知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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そういや、今日はウルトラマンの日ですね。本作品でもお世話になっております。ほんと、長寿コンテンツですよね。滅びに瀕した時も見ましたけど、よく立ち直ったと思います。これからも応援しますよ。


第109話 髭の不安

アザゼルside in

 

「全く、コールブランドですか。厄介なことになりましたね」

 

シェムハザ君がそう言うここはパーティー会場。皆楽しそうに酒を飲んでは語り合っている。かく言う俺もさっきまでカジノに行っていた。何でここに戻されているのかって言うと、シェムハザが言いたいことがあるらしいと報告を受けて戻って来たんだ。ったく、いちいち真面目なんだよ、こいつは。

 

コールブランド。それはエクスカリバーの前身とも言える聖剣の王。それを扱える奴が『禍の団』(カオス・ブリゲード)、それもヴァーリの独立部隊にいるって話だ。全く、面倒なことになった。

 

正直、コールブランドを破壊するだけなら岸波に丸投げすればいい。あいつに壊せないものがこの世界にあるなら、それはきっと古い神様連中の頑固さくらいだろうな。

 

ただ、コールブランドは天界側にとっても貴重なものだし、壊したら壊したでどこぞの神様みたいに何かしらのバランスの崩壊を起こすかもしれない。だから岸波を突撃させるのはやめた方がいい。世の中はそんなアルゴノーツのイアソンとヘラクレスの関係のように簡単じゃないのだ。

 

―「いけ、岸波!」

 

―「グギュグバァッ!!!」

 

……やってみてぇなぁ。あいつのことだ、頼んだらやってくれそうだ。

 

タンニーンの報告を聞いたが、どうやらイッセーの禁手(バランス・ブレイカー)状態の維持時間もだいぶ長くなったようだ。それに、生き延びようとする意思の強さもそれなりになったとか。とりあえず、これで足手まといは卒業かと思うぜ。

 

遠くではそのタンニーンがちびドラゴンとなって悪魔の上役と仲良し気に話している。内容は、もうすぐ開かれるリアスとソーナ・シトリーの対決。その予想だ。

 

「俺はリアス嬢を応援させてもらおう。何せ、俺が直々に鍛えた赤龍帝のガキがいるんでな。面白いもんだ、ちょっと火を噴いていただけで生への執着を力に変えるのだからな。これからが見ものだ」

 

「アザゼルのもたらした知識は素晴らしい。レーティングゲームに革命を起こすと言っても過言ではない。下手すると、十数年ぶりに上位陣が変わるかもしれない」

 

随分呑気なもんだ。協定を結んだとは言え、お気楽なもんだ。

 

そんな時、部屋のドアが開かれる。そこにいたのは古ぼけた帽子をかぶった隻眼の爺さんだ。それが誰なのかを知らない奴はここにはいない。

 

「ふん、全く若造共は老体の出迎えさえも出来んか」

 

「オーディン」

 

北欧の神々。その上に君臨する主神オーディン。ご丁寧に鎧を着た戦乙女のヴァルキリーまで連れてのご来場だ。

 

「おーおー、随分久しぶりじゃねぇか、北の田舎のクソジジイ。何だ?認知症特有の徘徊か?」

 

「久しいの、悪ガキ堕天使よ。長年敵対していた者達と随分仲睦まじくしているようじゃな。相も変わらず小賢しいことでも考えておるのか?」

 

相変わらずの減らず口を、髭をさすりながら言うオーディン。

 

「古いしきたりで雁字搦めになっているおじいちゃんたちとは違って、俺ら若いのは柔軟なのさ。敵対よりも、己の発展さ」

 

「弱者共らしい遠吠えじゃな。所詮は寄るべき神と魔王を失った身か」

 

ったく、このジジイはいけ好かねぇな。

 

「『独り立ち』、とは言えんのか。このじいさんはよ」

 

「悪ガキのお遊戯会など、欠伸しか出んわ」

 

あーやだやだ。これだから岸波の脅威と高潔さを知らない奴はダメだ。あいつと近くにいれば、いやでもこうなるわ。

 

そんな埒が明かない罵倒合戦をしていると、サーゼクスが席を立って招いた。

 

「お久しゅうございます、北の主神オーディン殿」

 

「サーゼクスか、久しいの。ゲーム観戦の正体、来たぞい。しかし、お前も難儀よの。本来の魔王ルシファーの血筋が白龍皇にしてテロリストとは。悪魔の未来は容易ではないのぉ」

 

オーディンの皮肉を受けてもサーゼクスは笑顔のままだ。真面目な奴だ。きっと岸波だったらどうなっていたか。あいつもあいつで王子の身分だった以上はサーゼクスの考えも理解出来るだろうけど、それはそれとしてやられたままの男じゃねぇしな。きっと面白かったろうな。

 

「時にセラフォルー。その奇抜な恰好はなんじゃ?」

 

ジジイの視線がセラフォルーに移る。当のセラフォルーは魔女っ娘、日本のアニメのコスプレだ。こいつもこいつで変な所あるよな。岸波も変な女に好かれやすいもんだ。その筆頭のラヴィニアを知っているが故に、余計にそう思ってしまう。

 

「あら、オーディン様!ご存知でしょうか?これは魔法少女ですわよ☆」

 

「ふむ。若いのにはこういうのが流行っているのか。悪くないのぉ」

 

スケベジジイめ、セラフォルーの足とかに視線を移してやがる。

 

そんなスケベジジイを諫めるように横やりを入れる人影が一つあった。オーディンが連れて来た戦乙女ヴァルキリーだ。

 

「オーディン様、卑猥なことはいけません!ヴァルハラの名が泣きますよ!」

 

「全く、お堅いのぉ。そんなんだから勇者(エインヘリヤル)も満足にものに出来んのじゃぞ?」

 

オーディンの一言にヴァルキリーはついに泣き出す。何だこいつ、面白いの。

 

「わ、私にもかっこいい勇者様がいるもん!例え年齢=彼氏いない歴でも迎えに来てくれるもん!」

 

「……アザゼル、この夢見る少女にブラックゾーンを紹介してやってくれ」

 

「いや、うん……」

 

余りに悲壮感溢れる姿に、俺は言葉を濁した。

 

それからオーディンはふてぶてしく椅子に座るとゲームの話に戻った。こいつもこいつで土地柄ならぬ神話柄戦う勇者が好きだからな。本当は内心で岸波の奴を奪う気満々だろうよ。

 

その後、俺は休憩のために廊下に出て、長椅子に座った。全く、お偉いさんの会談とかは肩が凝っていけない。もっとパーっと酒でも飲んでワイワイしたいもんだ。

 

俺がのんびり長椅子に座っていると、そこに人影が一つ。サーゼクスだ。こいつも抜け出してきたのか?いや、それはないだろ、こいつに限って。じゃあ、何だ?

 

「アザゼル、ゲームが始まる前に一つ訊きたいことがある」

 

「何だ、急に改まって?」

 

「お前がリアスの対戦相手なら、グレモリー眷属の中で誰を確実に取りに行く?」

 

「イッセーだな」

 

サーゼクスの質問に、俺は即答した。

 

「元々リアスのチームは岸波に依存している。小猫のような直接的ですらない者も含めてな。だからこそ、あいつに似たイッセーに依存するのは分かりやすい。その依存はチームのテンションの維持に直結する」

 

『士気』ってのが世の中にある。どんだけ力がある奴でもテンションが低いと本領を発揮できず、格下に負ける。そんなことが世の中にはあるのだ。その逆もまたしかり。

 

他者を惹きつけるのがドラゴンの常。

 

分かるぜ。イッセーはリアス達の精神的な柱となってきている。岸波から叩き込まれた『不屈の心』が他の眷属悪魔達の力となっている。主のリアスですらイッセーに依存している節があるんだ。

 

実は今回の修行ではイッセーを除いた全員に課したかったが、量が多すぎて止めた課題がある。それは『特定個人への依存からの脱却』だ。

 

特定個人は、誰と誰かは言わずとも分かるだろう。まずは頼りすぎないことから始めるようにしたのだが、これが中々に難しい課題となった。おそらく、ゲーム本番まで直らないだろう。いや、もしかしたら、岸波とイッセーを同時に失うことでもなければ、現実を直視できずに依存から脱却することなど無理かもしれない。

 

それ程に根深いものとなっているのだ。流石に俺も頭を抱えた。だって、俺も岸波に依存していないと言われればNOと断言出来ないんだからな。

 

俺は俺で不安を抱え、サーゼクスもサーゼクスで妹のゲームの結果を案じる。何ともまぁ、すっきりしないゲームなことだ。

 

アザゼルside out




さぁ、サクッと行きましょう。サクッとね。

【短期間アンケート】大地君の眷属、男キャラやドラゴンみたいな怪物系もありだと思う?

  • ありやで
  • 断るンゴ
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