——まだ「語録でしか話せない」ことの意味が分からなかった。

 

なぜ語録でしか話せないのか。

 

それは今でも分からない。

 

でも——語録の中に、木村がいる。三浦がいる。秋吉師範がいる。遠野がいる。

 

「こ↑こ↓」——言わなかった。

 

でも移動した。

 

「ありますあります」

 

みんなが、語録の中にいる。

 

 昼。

 

A組が屋上に上がってきた。

 

全員ではなかった。デク・爆豪・切島・上鳴・轟・お茶子の六人だった。

 

「先輩、何してたんですか」と切島が言った。

 

「ありますあります」

 

「索敵ですか」

 

「ありますあります」

 

「一人で、ですか」

 

「ありますあります」

 

デクが「相澤先生から聞きました。先輩に「これからどうするか」という話をしたと」と言った。

 

「ありますあります」

 

「先輩は、雄英を出て行くんですか」

 

野獣先輩は少し間を置いた。

 

「24でぇ~す」

 

野獣先輩が言った。

 

A組が「え!?」と言った。

 

「ありますあります」

 

「「24歳です」ということですか」と上鳴が言った。

 

「ありますあります」

 

「「まだ学生だ」ということですか」

 

「ありますあります」

 

「「学生はまだ卒業できない」ということですか」

 

「ありますあります」

 

切島が「先輩、まだいてくれるんですか」と言った。

 

 野獣先輩は空を見た。

 

木村の顔が浮かんだ。三浦の顔が浮かんだ。秋吉師範の顔が浮かんだ。遠野の顔が浮かんだ。

 

全員——とっくに死んでいる。

 

野獣先輩は百年以上、ずっと続けてきた。

 

なぜ続けられたのかは——分からない。

 

でも——語録がある限り、続けられた。

 

そして今——索敵の中にA組がいる。

 

デクがいる。爆豪がいる。切島がいる。上鳴がいる。

 

「24歳、学生です」

 

 野獣先輩が言った。

 

静かに言った。

 

A組が静かになった。

 

少しして——切島が「それって「まだ学生でいる」ということですよね」と言った。

 

「ありますあります」

 

「「雄英にいる」ということですよね」

 

「ありますあります」

 

「先輩!!」

 

切島が叫んだ。

 

 デクが「先輩、ずっといてください」と言った。

 

「ありますあります」

 

 爆豪が「うるさい」と言った。でも前を向いていた。「お前がいた方が都合がいい」

 

「ありますあります」

 

 上鳴が「先輩!! 好きっすよ!!」と言った。

 

「ナオキです」

 

 上鳴が「また!!」と言った。

 

「ありますあります」

 

 お茶子が「先輩、ずっといてくれるんですよね」と言った。

 

「ありますあります」

 

 轟が「そうか」と言った。短かった。でもそれで十分だった。

 

「ありますあります」

 

 

 野獣先輩は——全員の前で、ワードレスを動かした。

 

発声なし。

 

索敵——起動。A組六人の気配が全員、索敵の中に入ってきた。

 

「ありますあります」

 

転移——起動。屋上の端から真ん中に出た。

 

「ありますあります」

 

菅野美穂——起動。囮が六体出た。A組の六人と同じ数だった。

 

「ありますあります」

 

†悔い改めて†——起動。

 

「ありますあります」

 

ちかえし——起動。

 

「ありますあります」

 

全種——全部、今ここで動いた。

 

発声は一つも出なかった。

 

全部——ワードレスだった。

 

A組が息を呑んだ。

 

「今のは!!」と上鳴が叫んだ。

 

「ありますあります」

 

「全部、語録なしで!!」

 

「ありますあります」

 

「「百年以上かけて到達した」ということですか!!」

 

「ありますあります」

 

切島が「先輩は——すごいな」と言った。泣いていた。

 

「ありますあります」

 

 

 

 野獣先輩は——A組を見た。

 

索敵の中に全員がいる。

 

デクがいる。爆豪がいる。切島がいる。上鳴がいる。轟がいる。お茶子がいる。

 

下の教室には——残りのA組が全員いる。

 

索敵を最大まで広げた——ワードレスで。

 

全員の気配が一斉に入ってきた。

 

A組。B組。相澤。オールマイト。ミリオ。壊理。

 

全員——いる。

 

「やりますねぇ!!」

 

 野獣先輩が言った。

 

大声で言った。

 

食い気味で言った。

 

今までで——一番大きな声で言った。

 

A組が「!!」と叫んだ。

 

「やりますねぇ!!」

 

もう一度言った。

 

「ありますあります!!」

 

 

 夜。

 

屋上に出た。

 

ワードレスで索敵を起動した。

 

全員確認した——いる。

 

「ありますあります」

 

空を見た。

 

木村。

 

「ありますあります」

 

三浦。

 

「ありますあります」

 

秋吉師範。

 

「ありますあります」

 

遠野。

 

「ありますあります」

 

全員——死んでいる。索敵には引っかからない。

 

でも——語録の中にいる。

 

野獣先輩がこれまで言ってきた全ての語録の中に、みんながいる。

 

「ぬわあああああん疲れたもおおおおおん」

 

 野獣先輩が言った。

 

「ありますあります」

 

疲れた。百年以上、本当に疲れた。

 

でも——続く。

 

明日もA組がいる。明日も授業がある。明日もワードレスの練習がある。

 

「ありますあります」

 

索敵の中で——A組が眠っていた。

 

全員いる。

 

「やりますねぇ!」

 

 野獣先輩が言った。

 

夜の屋上に向かって、静かに言った。

 

「ありますあります」

 

 

 

 深夜。

 

相澤から来た。

 

「答えは出たか」

 

「24歳、学生です」

 

「そうか」

 

相澤が「それでいい」と言った。

 

「ありますあります」

 

「エンデヴァーに伝える」

 

「ありますあります」

 

しばらくして、エンデヴァーから来た。

 

「「24歳、学生です」か」

 

「ありますあります」

 

「「まだ雄英にいる」ということか」

 

「ありますあります」

 

「そうか」

 

少し間があった。

 

「来週、会える場所で——「焼く時は!」と「金!暴力!SEX!」を教えてもらう。約束だ」

 

「ありますあります」

 

「田所」

 

「ありますあります」

 

「「やりますねぇ!」」

 

エンデヴァーが送ってきた。

 

エンデヴァーが——「やりますねぇ!」を送ってきた。

 

「ありますあります!!!!」

 

野獣先輩は今日一番の勢いで返した。

 

 翌朝。

 

HR教室。

 

野獣先輩が教室に入った。

 

「オッスオッス!」

 

 野獣先輩が言った。

 

A組が「オッスオッス!!」と返した。

 

「ありますあります」

 

デクが席に座っていた。

 

爆豪が窓の外を見ていた。

 

切島が「先輩、おはようございます!!」と言った。

 

上鳴が「先輩!! 好きっすよ!!」と言った。

 

「24歳、学生です」

 

野獣先輩が言った。

 

A組が笑った。

 

「ありますあります」

 

野獣先輩も——笑った気配があった。

 

索敵には、それが引っかかった。

 

「やりますねぇ!!」

 

 野獣先輩が最後に言った。

 

「ありますあります!!」

 

〜原作レ○プ!語録使いになった先輩〜

       完

終わり!閉廷!…以上!皆解散!

 

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