知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
俺が新たに殲滅の覚悟を決めた後、サーゼクスさんとセラフォルーさん込みでアザゼル先生に見てもらいたい映像があるとのことで見ることになった。内容はゲームだ。先生曰く『学びになる』とのことだ。俺もリアスのゲームしか見ていないから、他のやり方を学べるのは好都合だと思い、同席することにした。
そこから始まるゲームの映像。それは若手悪魔のゲーム。直近であった奴だ。
まず初めに見たのはサイラオーグさんとグラシャラボラス家のもの。内容としてはサイラオーグさんの無双で終わった。それも、眷属達が活躍してないわけじゃないタイプの無双のし方だった。これには『天才すぎる』と兵藤も褒めていた。
だが、それを否定する声もあった。どうやら、サイラオーグさんはバアル特有の滅びの力を引き継げなかったんだとか。なのに、同世代のリアスはお母様がバアルと言うことで、滅びの力を受け継いだ。『他人の家のガキがお家の力を受け継いだ』。まー、その過去は想像を絶するものだと分かりやすいよね。
何もなかったサイラオーグさんは血反吐を吐く努力をして、今の地位を得た。そして、次期当主の座を射止めた。すばらしいね。こんな状況じゃなかったら、今すぐに会いに行きたいくらいだよ。
で、次はゲロ以下野郎とシークヴァイラさんの試合だ。
「何て?」
俺は思わず驚きを隠せなかった。その試合の結果はシークヴァイラさんの敗北だった。
リアスが言うには、シークヴァイラさんの若手内での実力はサイラオーグさんに次ぐ2位。簡単に負けるような女じゃない。だが、そのシークヴァイラさんが呆気なく負けた。
何か策謀を巡らせたとかではない。あのゲロ以下野郎に単騎駆けされて、敗北した。
意味が分からない。もしあのゲロ以下野郎が実力者だと言うのなら、リアスが知らないはずがない。何よりも、ドキンダムたちがそれを勘づかないはずがないし、俺だって何となく分かるはずだ。
ドキンダム、これは一体?
――『お前と俺らの勘は合っている。あいつは、実力者じゃない。何かヤバい方法でシークヴァイラに勝った。それだけだ』
ヤバい方法?何だよ、それ……。
「岸波、お前も流石に気づいたか?」
アザゼル先生がそう言うので、俺は頷いた。
「俺が顔合わせの時に出会ったゲロ以下野郎は決して強いと思えなかった。何なら、今の
「だろうな。ジャイアントキリングが名物なレーティングゲームでも、ここまでひどいものはない。仮に『今まで実力を隠していました』なんてことだったとしても、ここまでのを隠すなんて魔王だって無理だ。サーゼクス、お前は知っていたのか?」
アザゼル先生の問いに、サーゼクスさんは首を横に振った。
「いや、知らなかった。何ならアジュカですらも、だ」
どうやら、アジュカさんも知らないようだ。余り話したことがない相手だからアジュカさんの人となりを決めるのは難しいとはいえ、セラフォルーさんの言い分が正しいなら、真面目な方だと思う。だからこそ、同僚のサーゼクスさんにこんな変な真似はしないと思うんだ。
「こりゃ、相当ヤバいもんが眠ってるぞ」
「そうだね……」
アザゼル先生の言葉にセラフォルーさんも頷くだけだった。
「リアスは何か知っているか?」
「知っていたら話しているわ。私だって、この結果は信じられないのよ?どうしてなのか教えて欲しいくらいよ」
同期のリアスも知らないとなると、本当に謎になってしまう。
それにしても、強い。シークヴァイラさんだって弱いはずがないし……。じゃあ、何で彼女が負けたのか?それは間違いなく、あのゲロ以下野郎が強かったから。しかも盤面を単騎でひっくり返せるくらい。
そんな方法あんのか?だって、サーゼクスさんどころかアジュカさんすら知らなかったことだぞ?それほどにまで隠し通していたことだってのに……。なら、どうやってあそこまで強くなった?超短期間で禁断ブートキャンプ[死んでも知らんぞコース]でもしない限りは無理だぞ?
…………あー、一個あったわ。
「ドーピング」
「ダイチ?」
リアスが信じられないものを聞いたかのような反応をする。見れば、周りの皆も俺に視線を向けている。
サーゼクスさんとセラフォルーさんは『それに至ったか』と言う感じの視線を感じた。
「ドーピングなら、あそこまで強くなれるのも納得が出来る」
そう、ドーピングだ。現実のスポーツ競技では御法度とされるもの。試合前に何かしらの形で薬物なりを摂取し、肉体の強度や運動能力を限界までやそれ以上に高める。そんな奴。
「アザゼル先生、レーティングゲームって言うのは、試合前にドーピング検査とかはしますか?」
俺はアザゼル先生にそう訊いた。彼は首を横に振った。
「いや、ガッツリやると言うのは聞いたことがない。大体そんなことをすれば、家を潰されかねないほどにゲームってのは人気だし、アジュカ筆頭の魔王の怒りに触れることになるからな。そんな危険な賭けをする馬鹿なんざありえん。だから暗黙の了解で検査自体やらねぇことの方がほとんどだ」
「でしょうね。だからこそ、そこを突いた。あの野郎はドーピングをした。それこそ、人間界にもある薬物であったり、冥界にだけあるような魔力の形での増強であったり。手段は問わず、色んな方法でのドーピングが考えられる」
「だが、あそこまで強くなる代物は冥界では流通していない。それこそ、裏も裏なルートでなければそんな薬物は存在しえないだろう。今からでは遅いだろうが、調査せねばなるまいな」
サーゼクスさんは俺の言葉を否定気味な反応で返した。そうだろうな、俺もそう思う。でも、実際ドーピングをしている線が一番安牌になっているってのが現実だ。
そんな風に思っていると、アザゼル先生はサーゼクスさんの言葉を更に否定した。
「サーゼクス。つい最近だが、ヴァーリの馬鹿から『ある物』が届けられた」
「『ある物』?」
首をかしげるサーゼクスさん。そして、アザゼル先生は言った。
「『蛇』だ」
『蛇』?
「アザゼル、それは一体なんだ?」
アザゼル先生は説明した。
「俺達の研究と、その『蛇』に付随していたヴァーリのメモから分かったことだが……ありゃ、オーフィスの力の一端だ」
「何だって?!」
「アザゼルちゃん、それって……?!」
魔王様二人が驚く。そんなにヤバい代物なのか、『蛇』ってのは。
「そいつは一度摂取すれば、寿命を大きく削る代わりに膨大すぎる力を得る。どんなに弱い奴でも、上級悪魔レベルまで持っていける。協定の時の会談でカテレアが堂々としていたのは、『蛇』を摂取していたからだ、そうだ」
「そんな、馬鹿な……!」
そうか、『蛇』ってのを摂取すれば強くなれるのか。
…………あれ?これって、相当ヤバい案件になってきてない?だって、ここでそのオーフィスって言うテロリスト集団の親玉の力の一端の『蛇』って話が出るってことはよ……つまり、『そう言うこと』だよな?
「アザゼルちゃん、もしそれが本当なら……」
「ああ、そうだな。少なくとも、どこぞのテロリスト集団と関与があるってことだ。そうなると、まずアジュカは無事じゃ済まない。何なら、お前らも巻き込んで現魔王制度自体に楔を打つこととなりかねん。手を打つなら、早い方がいい」
「そんな……!」
俺の握り拳に力が入る。あのゲロ以下野郎、本当にゲロ以下じゃねぇか!てめぇが在れるのは、サーゼクスさん達のおかげだってのに、そのサーゼクスさん達の想いを踏み躙るって言うのかッ!!
「いよいよ、あのゲロ以下野郎に容赦する理由がなくなりましたよ、サーゼクスさん」
「……ああ」
「アジュカさんに言っておいてください。『あんたの身内を徹底的に壊す』って」
「……分かったよ」
そう言って天を仰ぐサーゼクスさん。辛い役目を押し付けて申し訳ない。でも、それをするためにあんたは高給取りだったんだ。腹くくれよ。
「今言った『蛇』については謎がまだ多い。他言無用だ。そもそもここで話されたことは、今の悪魔社会を壊しかねないものだ。リアス達、消されたくなければ……分かってるな?」
アザゼル先生が本気の目でリアス達を脅した。それに頷くだけの彼女達。
「まだ憶測の段階かもしれない。だが、今回のはちょっとばかり間が悪すぎる。そのせいで憶測が確固たる現実になってきている。リアス達、お前らにも飛び火するかもしれない。覚悟しておけ」
「分かったわ」
まずいな、胃が痛くなってきた。ここまで来たら、ゲームどころじゃないぞ……。
アーシアを手に入れるだけなら、アーシアに直接会って交渉すればいい。悪魔ならそうすべきだろう。だが、奴はそれをしなかった。周りを潰し、俺を潰しに来た。それだけじゃない、その為にシークヴァイラさんまでも巻き込んだ。これは、許さんぞゲロ以下野郎。死んであの世で詫びることすらも許さん。お前をゼロにしてやる。
Side out
次回、眷属集めの本格始動。
【短期間アンケート】大地君の眷属、男キャラやドラゴンみたいな怪物系もありだと思う?
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ありやで
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断るンゴ