知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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さっさと進めるぞオラぁっ!Here we go!


第106話 Let's PARTY!!!

Side in

 

ふと思うが、メンデルスゾーンが悪いのかメンデルスゾーンの後に出てくるカツキングたちが悪いのか分からないのだ。実際、俺はリースボルシャックを組んでいたわけだし。

 

――『馬鹿なこと言ってねぇで働け』

 

ドキンダムが冷たい。

 

俺の乗っていたドラゴンさんがタンニーンさんに近かったからか、タンニーンさんと兵藤の会話が少し聞こえた。何でもドラゴンアップルなるものがあるらしい。しかもそれしか食べないドラゴンがいて、そいつらが絶滅しそうだとか。で、そのドラゴンアップルは、昔は人間界にもあったが今は冥界くらいだけ。だから、その研究をするために悪魔に魂を売って龍王の座を降りたとか。

 

黒歌の前例を知っていて、尚且つタンニーンさんとサタンさんの前例を知っていると悪魔の転生や誰かの軍門に降るってのは一枚岩じゃないってのがよく分かる。

 

そのタンニーンさんの話を聞いて、兵藤も何かを感じ取った様子だった。それが学びに繋がるのなら、俺は止めんよ。

 

願わくば、黒歌の元主のような畜生と会わせないでくれ。

 

しばらくして、森の中に現れた超高層ホテル。そこが今回のパーティー会場となっている。

 

そのホテルだが、敷地がまぁデカい。それだけで町一つあるんじゃないかってくらいだ。

 

俺達を乗せたドラゴン達がスポーツ競技のコートらしき場所へと降りていく。下からのライトアップもあって、隣のタンニーンさんが随分特撮の怪獣みたいに見えた。

 

「送りはここまでだ。俺達は大型悪魔専用のスペースに行く」

 

「ありがとう、タンニーン」

 

「おっさん!ありがとうな!」

 

「ありがとうございました、タンニーンさん」

 

リアスと兵藤、俺が礼を言うとタンニーンさんは嬉し気に微笑み、その専用スペースへと飛び立っていった。

 

それから、俺達はホテルの従業員さんに迎えられて、リムジンに乗った。もう、驚かないよ?『こう言う世界なんだ』って諦めることも重要だって思ったもん。

 

俺の隣にはリアスが座った。ほんと、綺麗だな。間近で見ると芸術品すらも霞むくらいにその美しさに目が焼かれる。

 

「すっげー……!」

 

俺がちょっとした苦しみにあっていると、兵藤が窓から外を覗いて、そう感嘆の声を上げる。するとリアスが解説を入れた。

 

「このホテル周辺には各施設も存在しているの。その中には軍もあるわ。今回はVIPが揃うと言うこともあって、下手な都市部よりもずっと厳重な警備になっているわ」

 

「おお、怖いにゃ」

 

備え付けの炭酸水を飲みながらリアスの解説にそう茶々を入れる黒歌。それにリアスは苦笑した。

 

「でもあなた、小猫のことになったらその中でも飛び込むでしょ?」

 

「無論ね」

 

うちの娘、ほんと覚悟ガンギマリすぎよな。俺への忠義とかもどこぞのオレンジみたいになりそうでちょっと不安になるよ。

 

「そう言えば、部長。アザゼル先生はどこへ?さっきも見当たらなかったですし。タンニーンのおっさんにそんなに嫌われてるんですか、あの人?」

 

外の光景から兵藤が意識を戻した。そんな兵藤に呆れた様子でリアスは言う。

 

「あの人は他ルートで早入りよ。それもお兄様と合流して。全く、すっかり仲良しになっちゃって……」

 

随分近くなったのですね、お二人。まぁ、俺は『あの時』を知っているから『せやな』と思うよ。

 

俺も兵藤に倣って外の風景を見てみる。自分がいかにVIP扱いされているかよーく分かる。俺も俺で身持ちを考えないといけないって嫌って程教えてくる。

 

「ねぇ、大地?少しいいかしら?」

 

「ん?いいぞ」

 

リアスが俺に声をかけてきた。彼女の方を見ると、とても真剣そうな表情でいた。

 

「あなたは別の所にいたから聞いてないでしょうけど……さっきソーナに宣戦布告されたわ。『私達は夢と愛の為にあなた達を倒します』って」

 

シトリーさん、随分激しいことを言うね。そう言う感じじゃないからちょっと驚いた。それにしても『夢と愛』、か。きれいごとだけど、いいじゃないか。

 

「学校……レーティングゲームの学び舎。ソーナは人間界で学生をしながら、その学校のシステムを学んでいた。夢の為に、未来の為に」

 

「部長、匙も似たようなことを言ってました。『先生になる』って。すげぇ目を輝かせて、それでも真剣で……」

 

そうか、匙君もか。こりゃ、一筋縄ではいかなくなってきたな。相手の『意地』がとんでもないことになってきそうだ。

 

「そうね。きっと、ソーナの眷属も皆、ソーナの夢の為に戦うわ。そして、大地の為に。……それでも私は勝つわ。私達にだって『夢と愛』があるもの」

 

そう言うリアスの表情は強いものだった。次のゲーム、さぞや見ものになるだろう。

 

ただ、これは邪推だが、リアスとシトリーさんはサーゼクスさんとセラフォルーさんの妹だ。おそらく、『代理戦争』的なものとして掲げられている可能性だってある。そう思うと、心底腹が立ってくるな。

 

「リアス」

 

「何かしら?」

 

俺はリアスの名を呼ぶ。彼女がこちらを向いたので、その頭をそっと抑えて、顔を近づけて額をこつんとぶつけた。

 

「へ?」

 

驚くリアス。ごめんね、今の俺ってテンションおかしいからさ。あとでいくらでも訴えてくれ。

 

俺はそっと顔を離し、リアスの瞳を強く見つめる。

 

「俺としてはどっちにも勝ってほしいと思っている。でも、それはいくら何でも戦いへの侮辱だ。それでも、俺はどちらも応援すると言うクソの行為をする。その上で言おう。リアス、『勝てよ』」

 

俺は言いたいことを自分勝手に言った。俺は大切な人同士が夢をかけて戦うのが辛い。こんな状況で戦ってほしくなかった。女々しいし、悲劇のヒロインを気取っているのは分かっている。だけど、苦しいんだ。

 

だからこそ、俺自身のケジメの意味も込めて、リアスのケツを蹴った。これで俺は心置きなくとは言えないけれど、二人のゲームを観ることが出来る。

 

俺が言いたいことを言うと、リアスはちょっと驚き、そして意を決した表情になる。

 

「大地、ごめんなさい。我慢出来ないわ」

 

「え、何を?」

 

次の瞬間、俺の左頬に唇の柔らかい感触が走る。

 

「おぉ……!お二人とも、やりますな……!」

 

「にゃ!?リアス、マジで?!」

 

外野の声が聞こえる。え、もしかしなくても、今しているのってキ……

 

リアスが離れていく。ちょ、ま、マジ?

 

「当然。やるからには勝つわよ」

 

「え、あ、はい」

 

俺が混乱していると、リムジンが停車した。どうやら目的地に着いたらしい。

 

俺達はリムジンを降りる。そこには従業員さん達が並び、俺らを案内してくれる。

 

「大地様、我々はこちらですぞ」

 

幽さんに腕を引っ張られる。え、違うんですか?リアス達と一緒じゃないの?

 

「俺達は違うのか?」

 

俺がそう訊くと、幽さんが説明してくれた。どうも、俺らの登場はセラフォルーさんが俺のファンである若い子たちに向けたサプライズプレゼントみたいなもので、そのお話の機会もあげるとか。そういやそんなことを聞いていたような気がする。

 

で、そのサプライズをする出番まで時間があるから、用意されている一室で待機なんだっけか?いいなー皆、俺もそっち行きてぇよぉ。

 

確か、俺が一言何か言って、その時に『悪魔の駒』を手に入れたこともそこで発表だっけ?眷属も増えたし、彼女らの紹介も込みだったな。いやぁ、やること多いからさっさと済ませよう。

 

俺と黒歌、幽さんはリアスとは別のエレベーターに乗る。

 

エレベーター内での待機時間、俺はふと頬に触れる。そこはリアスの唇が触れた所。

 

「何、ご主人様。意外とロマンチスト?」

 

俺の顔を覗き込むようにし、ニヤつきながらそう言う黒歌。何だこいつ、その唇にブチューっと行くぞ?

 

「違う。ちょっと現実離れしていて、到底受け入れられないだけだ。彼女の好意を無下にするつもりはないが……何つーんだろうな、この難しい感覚は」

 

人には喜怒哀楽がある。でも、それだけで表現できる程人間の感情は簡単じゃない。だからこそ、この感情の表現方法が分からないのだ。

 

いよいよ頭がこんがらがってきた。もっとシンプルにいこう。ガブリエルさんのおっぱいが恋しくなってきたな。でも彼女に会うのはちょっと怖い。その、簡単に一線を越えそうで。

 

『チン』と軽快な音が聞こえると、エレベーターの扉が開いた。シンプルながら高級だと分かる空間がそこにある。

 

従業員さんに案内されて、部屋の扉の前に来た。なるほど、サタンさんとウェディング様、じゃなくてステラネスさんはここにいるのか。

 

俺はノックして部屋に入る。

 

「失礼します」

 

俺が入ると、そこにいたのは赤いドレスを纏ったサタンさんと灰色のドレスを纏ったステラネスさんがいた。わぉ、すっごい綺麗。

 

「来たか、大地様」

 

「お待ちしておりました」

 

二人は席を立って、俺にそう言ってくれる。座ったままでよかったのに。

 

「座ったままで結構だ」

 

「ごすー、後ろ詰まってるよー」

 

「ああ、すまん」

 

黒歌に言われて俺は中へと入る。いやしかし、ほんと美人だな、二人とも。黒歌と幽さんも負けてないけど、何つーか、タッパがデカい分いわゆる『映える』って奴だな。そんな感じだ。

 

俺達3人は部屋の中に入る。そう言えば、黒歌と幽さんはサタンさんとステラネスさんとは初の顔合わせになるのか。

 

「どうもでーす。お、おぉ……すんごい身長……!」

 

「失礼します」

 

黒歌がそう言うと、照れくさそうにするサタンさんと変わらない無表情のステラネスさん。

 

「黒歌殿とはネット越しでは顔を合わせましたが、こうして直接の対面は初めてですな、お二方」

 

「そうだな。我らより先に眷属となった二人の顔も直接見たかった所だ」

 

「そういや、幽は元々ベリアル家から来たんだっけ?」

 

「ええ、そうですよ」

 

クレーリアさんの時のことを忘れていた馬鹿もいますよ。そこは『人は変わる』ってことで許してください。

 

俺は席に座る。うーん、高級な椅子や。パイプ椅子の方が慣れ親しんだ感じがあって、恋しくなる。

 

それにしても、ファン感謝祭みたいなイベント、か。俺はどっちかと言えばそう言う類に縁がなかった人生だったからなぁ。何となくノリと勢いで行けばいいか?

 

俺は何やら話をしている四人の方を見る。何故か立ったままの皆。

 

「座らないの?」

 

俺がそう言うと、皆は顔を合わせて、そしてため息を吐いた。

 

「大地様、我々はまだあなたの伴侶ではございませぬ。故に、そんな簡単に主同様に座るのはよろしくないものです」

 

幽さんがそう説明すると、ポットの方へと足を運んで、お茶を淹れだした。そんな前時代な亭主関白なぞ要らんよ。

 

「俺、そんな古い考え方、嫌なんだけど。ほら、皆とはこう、マフィア的な意味でのファミリーなんだし、もっとゆるーく……」

 

「それでも、文句を言う者は出る。そもそも、そのマフィア的と言うものなら、もっと厳しいであろう。世の流れに疎い我でも分かる」

 

サタンさんにぐうの音も出ない反論をされる。どうしようドキンダム、俺何も言い返せない。

 

――『キスの一つでもしたら?』

 

お前、何でいつもそんなセクハラばかり要求してくるの?

 

「ご主人様、そう言う感じよね。んじゃ、遠慮なく座るわ」

 

そんな中でゆるーくいる黒歌は俺の隣に座った。そうだよ、こう言うのだよ。こう言う感じを俺は求めてるんだよ。

 

「ほら、三人も座ったら?ご主人様、色々アレだから慣れていかないと」

 

黒歌がそう言うと、ため息が三つ。そうして、サタンさんとステラネスさんは座り、幽さんはお茶の数を増やした。

 

幽さんが淹れてくれたお茶を啜ること十数分。どうやら出番が来たらしく、ホテルの方が呼び出しをしてくれた。

 

「さて、行くぞ。皆」

 

俺が立ちながらそう言うと、皆も一緒に立ち上がった。

 

俺達はホテルの従業員さんに案内され、大きな広間の扉前まで来た。

 

「スゥー……ハァー……」

 

深呼吸を一つ。中では司会の方が話を進めている。

 

「ご主人様、緊張してきた?」

 

黒歌がそう言ってくる。そうだよ、緊張するよ。話すこともある程度考えたけど、それでもいい感じかどうか分かったもんじゃないからな。ヤバくなったらドキンダムとアポロヌスに頭痛で止めてもらうけど。

 

「そりゃな。俺だって人の子だからな」

 

「それじゃあ、キスでもしておく?」

 

「どうしてそうなるんだ……」

 

黒歌の冗談で、少し緊張がほぐれた。ほんと、いい眷属を持ったよ。リアス、君みたいな素晴らしい『王』を俺も目指すからな。覚悟しておけよ。うかうかしていたら俺が君を越えていくからな。

 

『それでは、スペシャルゲストの登場!入って来て!』

 

司会の方は誰……いや、声で分かった。セラフォルーさんだ。あの人が司会をしているのか。多才なお方ですな。その才能、俺にも分けてほしいのだ。いや、魔王をやるならそれくらい多才じゃないといけないのか?

 

彼女が俺を呼ぶ。すなわち俺の出番。さて、行くか。俺は扉を開いてパーティー会場へと入った。

 

視線が一気に俺に集まる。ごめん、やっぱ帰っていいですか?

 

Side out




分かっているのか分かっていないのかあいまいなラインで女を誑し込む行動を取っていく男。それが岸波大地。どうする、この女の敵?処す?
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